不健全鎮守府   作:犬魚

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陽炎型フェア実施中

【登場人物】

提督(準備中)
鬼畜上司系メガネ男子、俺の下で足掻くのを見るのが何よりも好きなSの鑑

舞風(金)
ストリート系のダンスを得意とし、何よりもFREEDOMを尊ぶ勇者

野分(銀)
スター属性のイケメンプリンス、PRIDEはあまり高くないらしい


提督とまいのわとファンタスティック・獣

秋の日はTSURUBE-OTOSHI、夕方かな?とまだ大丈夫かな?と思っていた太陽が次に見たときには即墜ちしてるこの季節、明石の店で菓子パンと缶コーヒーでも買うかと考えつつ歩いているとナニやら仮装してるアホどもをチラホラ見かけた………

 

………仮装?あぁ、アレか、そう、そろそろアレの季節だったか?ほら、アレだよアレ、なんっーか、ほらアレだ、まぁ、アレの季節なんだからアレすんのはしょーがないってヤツだな

 

「あ、テイトクだ」

 

「ゲッ…!テイトクか……こんにちは」

 

廊下を歩いていると、バッタリ出逢ってしまった運命…

そう、バッタリだ……一流同士は時として意図せずに偶然に出逢うコトがあると聞く、ならばこの出逢いもまた必然…

天は俺に彼女へと引き合わせ、ナニかを求めているのだろうと言葉ではなく心で理解した…

 

「キミは……舞風クン」

 

「押忍!舞風です!」

 

数ある駆逐艦姉妹の中でも群を抜き、圧倒的輝きを放つスター集団、陽炎姉妹の十八女、舞風クン、そして……

 

「………誰コイツ?」

 

「野分です」

 

「野分…?ハハ、野分?ハハ…ナニを言ってるんだい?野分クンは頭から犬耳なんか生えてないし尻尾付きア●ルプラグなんか刺してないよ、人違いじゃないかい?」

 

いやいやいや、野分クンったらアレだよ、アレ

俺、天龍、木曾、S.H.B-スーパーハンサムボーイズ-を抑え基地バレンタインチョコ獲得ランキング毎年1位、その甘いマスクとどこか品のある物腰から“レズの王子様”と呼ばれている俺達スーパーハンサムボーイズのキラメキでも太刀打ちできないイケメンオブイケメンだ…

 

そんな王子(プリンス)様が…っ!!

 

そんな王子(プリンス)様が……っ!!

 

「や、のわっちですよ、コイツ」

 

「マジか!?え?マジなのか!?」

 

のわっちクンの唯一無二の相棒である舞風クンがそう言うのだから間違いないのだろう…

いや、たしかに、よく見るとたしかにのわっちクンだ、犬と言うより狼を思わせるケモノ耳、そしてア●ルから生えているであろうモッフモフのケモノ尻尾、さらに肉球ハンド……これはもうのわっちクンと言う名のワンダーランド、サ●ナクロー寮待った無しなのだよ

 

「ハーロイーンに相応しい粋な仮装でしょ?」

 

「然り、たしかに粋な仮装なのだよ」

 

舞風クン曰く、第四駆逐隊はチームとしての結束を強めるべく今年はみんなで仮装しようZE!と誓い合ったのだが様々な事情により、衣装はのわっちクンのものしか用意できず、とりあえず、今年はのわっちクンを先頭に練り歩くセンにしたらしい…

 

「と言うか、別に私が着る必要はなかった気が…」

 

「バッキャロー!!第四駆でのわっち以外の誰がその衣装を着こなせるって言うのさ!!」

 

「え?普通に舞風とか…」

 

「バッキャロー!!そんなハズカシー衣装なんか着れるかよ!!バカにしてんのかーッ!」

 

「バカにはしてないけど………ってか、みんな似合う似合うとかおだててたケド、心の中で笑ってたの?嵐とか必死に堪えてたの?」

 

クールでイケメン、そんなのわっちクンはマジかよみたいな顔でションボリとしていたが、そんな姿もまたイケメン…

 

「まぁまぁ、のわっちクン、提督としてはのわっちクンの衣装は良いと思うのだよ」

 

「そうですか?」

 

「テイトク、ウソツカナイ」

 

そう、ハッキリ言って似合う…

このウルフ的な仮装によりのわっちクンが獲得したものはおそらく………“野生”

五感が研ぎ澄まされたその感覚によって相手の行動に対して直感的に反応することが出来るスキルで、予測よりさらに速い反応が可能となる…

 

白露型キセキの世代である夕立はこの“野生”と“敏捷性(アジリティ)”を組み合わせることにより、ありえないフォームからでも撃ってくる“型のない砲撃(フォームレスシュート)”を得意としており、キセキの世代のエースのカンバンは伊達じゃない

 

「なんでカタコトなんですか…」

 

「カタコトじゃない、提督だ」

 

「ま、いいですけど…」

 

あくまでクール、そして心までイケメンののわっちクンは大して気にした様子もなく肩を落とした

 

「あ、そーだ、テイトク、せっかくのわっち仮装してんだし、なんかマミー屋でお高価いお菓子買って」

 

「やだよメンドくさい、なんで俺がお前ら下郎如きに菓子を振る舞わねばならんのだ、身分の違いを弁えろ」

 

「えー!!いいじゃん!私とのわっちの分だけでいいからさ!」

 

「やだよ、っーか他の仲良しチームメイトの分はいいのか?たしか嵐クンと、萩クンだったか?」

 

「や、うち、甘い物に超厳しいんで…」

 

「はぁ?」

 

舞風クン曰く、舞風クン達第四駆逐隊は健康オタクの萩風クンにより“徹底な健康”をスローガンに強いられているらしく、朝昼晩の食事以外に間食などまずありえない、スナック菓子や炭酸飲料など毒劇物指定されており、もしバレたら胃液が出るまでお腹パンチされるそうな

 

「まぁ、あの健康オタクぶりはオタク通り越して病的だけど…」

 

「だよねー、あ、のわっち知ってる?こないだ嵐が隠れてコーラ飲んで血尿出るまでおしっこ出させられたって…」

 

「そいつは災難だな」

 

「ちょっとテイトクからも萩風に言ってやってよー、ちょっとエロい下着穿いてるからってチョーシのんなって」

 

「やだよメンドくさい、あと萩風クンはそんなエロい下着なのかね?」

 

「モチ!もーヨダレ、ズビッ!のビシバシモンよ!」

 

そうか、萩風クンか、大人しそうに見えてなかなか大胆じゃあないか…?フフッ…

 

「ま、そーゆーワケで部屋には持って帰れないからマミー屋でなんか食べさせてー」

 

「お断る」

 

「即答過ぎる…ッ!!」





次回は帰ってきた、野生

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