不健全鎮守府   作:犬魚

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衝撃!秋雲改二現る!!

【登場人物】

提督(メガネ男子)
高等数学を利用した知性的基地運営を得意とする知性の申し子、好きな言葉は学歴不問

五月雨(青髪ロング)
専業秘書艦、99になって以来、もう何年も出撃してないがいつでもいけるコンディションは整っている


提督と記憶の中でふわふわした改二

「あれ?オイ、サミー子、ここにあった改装設計図知らねーか?」

 

「さぁ?私は見てませんけど」

 

たまには真面目に書類でも整理すっかと書類を整理していると、“重要”と書いたファイルの中に何枚か入れていた気がする改装設計図が見当たらない不思議…

はて?最近使ったか?……いや、使った、たしか加賀のヤローが2枚よこせと言って持ち出してたな、2枚だぞ?2枚、舐めてんのかアイツは…

 

「在庫ないなら普通の勲章と交換しときますか?」

 

「そうだな、2〜3枚交換しとくか」

 

毎月、それなりに頑張ると何個か貰える“普通の勲章”

マゾの証……ではなく、猛将・豪傑の証であるトクベツな勲章、甲勲章とは違い、まったくキラキラしておらず、お部屋のインテリアにも向いていない

 

ちなみにこの普通の勲章、4個集めて申請すると必ず改装設計図が貰えるサービスが実施されており、あって困るものではない

 

「あ、そうそう、そう言えば昨日、秋雲さんが改装設計図持ち出してました」

 

「秋雲が?」

 

「なんかコレを使って秋雲さんもBIGになるとかなんとかブツブツ言ってましたケド…」

 

「ナニ考えてんだアイツは…」

 

重要書類をケツ拭く紙かなんかと勘違いしちょりゃあせんか?これは秋雲のヤローにもわからせてやる必要があるらしいな、この基地の絶対支配者が誰なのかを…

 

「サミーよ、これより秋雲の討伐に向かうぞ!ついて参れ!」

 

「え?普通にイヤですけど」

 

「いやだわこの子ったら、なんてモノグサ太郎なのかしら…」

 

「モノグサ太郎ではありません、五月雨です」

 

◆◆◆

 

秋雲さんは結局のところ陽炎型なんでしょうか?夕雲型なんでしょうか?

 

「ハハ…そうですね、正直、自分がなんなのか、陽炎型なのか、それとも夕雲型なのか、今でも自分の中で答えは出ていませんね…」

 

今回のパワーアップでも答えは出なかったと言うワリにはどこかスッキリした表情のようですが…?

 

「えぇ、まぁ……ですが、答えが出なかったと言うか、自分の中で“納得”はできたと言うか、折り合いがついたと言うか……」

 

“納得”ですか?

 

「えぇ、陽炎型でもない、夕雲型でもない、もしかしたら自分は秋雲型と言うオンリーワンな存在なのかもしれない、そんなふうに考えていた時期が、私にもありました……ですが、ある時、こう考えるようになったんです、陽炎型でも夕雲型でもないのでない、陽炎型であると同時に夕雲型であるんじゃあないかって…」

 

なるほど、どちらでもないではなく、どちらでもあるのだと…

 

「スター性に輝く超個性派姉妹の陽炎型、そしてスーパーエリート駆逐艦姉妹と呼ばれる夕雲型、表と裏、光と影、正と負、プラスとマイナス、SとM………2つのDNAを併せ持つ私にしかできない唯一無二にして私だけの“個性(オリジナル)”………それを理解したんです」

 

悟●でもベ●ータでもない、人間でもカバネでもない的なアレですね?

 

「えぇ、平たく言えば」

 

◆◆◆

 

「秋雲ォー!!秋雲はおるかー!!」

 

天誅である!と叫びつつ、駆逐艦寮の秋雲の居るであろう部屋の扉を開くと、残念ながら秋雲はいなかった…

 

「チッ、すでに逃げられた後か!サミー!彼奴めがナニか残していないか調べるぞ、お前はそこの机!俺はタンスを調べる」

 

「ナニ自然な流れで下着を物色しようとしてるんですか、アレですか?駆逐艦の下着でハァハァするヘンタイなんですか?」

 

「ハハッ!卿は俺がションベン臭い子供パンツなんぞにムラムラする男に見えるのか?だとしたら相変わらず卿はジョークのセンスがないな」

 

「見えま………いえ、ちょっと待ってください、ちょっと微妙な感じですか」

 

「ちなみに、卿にムラムラしないが卿の1つ下の妹にはムラムラすると言うコトだけは伝えておこう」

 

「そうですか、できれば苦しんで死んでください」

 

なんてコト言うのかねこの子は……鋭利な言葉のナイフに念入りに猛毒を塗り込む念の入れ様、大したやつだ

 

そんな大したことを考えていると、部屋の扉がノックされ、秋雲を呼ぶ声と共に扉が開いた…!!

 

「秋雲さ〜ん……って、あら?テイトクと五月雨さん、どうしたんです?」

 

「キミは……夕雲ェ…」

 

「こんにちは夕雲さん、秋雲さんならいませんよ?」

 

やって来たのはスーパーエリート駆逐艦姉妹の長女、夕雲、スーパーエリート特有の戦闘力もさることながら、その、駆逐艦とは思えないまるで完成された欲求不満な未亡人を想起させる色気はハンパではなく、一説には、色欲を司る系のデビルなのでは?と噂されている…

 

「あら?そうなんですか…それは困りましたね」

 

「秋雲さんに何か用事が?」

 

「えぇ、秋雲さんが新たなステージの扉を開けたと言うコトで、みんなで秋雲さんをお祝いしようと…」

 

改二と言う一握りの天才達にしか開けられない門…

その門を開いたのか?秋雲は…!?

 

「まぁ、昔に比べたら改二もバーゲンセールかってぐらい増えましたけど」

 

「なんてコト言うのかねこの子は」

 

そのサミー子は未だに何の音沙汰もないがな、下の妹ですら改二になったのに…

 

「もし秋雲さんを見かけたらマミー屋に来るように伝えておいてください」

 

夕雲姉ェ曰く、夕雲姉妹でもあり陽炎姉妹でもある秋雲を祝うべく、今日はマミー屋を貸し切り朝から両姉妹が揃って秋雲の為に飾り付けなどをしているそうな…

 

「あの陽炎ですら…」

 

「陽炎さんはああ見えて身内には優しいんですよ?」

 

あの陽炎ですら……そもそもアイツ、秋雲を妹と認識してたんだな

 

「わかった、必ず伝えよう」

 

「ではよろしくお願いします」

 

夕雲姉ェはペコォと丁寧に頭を下げて去って行った…

クッ、危なかった……あと5分も彼女と話していたら精神を支配され滾る己自身を彼女にinsertしspermaと生命エネルギーを絞り獲られていたかもしれん

 

「よしもうギンギンだ、秋雲は一旦置いておくとして俺はトイレに行く」

 

「ナニがもうギンギンですか」

 

 

この後、俺たちは秋雲のアホンダラを見つけるコトはできなかったが、秋雲はマミー屋にひょっこりやって来たらしく、陽炎姉妹、そして夕雲姉妹のシスターズ達から大いに祝われ、秋雲ワッショイ秋雲ワッショイと胴上げされ、勢い良く落下して腰に全治二週間のダメージを負ったらしい


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