不健全鎮守府   作:犬魚

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上から下までお上品なお上品回

【登場人物】

提督(私の分は?)
アイハブ……コントロールだァ!!ヒャッハー!

熊野(ありませんわ)
最上姉妹の四女、育ちがいいのだか悪いのだか…




提督と熊野と水上の格闘技

たった一度の今日と言う日、大してやるコトのない俺は喫煙所でメガス●アでも読みながらタバコでも吸うかと考えつつ廊下を歩いていると、なにやら演習場の方から大きな歓声が聞こえてきたので何事かと覗いてみると…

 

『キター!チャンプだー!今年もブッちぎりで優勝間違いなしだぜーッ!』

 

『ゴクリ…すげーチューンだ、なんだあのマシン、ハンパじゃねぇ!』

 

『今年はよりレベルの高い大会だと聞いていたが、こりゃ荒れるぜ…!』

 

観客席にギッシリと集まったギャラリー達…

そして、観客達の注目を集めているのは演習場内にいるアイツらか……っーかなんだコレ?ただの演習にしてはズイブンと熱があるじゃねーの?

 

「フッ、やはり来ましたわね………テイトク」

 

「お、オマエは…!?熊野!」

 

背後から声がして振り向けばそこに、両腕を組み壁に背中を預けるように片足で立つお嬢様風お嬢様が居たッ!!

 

「待っていましたわ」

 

「待っていた、とは?」

 

「フッ、知れたコト……今年のWZPジャペンカップ基地予選、今日の勝利をアナタと私、2人で掴む、そうではなくて?」

 

「すまない、お前が何を言っているのかまったくわからないのだが?」

 

ナニ言ってんだコイツ?イカれているのか?いや、イカれてるだな……たぶん、まぁコイツがイカれてるのは今に始まったコトではないが

 

「さ!参りますわよ!私達の戦場へ!」

 

熊野はごくごく自然な流れで俺と腕を組むといざ参りますわー!とズカズカ歩き出した!

 

「ちょ!待てよ!」

 

「うるさいですわよ、オチ●ポついてますの?」

 

「ついとるわ、っーか女の子がオチ●ポとかゆーな」

 

「うるさいですわよ、オペ●スついてますの?」

 

「ついとるわ!オペ●スでお上品なつもりかコノヤロー!!」

 

◆◆◆

 

世界水上機大会、通称WZP…

各地て開催される予選を制し本戦へ、そして決勝戦を目指し、戦って、戦って、戦い抜いて、最後に勝ち残った者が最強の称号であるズイウンザズイウンの栄誉を獲る事ができるとても野蛮でとても危険な大会である…

 

民●書房刊 我が水上機、闇の闘争史より抜粋…

 

 

「フッ、今年こそアナタに勝たせていただきますわ、チャンプ!」

 

「…フッ、まぁ…そうなるな」

 

全てのファイター達が集まる開会式の場で、決勝まで全勝で勝ち上がると無敗の最強チャンプこと日向に戦線布告をおカマしした熊野…

モチロン、そんな調子に乗った全勝宣言をタダおカマしされて他のファイター達も黙ってはいない!わざわざ敵を増やすだけでなく闘志にガソリンをBUKKAKE、火炎瓶を投げ込んだ熊野は実はスゲーやつなんじゃないかと思う

 

「フッ、これは厳しい戦いになりそうですわ」

 

「なりそうですわ、じゃねーよ、バカなんだな?バカなんだよな?オマエやっぱバカ以外の何者でもないよな?なぁオイ?」

 

「シャアラップ!お黙りなさい!私と提督、2人ならデキる!そうでしょう?」

 

「デキねーよ、っーか俺は別に相棒でもなんでもねーよ、ボクが作ってキミが戦うビ●ドファイターズな関係じゃねーし」

 

コイツのおバカさ加減には正直UN-ZARIしかない、ほら見ろ、他のファイターみんなこっち睨んでるじゃねーか、俺関係ないのに

 

「フッ、初戦からなかなかカマしてくれたわね……アナタ達…」

 

「オマエは…?川内、まさかオマエも出場るのか?」

 

俺たちに声をかけてきたのは忍なら敵味方問わずに憧れるニンジャマスターの呼び声高い夜戦ニンジャ川内…

“楽しい夜戦”を提唱するその姿勢からメイジンの称号を持ち、夜戦と卑劣さにおいては右に出る者はおらずメイジン・カワウチとも呼ばれている…

 

「えぇ、出場るわよ…」

 

川内が手にしているマシンは一見するとタダの九八式水上偵察機(夜偵)に見えなくもないが……

 

「フフフ…アナタ達が私のマシン、九八式水上夜偵・アメイジングに勝てるかしら…」

 

「クッ!スゲーチューンですわ!」

 

「あぁ、並のチューンじゃねぇ!」

 

川内はアナタ達とのバトルを楽しみにしているわと言って去って行った、どうやらチャンプ以外にもヤバい敵は多いらしいぜ…

 

「フッ、お久しぶりかも……熊野サン、それにテイトクも」

 

「あら?アナタたしか…あきつ……あきつなにがしさん?」

 

「秋津洲かも!」

 

「あら失礼、私、お雑魚のお名前は刹那で忘れてしまいますの」

 

「キィー!!ムカつくかもー!!」

 

かわいいだけが取り柄の秋津洲クン、そして、そんな彼女の相棒は……

 

「この秋津洲と二式大艇・ノーネイムが戦いのリアルってヤツを教えてやるかも!!」

 

何度も壊れては修理し、また戦ってを繰り返し、コイツで500戦以上ヤったと言っていた秋津洲クンの唯一無二の相棒、二式大艇………何度もスクラップ&ビルドを繰り返したせいか、その姿は凶々しくカスタマイズされ厨二感をくすぐるニクいデザインとなっている…

 

秋津洲クンは絶対ブッ●してやるかも!と宣言し、相棒を抱えて去って行った…

 

「オマエの口は火炎放射器かナニかか?」

 

「フッ、弱者の弁など聞く耳持たないのもまたお嬢様の務めですわ」

 

「ナニがお嬢様だ、自称お嬢様だろーが」

 

よく考えたらコイツの姉も自称メインヒロインとか言ってるし、姉妹揃ってバカなんだな、やっぱ

 

そんなコトを考えていると、あっちの方になんか見知ったゆるふわヘアーの子の姿が目についた…

 

「お、岸クン!岸クンじゃないか!」

 

「?、あ…テイトク、コンニチハ」

 

スーパーエリート駆逐艦姉妹、夕雲姉妹の十五女、岸波クンこと岸クン、ウェーブのかかったゆるふわショートの髪と常に死んだ魚のような目が特徴的でウチのバカどもの中では比較的真面目で良い子だ、岸クンはきっと将来いいお嫁さんになるね

 

「まさか岸クンもコレに参加してるのかね?」

 

「いえ、私水上機持ってないので……出場るのは私じゃなくて…」

 

「そうよ!!そのまさかよッ!!」

 

俺と岸クンの間に割るように入ってきたゴトランドは、さらにもう一度、そのまさかよ!!と力強く吠えた

 

「フッ、勝つのは私と岸ちゃんよ」

 

「いえ、私とゴトランドさんは別にチームでもなければ相棒でもないので…」

 

「私達の友情パワーを見せてあげるわ、私と!岸ちゃんの!仲良しラブパワァァァァをね!」

 

「ゴトランドさん、LOVEは友情でなく愛情です」

 

さすがは岸クンだ、なんて冷静で的確な意見…そしてそんな岸クンの冷静で的確な意見と対照的にこのプッツン北欧軽巡からはまるで知性を感じない…

 

「あらあら、これはこれは…私とテイトクの仲良しコンビを差し置いて言ってくれますわね、身の程をわきまえよ、ですわ!」

 

「熊野ェ…」

 

そしていらん挑発をさせたら右に出る者はそうはいないエレガント風エセンガントお嬢熊野はまるでよく訓練されたかませ犬のようなムーヴでケラケラ笑う…

 

「その私程ではないケドキレーなお顔を地面に這いつくばらせて泥水を飲ませて差し上げますわー!」

 

「フッ、今のうちにせいぜい笑っているといいわ、私のニューマシンで蹴散らしてあげる!」

 

「おニューマシン…?はて?アナタのマシーンはたしかクソダサS9だったハズ、そんな旧世代のゴミクズで私を倒すとは………不愉快!舐められたものですわね!」

 

他人のマシンになんてコト言うのかね、この娘は…

そしてその失礼通りこした罵倒ムーヴは一般的には負けフラグと言うのだろう…

 

「フッ、ゴトと岸ちゃんのニューマシン……この!Swordfish Mk.III改(水上機型)のね!」

 

「そ、ソーフィーッシュ…?な、なんですの?そのマシーンは…!?し、知りませんわ!そんなマシン!」

 

「フフッ、英国から輸入した超高性能スペシャルマシンよ!」

 

「海外から超高性能マシンを輸入するとは……き、汚い!なんて汚らしい手を…!恥を知りなさーい!ですわ!」

 

岸クン曰く、ゴトランドのヤローは前に使っていたらしい愛機のS9 Ospreyにカレーをこぼして捨てたらしく、愛機を失い困っていたところに困ってる弱き民草を放ってはおけないタチの通りすがりの女騎士がこのマシンを使われよとくれた物らしい…

 

「クッ!まぁいいですわ、せいぜい早々に私と当たらないコトを神に祈るがいいですわ!行きますわよテイトク!」

 

「へいへい」

 

「そっちこそ!そのお上品な口からお下品な悲鳴を吐かないコトね!岸ちゃん!行くわよ!」

 

「はぁ…」

 

 

こうして、ざまざまな思惑が交錯する中、遂にWZP基地予選の戦いの火蓋は切って落とされたッッ!!


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