【登場人物】
提督(メガネ男子)
ハンサムなカノジョは読んだことある
Gotland(andra)
設計図だけでなくカタパルトまで要求してくるお高い女、そのカタパルトなんか役に立ってんのか?
岸波(ふわっとヘアー)
通称、岸ちゃんだったり岸クンだったりする
甘いもの全般がわりと好き
花は散るから美しい、今年もいつの間にやら桜が咲いていつの間にやら散っていると言う“結果”だけがこの世に残った…
そんなわりとどうでも良さげなコトを考えつつ、明石の店で菓子パンと缶コーヒーを買い、タバコでも吸うかと喫煙所へと歩いていると、外のベンチで軽巡的なヤツがイヤがる駆逐艦にグイグイ迫っていた
「ねぇ?岸ちゃんそのアイス美味しい?ねぇ?」
「はぁ、まぁ…なかなか、普通ですかね」
「普通なんだ?へぇーフツーなんだー、じゃあゴトのと一口交換してみない?ね?ほら!ね?アーンして、アーン!ほら!口開けて!」
「ちょ…イヤですよ、やめ、やめてください!押しつけな………あむっ!?」
「どう?ね?美味しい?ちゃんと舌で味わってね?いっきに飲み込んじゃダメよ?ちゃんとオクチの中でクチュクチュしてからね」
ゴスッ!!!(垂直落下式拳骨)
「イダァァァァァ!!」
「駆逐艦相手にナンのプレイしてんだテメーは?ア゛ァ?風紀舐めてんのかコラ」
基地の風紀に厳しい事に定評のある俺としては見過ごせない言動に、思わず言葉より先に手が出てしまったが…まぁいいだろう、今、この瞬間に困っている女の子がいるなら少年誌なら大抵のコトは許される
「イダァァァァァ!!わ、割れた…ッ!ゴトの頭蓋骨たぶん割れたわー!」
「……ケホッ、ふ〜……ありがとうございます、テイトク」
ゴトランドから無理矢理口内に白いものを挿入されていたのはスーパーエリート駆逐艦、夕雲姉妹の岸波クン
ふわっとしたヘアーと死んだ魚のような目が特徴的の真面目で良い子だ
「岸クンも災難だな、だが困ったコトがあればいつでも言いたまえ、提督はいつだってすっ飛んで駆けつけるのだよ」
まるでスーパーヒーローのようにニカッと笑い、親指を立てた俺は未だベンチから落ちて転げ回るゴトランドにクズが!と吐き捨てた
「クッ…!!ナニ!!なんなの?ゴトが一体ナニしたっての!?」
「やかましい、自分のパイオツにでも聞いてみろ」
「パイオ……!?まぁ!なんていやらしい人!ゴトのコトそんな目で見て、まるでケダモノね!」
「お前にだけは言われたくないわい」
ケダモノとかファイアーエム●レムでしか罵られたコトない罵倒の台詞を吐き、頭蓋骨のダメージから回復したらしいゴトランドは再びベンチへと座った
「今日はゴトの改装記念で岸ちゃんと仲良くアイス食べてたのに……もう!!最低!」
「やかましい」
………ん?いや待て、コイツ今なんて言った?改装記念?
「オマエなんか変わったのか?」
「はぁ?見てわからないの?」
「見てわかるほど普段からお前に興味ねぇしな」
言われてみると、なんかいつもの服より高級感が増した気がするな、あと、太腿がエロい
これはもう誘っているとしか思えない太腿だが………よし、神州丸クンの太腿を思い出して落ちつこう、フーッ……ハーッ…よし、落ちついた
しかし今日の朝、戦艦寮の最奥…金剛姉妹専用の寮、通称、天動宮から凄まじい
「…そう、今のゴトは今までのゴトじゃあないわ、あえて名を冠するとするならばGotland andraよ!」
「はぁ?アンドレ?」
「andra!」
なるほどたしかに、コイツから感じる気、太腿だけではなくパワーもスピードも上がっているようだな…
だが、所詮はそれだけだ、この基地の絶対支配者は提督である俺、依然変わりなく!
「なんと軽巡から軽航巡に戻ったわ!」
「ふ〜ん、ナニそれ?新しい艦種?」
「ゴトランドさんは元々最初は軽航巡で改装したら軽巡になってたんですよ」
「へぇ〜」
さすがは岸クン、詳しいな!そしてこのバカと同期な付き合いなだけはある
「まぁ、オマエが軽だろーが尻軽だろーがどうでもいいが頼むから問題だけは起こすなよ、次なんかやったら岸クンの半径200キロに接近禁止令出すからな」
「ナニそれヒドくない!?」
「やかましい、だいたいなんだその制服は?誘っとんのか?あ?」
「テイトク、ゴトランドさんもたぶん悪気はないんです、たぶん、たまにアイス奢ってくれますし」
まったく!岸クンは本当に良い子だな、ついさっきまで自分が襲われるトコだったのに…
もし俺がまだ若く、岸クンと同じティーンな年頃だったらたぶん岸クンに惚れてたね!彼女はきっと良いお嫁さんになるよ、そして仮に、岸クンがお嫁さんになってここを旅立つその日が来たら俺はきっと泣くだろう
「まったく………岸クンは本当にイイヤツだな、よし!提督がお小遣いをあげよう!みんなにはナイショだぞ?」
「はぁ?どうも…」
俺は財布から取り出した紙幣を岸クンに握らせ、これで新しいゲーム機でも買いなさいと言ってハンサムスマイルをしてやった
「ナニそれ!?提督、汚い!汚いわ!私の岸ちゃんをお金で釣るつもりなの!」
「ハァ?お前のじゃないだろ?」
「いーえ!私と岸ちゃんは運命の赤い糸で繋がれてるわ!何故なら私は初めて岸ちゃんに会ったその日から運命を感じたから!」
「そりゃオマエ、気のせいだろ」
「いえ、わかるわ!岸ちゃんゲーム機が欲しいの?ゴトが買ってあげるわ!今からヤ●ダ電機行くわよ!あ、そーだ!ゴトと一緒にドーブツの森しましょ!買ってあげる!」
「ハァ!オマエ汚いぞ!岸クン、こんなクズに買ってもらう必要はないぞ、な?」
「ハ?お金だけ出して偉そうなコトを……あ、そーだ!岸ちゃん!ゲーム機買いに行くついでに外でケーキとか食べましょ?ね?きっと楽しいわ、きっと、うふふ…うふふふふ」
「ハァー?金だけー?言いやがったなコノヤロー!じゃ提督は車出すから!俺の車で買いに行こうなー!あとお高価焼肉とか食べて帰ろうなー?口の中でめっちゃ溶けるやつー!」
「ハアァ!?ナニそれー!?クッ…!どこまでも汚い!最低!アナタ最低だわ!」
「誰が最低だボケェ!ゲハハハハ!」
「わかった!じゃゴトも一緒に行くわ!誰が岸ちゃんと提督を2人っきりにするもんですか!」
「はいー?残念でしたぁ〜?提督の車は2人乗りなんですぅ〜!ミッドシップ、2シーターなんですぅ〜、わかったら部屋で1人でシコってろ!」
「詰めれば乗れるわよ!!あ、そーだ、ゴトが助手席で膝に岸ちゃんが乗ればいいのよ!それで解決ね!」
「バッキャロー!ママの胸よりチャイルドシートって言葉知らねーのかテメーは!」
俺とゴトランドは互いに胸グラを掴み合い舐めてんのかテメーはとハゲしいメンチの火花を散らし…
「あの………今日は姉妹で鍋なので、すみません、これで失礼します、では…」
「あぁ!またな!岸クン!」
「またね!岸ちゃん!」
この後、互いに白熱したメンチを切り合い、岸クンの良いところを言い合った俺たちは勝負の場をママの店へと移し、酒の力を借りてさらにハゲしい岸クンのステキなところバトルを閉店時間を過ぎてママに蹴り出されるまで繰り広げた……
「うぅぅ……気持ち悪い…」
「オマエ飲み過ぎだろ、ほら、トイレでゲーしてこい、ゲー」
「ぅぅぅ……やだぁ…ゲーしたくなぃ…ってか今日部屋に帰りたくなぃ…1人で寝たくないよぉ……寂しい、ゴトはいつだってそう…アーベルも、クリスティアンも、フレデリックもみんなゴトから離れていった……ゴトはあんなにも尽くしたのに…」ポロポロ…
「だから重いんだよオマエは、ってかマジで重い、ってか体重かけるな!自分で歩け!」
まったくなんて面倒なヤツだ…
しかし俺もハンサムな提督、ここはやはりハンサムとして正しい選択を選ばねばならない…
①ハンサムな提督はこの面倒くさい女を便所に放り込んで颯爽と帰った!
②ジャジャーン!丁度いいところに阿武隈がいた!コイツを押し付けて颯爽と帰る
③仕方ない、部屋に連れてくか…
…俺がマルをつけたいのはモチロン②だが、こんな夜中に運良く阿武隈が歩いているとは思えない、ならば答えはやはり……
①を選んだアナタは ←to be continued…
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