不健全鎮守府   作:犬魚

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愛=理解!

【登場人物】

提督(クズの人)
紳士道を尊ぶ紳士、女子供にも容赦しない鉄拳の持ち主

春雨(ピンク)
深海帰りの本物、白露姉妹の闇は深い…

春雨(白いやつ)
悪堕ちした深海戦士、夕立と村雨からはパシられてる



提督とメイド・淫・ヘブン

世の中はGWに突入したものの、列島を激震する新型ウィルスによる不要不急の外出自粛や濃厚接触の禁止が叫ばれる今日この頃…

 

普段、この光溢れる地上の愛と平和を守る提督にも休日はある

 

「あー………今日も朝からダリぃな」

 

朝、爽やかな目覚めと共に朝勃ちする猛る己自身に理性と言う名の鎧を身に纏い、とりあえず朝の身支度を整えてから朝食を摂る…

 

「ほぉ…炭酸抜きコーラですか?」

 

炭酸を抜いたコーラはきわめてエネルギー効率が高いらしく長良主将も愛飲しているらしい…

そして特大タッパに詰められたおじや、バナナ、さらにウメボシもそえて栄養のバランスもいい…

 

「…ごきげんな朝食だ」

 

あとは………山盛りのキャベツが欲しいかな

 

「とか言うと思ったかボケェ!!俺は朝はパンとコーヒーで済ますビジネススタイルなんだよ!」

 

「朝から怒鳴らないでください、うるさいです」

 

テーブルを勢い良く叩き、このワケのわからん朝食を用意した御奉仕メイドは、小さいコトをゴチャゴチャと……チ●ポついてるんですか?と毒を吐いた

 

「ついとるわい、あと、女の子がチ●ポとかゆーんじゃないよ」

 

「女の子だってチ●ポぐらい言いますよ」

 

「やかましい、っーかなんなんだオマエは?いつまで俺の部屋に寄生するつもりだ?あ?この寄生虫が」

 

「寄生虫じゃありません、春雨です」

 

遡ること3年ぐらい前、かつて深海棲艦の卑劣な罠にかかり深海へと拉致されていた春雨…

 

しかし、帰って来た春雨は以前の少し頼りなさげでオ●ニーの声だけは大きい妹系ピンクではなく、まるでこの世の全てを憎悪しているかのような冷酷さと、よりハゲしいオ●テクを身につけて帰って来たのだった…ッ!!

 

「うっせーよ、一級パラサイトが」

 

「パラサイトじゃありません、ほら、一応お世話になってる手前、ご飯作ったり部屋の掃除とかしてるじゃないですか?お部屋に美少女メイドの安心のメイドサービスとかなかなかありませんよ」

 

「ナニが美少女メイドだ、俺は金髪巨乳以外のメイドさんは募集してねぇんだよピンクが」

 

俺の私室の押入れにこのピンクが寄生してもう半年以上が過ぎたが……コイツ早く出ていかねぇかな、自分の部屋なのに落ち着いてオ●ニーもできねぇのに、押入れからはたまにハゲしい声と動きが聞こえてくるからたまったモンじゃあない…

 

「………ごちそうさまでした」ペコォ…

 

「お粗末様でした」

 

しかし文句は言っても作った料理は食べる、ハッキリ言って、大して美味くはないがやはり誰かが作ったものと言うものは温かみがあるものだ

 

「今日はお休みですか?」

 

「そうだが?」

 

「どこかに行く予定は?」

 

「うるせぇな、ねぇよ、今日は部屋でダラダラするんだよ、わかったらとっとと部屋に帰れ」

 

「帰りませんよ、じゃあ今日の夕御飯はお部屋でですか?何にします?」

 

「カレー」

 

「カレーですね」

 

自称御奉仕メイドさんはよぉーしとか言いながら食器を下げ、手早く食器洗いを開始した…

 

「〜♪」

 

…思わず鼻歌でも歌っちまうぐらいゴキゲンらしい春雨はピンクとは思えない手慣れた動きで次々に家事手伝いの業務をこなしてゆく…

炊事、洗濯、掃除、たしかに、自称御奉仕メイドとか名乗るだけのことはあるが、コイツはあくまで御奉仕メイドではなく戦いの為のマシーン、敵を殺す事でしか己の存在と価値を見出す事ができない殺戮の為のマシーンだと言うコトを忘れてはならない…

 

もし仮に、俺が理性も見境もないロ●コンだったとするならばだ、おそらくは掃除機をかけているコイツのバックから挿入し、半日ぐらいアンアンヤった後で使用済の俺のペ●スをキチンと口で掃除させるだろう

 

しかしだ、俺にメイドさん属性はあってもコイツでは対象にならない、仮に、御奉仕メイドがこのピンクの2つ下の妹である海風姉ちゃんならファックするかもしれんが…

 

「………チッ、タバコでも買ってくるか」

 

「あ、どこか行くんですか?」

 

「タバコ買いに行くんだよ、あとついでに、トレーニング室で汗ダクでヒィヒィ言ってるコロちゃんでも眺めてからトイレでシコってくんだよ」

 

「そうですか、いってらっしゃいませ!」

 

「ナニがいってらっしゃいませだ、尻の穴めくり上げられてーのか、テメーは」

 

◆◆◆

 

明石のバカの店で菓子パンと缶コーヒーとタバコのテイトク欲張りセットを買い、トレーニング室でヒィヒィ言って喘いでるコロちゃんの腋でもオカズにしようと歩いていると、自販機コーナーのところに白髪のハルサメがいた…

 

「…ゲッ、マズっ!なんだよコレ、ハズレじゃん……コレ作ったヤツ死ねよ」

 

ハルサメは中身の入った缶をゴミ箱に叩き込み、自販機に蹴りを入れていた

 

「オイ、ナニやってんだテメー!」

 

「ん?あぁ、テイトクか……ってか聞いてよテイトク、コレ!このジュース見たことないヤツだから試しに買ってみたらめっちゃマズいの!」

 

「マズいだのマズくないだのはいい、自販機を蹴るな」

 

俺は右手でハルサメの顔面を掴み力の限りギリギリしてやった

 

ギリギリギリギリギリギリ(魔のテイトククロー)

 

「ギャアアアアアアア!!痛い痛い痛い痛い痛い!!割れる割れる割れる割れるーッ!!ギバップ!ギバーップ!!」

 

オレの負けだ!カンベンしてくれェ!と、俺の右手をバシバシ叩いてタップするハルサメを解放し、クズがと吐き捨てるとハルサメはナニすんだコノヤローと即座に反撃の蹴りを打ってきたがガードした

 

「クッ!」

 

「なるほど、その鉄の足……かなりゼ●モスを使いこなしているようだな」

 

「ハッ?おかげさんで」

 

繋ぎ止める力(ゼ●モス)”とは念動力の一種、その原動力は憎悪や怨念、そして想像を絶する怒りと言われているが実際のところはよくわかっていない…

ハルサメはそのゼス●スと明石の店で買ったナノテク技術が詰まった鉄の足を使い、今やパーフェクト駆逐棲姫と言っても過言ではない実力を持つ………が

 

「ま、いいや、テイトク、ちょっと早いけどお小遣いくれね?今月課金しすぎちゃって…」

 

「やかましい、ナニが課金し過ぎただ」

 

「いや、どーしても今月はランカー落ちできなくて、ランカー限定アイテムがマジでヤバくて…」

 

暗い海の底からやって来た誇り高い深海の姫は、地上の光とアニメや漫画やネットゲームなどの娯楽文化、そして、歩いて10分のコンビニの前にその誇りは屈した……

 

仲間達が来るまで絶対に負けない!とか言ってる姫は絶対に負けるように、誇り高き深海戦士から廃人ネトゲ戦士に悪堕ちした

 

「バイトでもしろよ、バイト、明石の店で鳥からマスクつくるバイト募集してたぞ」

 

「うわメンドくせ……ってかアカシさんの鳥ってあのバカデカいダチョウの出来損ないみたいなヤツでしょ?あんなのに蹴られたら内臓破裂するっての、ってテイトクはなんかないの?1回10万円ぐらいのバイト」

 

「ねぇよ、ブッ殺すぞ」

 

「ないのかよ、あー…使えね」

 

ハルサメはジャージのズボンに右手を突っ込み、股ぐらを掻いた手をフンフンと嗅いでクセっと呟いた…

 

「ってかテイトク、その格好、今日休み?ナニやってんの?」

 

「あぁ?今から汗ダクのコロちゃんの腋をオカズにシコりに行くんだよ」

 

「うわー………引くわー」

 

「引くわー…じゃねぇよ、オマエ、コロちゃんは絶対イイ匂いするからな!オマエのワキガクセー腋と違うからな」

 

「ハァ?クサくないですケドー?ダンゼンイイ匂いしますケドー?」

 

「ウソつくんじゃないよ、チーズ臭い股ぐらのくせに」

 

「ハィー?チーズ臭くないですケドー?」

 

「さっき自分でクセッってか言ってたろーが、じゃあなんだ?ペパーミントみてーな匂いでもすんのか?」

 

そんなワキガクサイだのクサくないだのワリとどうでもいい話を俺たちがアツく語り合っていると、廊下の向こう側から何者かが歩いて来た…

 

「あら?テイトク、と………え〜…誰でしたっけ?ガリィ、知ってる?」

 

「さぁ?宇宙の果てを知らねーように興味ねぇし」

 

パスタの国からやってきた本物の最新鋭軽巡姉妹ッ!!戦慄のピンクモンスター・アブルッツィ姉妹ッ!!

 

「よぉ、え〜……ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくんと、ガリーくん」

 

「あの、テイトク…別に私の名前はフルネームでなくても…」

 

「っーかアタシは略すのかよ、馴れ馴れしいなこのオッさん」

 

この姉妹、本物の最新鋭を名乗るだけあってその完成された身体はまるでミケランジェロの彫刻のような躍動感と美しさを持っており、それまで、ピンクは淫乱だと思い込んでいた俺にピンクとは仕立ての腕次第でこれほどのエレガンテを演出する事が出来るのだと感動したものだ

 

「ほら見ろ、コレが本物のイイ匂いがするピンクだ」

 

「たしかに、メチャメチャイイ匂いがしそう…」

 

ハルサメはフンフンと鼻で匂いを嗅ぎながらアブルッツィくんに近づき…

 

「な…なんでしょう?」

 

ペロォ〜…!(腋舐め)

 

「ヒィッ!?」

 

「…この味は“FERRAGAM●”の味だぜ…ッ!テイトクっ!」

 

「な、ナニするんですかっ!?」

 

「オイヤベーよアネキ、コイツらなんかヤベーよ」

 

◆◆◆

 

「ただいまー」

 

「お帰りなさいませ」

 

トレーニング室に行ったものの、そこにコロちゃんの姿はなく、長門の野郎がフンフン言いながらバーベル上げ下げする汗臭い匂いしかなかった…

 

「遅かったですね、あと………別の女の匂いがします」

 

春雨はスカートに収納してあるらしい出刃包丁を取り出してその刀身をペロリと舐めた

 

「フ●ラガモだろ、っーかオマエは俺のなんなんだ?」

 

「御奉仕メイドです」ニコッ

 

「やかましい、ウチにメイドは必要ねぇんだよピンクが、さっさとウチの押入れから去れ」

 

「イヤです、さ、カレーがデキてますよ!カレーが!春雨特製春雨カレー!」

 

何故普通のカレーにしないのか…

 

帰宅した男が求めるのは普通じゃないカレーじゃない、普通のカレーである

 

理屈や理論なんかじゃあない……“本能”がそう求めるのだ





次回
狼はまだ死んじゃあいないぜーッ!!

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