【登場人物】
フブキ(吹雪型っぽい何か)
司令官のコトを悪く言われるとちょっとムッとする本当は純粋で心優しい娘
プッツン改造計画唯一無二の成功だが以降には続かず、また、その詳しい改造計画は一切の記録が残されていない
「ドラァ!!」
「鬱陶しいわね!コイツ!!」
開戦序盤、経験値で勝る村雨優位の戦いかと思われたものの、戦うにつれて驚くべき速度で学習・急成長するフブキの猛攻に徐々に押され始めた村雨…
そんな村雨にイラついたのか、夕立は情けないヤツだ!と吐き捨て飛び出すとフブキの背中に強烈なハイキックをブチ当てた!!
「ッシャア!!」
「ガハァ!!!」
「チッ…!ちょっと夕立ィ!まだ私がヤってるじゃない?空気読みなさいよ!」
「やかましいっぽい」
夕立の強烈ハイキックを浴び、地面に転がったフブキ……
マトモな艦なら痛みで転げ回るコトは必至………だがッ!!
「グッ!!グオオオオォォォォ!!」
マトモじゃない………っ!
この吹雪型は普通ではない、雄叫びを上げ、凶々しいオーラとさらにパワーを増したフブキは村雨、そして夕立に襲いかかる!
「なかなかヤるっぽい!」
「こいつは1対1に拘ってる場合じゃなさそうね!」
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「ハッハー!!いいぞォ!いいぞフブキ!」
「…ふむ」
駆逐艦とは言え高練度の改二改装済みの艦娘2人を同時に相手してまだまだパワーが上がる…
たしかにフブキの性能には素晴らしいものを感じます
「ところで少佐、あのフブキの力ですが、アレは深海棲艦由来のモノで?」
「は?あ、はぁ、その通りです」
原田少佐曰く、フブキの力はその身に宿した姫級深海棲艦の力を引き出しているものらしく、本来ならば完全に深海棲艦化するものを無理矢理その体内で押し留めており、長時間の運用にはやや向かないとのコトですが、短期決戦として投入すればたしかにあらゆる艦娘、そして深海棲艦を圧倒できるでしょう…
「…ふむ」
しかしこうして見るに安定性はやはり怪しいものです
“堕天”ですら確実化は不可能なのに、おそらくは素体の相性、そしてなにより、運が良かったのでしょう…
「ところで大佐殿、一つ聞きたいことがあるのですが…」
「なんでしょう?」
「あの艦娘……白露型の村雨と夕立と言ってましたが、どうにも私の知る白露型とは容姿が違う気が…」
「あぁ、アレは改二ですよ」
「改二…っ!?バ……バカな、ま……まさか!改二が既に実装されているとは……!不可能ではなかったのか…ッ!」
「ハハハ…」
嗚呼、そう言えばこの人、もう何年も外界から閉ざされた島に居たんでしたね…
たしかに改二を知らないのも無理もありませんか
「艦によっては改二を更に超えた改二、そして改二の上をいく改装も既に実用化されていますよ」
「バカなッッッ!!!」
そして、あのフブキにもそれを超える力は十分あるかと…
ならばその力を解放するきっかけ、いえ、
「………ふむ」
…………試してみますか
「原田少佐」
「は」
パン――――ッ!!!!
「…………は?…………あ?」
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「ヘイ!村雨!ヘイ!」
「オーケー夕立!」
夕立村雨コンビVSフブキ、2対1とは思えぬほどの猛攻を見せるフブキだったが流石に分が悪いのか、夕立と村雨のタッグ必殺技!クロスボ●バーをマトモに被弾し、地面に転がった
「ポーイ!村雨!ポーイ!」
「イェイェーイ!」
「ガ、ガハァ!!……ガァァァ!!ガハァ!!フー!フー!……」
「ゲッ…!コイツまだ立つっぽい」
「チッ、しぶといヤツね…」
予想以上の苦戦を強いられたとは言え、フブキをかなり追い込んだ夕立と村雨…
おそらくもう一踏ん張りぐらい痛めつければ勝負は決するだろうと思い始めていたその時だった…
『あー………フブキさーん、フブキさーん!聞こえますかー?』
「ん?」
「なんかあっちで白衣が叫んでるっぽい」
『大変ですよォー!アナタの司令官さんがコロされてしまいましたよォー!』
「!?」
仁科元大佐の側で仰向けに転がっている原田技術少佐の姿を見て、フブキの動きが止まり………そして!!
「うっ……うっ!うわ!ウワアアアァ!!アアアアアアアアアアアアアアアア――――ッ!!!」
―――――――――――――ッ!!!!
『ウゥゥゥゥ!!!』
姫級深海棲艦を彷彿とさせる白い髪とあきらかに怒り狂う禍々しいオーラを放つフブキは絶叫を上げてその真の力を解放したッ!!
「な、ナニっぽい!?」
「ちょ…え?ナニアレぇ!!夕立!あんなズラ型見たコトある!?」
「ないっぽい!!」
「こ………これは遊んでる場合じゃないわ!」
『ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァーッ!!!』
◆◆◆
「オイオイオイ!なんですかァ!なんなんですかぁ?なんだよあのモンスターは!オイ168!なんだアレは!?」
「や、私に聞かれても知らないし!」
マジでマトモな艦じゃないと薄々感じてはいたが…なんだよありゃ?新手の改二か?それとも深海吹雪姫かナニかか?
とりあえず、さすがにあんなモンスターが相手では話が違い過ぎる!殺るか殺られるか、演習の域を超え過ぎだ!
俺は白衣の変態紳士にヘイヘイヘイと詰め寄ると変態紳士は、いやぁ〜!やってみるものです、成功しましたねぇ〜とヘラヘラ笑っていた
「オイコラァ!!なんだよアイツは!聞いてねぇぞ!」
「まさしく、まさかこれほどとはですねぇ、いや、実に素晴らしい」
「ナニが素晴らしいだ!?」
今や最凶最悪のモンスター駆逐艦と化したフブキを前に夕立と村雨ではまるで歯が立たないらしく、顔面を掴まれた村雨は地面に何度も叩きつけられたり、夕立も変形パイルドライバーで地面にメリ込んだりしていた…
「オイどーすんだアレ?」
「さぁ?どうしましょうかねぇ」
「他人事かッ!!」
クソッ!このヤロー…!まるで役に立たねぇ!!
いや、待てよ…!たしかこのヤローは全身凶器のサイボーグ戦士だったか
「まぁ、少し足止めぐらいは協力しましょうか…」
そう言って、変態紳士は白衣……と言うか、服をスタイリッシュに脱ぎ捨てたッ!!
「何故脱ぐ…」
「服が汚れますからねぇ」
あぁ、そう……変態紳士はニカッ!白い歯で笑い、暴れ回るフブキのところへスタイリッシュに飛び出す!
しかし足止めか……戦闘要員の夕立と村雨は既にフルボッコ状態、あとは168と…
「アタシ絶対やらないわよ」
道案内だけって言うから来たんだからね!と強く拒否する168………クッ、コイツ、いざとなったら1人で海底まで潜って逃げる気か
「と、なると………」
残るは遊び半分に付いてきたアホの清霜とリベッチオだが…
そのアホ駆逐艦コンビはさっきからもうダメだぁ!おしまいだぁ〜とか言いながら2人で抱き合ってガタガタ震えていた…
「………仕方ない、オイ、清霜、リベッチオ、合体するぞ!」
「が、合体?」
「あぁ!2人が合体すればスゲーパワーになる!戦艦にだって勝てるぞ!」
「え?ホントに!?じゃあやる!!」
「じゃあリベもやる!」
チョロいなコイツら……あまりにチョロ過ぎて提督はこの子らの将来が心配なのだよ、まぁいいけど
「いいか?2人でこうやるんだ、フュ〜………ジ●ン!ハアッ!!こうだ!やってみろ!」
俺は以前、暇潰しにリシュリューと練習していたフュージ●ンの正しい動きを実演してみる
「うえっ!カッコ悪っ!!それホントにやるのー?」
「し、死んだ方がマシかも…」
「やかましい!!ほら、さっさとやれ!戦艦になりたくないのか?あとで、アイス買ってやるから!」
「マジで!!じゃあやる!私右やるからリベ左ね!」
「わかった!」
マジでチョロいなコイツら……しかし、こんなところでモタモタしている時間はあまりない、もはや夕立と村雨のバカコンビもメリ込んでいない時間よりメリ込んでいる時間の方が長い…ッ!!
「フュ〜………」スタスタ
「………ジ●ンっ!」バッ!
『『ハアッ!!』』
カッ―――――――――――――!!!!
「おぉ!!」
「な、ナニ!?成功したの!?」
俺と168の前に立つそいつは………
清霜でもない…
リベッチオでもない…
眩いオーラを放つ
『『ヘヘッ…!』』
「よ、よし!!行け!行って片付けて来い!!え〜……っと、なんて呼べばいい?」
『『え?あー……キヨシとリベッチオが合体したからぁ〜…え〜っと…』』
「もういいさっさと行けッ!」
『『え〜っと……あ!そーだ!リベッシモでいいや!リベッシモね!』』
次回
最終決戦!!究極合体駆逐艦VS最凶進化駆逐艦!
南半球まるごと超決戦!死ぬのはオマエだ!