不健全鎮守府   作:犬魚

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誰もが羨むメインヒロイン回

【登場人物】

提督(メガネ男子)
浜風ちゃんの前ではいつだってピュアボーイ

鈴谷(自称)
誰もが羨むメインヒロイン様、扱いが雑
異常なタフネスとやたらと前向きなメンタルを持つ怪物


提督と鈴谷と通常営業【その6】

「ティーッス、メインヒロインオブメインヒロインの鈴谷様が遊びに来ましたよォー!」

 

「ナニがメインヒロインなのだよ」

 

四月!新しい年度が始まる!その、ステキな日に執務室にヘラヘラ笑いつつ現れた鈴谷は飲み物とかないすかねー?と執務室の冷蔵庫を開けてオレンジジュースの缶を取り出した

 

「ブハァ!うんめー!あれ?っーか今日サミー子は?休み?」

 

「休みだ、見たい番組でもあるんだろ、あとジュース勝手に飲むな、殺すぞ」

 

「ふ〜ん」

 

年度の始まりだと言うのに堂々と有給を使う専業秘書艦の鑑、サミー子こと五月雨…

まぁ、大してやるコトもないし、別にいつ有給取ろうが俺としてはどうでもいいが…

 

「じゃゲームしよーぜ!ゲーム!」

 

「なんで俺がオマエとゲームなんかせにゃならんのだクズが、とっとと失せろビッチが、目障りだ」

 

「クッ…!相変わらずの鈴谷に対する意識の低さ…!メインヒロイン様に対しての罵倒に容赦がまるでない!」

 

「ナニがメインヒロイン様だ」

 

自分をメインヒロイン様と勘違いしちょる哀れな負け確ヒロイン様がよう言うわい…

 

「まぁいい、今日の俺は機嫌が良い、故に、壁メリメリの刑はカンベンしてやるから今すぐ消えろ、この星からな」

 

「イヤだし、ってか機嫌が良いなら鈴谷に対してもーちょい優しくしてもよくね?慈悲の心があってもよくね?」

 

「慈悲の心か…」

 

俺は手にしていた基地スポを執務机に置き立ち上がるとヘラヘラとしまりのない笑いを浮かべる鈴谷の腹に自慢の拳をブチ込んだ

 

「天●破邪魑魅魍魎ーッ!!」

 

ドンッ!!(お腹パンチ)

 

「パウロッ!!」

 

天●破邪魑魅魍魎をその身に受け、鈴谷は光る吐瀉物を吐きつつ床を転げ回った

 

「ナニが慈悲の心だ」

 

しかしアレだ、こうしてクズに死と言う名の救済を与えるのもまた、慈悲と言えるのかもしれんな…

 

「ウゥ……ゲホォ!ブフッ……ハー…ハー……!ちょ、なんで今、殴ったし?」

 

「ほぉ、まだ立ち上がるか」

 

「鈴谷別に悪くなくね!?殴られるよーなコトした!?」

 

「やかましい、オマエは生きちょるだけでビッチと言う名の大罪じゃあ」

 

「ビッチじゃねーし!」

 

大したタフネスだ、俺の慈悲を受けなお立ち上がるとは、超A級サキュバスの二つ名は伊達じゃないな…

おそらくコイツに救済を与えるには直腸に聖水を流し込みお腹の中からキレイキレイするぐらいしなければ駄目だろう…

 

「まぁいい、わかったら失せろ、頭が高いぞ」

 

「頭が高くねーし」

 

天●破邪魑魅魍魎のダメージから復帰したのか、鈴谷はヘイヘイヘイ!と文句を垂れつつ執務机によっこらセクシーとか言って腰かけた

 

「降りろ、机が腐る」

 

「腐らねーし」

 

チッ…いつもながらしつこいヤローだな、いつもなら問答無用のスネークバ●トでそのキレーなツラを壁にメリ込ませるところだが、今日の俺は機嫌が良い…

 

とりあえず自分の椅子に戻った俺は再び基地スポを広げた

 

「ねー?なんかゲームとかしよーぜ!ゲームとか!」

 

「うるせぇな、ヤりたきゃ熊野とでもヤれよ、熊野と」

 

「熊野ねぇ、熊野のヤロー、朝からなんかワケわからん水偵イジってて話しかけたらファックしか言わねーのよ」

 

鈴谷曰く、そろそろジャペンカップがどーのこーのと熊野は熊野で忙しいらしい、今度ジュース奢ってやるついでにパンツでも見せて貰うか…

 

「で、鈴谷の暇を潰せるのは暇人オブ暇人のテイトクしかいないワケじゃん?」

 

「いないワケじゃん?じゃねーよ、頭蓋骨叩き割るぞ」

 

誰が暇人オブ暇人だ、どうやらこのクソビッチにもわからせが必要なようだな、この基地の絶対支配者である提督様の恐ろしさを…

 

「だからゲームしよーぜ!ドクターマ●オとか!」

 

「やかましい」

 

「じゃ、マ●オテニスでいいよ、鈴谷マ●オテニス超強いじゃん」

 

鈴谷はヤろうぜ!ヤろうぜ!と執務机の上でギシギシ尻を躍らせる、まったく、どんだけしつこいんだコイツ…欲求不満か?

 

「ゲームか………よし、ならハンカチ落としでもするか」

 

「は?ナニそれ?」

 

ハンカチ落とし…ッ!!

 

それは、ハンカチを落とすプレイヤーがドロップ側、振り向いてハンカチが落ちたのを確認するプレイヤーがチェック側とし、それを交互に担当していく

1ターンは1分間とし、ドロップ側は必ずその時間内にハンカチを落とさなければならない、そして、チェック側は必ず一度だけ振り向かなければならない…

 

チェック側が振り向いてハンカチが落ちていればチェック成功、落ちていなければチェック失敗、ペナルティが課される…

 

「ナニそれ?超つまらなそうなんですけど?」

 

「ナニがつまらなそうだ、ペナルティはそうだな………全裸でラジオ体操な」

 

「厳しいッッ!!ペナルティが厳しいッ!!」

 

「やかましい、やるのかやらねーのか?」

 

「やらねーし、誰がそんなのや…」

 

「お前が勝ったら3万出そう」

 

「…ります!やります!!やらせてください!」

 

相変わらずのクズっぷりだなコイツ、金の為ならその身体を売るのに躊躇いがない、まっことビッチよ!

 

「よし、じゃオマエがチェック側な」

 

「よっしゃあーッ!!かかってこいやー!!」

 

気合い十分!!そんな意気すら感じる鈴谷は椅子に座るとクルリと後ろを向いた、その背中から立ち上るオーラには、勝つ…!絶対に勝つ!と気高き覚悟すら感じられる、その意気や良し、熱意や良し!

 

 

 

 

…………だが、現実とは非情である!!

 

 

「オラ、腕を大きくあげて、ノビノビと背のびの運動せんかい、笑顔でやれよ、笑顔で」

 

「チクショウ!チクショウ…!」ポロポロ…

 

「イェーイ!最上クン見てるー?今からおたくの妹が全裸でラジオ体操やりまーす!」

 

「ちょ!待てよ!スマホ!スマホやめて!」

 


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