不健全鎮守府   作:犬魚

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南半球激震!高まる戦闘艦のPRIDE!

【登場人物】

提督(中佐)
モクモクしちょるだけの敗北者、暁ちゃんの誕生日には毎年大きなぬいぐるみを用意している

伊168(潜水艦)
スーパーエリート集団潜水艦の1人、スマホ依存症
最近は喋って動くガラケーも持っており、よくブン投げている

村雨(ビッチ)
若くしてビッチオブビッチの鈴谷に匹敵するビッチ臭を身につけたビッチ界のホープ
その、駆逐艦離れした超肉体は並みの提督ならギンギンになると噂されている


BUCKY④

「ここがその指定された島か…」

 

「そうみたい」

 

キュウシュウより遥か南、ニホンの領海から外洋に飛び出した場所に存在する地図にもギリギリ載っているかいないか微妙な島…

 

つい先日、168のところに例の南国在住変態紳士から連絡があり、話の内容は非公式の演習に付き合って欲しいとのコトだが…

正直なところイヤな予感しかしないのは俺の日頃の行いが善いからだからだろうか…?

 

「そういやテイトク、なんで今日は秘書艦サミー子連れて来てないの?」

 

「アイツは留守番だ」

 

168の質問に、ハッキリ言ってこの戦いにはついて来れそうにないからな!と答え、胸ポケから取り出したタバコに火を点けた俺はケムリを吸い込み、ケムリの輪っかを吐き出した…

 

「オイ、オイ!キヨシ、オマエジュース持ってたよなぁ?1本くれ」

 

「え?ヤダ」

 

「アァ?ケチクセー野郎だなぁ~」

 

今回俺が演習に選んだのは自販機コーナーでいかにもヒマそーにウ●コ座りしていた夕立と村雨、そして、どっかに遊びに行くなら付いていくと駄々コネて付いてきたアホのキヨシとリベッチオ、あとは片手スマホで道先案内に連れて来た168……

乗って来た船で大音量のラジカセをズンチャンズンチャン鳴らして踊るバカどもに若干イラっとはしたがすぐにCOOLを取り戻した

 

「オマエらァ!!俺達は遊びに来てワケじゃねぇんだぞ!気を抜いてるんじゃない!」

 

「へいへい、わかってますよぉ~」

 

「言われなくてもわかってるっぽい」

 

…女を殴りたいと思ったのは生まれて初めてだ、いや、そうでもないか、まぁいい、コイツらは女と言うよりは兵器と考えよう、殺す事でしか価値を見出ださせない殺戮の為のマシーンだ…

 

そんなイライラをケムリと共に吐き出しつつ演習の相手であるヘンタイ博士の姿を捜していると、168があっちに誰かいると言った

 

「ほら、あそこ」

 

「よく見えるな、俺にはよくわからんが…」

 

「メガネが曇ってるんじゃない?」

 

「そうかもな」

 

◆◇◆◇◆◇

 

「あの見るからに横柄さが滲み出る姿……ッ!間違いない!あの男にそっくりだッ!!」

 

「はぁ、そうですか」

 

「この数十年片時も忘れたコトはない!!オレを絶望に突き落としたあの男!!」

 

そんなに似てますかねぇ、まぁ、私は梶輪大将とやらは中央で何度か見かけた程度ですし…

 

まぁ彼がそう言ってるならワリと似ているんでしょう、彼自身の中では…

 

「さて…」

 

お待ちかねの復讐相手が到着し、原田少佐はギリギリと歯ぎしりをしつつ中佐クンが船を降りるのを待つ…

あちらの連れて来た戦力は〜………ふむ、駆逐艦4、それに潜水艦が1、随分と手を抜かれましたか…

 

欲を言えば、あの未来夕張型を期待していましたが、ま、いいでしょう

 

「お久しぶりですねぇ」

 

「そうかぁ?」

 

中佐クンは吸っていたタバコを吐き捨て、それを器用に蹴り飛ばす、ふむ………あまり喫煙マナーが良くはありませんね

 

「で?非公式な演習ってワケらしいが…」

 

「えぇ、ですが……その前にこちらの方を紹介をさせて頂けませんか?」

 

「紹介?」

 

「えぇ、こちらの方ですが〜…え〜……元帝國海軍深海進化研究室の~…」

 

「原田だァ!!!」

 

我慢できないと言った具合の原田少佐はズイッと私に前に立つ…

 

「貴様かァ!梶輪の弟子とか言う輩はッッ!!」

 

「誰がヤカラだ、っーかなんだテメーは?あ?」

 

「オレは帝國海軍の原田技術少佐、貴様の師である梶輪から地獄に叩き落とされ………ようやく舞い戻ったッ!!」

 

「はぁ…?」

 

とりあえず、このままでは話がまるで通じない感じなので原田少佐には少し宜しいですかと一旦矛を収めて頂き、中佐クンにこの原田少佐が一体何者なのか、そして梶輪大将とはどういった関係があるのかを懇切丁寧に説明すると、中佐クンはなるほどと頷き…

 

「そんなコトは知らん!!」

 

「なんだとォ!?」

 

「なんで俺があのクソオヤジの代わりに恨みを買わなきゃならねぇーんだ?知ったコトあるか!そんなに殺りたきゃ本人を直接殺れ!本人を!」

 

まぁ、そうなりますか…

 

「クッ……!!この傲慢さ、やはりあの男にそっくりだッ!!」

 

「まぁまぁ中佐クン、せっかく遠路はるばる来たワケですから……ここは一つ、私の顔を立ててくださいませんか?」

 

「ヤだね、オイ、オマエら帰るぞ」

 

これは困りましたねぇ、ふむ………

 

「逃げるつもりかッ!!」

 

「………あ?オイ、ジジイ、今、なんっつた?」

 

「フンッ!まぁ、キサマ程度ではオレの最高傑作であるフブキに勝てるハズがないがな!ガァーッハッハッハ!、ガァーッハッハッハ!」

 

「………オイオイオイ、随分と舐めた口利いてくれるじゃねぇかこのジジイはよォ~」

 

どうやら少佐の一言が中佐クンのPRIDEを刺激してくれたらしく、つい先ほどまでのやる気なさげな態度から一変、やる気になってくれたようです

 

「いいだろう、夕立、村雨、そのジジイに誰にケンカを売ってるのかわからせてやれ」

 

「へいへいっぽい」

 

「はいは~い」

 

………ふむ、まずは駆逐艦2人で様子見と言ったところですか

 

「フンッ、オイ!フブキ!準備はデキているんだろうなァ!」

 

「……」

 

そして例の吹雪型、フブキ………ふむ、お手並み拝見といきましょうか

 

「殺れい!!フブキーッ!!!」

 

「グッ!!!グオオオオオオオオオオォォォォ!!」

 

ーーー

 

雄叫びと共に解き放たれたフブキが飛び出すッ!!!

 

ズドンッッッ!!!!

 

「フンッ!やるじゃないの…っ!」

 

真っ直ぐ向かってきたフブキのパンチをガードした村雨だったが、勢いが強いのか身体ごと後方へと跳ばされるッ!!

 

「ウゥゥゥ!!」

 

「フン、この程度なら来週の村雨が相手するホドでもないわね!」

 

「オラァ!!」

 

「ナニがオラァよ!この田吾作がァァァァァ!!」

 

力任せにパンチを繰り出すフブキに対し、村雨は手にしていた鎖を絡ませてフブキを転ばし、その身体を掴み上げて自分の肩の上に仰向けに乗せ、さらにあごと腿を掴みフブキの身体を弓なりに反らせるッ!!

 

「コイツはメチャ許さんよなァァァァァ!!」

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァー!!」

 

ーーー

 

「バ、バックブリーカー!!あんな荒技を…ッ!!」

 

「あっはっはっは、コレまた随分とアレな技ですねぇ」

 

らしいと言えばそれまでですが…

 

「ところで原田少佐、フブキはやはり実戦慣れしてないようですが…」

 

「は、はぁ…なにぶん、何もない島でしたので、トレーニングは積ませていたのですが…」

 

「ふむ、ま、それもそうですか…」

 

しかしまぁ、荒削りではありますがフブキに隠された力はこの程度ではないでしょうし、ここはまだ様子見ですかねぇ

 

「フブキ!!ナニをしているッ!そんなもの力づくでなんとかせんかーッ!!」

 

原田少佐の声に反応したのか、バックブリーカーに苦しんでいたフブキは身体を激しく動かし、村雨のバックブリーカーから脱出し地面に転がって立ち上がると再び村雨に向かって真っ向から仕掛けた

 

「ラァァァァァァ!!」

 

「フン…!!コイツ…!!」

 

…ふむ、どうやら実戦経験が足りない分はこの戦いで十分に補えそうです

 

ーーー

 

「おースゴいっぽい!アイツどんどん村雨についてきてるっぽい」

 

「フーッ〜…成長のスピードがハンパじゃないってか?」

 

おいおいおい、見たところあのフブキっての、改ですらないんだろ?まさか素のままでウチの村雨に追いつこうってのか?なんなんだありゃ…?

 

「オイ村雨ェ!いつまで遊んでやがる!さっさとそいつに来週の村雨の力をわからせてやれ!」

 

もしかしてあのフブキっての、とんでもないバケモノなんじゃないのか…?

 

「オイ168、バケツ持ってきてるか?」

 

「は?持ってきてないケド?」

 

「そうか」


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