不健全鎮守府   作:犬魚

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雨の季節ですね、毎日ステキです………そんなふうに考えていた時期が、俺にもありました

【登場人物】

提督(ヤキュウ中継は文句タレながら見る)
球種は全てファックボールのファックボーラー

速吸(女マネ)
練習終わった後のみんなが帰った部室で汗臭いとか関係なくブチ●したい女子マネージャーランキング1位、とんでもない豪腕ピッチャー

チームABDA(多国籍)
ヒューストン、パースちゃん、デロ子の3人が組んでいるBランクパーティー、一見経験豊富で低級なゴブリンとかオークには負けそうにないけどたぶん負ける





提督と速吸とチームABDA

そろそろ夏の暑さを感じずにはいられない今日この頃、たまには健康の為に運動でもしようと速吸クンとキャッチボールをしていたワケだが、キャッチボールはいつの間にか投球練習に変わっていた…

 

バシンッ!!!

 

「よぉーしいいぞぉー!いいキレだ!」

 

「ハイ!ありがとうございます!」

 

「よし次!あの球、イッてみよーか?」

 

「了解ですっ!」

 

さすがは速吸クンだ、制球にはやや難があるもののストレートの威力はホンモノ、絶好調時の速吸クンから安打を打つのはMAJORの怪物達でもかなり難しい、あのビッグママも認めるジャパンの宝と言えるだろう…

 

そんな速吸クンとエキサイティングキャッチボールに興じていると、暇そうな3人組がプラプラと歩いて来た…

 

「あ、テイトクだー!Hoーi!テイトクー」

 

「む………お前は、デロ子?」

 

暇そうな3人組こと多国籍艦隊チームABDAの1人、デロ子、わかる子である

 

「コンニチハ、Let's play catch?」

 

「ハハッ、ご覧の通り」

 

チームABDAのリーダー的存在?お姉さん属性担当のヒューストンくん、ご覧の通り、巨乳である

 

「暇そうね…」

 

「暇じゃない、提督なのだよ」

 

チームABDAのクッ殺貴族担当、パースちゃん、ご覧の通り、キンパツ美少女である

 

生まれも育ちも違っても、死す時は共にアツく誓ったらしいチームABDAのメンバー達は、今日のトレーニングを終え、今からみんなで冷たいモノでも食べに行こうと歩いているとこだと…

 

「なるほど、仲の良いコトだな」

 

「でしょ?なんならテイトクも来るー?」

 

「別に構わんが…」

 

「ヨッシャア!!ヒューストン!パース!テイトクのオゴリだってー!」

 

デロ子はヨッシェアー!とアツく腕を振り、さぁ行こう!今すぐ行こう!と俺の腕を掴んで組みグイグイ寄せてきた…

 

「誰がオマエなんぞに奢るかボケ、巨乳になってから出直して来い」

 

「ヒド…っ!え?じゃ、私はダメでもヒューストンはOKな感じ?」

 

「Of course、モチロンだ」

 

「悔しい…っ!悔しいけど…………わかる」

 

「わかってくれて嬉しいよ」

 

わかる系軽巡デロ子は俺の腕を放すとごくごく自然な動作でヒューストンくんのところへその足で近づき、ごくごく当たり前のようにヒューストンくんのパイオツにtouchした

 

「クッ!これがMAJORの洗礼…っ!ワカってはいたけど改めてワカらされる胸囲の格差!」モミモミ

 

「あ、あの…ロイテル?ちょ、やめてくれる?」

 

「クッ!ナニ食ったらそんなヤラシー身体になるの?やっぱ肉…?ハンバーガーね!ハンバーガーでしょ!欲張りセットでしょ!」モミモミ

 

「や、ホントやめて!お願いだからやめて!」

 

デロ子の蛮行に本当に困っていたヒューストンくんは、自身のパイオツをtouchしてやまないデロ子を突き飛ばした

 

ドンッ!!(突き飛ばし)

 

「グヘァ!!」

 

「大丈夫かデロ子!」

 

「だ、ダイジョーブ……ダイジョーブだよ、ヘヘッ」

 

突き飛ばされたデロ子の顔は不思議と安らぎに満ちていた、その顔はまさに、母親と話す子供のように…

それほどまでか!ヒューストンっぱい!!それほどまでかッッッ!!ヒューストンっぱいッッッ!!これが世界レベル、MAJORの実力だと言うのかッッッ!!俺はそんなデロ子の手をアツく握り…

 

「デロ子、オマエの意思は受け取った」

 

「ヘヘッ……テイトクならワカってくれると思ってたよ…」

 

「あぁ、わかるさ…今ならわかる!」

 

パイオツに賭けるオマエの執念、そしてアツい気持ちがッッッ!!決して敵わないと知りながらも果敢にMAJORに挑んだ大馬鹿野郎だよ、オマエは…

国も生まれも、言葉も性別も違う俺とデロ子は、今、この瞬間に互いにわかり合うコトができたのだ!

 

「…ねぇ、その茶番いつまで続くの?」

 

「なんてコト言うのかね、このキンパツ美少女は…」

 

チームABDAのチームメイトにして育ちの良い家柄臭のするパースちゃんは俺たちのアツいわかり合いに心底どうでも良さそうな冷たい目で俺たちを見下す…!

 

「正直どうでもいいから、ヒューストン、早くiceでも食べに行きましょ、ただでさえ蒸し暑くてイライラしてるのに…」

 

「そ、そうね…」

 

「オイオイ、待ちたまえよパースくん、提督がアイスを奢らないとは言ってないだろう?」

 

「は?」

 

パースちゃんの冷たい目、なんて目をするのかねこの娘は…

 

「提督とちょっとゲームでもしようじゃないかね?んん?」

 

「イヤよメンドくさい、ヒューストン、ロイテル、さっさと行きましょ…」

 

「ゲームは簡単、打者と投手の1打席勝負、キミ達の誰か1人でもあの速吸クンが投げる球を外野まで飛ばせばキミ達の勝ち、冷たいモノでも甘いモノでもなんで奢ろう」

 

「ハァ…?」

 

心底どうでも良さそうな顔をしているパースちゃんだが…

 

「え?マジで?やるやるぅー!今のハナシ、ホントだよねー?」

 

デロ子は即座に食いつき、チームメイトであるヒューストンくんとパースちゃんにオイシイハナシじゃーんとチームメイト達を説得すると、チームのお姉さん担当のヒューストンくんはやんわり承諾し、パースちゃんは渋々承諾した…

 

「フゥ………アナタたしか補給艦だったわね」

 

先頭打者はパースちゃん、パースちゃんはあきらかに速吸クンを舐めていた…

 

相手は所詮補給艦、そもそも女子マネージャーの間違いじゃないの?と舐めきった態度のパースちゃんに対し、俺はマウンドに立つ速吸クンに“ド真ん中、全開ストレート”のサインを出して最初の一球…

 

ズドンッッッ!!!(全開ストレート)

 

「…ッ!?」

 

ワインドアップから身体を大きく捻り、放たれた渾身のストレート…ッ!!国内だけでなくMAJORの怪物達をも唸らせた速吸クン必殺のトルネード…!

 

「………え?ナニ、今の?」

 

たった一球、たった一球見ただけでパースちゃんに、いや、チームABDAのメイト達に戦慄が疾る!この球は、当てるどころかバットに掠らせるコトすら難しいと…

 

「打てるかねぇ、正真正銘全力全開の速吸クンから」ニマァ…

 

「打てるかッッッ!!こんなの…っ!」

 

「ガーハッハッハッハ!!パースくんよ!この打席が終わった時、オマエは俺のドレイになるのだ!」

 

「ハァ!?聞いてないんだけど!」

 

「バカめ!ゲームには勝った時のご褒美、負けた時の罰があるのは当然だろう?クックック……自身の金髪美少女ぶりを鼻にかけお高くとまっているお嬢様のなんとまぁ無様なコト、さぁ!さっさと三振してしまえ!」

 

「クッ!このクソメガネ…ッ!」

 

ガハハハハハ!愉快愉快、口惜しさと屈辱に塗れたパースちゃんの美しいお顔、そいつが見たかったのだよ!

 

「ヤバーイ、ね?ヒューストンは?MAJOR出身でしょ?」

 

「ウ〜ン…100mile超えはちょっと自信が…」

 

 

速吸クン対チームABDA1打席勝負、パースちゃん、ヒューストンと打者2人を打ち取った速吸クンだったが、続くデロ子くんにデッドボールを与えゲームはチームABDAの勝利に終わった…

 

速吸クン曰く、どうせなら“あの球”を試してみたくなり、やってみたそうだが、やはり“あの球”は制球に難があるらしい…





次回からたぶんイベント回ですの、ですの

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