【登場人物】
有明(残念イケメン)
スーパーハンサムボーイズとは違うベクトルの残念な存在
のわっちを見習った方がいい
2020夏イベント同期会(10人)
史上最大数の新規配属を誇る同期の10人
ゴトランドさんと岸ちゃんみたく、意外と仲の良い同期は他にもいるとかいないとか…
圧倒的な才能を持つ白露型キセキの世代、その天才達の前に完膚なきまでに惨敗を喫した初春姉妹の五女、有明…
普通の駆逐艦なら天才達と凡人、才能の差を見せつけられ戦意を失い、心折れて敗北を受け入れるのだが……
彼女は違ったッッッ!!
「クソッ!キセキの世代ってのはどいつもコイツもふざけたヤツばっかだッ!!だが…」
彼女の心は折れなかった、いや、むしろさらにその剥き出しの闘争心とモロ出しの恋心に火を点けたのだったッ!!
ーーー
本日のオススメは間宮ザ・スペシャルNo.11“目覚めの直前、柘榴のまわりを一匹の蜜蜂が飛んで生じたパンケーキ”…
そんなゴキゲンなメニューを提供する本格派高級スウィーツ店マミー屋に集まった10人の生まれも育ちも艦種も違う多種多様な艦娘達……
「みんな、今日はボクの為に集まってくれてアリガトウ!」
生まれも育ちも艦種も違う……しかし、彼女達には1つの共通点があった、それは………同じ基地に!同じ時期に!同じ日に!まるで運命に導かれたようにここに集まった…
ひらたく言えば、同期である
そんな2020夏イベント同期会の席で、有明は立ち上がり集まった仲間達に深く頭を下げた…ッ!
正直、来てくれるとは思っていなかった…ッ!しかし、みんなは来てくれた!だから感謝したいのだ!
「そうカタくなるなよジャパニーズ!」
「ダコタさん…」
MAJOR出身、メンバーの中でも最大火力を持つ戦艦、サウスダコタはニカッ!と笑いオマエらもそー思うだろー?と場の雰囲気を和らげてくれた…
「それで?私達に相談したいコトって?」
同じくMAJOR出身、広い視野と冷静で的確なスナイピングでメンバーを常にサポートしてくれる頼れるお姉さん系お姉さん、ホーネットはコーヒーを一口啜ると有明に視線を遣った
「…………たぶん、みんなも知っての通り、ボクは負けた」
「あー…なんか聞いたわ、それ」
「松のアネゴ、物知りぃ〜」
松と4号だけではない、皆、知っているのだ……有明が白露姉妹にボコられた事実、それはもうマジでボコボコにされ、実の姉である初春にすら武から身を退けとディスられた始末を…
「でも、ボクはヤろうと思うんだ………アイツと」
「アイツ〜?」
「ヨナさんヨナさん、たぶんテイトクのコトですよ」
美味しそうにティラミスを食べていた47の口の周りを拭く万全のサポート体制を見せた薄雲はついでに自分のオレンジジュースを47にどうぞと手渡していた…
「そう、でも今のままじゃボクは勝てないッッッ!!」
ボクはアイツに勝ちたいッッ!!勝って!そして…!!
「そしてツユに!!ツユに………えぇと、ほら、アレだよアレ、まぁ、ボクの気持ちをツユに伝えたいと言うか、ほら!わかるだろ!」
「(ヘタレた…)」
わかっていても口には出さない優しさ、そんな優しさが屋代にはあった…
「だが…!悔しいけど、今のボクではたぶん勝てない……たぶんね」
ゼッタイとは言わない、もし万が一にも勝てる可能性はある、だからこその、たぶん
有明は改めて集まった全員に頭を深く下げる…っ!!
「勝ちたいんだ…っ!!ボクは!!だがボク1人の力ではきっと勝てない、だからみんなの力をボクに貸して欲しい!!」ペコォ!
どこか甘えがあった、ボクなら勝てると……だが結果はキセキの世代に圧倒的力の差を見せつけられての惨敗、有明とてヤツらの力と才能を知らなかったワケじゃない、だが……それは過去のものであり、海軍に入隊し、さらに進化した彼女達の力は想像をはるかに越えるまさしくバケモノ…
そして、そんなバケモノどもを率いているあの冴えないメガネ男子…
そんなバケモノどもに勝ちたい!!有明は力強く言葉を振り絞ると、ちょっといいかしら?とエレガントに挙手してヘレナが立ち…
「勝ちたいじゃない、勝つのよ!!」カッ!
「へ、ヘレナさん…!」
「ハナシはわかったわ、その心意気や良し!熱意や良し!HelenaはモチロンOKよ、それで…?貴女達は?」
ヘレナの言葉に、集まったメンバー達はヘヘッと鼻の下を掻いたり水クセーなオイとそれぞれ答えるまでもないと笑った
「みんな、みんなぁぁ……アリガトウ!アリガトウ…っ!!こんなボクにアリガトウ!」
生まれも、育ちも、艦種も、国籍すら違う仲間達……有明は仲間達とのアツい友情に、心の底から感謝した、謝りたいと、感じているから“感謝”と言うのだろう…
「ヘヘッ、感謝するのはまだはえーぜジャパニーズ」
「そうよ、Helena達は厳しいわよ!Hornet、アナタのコトだからもうナニかPlanを考えてるんでしょ?」
「えぇ、とっておきのヤツを、ね…」
………こうして、有明は仲間達とのアツい友情の甲斐あって、マサカリの重さを持ったサーベルだのキミだけがMAJOR144年の歴史を一歩先んじるだのアツい話し合いがここマミー屋で開催された…
ちなみに、今日の同期会、迅鯨は腹痛で欠席したので迅鯨の席は屋代が持っていたイルカのヌイグルミを座らせた
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「本日のオススメは間宮スペシャルNo.11“目覚めの直前、柘榴のまわりを一匹の蜜蜂が飛んで生じたパンケーキ”です」
「ティラ・ミスとコーヒー2つ」
「本日のオススメは間宮スペシャルNo.11“目覚めの直前、柘榴のまわりを一匹の蜜蜂が飛んで生じたパンケーキ”です」
「いいから早くしろよダボ、モタモタすんなデブ」
アマイモンも辛いモンも扱う実力派高級スイーツ店、マミー屋…
今月から秋のイベント、グルメ感謝祭2020を開催中らしくお高価いのにわりと多くのバカどもがこのマミー屋へと来ており、なんかあっちの方で団体様が楽しそうにおしゃべりしているらしい…
「伊良湖ちゃん、金属バット持ってきて、早く、そうそれ、早く、私の理性が残ってる内に」
ティラ・ミスとアツアツのコーヒーの代金を支払い、商品を無事に受け取った俺と秘書艦サミー子は団体様とは離れたテーブルに着席した
「一応聞きますけど、大丈夫ですか?それ」
「ご覧の通り、大丈夫ではないよ」
今しがた受けた頭部への金属バットに、頭から血がドクドク流れているが……まぁ、甘いモン食ってエネルギー充填すれば回復するだろう、たぶん
「久々に食べるとやはりマミー屋さんは美味しいですね、お高価いだけあって」
「まぁな、お高価いだけはある」
あのクソ女、給糧艦だからってお高くとまりやがって……いつかあのデカ尻に無責任挿入してヒィーヒィー言わせてやるわい
「と言うかあの席、なんか提督を殺す相談してるみたいですけど…」
「ガハハハ、元気があって結構じゃないかね、ガハハハ」