不健全鎮守府   作:犬魚

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なんやかんやで久々の通常営業、ボロン…ッ!はないよ

【登場人物】

提督(クズの人)
おばあちゃんからビッチには気をつけろと言われている

鈴谷(自称メインヒロイン)
冷静に見ると、事故物件に見せかけた優良物件
パイオツもでかい

熊野(お嬢様属性)
事故物件に見せかけた事故物件、パイオツはやや寂しい


提督と鈴谷と誰もが羨むメインヒロイン

年明けから新型ウィルス関連の一連の騒動に列島が激震して約半年……もう六月になり、季節は梅雨と言う新たなるステージへと突入しつつある今日この頃…

 

特に急ぎの用もない良き日、俺は、変身ヒロインは何故敗北ア●メをするのか?この、人類に課された難関問題に対し、リーマンゼータ関数の零点が負の偶数と実部が1/2の複素数に限られるのでは?と言う点からアプローチしていると、執務室の重厚な扉を勢い良く開き、敗北ア●メ常連の負け確ヒロインみたいなのが入室してきた…

 

「ティーッス、誰もが羨むメインヒロイン様が遊びに来ましたよぉ〜、メインヒロイン様が!」

 

「消えろ」

 

「いきなり消えろはヒドくね?」

 

ノックしてから入ってどうぞの返事を聞くコトなくズカズカと執務室にやって来たのは自称誰もが羨むメインヒロイン様、現役援航巡(たまに軽母)の鈴谷、ご覧の通り、ビッチだ

 

その、ビッチの鈴谷はお客様ソファーに遠慮なく座ると自分の机で雑誌のクロスワードパズルを解いていたサミーに喉渇いたんで冷たいティーとかないですかねー?と冷たいドリンクを要求していた

 

「レモンティーしかないですが?」

 

「じゃそれで」

 

「俺にも淹れてくれや、ブランデーをたっぷりでね」

 

「はぁ?」

 

俺の小粋なテイトクジョークを聞いてるのか聞いてないのか、サミーは面倒くさそうに立ち上がると冷蔵庫からレモンティーの入った紙パックと棚からグラスを取り出した…

 

「で?ナニしに来たんだオマエ、また無様に敗北ア●メでも晒しにきたのか?」

 

「遊びに来たって言ったじゃん、っーか無様に敗北ア●メとか晒したコトねーし」

 

「用がないならレモンティー飲んだらさっさと消えろ、目障りだ、あと、神聖な執務室がビッチ臭くてかなわん」

 

「ビッチ臭くねーし、っーかビッチじゃねーし、あと、用は遊びに来たって言ったじゃん、鈴谷と遊ぼうぜ!」

 

「ナニが鈴谷と遊ぼうぜ!だ、オマエが言うと援交感パナイな」

 

「ナニその風評被害、マジ傷つくんですケドー」

 

負け確ヒロイン鈴谷はサミーの淹れたレモンティーをイッキに飲み干すと、ブハァ!ウンメェー!とメインヒロイン様にあるまじき感想を吐いて口元を拭った

 

「っーかだいたいなんだオマエは?仮にも自称メインヒロインを自称するならもうちょいメインヒロインムーヴができんのか?」

 

「ハァ?自称じゃねーし、メインヒロイン様だし」

 

何故コイツはこんなにも自信満々に己のメインヒロイン様属性を疑わないのだろうか…?もしかして、イカれているのか?

 

「メインヒロインか………ふむ、ちなみにメインヒロインとはナニか?君は知っているのかね?」

 

「あたぼうよ!」

 

メインヒロインとはッッッ! !!

 

ひとつ!無敵なり!

ふたつ!決してNTRされたりせず!

みっつ!決して敗北ア●メすることはない!

よっつ!あらゆるヒロインムーヴを兼ね備え、しかもその能力はどんなサブヒロインよりも上回る!

そして!その形はギリシアの彫刻のように美しさを基本形とする!

 

「と………まぁ、こんな感じじゃん?」

 

「こんな感じじゃん?じゃねーよ、まぁ、しいて付け加えるコトがあるとするならだ…」

 

いっつ!金髪巨乳でエルフ耳ッッッ!ただし!銀髪褐色エルフ耳で巨乳ならなお良しとする!

 

「キモっ!!マジキメェ!!」

 

「マジキメェくない、提督だ」

 

「っーかエルフ耳ってナニ?エルフ耳って、ファンタジーかよ!現実を見ろよ!」

 

「やかましい、男ってのはな、いくつになってもファンタジーに憧れるファンタジスタなんだよ、手から火を出したり遠くの街に一瞬で行ったりする魔法に憧れると同時に可愛いあの娘を性奴隷にする隷属の魔法に興味津々丸なんだよボケ」

 

「うわ……想像以上にキモいわ」

 

「ちなみに、俺は意識を保ったまま身体だけを隷属するタイプの魔法が使いたい派だ」

 

個人的には、意識まで奪ってしまうのはどうにも味気ない、やはり催眠状態でやりたい放題ではなく、あくまで、心から屈服させる努力は必要だろう(※個人の感想です)

 

「わかったかクズが、わかったなら去れ」

 

「誰がクズだし、っーか提督が想像以上にクズでキモいってコトはわかった」

 

「キモくない、提督だ」

 

まったく、やはりビッチだな、俺がこれだけアツく懇切丁寧に説明してやったと言うのに…

鈴谷はサミーになんかお菓子ない?と要求して貰ったお茶菓子のエンゼル●イを食いつつまるでキメェものを見るような目で俺を見ていた

 

「まぁいい、かしこさ3のオマエには少々難しい話だったな」

 

「誰がかしこさ3だし、っーか提督にだけはかしこさでディスられたくねーし」

 

「それ食ったらさっさと消えろ、ア●ルが無事な内にな」

 

「なんで鈴谷がア●ルの心配しなきゃなんねーっの、っーか提督、いつもア●ルならセーフとか言ってるけどフツーにアウトだからね?むしろ前より変態寄りのアウトだからね?」

 

「バカ言うじゃないよこの子は、俺が知ってる気高い騎士も高貴なお姫様も清らかな聖女様も純真なシスターも純潔の巫女も前か後ろか選ばせたら後ろならセーフの理論だったぞ」

 

「偏った理論かッ!」

 

「偏ってない、提督だ」

 

まったく、これだからビッチは……貞操観念の希薄と言うヤツか?

 

そんなつまらないコトを考えていると、執務室の重厚な扉を叩き、新たなる侵入者が執務室へと入って来た…

 

「提督!いらっしゃいますのー?……って、あら?鈴谷も居ましたの?」

 

「熊野ェ…」

 

「熊野じゃん?なんか用?」

 

やって来たのは最上姉妹の末妹で鈴谷の妹、熊野

エレガントの皮を被ったエセガントであり、基本的にアホである

 

「なんの用だ?」

 

「なんの用だ?じゃありませんのことよ、午後から買い物に行くから付き合ってくださいましと約束しましたわよね?私、待ち合わせ場所で15秒も待ちましたのに一向に姿を現さないのでハラワタが煮えくりかえりましたわ!」

 

「約束………?あぁ…」

 

そういやしたな、昨日、自販機コーナーでジュース飲んでたらこのバカにバッタリ遭遇し、明日、街に買い物に行きたいから暇なら車を出せとか出すとか…

 

「そういやそうだったな、悪い悪い」

 

「土下座してくださいまし」

 

「あ?」

 

「本当に悪いと思ったならできるハズですわ」

 

…なるほど、さすがは熊野だ、上司であり、この基地の絶対支配者である俺に対しても上からくるまごうことなきお嬢様属性、大したヤツだ………だが!

 

「あ゛ー?なんだってー?もっぺん言ってくれるかぁー?」

 

ギリギリギリギリ!!(魔のテイトククロー)

 

「ギャアアアアアアアアアア!!割れる!割れてしまいますわァァァァァ!!私の頭が割れてしまいますわァァァァァ!!」

 

俺のワンハンドクローに、わたくしの負けですわー!カンベンしてくださいましー!と俺の腕をバシバシタップする熊野を床に投げ捨てた

 

「ぶべらっ!!」

 

「ワカればいいんだよ、ワカれば」

 

「クッ…!女を力で屈服させるコトに躊躇いがない、まっこと卑劣漢ですわね!」

 

「やかましい誰が卑劣漢だ、オラ、さっさと立て、おデートすんだろ?おデート」

 

「そうでしたね…」

 

俺は床に転がった熊野の手をとり、さっさと行くぞと…

 

「いや、ちょい待ち」

 

鈴谷がちょい待ちと俺たちの間に割って入ってきた

 

「え?ナニ?おデートすると…?誰と?誰…?え?熊野と?提督が?」

 

「然り」

 

「ナニ言ってますの?」

 

「いやいやいやいや!え?熊野と提督、おデートするほど仲良いの!?」

 

「まぁ、仲は悪くないな、なぁ?」

 

「そうですわね、口ではなんやかんや言いますが意外と仲は悪くないですわよね?」

 

「いやいやいやいや!おかしくね?提督、鈴谷とはお買い物とかしに行かなくね?」

 

「なんでオマエと買い物しに行かにゃならんのだ」

 

「なんで熊野とはお買い物しに行くの!?」

 

ナニ言ってんだコイツ?イカれているのか?

 

「買い物しに行くのに深い理由はないが…」

 

「じゃ鈴谷ともお買い物しに街に行くのもアリと?」

 

「いや、それはない」

 

「なんでッ!?おかしくね!?」

 

「だってオマエと歩いてたら援交の疑いかけられそうじゃん、職質されたら俺動揺しちゃうかも…」

 

「かけられるか!!っーか動揺する必要ないじゃん、フツーに職場の上司と部下って言えるじゃん!?」

 

「なるほど、オマエ頭いいな」

 

「目からウロコですわね」

 

なるほど、さすがは鈴谷だ、法の抜け穴を巧みに見つけるとは…どうやらただのビッチと言うワケではないと言うコトだ

 

「ちなみに本日のおデートプランをお聞きしても?」

 

「ねぇよそんなモン、買い物してテキトーにブラブラしてメシ食って帰るとかだろ?」

 

「提督、私、茄子カレーとか食べたいですわ」

 

「茄子カレーか…いいなそれ!よし、今日は茄子カレーでも…」

 

「ふぁ、ファーックス!!!なんだそれ!なんだそれはよォォ!!熊野ォ!なんなんだオマエはよォー!」

 

鈴谷は熊野の胸ぐらを掴みファーックスとか言いつつ詰め寄った

 

「な、なんですの!?」

 

「熊野ォ!アンタはいつだってそう!いつだって…!」

 

「当て身!ですわ!」

 

どんっ!(当て身)

 

「うげぇ!」

 

熊野の当て身で床に転がる鈴谷、その姿は、最後まで前のめりであり、何か執念のようなものを感じずにはいられなかった…

 

「な、なんですの?いったい?」

 

「さぁ?ジャレていたんじゃないのか?」

 

「なるほど…」

 

驚異の執念に戦慄する俺たちに、さっきから自分の机でクロスワードパズルを解いていたサミーが口を開いた…

 

「………はぁ、2人してバカなんですか?」

 

「バカじゃない、提督だ」

 

「失礼な、私はバカではありませんわ」





次回
おデートイベント連続発生中

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