【登場人物】
提督(巨乳好き)
それでいて褐色エルフ耳なら文句はない
Johnston(ジョンくん)
昔好きだったアイドルになんとなく似ている子
今はもう、よく思い出せません…
「Hi、テイトク!もしかしてヒマー?」
「キミは………ジョンくん」
麗らかな春の日、自販機コーナーで缶コーヒーでも買うかと廊下を歩いていると、MAJOR出身の外国艦から声をかけられた
「ヒマならアタシとPOKERでもしない?」
大きな国の小さな刺客、ジョンくん
小さいと言ったものの、そのサイズはまさにMAJOR級、お姉さんであるフレッチャーくんにはさすがに劣るが、その確かな可能性と将来性はまさしくMAJOR期待のスーパールーキーと言えるだろう…
「ポーカーか……まぁ、暇だし別に構わんよ」
「ホントに?今財布にいくら入ってる?言っとくケド、アタシPOKER強いわよ!」
「3万ちょいかな……まぁ、提督もやる以上は負けるつもりはないがね」
「I'll tell you!今日のアタシは負ける気がしないわ!」
なるほど、なかなか自信満々じゃあないか…たとえ未だリトルリーグと言ってもこれがMAJORの資質、そのオーラはホンモノだ
俺とジョンくんはバチバチとメンチビームの火花を散らしつつ、とりあえず缶コーヒーを買ってから決戦の地、談話室へと向かった…
---
「死ねッ!死ね!赤城!死ねッ!死んじゃうツモ!死んじゃうツモよ!」
「………」
「クッ…!何故怯えないの!何故震えない…ッ!」
「ククク………意外と臆病だな、イントレピッドさん…」
「キ、キイイィィィィ!!」
談話室に行くと、空母のバカどもが麻雀をしていたらしく、スカイママがキィーキィー言いながら牌を赤城に投げつけるのをサラトガに止められていた…
「さて、じゃあっちのテーブルでやるか」
「そーね」
俺とジョンくんはバカどもから離れたテーブルへ着席し、ジョンくんはポッケからトランプを取り出してテーブルに置いた
「カードは開封済みしかないケド、いい?」
「調べさせて貰うが構わんかね?」
「別にいいわよ」
まぁ、ジョンくんはイカサマするタイプではなさそうだが念には念を入れないとな、このMAJOR出身のリトルガールにもリトルガールでは大人には決して勝てない事をわからせてやる必要がある
「ねぇ?もーいい?別に普通のカードでしょー?」
「あぁ、普通のカードだ」
なんてコトはない普通のカードだ、やはりジョンくんは真っ向勝負がお望みらしい
「じゃ、カードきるわ、貸して」
「言っておくがセカンドディールとかしたら問答無用でその指をオラッ!するからな」
「しないわよ、サラじゃあるまいし…」
若干ムッとしたようなジョンくんだったがすぐに気持ちを切り替えたのか、慣れた手つきで互いにカードを配り始めた、見たところ不審な点はないな、っーかサラトガはあんなカワイイ顔してイカサマすんのかよ…
「ハイ、配り終えたわ」
「どれ…」
配られたカードはクローバーの3、4、5、6、7……いきなりストレートフラッシュかよ
「このままでいい」
「え!?いいの!?」
…なんでジョンくんが驚くんだ?まさかこのガキ、イカサマをしているのか?いや、だがジョンくんに不審な点はなかった…
だがジョンくんは俺がこのままでいいと言った時に明らかに動揺した…ッ!つまりアレだ、ジョンくんは俺の手札を知っていると言うコトだ…ッ!!そうでなければあんな動揺はしない…ッ!
「ジョンくん、イカサマをしているんじゃあないのか?」
「してないわよ!アタシは2枚changeするわ」
ジョンくんは手持ちカードを2枚交換すると少々むっとした顔をしていたが勝負よ!と力強く宣言した
「ハートの2と5のツーペアよ!」ドヤァ!
…いや、これはイカサマしてないな、もしイカサマしてるならこんなにも自信満々に負けないだろう、やはり考えすぎか…
「ウエッ!?ストレートフラッシュ…ッ!!」
「まだやるかね?」
「クッ!of course!モチロンよ!」
こうして俺とジョンくんの戦いは互いに勝ったり負けたりを繰り返す泥沼の戦いになった…
どうやらジョンくんはマジにイカサマなどしない正々堂々としたGAMEがお好みらしく、たとえ遊びのゲームであれ卑劣・卑怯を実践するウチのバカどもには無い高潔な精神を感じる、やはりこれがMAJORか…
そして、泥沼の戦いに終止符を打つべくジョンくんが引いた手は…
「……」ニヤッ!
どうやら良い手が揃ったようだ、あの自信に満ちた笑み…ここで決めにくる気らしい
「アタシは手持ちのチップ全部よ!」
「そうかね」
「さぁ?どうする?勝負する?降りる?」
「モチロン勝負だ、俺も手持ちのチップ………そして魂を賭けよう!」
「た、タマシイ……ッ!?え…?タマシイって……え?それ、どーゆー意味なの?」
「提督の命を賭けると言っているんだぜ、ジョンくん」
「へぇ〜…」
「さぁどうするジョンくん、まだ賭けるチップはあるかね?」
「う〜ん………じゃ、アタシもタマシイ賭けるわ」
ジョンくんは特に何も考えてなさげに魂を賭けるとか言っているが、ハッタリか?いや、それほどまでに手に自信があるのか?
「なら俺はさらに夕張の魂と明石の魂を賭けるぜ!」
「なんでェ!?ちょ……ダメよそんなの!テイトクの持ち物じゃないじゃない!!ダメよ!」
「いいんだよ、どうせアイツらは生きててもしょーがないからな、俺の為に喜んで命を差し出させるわい」
「クッ!なんてヤツ…!命をなんだと思っているの!」
さぁ降りろ!ビビって降りろ!それかもしくはフレッチャーくんのフレッチャーパイを好き放題コネコネする権利を賭けるがいい!
「わかったわよ、じゃ、サムが大事にとってあるとっておきのお菓子とアタシのサイン入りブロマイドを賭けてあげるわ、コレならいいでしょ?」
「いいワケねーだろ、夕張と明石の命をなんだと思っているのかね?」
「アンタに言われたくないわよッ!!」
まったく、菓子だのブロマイドだのが対価とは、やっすい命だなアイツら…
「あるじゃあないかね…?例えば……お姉さんの、その……フレッチャーくんの、フフ……下品なんですけど、今穿いている、パンツとか?」
「え?Fletcherの下着?そんなもんでいいの?いいわよ」
意外ッ!!あっさりとお姉さんの下着を賭けおったわいこの子!
「で?もう上乗せないの?ならショーブよ!勝負!」
ジョンくんの手はなんだ?強いのか!やはりカードは強いんだな?フルハウスか?ストレートフラッシュか?いや、あの自信、ロイヤルストレートフラッシュか…!?
どうする?ちなみに俺はただのワンペアだ、ジョンくんがブタでもない限り俺の負けは必至…ッ!カードのすり替え……いや、無理だ、ジョンくんは意外とこっちをよく見ている、それに今、俺のポケットに入っているカードは“青●の白龍”しかないッ!
そんな絶体絶命の危機に、ジョンくんの後ろに誰かがやって来た…
「あらJohnston、ナニやってるの?」
「っさいわね!今、テイトクとFletcherのパンツ賭けてPOKERやってんのよ、ジャマしないで!」
「…え?」
ジョンくんは後ろの人を気にする様子もなく、さぁ!やるのかやらないのか!ハッキリ言葉にして貰おうじゃないのー!とスゴ味を出し…
ビタンッ!!(平手打ち)
「あふんっ!!」
後頭部からビンタを貰い、勢い良くテーブルに顔面を強打した
「イタ……痛いじゃない!!誰よ!このアタシに……」
「Johnston………アナタ今、ナニを賭けてるって言ったの?」ニコォ
「ヒッ!?ふ…Fletcher!!」
「ナニを賭けてるって言ったの?」ニコォ
「ヒ…ッ!ち、違う!で、デモ!ゼッタイ!絶対勝てるから!」
「勝てる勝てないじゃないでしょ!!Johnston、アナタのギャンブル好きなのは知っているけど、ちょっと話があるわ、来なさい!」
「イタ!!痛い!ゴメ…ゴメン!!ゴメンお姉ちゃ……ゆるし…」
フレッチャーくんは失礼しますと懇切丁寧に頭を下げ、ジョンくんを引きずりながら談話室を去って行った…
そうか、これが聖女の激怒か……いつも優しいフレッチャーくんもたまには怒るんだな
「ゲッ…ファイブカードかよ」
テーブルに残されたジョンくんカード…
なるほど、そりゃ自信満々にもなるわな…
ま、この勝負…
「生き残ったボクの勝ちってところかな♦︎」