不健全鎮守府   作:犬魚

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イベント海域最終回、似たような事が前にあった気がするデジャ・ビュー

【登場人物】

南太平洋空母棲姫(サメ派)
今回のラスボス、その村田隊はやめてくれ、私に効く
あと徹甲弾と三式弾もやめてくれ、私に効く、ホントに効く


決戦!南太平洋海戦

幾多の強敵達との死闘、荒ぶる強者達が居並ぶ最後の海を越えた先に待つ最大最後の敵、そして、この海で最も自由なやつが………海の王である!!

 

南太平洋サンタ・クルーズ沖の柱を守護る深海将軍、深海機動部隊南太平洋旗艦集団を率いる深海棲艦の頭、南太平洋空母棲姫…ッ!!

 

ここまでの戦い、既に海軍のヤツらはこの海を護る第一の刺客リコリス棲姫、そして第二の刺客空母夏姫の護る魔宮を突破し、最後の砦であるこの南太平洋の柱を倒すべくこちらに向かっていると既に伝令のキモい鳥から情報は伝わってきていた…

 

『フゥン……ヨウコソ…コノ海ニ…』

 

一味の頭、南太平洋の名を冠するタダ者ではない姫、南太平洋空母棲姫は追い詰められたと言う状況に焦るワケでもなく落ち着いていた

 

何故ならば自分には自信がある

 

今日の為に日々過酷なトレーニング、科学的に分析した栄養とバランスのとれた食事、生活の時間全てを捧げ、この大舞台で100%……いや120%発揮する為に努力に努力を重ねてきたのだ…

 

全ては今日の勝利をかつてハワイ沖で海軍どもに敗れ再起不能にされた太平洋深海棲姫センパイに見せる為、太平洋一族、捲土重来のチャンスが来たのだッ!!

 

『ウォー!南太平洋空母棲姫クン!』

 

『南太平洋!南太平洋!』

 

『Go!South Pacific!Go!Go!Victory!』

 

この日の為に今まで一緒にやってきたチームの士気も高い、みんな気のいい良いヤツらで、最高のチームメイト達だ…

 

………そして、そんな南太平洋空母棲姫率いる旗艦艦隊に相対するのは海軍連合艦隊、空母機動部隊ッッッ!!

 

「フッ、陸奥よ、準備はいいだろうな?」

 

「そうねぇ……私はいつでも」

 

その、空母機動部隊を率いるのはかつて深海棲艦達を幾度となく戦慄させ、恐怖と、そしてどうしようもない絶望に叩き落としてきた深海ビンゴブックの中でも袋とじ特集を組まれる超A級危険艦ッ!!

この広い海で唯一、世界政府から掠奪を許可され世界の海軍も扱いに手を焼く海の問題児7人、BIG7…

 

『フフッ、キタカァ…!』

 

南太平洋空母棲姫からすれば太平洋深海棲姫センパイを地獄の底に突き落とした因縁の相手との相対戦に、興奮を隠しきれずにいた

 

『シャークッ!シャーク!』

 

『フッ……私トシタコトガ、大丈夫、私ハ冷静ダヨ』

 

南太平洋空母棲姫は子供の頃からまるで仲の良い兄弟のように一緒に育った深海シュモクザメの頭を撫でた

 

『今度コソオ前タチニ…トドメヲ…刺シテヤル……ッ!

モォ…終ワリニシテヤルヨ!』

 

………開戦である

 

『キィー!キィー!』

 

「うわ!!なんか変なの飛んできた!」

 

「痛てぇ!!っーか痛い!クソッ!なんとかならねぇのか!」

 

「チクショウ!こんな時にアキ……秋月がいれば!」

 

「あったよ!Atlantaと5inch連装両用砲(集中配備)とGFCS Mk.37が!」

 

「でかした!」

 

◆◆◆

 

南太平洋にて最終決戦の狼煙が上がる今日この頃…

缶コーヒーでも飲みながら執務室のテレビで現場の中継でも見るかと考えた俺はとりあえず明石の店で缶コーヒーと菓子パンを買い執務棟の廊下を歩いていると、背後からヘイ!ヘイユー!と威勢の良い声で元気良く声をかけられた…

 

「ちょっと待ちなさい!!ハナシがあるわ!」

 

「あ゛ー?」ギロッ

 

「ピイィ!?に、睨んだって怖くな……別にビビってなんかないわよ!!」

 

「別に睨んでないのだよ、なんか用かね?コロスケくん」

 

「誰がコロスケよ!!私はステイツのBig7!USS BB-45 Colorado class nameship!Coloradoよ!舐めてるんじゃあないわよ!」

 

「あーはいはい、舐めてない舐めてない」

 

そんな俺の紳士的な態度のどこが気に障ったのか、ザコザココロスケくんはFuckとかなんとか汚い英語で俺にまくしたてつつ大振りパンチをブンブン振り回してきたが、残念ながら俺にそんなテレフォンパンチは通用しない

 

「ハー…ハー…クッ!よけ、避けるのはマーマー上手いわね、褒めてあげる!」

 

大振りパンチに疲れたコロちゃんは前屈みでハァハァ息を切らして光る腋汗………このコロちゃん、スケベすぎる

 

「汗ダクのコロちゃんスゲーいい匂いしそう、めっちゃ腋汗ペロペロしたい」

 

「ヒッ///!?へ、ヘンタイ!、ヘンタイ!!」

 

「おっと失礼、ついつい考えていることが口に出るのが僕の悪い癖」

 

俺の小粋なテイトクジョークの笑いどころがイマイチわからないのか、軽くドン引きしているように見えるコロちゃんもまた可愛い、出来るコトなら手足を縛って目隠しと猿轡してタンスに監禁したいと思うのは紳士としてごく自然な事ではないだろうか?

 

「ま、マァ…いいわ!Big7は小さいコトを気にしナイのよ、何故ならBig7だからね!」ドヤァ!

 

ビッグ7…?ナニ言ってんだこの小っこいのは?

 

「で?ハナシとはナニかね?提督はこう見えても忙しい身でね、あまり時間はとれないのだが…」

 

でも、今日の俺のベッドは空いてるぜ?と小粋なテイトクジョークに顔を真っ赤にしてキィーキィー言って腕を振るコロちゃんはかわいいから仕方ない

 

「今日たしか南太平洋トーバツとかで出撃の日よね?」

 

「如何にも」

 

「私、呼ばれてないんだケド?」

 

「呼んでないからな」

 

ナニ言ってんだこの娘、まさか大事な大事な最終決戦のメンバーに自分が呼ばれるとでも思ってたのか…?

 

「私、ナニもしてないんだケド?」

 

「そうだっけか?」

 

「Iowaも……Saraも、それに他の娘達も…あー今日も疲れたーって…っ!今日何人殺ったー?とか、dinnerのトキに楽しそうにおしゃべりして…デモ、私だけ!私だけschedule真っ白で…っ!」ポロポロ…

 

「あー…」

 

コロちゃんはポロポロと涙をこぼしつつ、羨ましいよぉ、羨ましいよぉ…と抑えきれない感情を吐き出した…

いや、だって…コロちゃんの必殺技使い辛いし、ってか足遅いし…

 

「うぅぅ…!!」ポロポロ…

 

「まぁまぁほら、泣かないで、菓子パンでもどうかね?」

 

「FucK!子供扱いしないでくれる!私はBig7よ!」

 

そう言いつつ俺の手からバナ●クリームサンドを奪ったコロちゃんはナニコレ!メチャウマー!と言ってバ●ナクリームサンドにかぶりついた

 

「クッ…!これで勝ったと思わないコトね!ステイツにはもっと美味しいパンがあるのよ!」ドヤァ!

 

◆◆◆

 

「ゴングを鳴らせ!戦闘開始だっ!」

 

南太平洋空母棲姫はお供のシュモクザメっぽい生物にあのオロカモノをグチャグチャにして海にバラ撒いてやれッ!と命じると、シュモクザメっぽい生物は唸り声をあげて飛びかかって来たッッ!!

 

『SYAAAAAAAAAAAAAAS!!』

 

「フッ…」

 

まるでB級サメ映画に出てくる規格外のモンスターサイズ!!この重量差はあまりにも不利ッ!これほどの質量のタックルを喰らってはひとたまりもない!

 

………ですが、これは戦艦ナガトのハナシですよね?

 

当時その場に、連合艦隊の一員としてこの戦いに同行していた駆逐艦Fletcherは後に我々に語った…

 

ナガトさんですか?えぇ、はい、避けませんでしたね、はい、そんな素振りはまったく見せず、むしろ最初から正面から受け止める気満々でしたよ、えぇ…

 

え?潰れたと思ったか?ハハハ…ないない、ありえませんよ、えぇ、あの場の誰1人………クマノさんなんて鼻をほじりながらお腹空きましたわーと言ってましたし…

 

え…?あぁ、アハハハ……そうですね、まさかあのMonster classにBrainbusterをキメるなんて発想はなかったですね、えぇ、投げたんですよ………えぇ、そう、おもいっきり、えぇ、たぶんあのsharkも自分がナニをされたのかすら理解できなかったでしょうね、まさか自分が投げられるなんて…

 

「死ねェェェェ!!!」

 

『SYAAAAAAAAAAAAAAS!!??』

 

海面に脳天から激しく叩きつけられ、シュモクザメっぽい生物はその衝撃で意識を失い、ピクピクしていた…

 

『オイ、ウソダロオイ…』

 

この時、南太平洋空母棲姫とその麾下11名は死を覚悟した、たぶん自分達は死ぬだろうと…

 

『蝿ドモガ…ッ!コンナンデ…ッ! 私ガ倒セルカヨォ゛ォ゛!!』

 

「フッ、良い覚悟だ!だが貴様は知らぬ、この長門には陸奥の知らぬ……技があると言うコトを!」

 

ーーー

 

「それ行けっ!!さぁー!五航戦様の実力みせてあげるわ!」

 

今回、謎のやる気に満ち溢れ、ゴキゲンなエギゾーストで縦横無尽に空を舞う村田隊を引き連れてきた瑞鶴、そして…

 

「うわああああ!!カッコ良すぎる…っ!憧れの、瑞鶴センパイのお供できるなんて…っ!ま、眩しすぎる!あまりに眩しすぎて直視できねぇ…!!涙、涙で前が見えねぇ…っ!」ポロポロ…

 

「葛城!アンタ真面目にやってるの!?」

 

「うわあああアアアアアア!!ず、ずずずず瑞鶴センパイが私の名前をォォォ!!あ、あああ…今日、今日のコト、一生忘れねぇ…!」ポロポロ…

 

葛城は瑞鶴を心の底からリスペクトしていた

 

「あー…かったりぃ、マジかったりぃわ〜…熊野、漫画とか持ってない?」

 

「ありませんわ、っーか鈴谷、汗臭いですわ、あと、ビッチ臭いですわ、近寄らないでくださいまし」

 

「ハァー?鈴谷汗臭くないですけどー?めっちゃシー●リーズしてますけどー?っーか誰がビッチ臭いじゃコラァ!!熊野立てよオイ、タイマンだよ!」

 

◆◆◆

 

夏の陽気な執務室…

 

「あー…今のイイ感じにお腹に刺さりましたね」

 

「あーぁ、死んだなありゃ」

 

雪風様のスナイパーポジションから拳の衝撃を飛ばす遠距離技ガン・ブレット連射からのアサルトポジションでの突攻射撃ガン・ダイヴァーに絶対破壊攻撃(アブソリュート・ブレイク・シュート)を併せた超絶破壊攻撃(スーパー・ブレイク・シュート)

 

アレをマトモに被弾してお腹が無事な生物はこの星には存在しないだろう…

南太平洋なんちゃらは虹色の吐瀉物を吐きつつ海面に転がり、何度か痙攣したあと動かなくなった…

 

「勝ったなガハハハ」

 

「勝ったなガハハハ、じゃないですよ、ただの惨劇じゃないですか」





次回は英国の逆襲、ラッキージャーヴィスの逆襲

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