不健全鎮守府   作:犬魚

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提督不在のアホの子激突編

【登場人物】

有明(初春姉妹)
最近配属された新人、五月雨曰く、昔、近所に住んでたらしく白露が好きで好きでしょうがない真性こじらせストーカーの残念なイケメン

白露(長女)
大抵のことは我慢できる、長女だから


白露と有明と厳しい試練【無限間宮編】

暑いのやら寒いのやらよくわからない秋の日…

甘いモノも辛いモノも取り扱う高級グルメスウィーツ店、マミー屋…

 

「久しぶりだね、ツユ」

 

「あー…ホント久しぶりだねー、髪切った?」

 

窓側のテーブル席に座るツユ、そしてボクはミルクは3つだったかなと言いつつ冷静さを装おっているが………内心は違う、正直、めっちゃ可愛い、めっちゃ可愛い!もしかして髪伸ばした?いいよ!すごくいい!キミにとっても似合うよ!すごくチャーミングさ!嗚呼、メチャメチャ可愛い!ツユ!可愛いすぎ!ダメだ…っ!もう鼻血が出そう…!可愛い過ぎて直視できないよ!

 

「ハハハ、ちょっとね、それよりツユは髪伸ばしたの?」

 

「あー…伸ばしたってか、伸びた?」

 

「ハハハ」

 

幼馴染みのツユを追いかけ、この基地へとやって来たボクだったが………やはりツユは可愛い、めっちゃ付き合いたい!正直、めっちゃ付き合いたい!

 

そうだ!ボクはその為にここに来たッッッ!!!

 

ツユの“愛”がッッッ!!ボクは欲しいッッッッ!!

 

「ハハハ…」

 

…………よし、決めた、告ろう、今すぐ告ろう!

 

「ツユ、実はキミに大事な話が…」

 

「あ、時雨じゃん?珍しい」

 

背後からボクの肩に手を置かれ………振り返ると、そこにはツユの妹が立っていた

 

「やぁ白露姉さん、ちょっとコイツ借りていいかな?」

 

ボクの肩に置かれた手から感じる確かな確信、有無は言わさないと…

 

「ハ、ハハハ……ゴメン、ツユ、実は時雨と約束をしていたコトを思い出したよ」

 

「あ、そうなの?へぇ~」

 

「この埋め合わせはまた今度するよ!」

 

ーーー

 

執務棟の裏………通称カツアゲストリート!

時雨に付いて歩いた先にはおあつらえ向きに人通りの少ない場所…

 

「キミもしつこいな、まさかこんなところまで白露姉さんを追ってくるとは」

 

「フッ、それだけ本気ってコトさ」

 

ツユには妹が9人居るが……その中でもツユのすぐ下の妹、時雨、コイツはどうにもボクがツユと仲良くするのを嫌っていた…

 

「命令は1つだ、白露姉さんには近づくな」

 

「ハァ?キミには関係ないだろう?そもそもシスコンもたいがいにしろよ!」

 

ボクは渾身の右ストレートをクサレシスコンの時雨に放つ、そのキレーな顔をフッ飛ばしてや…

 

ズタンッッッ!!!(転倒)

 

「~~~~~~ッッッッ!!」

 

え…?ナニ?コケた?ボク……が?なんで?

 

「僕の命令は絶対だ、逆らう者は提督でも許さない」

 

ま、まさか……!!これが噂に聞いた時雨の能力、アンクルブレイクッ!?って、ぶべらぁ!!

 

「頭が高いぞ、僕を見下ろす事を許しているのは西村艦隊のチームメイトと白露型の姉妹だけだ、あと、そもそも自分の事をボクとか言ってるのもムカつく」

 

転倒するボクに容赦ないサッカーボールキック連打が…!って痛い!痛い!ごはぁ!ぶばぁ!!……痛い!マジ…ちょ、まて、待って………

 

◆◆◆

 

甘いモノも辛いモノも取り扱う本格グルメスウィーツ店、マミー屋…

 

「やぁ…ツユ」

 

「どしたのそのケガ?あ、もしかして階段から落ちたとか?」

 

ツユの妹、サイコシスコンの時雨にボコられて数日後、ボクとツユは再びここで会っていた…

正直、傷はめっちゃ痛いけどそれ以上に、ツユは可愛い…

 

ポンッ…(肩に手ェ…)

 

「有明ェ…久しぶりっぽい、ちょっとツラ貸せっぽい」

 

夕立ィィィィィ!!!

 

「………ハハ、ゴメンね、ツユ、ちょっと夕立と話があってね、また今度…」

 

なんなんだよ…っ!!え?ナニ!ボクなんかしたの!?

 

ーーー

 

執務棟の裏………通称カツアゲストリート!

夕立に付いて歩いた先に不自然なぐらい人通りの少ない場所…

 

「あの……なんの用かな?」

 

正直、ボクはこの夕立と1つ上の妹、村雨は苦手と言うか……いや、むしろめっちゃ嫌いだ、昔からプロレスごっこしよーぜ!とか言って絡んできてはDDTやSSDなどあきらかにごっこでやってはならない技を平然と使用しゲラゲラ笑ってる野蛮人だからね

 

「えー……なんっーか、アレよ、アレ、時雨様から身分の違いを教えてやれって言われたっぽい」

 

「時雨…?」

 

あのアマァァァァァ!!ってか様?妹から様付けされてるのかあのアマ!

 

「ま、そーゆーワケっぽい」

 

「ま、待て待て!待ってくれ!見ての通り、ボクはベストなコンディションじゃない!」

 

「ハァ…?」

 

そう、ボクは時雨にボコられて未だギプスがとれていないし松葉杖もかかせない状態……明らかにファイトができる状態じゃあない

 

「そんなボクを痛めつけるなんて外道な真似、君にはでき…」

 

ゴシャアッ!(殺人右ストレート)

 

「ゴハァ!!」

 

「ギャハハハ!そんなモンは関係ねぇぜーッ!!」

 

◆◆◆

 

甘いモノも辛いモノも取り扱う三つ星グルメスウィーツ店、マミー屋…

 

「やぁ…」

 

「なんかケガひどくなってない?」

 

狂犬夕立から盛大にボコられて数日後…

ボクは痛む身体に鞭を打ち、再びツユとカフェデートに来ていた…

どんなに身体は痛くても、やっぱりツユは可愛い…そうさ、ボクはあの日出逢ってしまったんだ、キミと言うエンジェルに…

 

ポンッ…(肩に手ェ…)

 

「はいは〜い♪白露姉、ちょっとコイツ借りるねぇ〜」

 

空間を満たすハジけるビッチ臭ッッッ!!間違いない……コイツは、村雨ェ!!

 

「別にいいケド…ってか有明、妹達と仲良いんだね」

 

「あ、いや…そう言うワケじゃ…」

 

「まぁいいや、今日は私が払っとくから、有明、またねー」

 

「ハハ…うん、また…」

 

ーーー

 

執務棟の裏………通称カツアゲストリート!

村雨に付いて歩いた先はもはやお馴染みの人通りの少ない場所…

 

「一応聞くケド………時雨?」

 

「最近丸くなったとは言え、時雨様から僕の命令は絶対だって言われるとねぇ〜」

 

丸くなった?アレが?どこがだよ!!子供の時よりなおタチが悪いわ!ってかやっぱりコイツも様付けなのか…

なんなんだあの拗らせ妹!

 

「見ての通り、ボク、重傷なんだけど?」

 

「だからぁ?来週の村雨には関係ないんですけどぉー?」

 

村雨は手にしていたチェーンをブンブン振り回しサディスティックな笑みを浮かべている、前々から思ってたけど、キミ、艦娘辞めて悪の女幹部にでも転職した方がいいよ

 

「……ハァ」

 

そうさ、でもボクは負けない……最強がなんだ、最愛の前には最強なんて…

 

「いいよ、やろ………ぶべらぁ?!!」

 

「え?ナニ?今、なんか言ったー?ねぇ?ノックしてもしもーし?ギャハハハハハ!」

 

◆◆◆

 

甘いモノも辛いモノも取り扱っていない駆逐艦寮、初春様の住む雅な部屋…

 

「ハッ…!?」

 

目を覚ますと、医務室ではなくボクの部屋……いや、違うな、ここはボクの部屋じゃなく姉さんの…

 

「この短期間に立て続けに3連敗か…オマエ、ホントに妾の妹か?」

 

「は、初春姉さん…」

 

部屋の主にして僕の姉、姉妹の長女である初春姉さんは手にした扇子を雅に閉じたり開いたりしつつ何やら短歌集みたいな古くさそうな本を眺めている…

 

「有明よ、武から身を退いたらどうじゃ?」

 

「で、でも姉さん!!ボクは!」

 

退くワケにはいかないッッッ!!何故ならボクはツユが大、大、大、大、大、大、大、大、大、大好きだからッッッ!!!

 

こればかりは、いくら雅な姉さんにも絶対に譲るコトはできないんだッッッ!!

 

「ほぉ〜……ならヤってみるか?憎き恋仇と?」

 

「恋仇…?」

 

「テイトクとじゃ」

 

テイトク………そうだ、あの男だッ!思えばあの男がいるせいでツユはボクを見てくれないんだッ!!

 

「姉さん」

 

「なんじゃ?お腹痛いからやめるか?」

 

「ヤるよ」

 

「ハァ?ヤると?テイトクと?よかろう、子日、あやつに伝えよ、ウチのバカ妹がおぬしとヤりたがっとるとな」

 

「あの…姉さん、それだとなんか語弊が…」


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