【登場人物】
知性チーム(メガネ)
まるで知性が溢れませんよー!
表島チーム(非メガネ)
ナニが知性だ!そのかしこいおつむを………賢いか?
「皆々様こんにちは、未だに改二のお声がかからない重巡、青葉です、本日は特別斡旋S1演習、白露型特別の試合をお送りしております、実況は私、青葉、解説は総合格闘技にも造詣が深い雅な御方、初春様をお招きしております、こんにちは初春様、今日はよろしくお願いします」ペコォ…
「うむ」
「さて本日の演習なんですが、なんと禁断の姉妹対決~…と言うだけでなく、なんと同キャラ対戦となりそうな顔合わせになりますが、そこのところどうなんのでしょう?」
「ふむ………まぁ、アレじゃろ?“格げー”で同じ者同士が戦う感じじゃろ」
「なるほど、ネ●ツ脅威のクローン技術みたいなモノと…」
---
東西南北、四つに別れた演習場で同時に始まる四つの戦い!まず、その先陣を切る激突を見せたのは東の戦場!
「いけないなァ…テイトクのコトを悪く言っては…」
「なんなんですか?アナタ…何者?」
チーム表島最強の鬼札、春雨と相対するのは髪の色を染めようとして強めの薬剤を使い真っ白に脱色してしまったドジっ子(世間体)ハルサメ…
春雨VS春雨の禁断の対決ではあるものの、見た目からしてカラー違い、なおかつそのファイトスタイルもまるで違う!
「フォーッ!!」
ドガッ!!(ハルサメキック)
「チッ……なんですかその足?鉄の足…?」
春雨は紐で括ったドラム缶をブンブン振り回しつつ、まぁ、どうでもいいですが…と呟いた
「え?ナニそれ?ドラム缶?それ、そーゆーふうに使うの?反則じゃない?」
「………勘違いしている方も多いようですが、コレが、ドラム缶の使い方です」
---
「オイ、アタイが片付けるのはこのゴミかい?」
「ヒトのコトをゴミ呼ばわりとは、良くないっぽい!」
西の戦場では同じくシングルマッチ、超S級掃除人、涼風VS白露型最強火力を有する狂犬、夕立(表島)の激突!!
「ウチの涼風と違ってかなり口が悪いっぽ…」
ブンッ!!(足刀蹴り)
「いきなりあぶねーっぽい!!」
「オイオイ喋るのかい?このゴミは…」
「クッ…!このヤロウ…!」
今の足刀、もし直撃したらタダでは済まなかった…
どうやら違うのはガラの悪さだけじゃあないと改めて認識した夕立は警戒を強める…
相手は改、そして自分は改二、総合的な性能を考えると自分の方が有利だが、さきほどの足刀は野生の勘、そして思考より先に身体が反応する敏捷性を持つ自分でなければ回避できなかっただろう…
この危険な相手は、今、ここで、他の姉妹の誰でもない、自分が倒さなくてはいけない!!
「ブッ倒す…!!」
そんな夕立が覚悟が決めたその時、ベンチに座っていた表島大佐と他の姉妹達が自分達の座っていたパイプ椅子の位置を移動したッ!!
「あ、あれは…ッ!!X!Xの陣形!」
Xの陣形!!それは、表島大佐がチームメイト全員にあらかじめ伝えておいた作戦を円滑に伝える陣形…
そして、Xの陣形の意味とは………“相手の攻撃に注意せよ”!
「ヘヘッ…!ありがてぇっぽい!」
◆◆◆
「チーム表島ベンチの謎の位置移動、あれはいったいなんでしょう?初春様」
「さぁ?ま、ナニか意味があるじゃろ、サインの伝達とか…」
「なるほどー、それに対してチームクソメガネ側のベンチですが〜………あー、スマホです!スマホでゲームしてます!それに罵倒です!しかも相手を罵倒ではなく自軍のチームメイトをディスる声が聞こえます、しかもニヤついてるあたり、かなりタチが悪いです!」
「まぁ、いつものコトじゃな」
味方の成功を褒めるな!むしろ失敗を笑ってやれ!怒れ、憎め、妬め、負の感情こそ賛美され、邪悪のパワーを糧とせよ!それがこの基地のルールである
「さて、それでは北の会場の様子ですが〜………って、ゲェーッ!!」
「なんじゃ?やかましい!」
「な、なんと!!なんとォー!!北の会場!既に終わっているーッ!!まさかの試合終了だァァァァァ!!」
「な、なんじゃとォ!?」
ダブルス1、村雨&五月雨ペアVS時雨&白露ペアが戦っていたその戦場は………
既に終わっていた…
血塗れで金網フェンスにメリ込んだ村雨…
鎖のようなもので全身を緊縛されて転がった白露…
同じく、鎖のようなもので全身を緊縛されているものの、まるで激しい戦いでもあったかのように前のめりに倒れた時雨…
そして………
『村雨姉さんが悪いんですよ、だいたいなんなんですか?そのやらしい身体、ナニ食ったらそんなやらしい身体になるんですかね、まったく…』
海水で手をジャブジャブ洗う五月雨…
「コレはいったいナニが起こったのかァァァァァ!!初春様!コレはいったいナニが!!」
「やかましい!!ちょっと静かにせい!」
「………………」
「いや、静かにしすぎじゃろ」
【D1: ◯村雨・五月雨組 VS ●白露・時雨組】
◆◆◆
「ウソだろ!?白露と時雨のアネキが負けたなんて…!」
「ビッグボディでさえ勝ったと言うのに…」
南の戦場、白露・海風組VS江風・山風組の戦い!その試合の最中にもたらされた急報は江風と山風を戦慄させた…ッ!!
「アネキ達はアタシらよかよっぽどヤるハズなのに…しかもこんな早く」
「これは……負けてられない」
「あぁ!山風のアネキの言う通りだぜ、ここはまずアタシらが勝って勢いをつけねぇと!」
信頼する姉達のまさかの敗北には驚いたが、江風と山風は改めて勝つぞと決意を固め互いに手を組み、アツい姉妹の友情パワーを増した
「おやおや、これはこれは……一番最初に勝つのは私達かと思ったんですけどねぇ、海風さん?ホッホッホ…」
「そうですか…?ってか白露姉さん、なんですか?その気色の悪い……いえ、変なキャラは?」
「おやおや、さすがは新型の長女と呼ばれるだけはある……真の長女である私に意見すると言うのですか?」
白露はホッホッホと愉快そうに不気味な笑みを浮かべている…
「あ、いや、別にそう言うワケでは…ただ、その変なキャラはどうかと…」
「おだまりなさいッ!!」カッ!!
「ヒッ!?」ビクッ!
「ホッホッホ……まぁ、七女の海風さんはそこで見ていなさい、この私が一番であるコトをこの会場に来ている皆さんに教えて……いえ、わからせて差し上げましょう、そう、誰が一番で、長女なのかを…」
白露は江風と山風に向き直ると、さぁどうぞ、どこからでもかかってきてくださいと言うかのように右手をクイクイした
「な、舐めやがって…」
「江風、油断しない方がいい…」
「で、でもよぉ…あんな舐められて、クッ!アタシは行くぜーッ!!」
「江風っ!!」
江風は自信満々に挑発する白露に真正面から突っ込む!相手は所詮同じ白露型!戦艦と言うワケでもないし夕立や時雨のような突出したものがあるワケでもないし春雨のようなモンスターと言うワケでもない!
ならば戦いは先手必勝!勢いがある内に真正面から最大戦速の最大火力で一気に勝負を決める!
「喰らえーっ!!!」
「フンッ!貧弱貧弱ゥ……!なんだぁ?その眠っちまいそうなスローな蹴りはァ…?」
「クッ!!」
「フンッ!この白露が何故No.1と呼ばれているか教えてやるぞ!!」
白露は片腕で相手の腕を掴み、もう片方の腕で江風の脇の上を固めた!
「ぐわあああああああああああああーっ!!!」
「この白露がなんと呼ばれているか知っているかマヌケめっ!」
No.1サブミッション・アーティスト!白露!それがこの白露がNo.1たる所以よォー!!と叫びつつ白露の
腕!肩!肘!手首!膝!足!股関節!その他全ての関節と言う関節をを痛めつけるコトに悦びを見出すまさしく
「アダァァァァァァァァ!!痛い痛い痛い痛い痛い!」
「や、やめて!やめろー!!」
死の関節地獄を味わう江風に、山風は救いを入れるべくカットにかかる!!
「フンッ!何人来ても…」
「イダアアダァァァァァァァァ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛ァァァァァ!!」
「無駄無駄無駄ァ!悪いケド、ウチの妹じゃないなら容赦しないわーッ!!」
江風と山風の2人がかりを関節で翻弄する白露!まさしく赤子の手を捻るように2人を痛めつけ、もはや勝利は目前と思われたその時…ッ!!
「でやぁ!!」
ドガッ!!(飛び蹴り!)
「グハァ!!う…海風ェ…!」
まさかのタッグパートナーによる裏切りのカット!!
海風は、白露の関節地獄から解放された敵であるハズの江風と山風を優しく抱きしめ…
「…そう、たしかにアナタ達はウチの妹じゃない山風と江風だけど………私は!!たとえ本当の妹ではないにしても!山風と江風が!妹が苦しむ顔だけは見たくない!」
「クッ…!な、なんと言う長女力…ッ!!や、やめろッ!なんだ?なんなんだその光は!私が!私が長女だ!私が長女なんだーッ!」
「白露姉さん…」ポロポロ…
「やめろォ!!私をそんな目で見るなァ!私を哀れむなーッ!!ハハッ……そうだ、私は白露、白露姉妹の長女、長女なんだ!!海風ェ!!オマエなんかが私にィ!!」
「白露姉さん……なんて哀しい人、わかりました、今、姉さんをその苦しみから解き放ってみせます!」
「海風ェ!!」
邪悪のパワーに堕ちた長女白露を止めるべく、新型の長女海風が試合中にまさかタッグパートナーを解消し、掟破りの挑戦状を白露に叩きつけた!!
次回はその4
4つの戦い完全決着、そして…