不健全鎮守府   作:犬魚

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もう11月ですって

【登場人物】

提督(温泉待ち)
日々の業務に疲れた大人、温泉行きたい

白露(旧型)
可愛さ、性格、パイオツの大きさ、あらゆる面で新型に劣る旧型の長女、この時期は焼き芋カーにフラフラ寄って行く


提督と秋の国際交流戦

秋も深度を下げてきた気がする今日この頃、基地の見回りでもするかとブラブラしていた俺はなにやら普段にも増して大歓声の響く体育館にこれはなんぞや?と興味津々丸になったワケだが…

 

『ウワァァァ!ユウダチとムラサメの二人掛かりでも止められねーッ!』

 

『…ってか反則通り越してバケモノ過ぎやろ?』

 

『これがMAJORの実力なのかーッ!!』

 

………今日のゲームは国際親善試合、MAJORの怪物、ジョンくん擁するアイオワ率いるインターナショナルチームVS白露型キセキの世代の5人+海風江風を揃えたジャパン最強センバツ!

 

「クッソ!あの外人、デカい口叩くだけあってマジハンパねーっぽい」

 

「この村雨を舐めてくれるじゃない、ゼッテーひねり潰してやるわ」

 

以前、チーム瑞穂を赤子の首を捻るように蹂躙し、サルはバスケごっこ止めてくれと陽気なアメリカンジョークで会場中をドッカンドッカン笑わ……キレさせてくれたジョンくんだが、やはりその実力は本物…っ!

 

自称、可愛いくて、対潜ができて、可愛いくて、対空ができて、しかも可愛いアタシと豪語するだけはある、まさかあの夕立と村雨のダブルチームすらブチ抜くとは…

 

「あ、テイトクじゃん、テイトクも試合見に来たの?」

 

「キミは……素行不良で退部させられた白露ェ…」

 

「素行不良違うし、ってか退部どころか同じチーム組んだことないし」

 

観客席でアツアツのベニサツマを片手にベンチに座っていた白露は自分の隣空いてるからここ座っていいよとベンチをバシバシ叩いた

 

「で?どーなんだ試合は?」

 

「ん〜……や、ハンパないわ、あの外人」

 

「ハンパねーのわかるってばよ、っーか勝てるのか?アレ」

 

「そうだね〜…とりあえずあのジョンストンってのマジでハンパないけど、それ以上にあっちの外人がヤバい気がするかな〜」

 

「あっちの外人?」

 

白露が指す方向に居るのは………姉妹最強の絶対王者時雨様とそのマッチアップに付く金髪巨乳の美少女…

 

「ほぉ、フレッチャーくんか」

 

恵まれた身体を持つジョンくんをも超えるその駆逐艦とは思えない駆逐艦離れした身体はまさしくワールドクラス、おそらく、並の駆逐艦では相手にはならないのも納得と言ったところなのだよ

 

「しかし時雨様には無敵のズガタカがあるのではないかね?」

 

対戦相手に身分の違いを教えてくれる時雨様の必殺技、ズガタカ……駆逐艦の身でありながら絶対王者西村艦隊のリーダーとして君臨し、しかも、それがごく自然なことであるように思わせる異常性…

以前、五月雨は時雨様に“まるで息をするかの如くごく当たり前に人を従わせる”と言っていたな…

 

「それがどーにもあの時雨が攻めあぐねてるみたいなのよね」

 

「バカな!?あの時雨様が!」

 

ありえない…っ!あの無敵の時雨様が…っ!それほどか……!それほどまで凄まじいと言うのか、MAJORの力は…ッ!!

 

ーーー

 

第2Q終了時点で点差12点、考えうる限り最強であるハズのチームでもなんとか持ち堪えるのがやっと…

チーム全ジャパンを率いる最高にハクいオンナカントクと名高い瑞穂にも現状を破る策が思いつかないこの状況…

 

「フーッ〜……カントク、あのジョンストンとかゆークソガキと……一対一(サシ)でヤらせてください」

 

「ハルサメちゃん、でも…二人掛かりでもやっとなのよ?アナタ1人でどうこう…」

 

あのジョンストンは2人でも止められないモンスター、そんなモンスターを相手に1人などあまりにも無謀…

 

「おっし、じゃーハルサメ任せたっぽい」

 

「抜かれたら膝の皿叩きわるわよ」

 

「ユウダチちゃん!?ムラサメちゃん!?」

 

そんな無謀に、チームの仲間達は信じているのが当たり前と言うようにハルサメの背中をバシバシ叩いた

 

「カントク、僕からも頼みます、ヤらせてやってください……おそらく、あのバケモノに対抗するにはこちらも怪物(姫級)を出すしかない」

 

「し、時雨ちゃん……まぁ、時雨ちゃんがそう言うのなら」

 

「あと、みんな聞いてくれ……僕はどうやらあのフレッチャーと相性が非常に悪い、あの金髪巨乳……どうやら僕と同系統の眼があるらしい」

 

時雨曰く、フレッチャーの“聖女の眼(マザーズ・アイ)”はまるで我が子が次に何をするのか何を欲しているのかを予測するかの如く未来を視る事ができるらしく、さらにその視野は時雨様より上を行くと…

 

「マジかよっぽい」

 

「ただの金髪巨乳じゃねンだわってワケだ」

 

あのジョンストンを従わせている時点でただの金髪巨乳とは思っていなかったがまさかこれほどとは…

 

「だが、策はある、後半は必ず攻略する、みんな……僕に任せて欲しい」

 

「あったり前だろォ!」

 

「ってか、時雨様以外に誰が止められるんですか」

 

「ありがとうみんな、よし!勝つぞ!」

 

『『『ウオっす!!』』』

 

ーーー

 

『出たァー!イタリア人のメスガキドリブル!』

 

『たしかに、ザコチ●ポには決して負けない無敵のドライブやが………それでも勝つのはユウダチや!』

 

『ウワァァァァァァァァ!!メスガキまるで相手にならねーッ!オトナパイオツに完全にパワー負けだー!』

 

後半戦、対ジョンストンに全力を出し切ったハルサメ、そして膝を痛めたムラサメを江風・海風に交代し最後の攻防へッ!!

 

『ユウダチとカワカゼ、ダブルエースの覚醒(ゾーン)だーッ!!』

 

『しかも外も死んでない!サミダレのスリーまったく落ちる気配しねーッ!』

 

残り時間2分!!ついにMAJORの背中を捉えたッ!!

 

「オイオイオイ、これ勝っちゃうんじゃない?なぁ?白露ねーちゃん、これ勝っちゃうんじゃない?」

 

「さぁ?どーだろ?」

 

「オイオイ、そんなだからチームにも入れず芋ばっか食ってブーブー屁ぇコイてる屁コキ長女とか言われるのだよ」

 

「屁コキ長女とかゆーな」

 

「まぁ、長女と言えば既にチームには可愛さ、気配り力、健気さ、パイオツの大きさ、その全てがオマエより上の新型の長女である海風ねーちゃんがいるから問題ないか」

 

「うるせーし!!ってか長女はアタシ!アイツは下!七女!」


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