【登場人物】
提督(非モテ)
鬼畜眼鏡系ドS上司、好きな言葉はオレの下であがけ!
明石(非モテ)
金と権力が本当に好き、好きな言葉は金こそ全てだ!
菓子パンとタバコでも買いに行くかと明石の店に行くと、妙に小綺麗な格好をした明石が店のシャッターを閉めていた…
「よぉクソヤロー、どっか行くのか?」
「ゲェーッ!テイトク!」
「ナニがゲェーッ!だ無礼てんのかテメーは」
誰の許可得て勝手に店閉めてんだコイツは、もし俺が今すぐ必要な八八セットをお買い求めのお急ぎのお客様だったらどうする気なんだ?あ?無礼てんのか?
「閉める前にカレーパンとタバコくれや、あと手書きの領収書」
「今日はもう店休です、コンビニにでも行って買えばいいじゃないですか?ってかウチ手書きの領収書やってないんで」
「俺はお前の店で買いたいんだよ、オラ!モタモタすんなピンク、早くしろよ、お客様には笑顔で接客、パンチラぐれー笑顔でサービスしろよ」
「イヤですよ、もう閉めたし………ってか私、これから街に買い物に行くんですから、はい、しっしっ!」
「んだとテメー、提督様のお買い物を拒否しといて自分はお買い物に行こーってのか?アァ?チョーシこいてんのかテメーはよォ?だいたいなんだ?そのオシャレな服は、合コンにでも行くってのか?オォン?」
「ハッ?大淀や足柄さんじゃあるまいし、私が気合入れて合コンに行くと思いますか?」
「思う」
「即答かッ!!」
キレのある返しでぶつくさ言っていた明石だが、どうやら閉めたシャッターを開ける気はマジでないらしい
「チッ、仕方ないな……しゃーない、メシ食いに行くついでに外に買いに行くか」
「そうしてくださ………あ、提督、もしかして車で行きます?」
「車で行くからなんだ?ブッ殺すぞ」
「いや、車出すならついでに駅か、暇ならむしろ街まで乗せてくれたらいいなと…」
「ブッ殺すぞ」
「いいじゃないですか、どうせ車で行くんでしょ?」
「自分の車で行けよ、自分の、ブッ殺すぞ」
「いや、提督がアッシーしてくれるなら外で飲んでも帰りは楽…」
「ブッ殺すぞ」
「ブッ殺すブッ殺すって!なんなんですか!たまには私の労をねぎらっても良くないですか!?」
「俺はおばあちゃんからピンクと淫乱には容赦するなと言われてるんだ、オマエはなんだ?あ?ピンクだろーが、しかも制服のスカートにスケベスリットとか淫乱以外の何者でもないだろーが、淫乱でピンクとか救いようがないだろーが」
「おばあちゃんピンクになんか恨みでもあるんですか!?………ハァ、もういいです、提督みたいな器もチ●コも小さい男に頼もうとか考えた私がバカでした」
「オイ、誰が器もチ●コも小さいだコラ?またケツの穴から卵ブチ込んで擬似産卵させられてーのか?」
◆◆◆
小腹も減ったしタバコも吸いたい、そんな気分からどうせ街まで行くのだと車を出し、明石と共にやって来た市街地…
ちなみに車内で、アレは産卵なのか排泄なのかよくわからないですよねとくだらない話をし、結果として、気分的に排泄寄りですがとの答えに行き着いた…
「んで?オマエは何の買い物するんだ?ニ●リか?サ●ダか?イ●アか?」
「なんで家具ばっかなんですか、普通に服とか鞄とかですよ」
「ふ〜ん」
「なんですか?その、なんだつまらんみたいな顔は、私が普通に買い物してたらおかしいんですか?」
「オマエなぁ、オマエ……アレだよ、アレ、そう、アレだ、イメージってのがあるだろ?イメージってのが、オマエはなんだ?工作艦か?」
「…工作艦ですけど?」
世の中、工作艦明石と言えば、工具や電材が大好きで買い物と言えばホームセンター、もしくは煌びやかな街の裏にあるスラム風ストリートにひっそりとある法的にギリギリ大丈夫なモデルガンとか売ってる店に行くのが定番だろう…
「それがなんだ?あ?服だぁ?鞄だぁ?チャラチャラしたモンをお買い求めって、オマエ工作艦を無礼てんのか?全国の明石さんに謝れよ!」
「なんなんですか!?なんで私そこまでディスられなきゃならないんですか!?ってか、全国の明石さんだってファッションに興味ありますよ、たぶん!」
「ハッ?」
「うわっ、マジでムカつくわー、ないわー、この非モテメガネ、マジないわー」
「誰が非モテメガネだ」
「まぁいいです、私、服見に行きますけど提督も来ます?参考意見だせるなら」
「あ?出せるにキマってるだろーが、バカか?俺はファッションにはうるさい男だからな!」
「ハッ?」
「オイなんだ今のは?鼻で笑ったか?あ?」
「べっつにぃー!」
ーーー
服!鞄!靴!化粧品!世の中には男が付き合うべきではない買い物がたしかに存在する…!なんと言うか……この時間?無駄じゃね?もうメンドくさいからそれでいいだろ?もうそれで良くね?と男なら誰しもが考えるだろう…
「腹減ったな」
「そうですね、いやぁ〜…悪いですね、付き合ってもらっちゃってー」
「本気で悪いと思うなら誠意を見せてもらいたいものだな」
「じゃ、ご飯でも食べて行きましょうか?付き合って貰ったお礼に私が出しますよ」
「そうか、じゃ………あのホテルにするか、そこそこデカいし、お高価いディナーあるだろ」
「あの、見るからに高価そうなホテルとかテキトーに選ぶのやめてもらえません?もっと普通のにしましょうよ、何にします?牛丼にします?それともラーメン?」
「オマエそのオシャレ服でよく牛丼とかラーメンとか言えるな」
「べ、別に良くないですか?」
見た目はアレでもやはり中身はタダの明石か、そりゃそうだな…
「………たまには寿司でも食うか」
「回るやつですね」
「回らないヤツだ、あと、値札が時価とか最高だな」
「いや、それはさすがにカンベンと言うか…」
「冗談だ、アレにすっか、アレ、レモンステーキ」
「あー…いいですねー、提督にしてはいいチョイスですよ」
「ブッ殺すぞ」
「あははは、冗談です、小粋なアカシジョークですよ」
◆◆◆
後日…
「山風クン、なんか髪が刺さるのだが?」
執務室で書類に印鑑を押していると、執務室の重厚な扉を勢い良く開けて入室して来た山風は、ごく当たり前のように流れるような動作で俺の座る椅子と執務机の間に無理矢理身体をネジ込み俺の膝に着席した…
そこまではいつものコトだが、なんだろう?いつもトゲトゲしいが、今日のこの子はいつもより髪がトゲトゲしく、さっきからブスブスと俺のハンサム顔に刺さってくる、いけないなぁ、トリートメントをしていないのは…
「いや、だから痛いのだが?」
「…明石さんとおデートしたの?」
「は?」
「…明石さんが、テイトクとお出かけした、って…」
「あー…出かけたな、買い物に、しかし山風クン、お買い物とおデートってのは似ているようでまるで異なるのだよ?男女が2人で出かけたらそれはおデート……それは違うなぁ、まぁ、山風クンにはまだわからないかな?ガハハハ!」
「…ふ〜ん」
「ってか痛い!スゴく痛い!サミー!サミーさん!ちょっと、ちょっと!この子引っぺがして!おたくの妹さんでしょ!」
「え?普通にイヤですけど」