【登場人物】
提督(クズ)
浜風ちゃんの前ではいつだって全盛期
鳳翔(ママン)
通称ビッグママ、提督はおろかサミーや由良さんも頭が上がらない唯一無二のビッグママ
足柄(狼)
今海域作戦では第一海域で登板、微妙な立ち上がりとそこそこの活躍でチームの勝利に貢献した
大淀(眼鏡)
足柄のマジダチ、常に知性アピールをしているが偏差値は3、不良偏差値は98
鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…
『HO‐SHOWへようこそロミオー!』
軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない
薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ…
「うっお―っ!! くっあ―っ!! ざけんな―っ!」
「オイオイオイ、足柄よォー、そう荒れんなって!な?」
男には一杯の命の水を求める夜がある、命の水とは救いであり、悩める大人は皆、止まり木を探し求め、そしてそこで羽を休めるのだ…
そんな悩める大人である俺は、たまにはバ……ママとヤキュウの話を肴に飲むのも悪くないと考え、この夜の店にやって来たワケだが……
「オイオイ、ババア、この店はいつからあんなチンピラみてーなのを入れるようになったんだ?まるで知性を感じませんよ」
「フーッ〜………ウチは客を選ぶような殿様商売してないさね、あと…誰がババアだい!!」
バチンッ!!(クソ長煙管)
「痛いっ!!」
ババ……ママ愛用のクソ長煙管で頭を殴打され椅子から転げ落ちた俺はあまりの痛みに5秒程床を転げ回ったが痛みの回路を見事に遮断し、可能な限りCOOLに椅子に座りなおした…
「フーッ〜……今日はそもそも定休日なんだけどね」
バ…ママ曰く、店は定休日だがたまたま用があって店の入り口を開けていたら、足柄と大淀がやって来たのでそのまま客として入れたらしい…
まぁ、かく言う俺も定休日と知らずになんか開いてたから入ったんだが……そもそもこの店、定休日あったのか?知らなかった
「アンタ達、それ以上ヤンチャしたら店から叩き出すさね」
「ゲェッ!!マ、ママ…っ!!」
「へ、へへ…ジョーダンだよママァ…な?足柄?な?」
「あ、あぁ…ヘヘッ…悪い、悪かったわママ」
ビッグママに睨まれた足淀のバカコンビはまるで冷水でもBUKKAKEられたように反省しヘコヘコと頭を下げた
「ってか、カウンターにいるのテートクじゃない?いつからいたの?」
「水くせぇぜオッさん、足くせぇぜオッさん」
「誰がオッさんだ、あと、俺の足はクサくない」
チッ!気付かれたか……足柄と大淀はYO-YO-言いながらグラスを片手にカウンター席の、俺の両隣にガッチリと座った
「ママ、日本酒ロック、冷やで」
「オマエ、そんなの注文すっからモテねーんだよ」
「はぃー?オイ、大淀ォー…今、このメガネなんっつた?あ?この足柄サンがモテないって言いましたかぁー?」
足柄は俺と肩を組むように自分に寄せつけ……ってか酒クセッ…!!っーか酒癖悪りぃなコイツ
「テートクよォー…この際だから足柄にビッ!と言ってやってくれよォー…だからオメーはモテねーし、ミョーコーからは子持ち処●ってディスられるんだ!ってよォー」
大淀はメガネをクイッと上げ、知性アピールをしつつマッカラン、オンザロックでとママにオーダーしていた
「誰が子持ち処●だコラァ!!大淀ォー!立てコラァ!オモテ出ろやメガネが、タイマンだよ!」
「まぁ落ち着けって、な?テイトクもそう言ってるじゃねーか?な?」
言ってねぇよ、大淀のヤロー煽るだけ煽りやがって……
まぁいい、たまには部下の愚痴をグチグチ聞くのもまた上司の務め、飲みニケーションってヤツだな
「よぉーし!俺も男だ、足柄ァ…今日はオマエがなんでモテねーのかTOKO-TONヤってやるよ、オマエの気が済むまで徹底討論してやんよ!」
「ハァー…?っーかオイ、さっきから私がモテないモテないって……オマエにだけは言われたくないわメガネ!」
「誰がメガネだコラァ!キレたぜ、久々によォー…オモテ出ろや足柄ぁ、タイマンだ」ピキッ!パキッ!
「上等だわ」ピキッ!パキッ!
俺と足柄は立ち上がり思わずKISSしかねない距離でメンチを切り合う…っ!!
「………フーッ〜…アンタら、静かに飲みな」
「あ、はい」
「スイマセン」
フーッ〜…まったく!ママには敵わねぇな!
◆◆◆
俺、足柄、大淀によるJINGI御免の大人の飲み会は熾烈を極めた…
議題は何故モテないのか?から始まり、駆逐艦のバカガキどもへのアツい教育論、キヨシはやればできる子だのカスミは天使だの、暁ちゃんはいつまでクリスマスのサンタさんを信じてくれるのかだのアツい議論を俺たちは交わし合った…
「フーッ〜……鯛の刺身、アンタら食べな」
「マジっすかママ!」
「アザーっす!ビッグママ、マジビッグっす!」
ママの出してくれた新鮮な釣りたての鮮魚…っ!まったく、ママはいつだって俺たちをアツくしてくれる
「はー…やっぱ魚はインドアで堂々と死にたてに限る」
「あらホント美味しい、コレどーしたの?」
「フーッ〜……貰ったさね、ほら、あの娘、ほら…え〜…」
「んだよババア、更年期障害か?」
バチンッ!!!(クソ長煙管)
「あぎゃきゃぎゃぎゃあー!!痛てぇー!!痛てぇー!!」
こ…このババア、容赦ねぇ…ッ!!っーかマジで痛てぇ!もうそれ凶器だろ!
「誰がババアだい、BOY」
「ぼ…ボーイはヤメてくれよ」
「フーッ〜……まだまだ
椅子を転げ落ちたものの、なんとか復帰した俺は流れる血をおしぼりで止めた
「アレだよ、ほら、なんか駆逐艦の〜…銀髪でおっぱいデカい子、あの子から貰ったさね」
「浜風ちゃんかッッッ!!!」
ビッグママ曰く、そもそも今日店を開けていたのは休日を利用して釣りに行き、大漁で帰って来た浜風ちゃんから新鮮な魚を分けて貰い、そいつを処理しようとしていたら俺たちが来たと…
「フーッ〜…その浜ちゃんさね、なんかスーさんと釣り行ってたとか」
「へぇ〜…」
そっかそっかぁ〜…コレ、浜風ちゃんが釣った魚かぁ〜…そう考えると、メチャメチャ興奮してくるなオイ
「まったく……浜風ちゃんは最高だな」ナポォ…
「ちょっと!一度に取りすぎじゃない?大皿にはマナーってのがあるでしょ!?」
「うるせーよ子持ち処●が」モニュ…モニュ…
「ハイキレたー…あー…キレたわー、久々に、大淀ォ…ちょっと私懲役行ってくるわ、ウチの子達頼むわ、マジダチのオマエになら頼めるわ」
「オマエの子じゃねぇけどな、ま、礼号組は心配すんな、帰ったら金バッチ、用意しとく」
この後、俺と足柄は互いに戦闘開始のメンチ切り合いファイトを開始し、お互いにラウンドを譲らない一進一退のアツいファイトを店内で繰り広げたが、さすがにビッグママの逆鱗に触れたらしく、俺たちは仲良く店から叩き出された後、やっぱシメはラーメンだなとラーメンを食い行った…
翌日、イマイチ酒臭さの抜け切らないまま執務室に行くと秘書艦サミー子からゴミを見る目で見られたが、俺は悪くない
次回こそ第四ステージ、ですって!