不健全鎮守府   作:犬魚

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キレる長女の遁走曲

【登場人物】

提督(嘘吐き)
大人だからすぐ嘘を吐く

神風(長女)
戦隊カラーリング姉妹、神風姉妹の長女でレッド
戦隊ヒロインエ●ゲーのレッドはだいたいア●ルで堕ちる


提督と神風と性と死の狭間

「フーッ〜………」

 

良い天気だ、春は夜桜、夏には星、秋には満月、冬には雪、それで十分タバコは美味い……もしそれで不味いのなら、たぶん肺とか病んでるのだろう

そんな粋なコトを考えつつ喫煙所でタバコを吸っていると、大正浪漫にア●メの嵐みたいなハイカラな格好をした小さいのが小走りしているのが目についた…

 

「よぉ、人斬り大好きな抜●斎クン、トイレかね?」

 

「誰が人斬り大好き抜●斎よっ!神風!私の名前!いいかげんにしなさいよアンタ!」

 

上司として、部下との気さくなコミュニケーションでもとろうと声をかけてみたが、ハハッ!コイツは噛みつかれてしまったな!

 

「あっちのトイレなら今満室だぜ、今空いてるのは800メートル先の誰も使いたがらない小汚いボットン便所だな」

 

「嘘っ…!?っっ……ってか、別に厠に用事じゃないし」

 

小股をモジモジさせつつイキがってみる神風クンだが、しかしどうにも嘘が下手だな、この娘は、いや…純粋過ぎるから故に己の血刀の先に新時代があると信じていたのだろう

 

「まぁ、嘘だが」

 

ビタンッ!!(平手打ち)

 

「しょーもない嘘つくなァ!!」

 

スナップの効いた良いビンタだ、とても!とても良し、こーゆー健康的なビンタができる彼女はとても健康なんだろう、俺は俺の頬を打ったその右手をとり…

 

「この味はおしっこを我慢してる味だぜ」ペロリーヌ

 

「ヒイィィ!?」

 

ビタンッ!!ビタンッ!!(往復平手打ち)

 

「このヘンタイ!ヘンタイ!ヘンタイ…っ!」

 

「ヘンタイじゃない、提督だ」

 

「クッ!次しょーもない嘘ついたら木の棒で滅多打ちにするからね!」

 

神風クンはプンスコ怒りながら廊下の先にあるトイレの方へと去って行った…

 

ーーー

 

「フーッ〜………あ、彗星かな?」

 

いや、違うな、彗星はもっとバァッ!って爆装積んでるモンな、アハハハ…

そんな空を舞うシュールな彗星を眺めつつ引き続き喫煙タイムを謳歌していると、お便所様から出てきたらしい神風クンがナニやらイライラした様子で歩いていた…

 

「よぉ、緋村クン、どう最近?人、殺してる?」

 

「殺すかっ!!ってか誰よ緋村クンって!」

 

オイオイ、コイツは元気ナナメだなオイ、トイレに行ってスッキリしたんじゃあないのか?いや、この機嫌の悪さ、まさかスッキリできなかった…?つまりそれはアレだ、アレ

 

「便秘かね?」

 

「なんでよっ!!ってか仮に便秘でもそんなの提督に言うワケないでしょ!!」

 

「なんだ?違うのか」

 

ならアレか、トイレに到着したはいいが便器にセットする前にダムが決壊し、愛用の赤フーンがビチョ濡れになったと………いや、紳士たるものこれ以上の詮索はあまりに無粋、ここは神風クンのPRIDEを刺激しないように当たり障りのない甘い言葉を囁くのがBEST…

 

「大丈夫、たかがションベンじゃないか?むしろマニアなら高値で引き取るのだよ」ニカッ!

 

「ごめんなさい、提督が言ってるコトの意味がまったくわからないわ、あと、その笑顔ムカつく」

 

「まったく、困ったプリンセスだ、でもそこがキミのチャーミングなところさ」

 

「そのワケわからないヨコモジ伴天連語チョイチョイ交ぜるのもやめてくれる?意味はわからないけどなんかムカつくから」

 

まったく、未だに絶賛鎖国中なのかねこの子は、文明開化に乗り遅れちまってるYO

 

「で?神風クンはナニをそんなにイライラしているのかね?良ければ提督に話してみなYO、1人でクヨクヨ悩まずにSA!」

 

「クッ!鬱陶し……!ってか馴れ馴れしく触らないで!」

 

「まぁまぁ、なんならチョコレートでも食べるかね?」

 

俺は上着のポケットに入れていたオールシーズンチョコを神風クンに手渡した

 

「ナニこれ?食べていいモノなの?」

 

「まさかオールシーズンチョコをご存知でない?」

 

「クッ…!知ってるわよ!アレでしょ、おるしずーちょこ!そのぐらい常識よ!」

 

神風クンはオールシーズンチョコの包み紙をワイルドに剥がし、中身を口に放り込んだ…っ!

 

「………まぁ、チョコね、味は変だけど」

 

「失礼な」

 

準チョコレート生地を糖衣し暑さ寒さに強く一年を通して販売できるグレートなスグレものですよ、コイツぁ

 

「それで?何をイラついていたんだい?プリンセス」

 

「うるさい、ってかそのぷりんせすってナニ?どーせバカにしてる系でしょ?」

 

「してないのだよ、決して」

 

「いーや!してる!ゼッタイしてる!どーせバカとかそんな意味でしょ?」

 

まったく、疑り深いサムライガールだなオイ、いや、むしろこの隙のなさが維新志士と言うヤツか…

 

「まぁいいわ、別にイラついてたワケじゃないけど……ちょっと考えるコトがあったのよ」

 

「ほぉ、尿のキレが悪いとか?」

 

「違うわ!!ったく………ほら、アレよ、アレ!最近の厠ってどこも洋風じゃない?」

 

最近のトイレではなく最近の厠とはなかなか聞ける単語ではないのだよ

 

「たしかに、今や和式は減っているのだよ」

 

一説には、今の若い子はそもそも和式トイレを使用した事がなく、和式トイレの利用方法がわからないとも聞く…

 

ちなみに、当基地でも和式洋式と両方のタイプを取り揃えているが、各場所の標準的トイレ個室割合的には洋式4の和式1ぐらいと和式の割合は少なめである

 

「まぁ、洋式がイヤってワケじゃないんだケド……なんかこう、しっくりこないと言うか…」

 

「なるほど、個人的には神風クンにはスマートな洋式よりも一生懸命ふんばってる姿の方がメチャメチャ興奮するのだよ」

 

ビタンッ!!(平手打ち)

 

「死ねッ!!」

 

再びスナップの効いたビンタを浴びた俺だったが、身体の硬度を調節することによりダメージを緩和した

しかし今の話、神風クンのどこに怒る要素があったのだろうか?

 

「ったく………あと、ほら、アレよ、洋式ってなんか横に変なボタンがあるじゃない?」

 

「まさか、ウォシュレットをご存知でない?」

 

「うぉ…うぉしゅ…?ナニよそれ…?」

 

さすがは現代に生きるのラストサムライ神風クンだ、まさかウォシュレットのボタンが怖くて押せないとは…

 

「横のボタンを押すとア●ルを洗ってくれるボタンなのだよ」

 

「…はぁ?ナニその機能?」

 

俺は神風クンにウォシュレットについて懇切丁寧に説明してやると、初めはよくわからなげに聞いていた神風クンもなんとなく興味を持ったらしく、ふんふんと頷いていた

 

「…なるほど、そんな機能があるのね」

 

「わかってくれて嬉しいよ、どうだね?ここはひとつ、練習してみては?」

 

「練習って……や、別に、さっき厠には行ったし…」

 

「オイオイオイ、ここでビッ!と使い方をマスターすれば妹達に自慢……いや、長女の威厳が保てるとは思わないかね?」

 

「長女の威厳………た、たしかに、アサもマツも長女に対して鎖国女だの文明開化してないだのバカにしてる感があるわね…」

 

神風クンは少し考えた後、よし!やるわ!とベンチを立った、相変わらずチョロいなコイツ…

 

「OK、そのイキさプリンセス!いいかい?妹達に舐められない為には水勢を“強”にするんだ!」

 

「強ね!わかったわ!」

 

そう言って神風クンは勢い良く走り出し、俺はその小さな後ろ姿にgood anal acmeとエールを贈った…

いや、良い事をした後は実に気分がいい…

 

 

数分後、執務棟の方から絶叫が聞こえてきたがモチロン俺は悪くない、その後、怒り狂った神風クンから木の棒で怒涛の九頭●閃三連発を浴びTOUGHなコトに定評のある俺もKOされた


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