母になってくれるかもしれなかった女性回
【登場人物】
鳳翔(3)
通称、ビッグママ
様々な艦にリスペクトされており、暴れん坊のおきゃんと言われる金剛シスターズすらママの顔を立てる
提督(29)
さすがにママには頭が上がらない、2秒で支度する
倶楽部HO‐SHOW
軽空母、鳳翔が営む夜の店
「ナニ?今日休み?」
「見てわかんないのかい?休みだよ」
一杯ひっかけようとやって来たものの、店内が暗いのでイヤな予感がしたらコレだよ
ただ、ビッグママこと鳳翔はいつものように長い煙管をくわえてカウンターに立っていた
「ふ~ん、焼酎の水割りで」
「人の話を聞かないボーイだね」
「ボーイはやめてくださいよ、ほら!鯛釣って来たんすよ、ほら」
「なかなか大物じゃないか」
クーラーボックスの中から取り出した鯛を渡すとママはそれを鮮やかに捌く、若い子には無い熟練の包丁技は流れる様に鯛を刺身と変えてくれる
「ほら、食いな」
「あざーす、どうぞ、ママも今日は一杯ヤってください」
「当たり前だよ」
ビッグママこと鳳翔、うちに来た最初の空母
まだうちに戦艦が居ない頃、初めて遭遇した戦艦ル級の恐怖に脅えていたウチのクズどもにアイツ実は大したコトねーと教えてくれたっけな
俺も含め、五月雨と由良さんは今でも無条件にママには頭が上がらないものだ
「そういやアンタ、最近やたらと出稼ぎ外国人みたいなのが多いよ、どうなってんだい?」
「さぁ?お小遣いと欲しい物が比例しない多感な年頃なのでは?」
「こないだもアメリカのオネーチャンが来てエイゴペラペラで往生したよ」
「金剛居なかったんすか?」
「居なかったのさ、誰かエイゴわかるヤツいるか聞いたら客で来てた赤城と加賀がわかるって言うから代わってみたら、2秒後にはビール瓶で頭割ってんのさ」
なにやってるんだ…アイツら
「それでアメリカさんがキレて殴り合い、まったく、いい迷惑さね」
「アイツらに任せる方が間違いかと…」
「まったくさね」
ママ曰わく、赤城と加賀は執拗に五航戦の白い方の内太腿を撫で回したりしており、白い方はいつも裏で泣いているらしい
「ま、どーぞ」
「今日のはアンタにツケとくからね」
「へいへい、今日のは鯛で相殺ってコトにゃならんですか?」
「その瓶、よく見てみな、ボーイ」
「ボーイはやめてくださいよ…そういや、いつものトロッとキリッとなアイツと違う様な…」
って!森●蔵じゃねぇかァァァァァァァァ!!このババアなんて瓶出してやがんだァァァァァ!?
「オイイィィィィ!!嵌めやがったなババア!!」
「誰がババアだい」
「クソッ!なんかスゲー飲みやすいとか思ったら…」
「美味いだろ?」
さすがはママだ、油断も隙もねぇよ…
「ま、今日はツケでいいさね」
「…チッ、給与払いで」
「ま、鯛の分は勉強してやるさ」