不健全鎮守府   作:犬魚

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第一の殺人技、ビッチベン・エッジ

【登場人物】

提督(美)
美しいものを尊び、醜いもの卑下する美の伝道師

Grecale(美)
ナマイキ美少女、必殺技は金的、嫌いなプレスな種付けプレス


提督とGrecaleと屋上へ行こう

列島に不要不急の外出を控える自粛要請が蔓延るたった一度の今日と言う日…

 

大してやる事も無く、秘書艦サミー子も今日は有給で居ないのでたまには鏡の前でポージングするかと思い立った俺は、とりあえず着ていたものを脱ぎ捨て、鏡の前に立ち“神よ、私は美しい…”と呟いていると執務室の扉が開き何者かが入室して来た

 

「Ciao、Ciao♪テイトクゥー?ナニやってん………って、え?ホント、ナニやってん…の?」

 

「オマエは…」

 

やって来たのはイタリアから来た合法駆逐艦、グレカーレ、見ての通り、ナマイキなメスガキだ

そんなグレカーレは俺の姿を見て一瞬固まったが、すぐに切り替えたのかニヤニヤしつつ、か〜わいい♪と余裕の態度を装った

 

「ナニか用かね?」

 

「べっつにー、ヒマだし遊びに来てあげたわけよ」

 

「そうかね」

 

まぁ、窓から射し込む聖なる光により、俺の股間はグレカーレには見えない安心の全年齢対応だから問題ないだろう

 

「ってテイトク、ナニやってんの?バカなの?」

 

「いやだわこの子ったら、いきなりストレート投げ込んできたよ」

 

「や、バカ以外の何者でもないでしょ?ってかこんな子供の前で全裸とかブザマ過ぎ、恥ずかしくないの?ねぇ?あ、そーだ、写真撮っちゃお」

 

「別に撮るのは構わんが………なんだ?スマホの待ち受けにでもするのかね?」

 

「するかッ!!」

 

なんならフロントダブルバイセップスでもしようかね?と懇切丁寧に提案したらふざけんなバーカ!と返され、グレカーレはその辺に脱ぎ捨ててあった俺の服を拾うと投げつけてきた

 

「いいからはやく服着てよね!いつまでグレカーレちゃんにそのお粗末様見せつけてるつもり?正直そんなお粗末様で提督とか失礼だよね!死ねよ!」

 

「誰がお粗末様だ、ご立派様と言わんかい」

 

「ハァ〜?」ニヤニヤ

 

クッ、相変わらず舐めたクソガキだな、どうやらこのガキにはダンディ様のダンディってのをわからせる必要があるらしい…

 

俺はとりあえずグレカーレから返された服をダンディに着こなし、鏡の前で一度ハンサムを確認して執務机へと戻った…

 

「で?何の用だ?またおチ●ポ様に負けに来たのか?」

 

「負けてないし、ってか、またとかゆーな!このグレカーレちゃんは一度だって負けたコトないし!知ったふーなコトゆーなハゲ!」

 

「ハゲじゃない、提督だ」

 

このガキ、俺はまだフサフサだっーの、モチロン、毎日トリートメントは欠かしていない…

 

「ってかヒマだし遊びに来てやったって最初に言ったでしょ?ハナシ聞いてないの?耳くそ詰まってんの?」

 

「詰まってねーよ、っーかオマエ口悪いな、提督様に対してなんだその口の利き方は?謝罪しろ」

 

「ハァ?アタシ悪くないし、誰が謝罪なんかするかザァーコ!」

 

「誰がザコだ、チッ、用がないならさっさと帰れ」

 

「だから遊びに来てあげたって言ってるでしょ!このグレカーレちゃんが!わざわざ!ヒマでヒマでタイクツしてるテートク相手に遊んでやろーってのよ!」

 

「なんだそりゃ?ツンデレか?イマドキ流行らねーぞ、ハハッ」

 

「笑うなァ!!」

 

まったく上の口ではナマイキ言ってもまだまだお子様だなオイ、もしかして友達いないんじゃないのか?

 

「わかったわかった、遊んでやるよ、で?ナニして遊ぶんだ?オママゴトか?それともお人形さんで遊ぶか?ん?」

 

「クッ…!バ、バカにして…!このアタシを舐めたコトをコーカイさせてやるわ!」

 

「やれるモンならやってみろクソガキが」

 

◆◆◆

 

「ティーッス、鈴谷が遊びに来ましたよぉ〜………って、ナニやってんの?」

 

「オイ!天使の聖杯!早く天使の聖杯投げろ!」

 

「うっさい!!アタシに命令すんなハゲ!!あと足クセーんだよ!」

 

「誰がハゲだ!あと、俺の足はクサくない!」

 

遊びとは何か?その難しい問いに対しクソガキグレカーレと互いに納得の行く点での協議の結果、俺たちの出した結論はテレビゲームを協力プレイするという答えになり、そして今、俺たちは力を合わせて月●の塔を目指すべくキケンな獣達がウヨウヨいる森を進んでいた…

 

「ねー?あ、ゲームしてんの?鈴谷も仲間に入れてー」

 

「やかましい!!今ハナシかけんなビッチが!」

 

「あー!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!死んじゃう!ウソでしょ、まさかこのアタシがこんなイヌっコロに…っ!」

 

「ねー!鈴谷も入れてよー!ねー!鈴谷も欲しいー!ねー!鈴谷もヤらせてー!」

 

物理的に押しつけがましく俺の背後からグイグイくる鈴谷の腹に肘をブチ込み、とりあえずゲームの進行を一旦中断した俺は冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出す…

 

「オイクソガキ、なんか飲むか?アイスティーしかないが」

 

「アタシ、オレンジジュースね」

 

「アイスティーしかないって言ったろーが」

 

「じゃ、買ってきて、果汁100%のヤツ」

 

「ブッ殺すぞ」

 

「…………って!!鈴谷をムシすんなァァァァァ!!なんなの!?なんでガン無視すんの?」

 

「あぁ?」

 

あぁ、そういやいたなコイツ、忘れてたわ…

どうやらさっきまで俺の肘で悶絶していたらしく、床を転げ回っていたようだ

 

「別に無視はしてねぇよ、忘れてただけだ」

 

「そーゆーの無視よかタチ悪くない?ってかゲームするなら鈴谷も呼んでよ、鈴谷ゲーム超得意じゃん!」

 

「悪いな、このゲーム2人用なんだ」

 

「マルチタップ使えばいいじゃん」

 

チッ、マルチタップの存在を知っていたか…

 

「だとよ、オイクソガキ、このビッチが仲間にしてくださいだとよ?」

 

「ハァ?手下にしてくださいの間違いでしょ?あと、アタシのことクソガキってゆーな、グレカーレちゃんって呼べザコ」

 

「こ……このガキ、ってかテートク、ナニこの態度悪いガキ、鈴谷ちょっとカチーンときたんですけどー?」

 

「ハァ?ナニ?もしかしてそれグレカーレちゃんのコト?ってかナニ?この女、全然カワイくなくない?グレカーレちゃんの方がコイツより万倍はカワイイし」

 

ブチィッ!!!(堪忍袋の緒)

 

「ハー…………キレたわ、久々によォ〜……オマエちょっと屋上にツラ貸せじゃん」

 

「は?イヤなんですけど?」

 

鈴谷はグレカーレの後襟を掴みいいからちょっと屋上いこーぜとズルズルと引っ張った

 

「ハァ?オマ、オマエ!!ちょ、ちょっと離せよ!」

 

「オイ鈴谷、顔はやめとけよ、顔は」

 

「いや〜…どうかな〜…今日鈴谷ちょっとナニすっかわかんないかなー」

 

「ハァ!?オマエ!ふざけんなよ!!このグレカーレちゃんを痛めつけるとか…っ!」

 

鈴谷は“コイツにもわからせないとダメかな〜…メインヒロイン様の恐ろしさを…”とかブツブツ呟きながらグレカーレを引き摺りながら執務室から去って行き…

 

 

『ア゛ーーーーーーーーーーーーッ!!!』

 

 

---

 

後日…

 

「フーッ、今日も朝から元気なウ●コ、快便ってヤツだなぁ〜」

 

朝、素晴らしい快便に思わず鼻歌でも歌ってしまいそうだと廊下を歩いていると、パスタの国から来た戦艦姉妹の姉の方がいた

 

「あ、テイトク、ちょうど良かった、ちょうどテイトクに相談したいコトが…」

 

「え〜……リット、いや、今はイタリアくんだったかな?ナニかね?」

 

「あの、最近グレカーレが部屋に閉じこもってて…」

 

「さぁ?便秘じゃないかね?」

 

「そうなんでしょうか?」




次回はなんやかんやで700回目
初心に忘れるべからずの巻

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