【登場人物】
比叡(次女)
金剛姉妹の次女、そのズバ抜けた才能故に、常に本気のファイトができないでいる
霧島(四女)
金剛姉妹の四女、バーチャ2では望月さんに勝てないけど鉄拳なら勝てる
南方戦艦新棲姫(カニアーマー)
アトミックシザーズを搭載した新しい南方一族のスーパールーキー、深海スラム出身で情に厚い
「だいたいオマエ、最近出撃してねぇし身体がナマってるだろーと俺が気をきかせてやったのに出ねぇとか舐めてんのかコラ?」
「別にいらぬ心配デース」
現地では第六ステージ最終決戦の幕が上がったであろう基地視聴覚室、迫力の大画面でこの最終決戦を観戦しようと考えこの部屋にやって来たワケだが……人生と言うモノはなかなかどうしてうまくはいかない
「そもそも、ワタシが出るまでもありまセーン」
「あ?」
「ワタシのシスターズはVery strong……とても強いデース」
金剛曰く、この戦い、自分が手を出す必要などない、妹達だけで十分ヤツらを鏖殺できると……それほど、いや、それほどまでに妹達にアツい信頼を置いているのか?
「それに、マイシスター比叡はすでに………ワタシと同じ“ステージ”に上がっていマース」
「なん……だと?」
バカな…?金剛と同じ…?同じステージだと……?金剛はたしか戦艦でありながら改二と言う壁を破りさらにその先のステージへと至った戦艦……
ま、まさか!金剛の妹である比叡も…ッ!その領域に!既に入門していたと言うのかッ!!
「そう言えば……今年の春頃、天動宮から凄まじい
金剛の
「なるほどな」
◆◆◆
ソロモン諸島、VS深海南方旗艦戦艦新棲姫打撃群最終決戦!!
「出たーッ!比叡サンの地獄六連突きーッ!!」
「あの突きを喰らったら向こう三週間は下痢ピーが止まらねぇぜーッ!」
長女金剛に次ぐ実力者、その認識は概ね間違いではないが………誰もがその真の実力を見誤っている、金剛に次ぐ実力、それは、金剛にあと一歩へと迫るほどの力…!!
実の妹でさえなければ、死力を尽くし屠るべき“強敵”とすら言わしめる金剛姉妹きっての天才…ッ!
『ゴハァ!!!』吐血ゥ!
『南方戦艦新棲姫クン!』
『南方戦艦新棲姫クン!』
『シ……Shit…!ヘ、ヘヘッ…マダマダ!マダマダコンナモノジャコノオレハ沈マネェ…!ソウサ…!マダコノ手ニ夢ヲ掴ンジャ……イネーカラヨォー!!』
比叡の地獄六連突きをマトモに被弾しKO寸前かと思われた南方戦艦新棲姫はアツい輝きと共に再び立ち上がる
そう、ナ級、ツ級、ヘ級、ネ級、あの夢も希望もない深海スラムから苦楽を共にし、いつかBIGになって故郷である深海スラムにデカい夢を見せてやると誓ったあの日…
そんな同じ夢見たアイツらの前じゃカッコ悪いところは見せられないぜーッ!とアツい叫びをあげた!!
『喰ラェェェェェェ!!』
そんな南方戦艦新棲姫の魂のこもったPunchを、その一撃を受け止めたのは…ッ!!
バシンッッッ!!!(完全ガード)
「霧島ァ…」
「良い拳ね………比叡の姉、アイツの相手は私が…」
金剛姉妹の末妹、インテリジェンスモンスター霧島ッ!!
「姉妹の負けは金剛の姉に恥をかかせるコトになる、わかってて言ってる?」
「勿論」クイッ!
「フッ…好きにしなさい」
比叡は霧島の肩を叩き、後方へと下がり…
『ナンダ?選手交代カ?舐メラレタモノダナ…』
「舐めている…?いえいえ、舐めてはいません………よっ!!」
ブォンッッッ!!!(霧島殺人パンチ)
『Oh〜……』
頬を掠めた霧島殺人パンチに、冷や汗と共に戦慄を感じた南方戦艦新棲姫…
今のパンチ、マトモに被弾したらさっきのヒエイとか言うヤツのパンチより危ないかもしれない…このメガネ、相当にヤバい、だが!!
『OK……!Come on!!愉シクナッテキタゼーッ!』
「行くぞオラァ!さぁ!“
◆◆◆
迫力の大画面映像と微妙にシャバい音響が楽しめる視聴覚室…
「出たーッ!霧島サンの知性的ファイト!」
「後方飛翔垂直落下式バックドロップがキマったー!」
現場からの中継に大興奮の駆逐艦のアホガキども、っーか俺の椅子を蹴るな、椅子を、大興奮なのはわかったから他人に迷惑をかけるなクズどもが…っ!
「しかし強いな、霧島」
「マイシスター霧島は姉妹1の知性派デース」
高等数学を利用した知性的なファイトを見せる霧島、さきほど、あの南方なんたらの南方ハンドでロックしてから海面に叩きつける南方アポカリプスなんとかを知性的にダメージを軽減した姿はまさにインテリジェンスモンスターと言っても過言ではないだろう
「まぁ、あの南方なんとかもよくやった方だが…」
渾身のマグナムパンチを真正面から霧島のパンチに粉砕され、No!Noー!と転げ回る姿にはある意味悲哀すら感じずにはいられない
しかし、霧島が真に恐ろしいのはそこではない…
ヤツは高等数学を利用し、戦いながら残り僅かであろうヤツの体力を計算しており、意図的に相手が倒れない絶妙な攻撃を加えているのだッ!!
「…フッ、霧島の悪い癖デース」
ヤツはこの戦い、あえて自分がトドメを刺すのではなく第2艦隊に連れて来ている駆逐艦のガキどもにトドメをくれてやるつもりでいるのだ…
…………残り体力1にして
「大したヤツだ…」
さて、第2艦隊の打順は誰からだったか?暁ちゃんだったか…?え〜……いや、違うな、たしか〜…
◆◆◆
「よっ!シェアッッッッッッ!!」
ドガァ!!!(ナイスガッツラリアート)
『ゴハァ!!バ…-バカナ!私ガ……沈ム?私ガ?ソンナ…馬鹿…ナ』
「かーらーのぉー!!せいやァァァァァ!!」
『グッ!グオオオオォォォォォォ!!コノ勢イハァァァァァ!!』
ゴシャアッ!!!(ナイスガッツジャーマン)
『ドベアァ!!!!』
美しいブリッジを描くジャーマンスープレックスで脳天を叩き割られ、ついに南方戦艦新棲姫は白眼を剥いて轟沈した………
「決着ゥゥゥゥゥゥ!!!」
長良は右手を大きく上げ、吼えるッッッ!!
「うおー!長良主将!長良主将!」
「やっぱり長良主将は最高だぜーッ!長良主将!」
「長良主将!長良主将!長良主将!長良主将!」
「ナイスガッツ!ナイスガッツ!ナイスガッツ!ナイスガッツ!」
………こうして、第六ステージ、ソロモン海の死闘は幕を閉じた、大迫力の大画面で皆から胴上げされ宙を舞う長良主将の姿に、視聴覚室の誰からか、ごくごく自然に拍手が打たれ、それはいつの間にやら皆の大拍手となっていた…
次回
わからせが必要