不健全鎮守府   作:犬魚

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年末なのに大人は子供には負けないお話

【登場人物】

提督(大人)
この時期は財布が痛ましい、口座も痛ましい

Grecale(子供)
前回敗北を喫したメスガキ界のスーパールーキー
必殺技はチ●コ踏み




提督とGrecaleと最後の戦い

外の寒さと懐の寒さ感じる年末、信じて送り出した一番人気が大惨敗を喫して談話室で悲鳴を上げていた龍驤は未だ魂が帰ってこられないらしく、あーとかうーとか言いながらうなだれているらしい…

 

「あー…寒い寒い、こう寒いと尿が近くていかんなぁ」

 

まったく、尿は近いわ尿切れも悪いわ、明石の店でハル●ケアでも注文するかと考えつつ廊下を歩いていると、廊下の先に、腕を組み、まるで壁にもたれかかるように立っている何者かの影…

 

いや、何者かではないな……辺り一面に漂うハジけるメスガキ臭………これほどの匂いをプンプンさせるのはヤツしかいないッ!!

 

「お、オマエは…まさか!まさかッ!?」

 

「そうよ……!そのまさかよッ!」ドヤァ!

 

パスタの国からやって来た合法駆逐艦ッ!!マエストラーレ級二番艦、褐色の恋人の異名を持つ少女!グレカーレ…ッ!!

 

「フッ、こんなトコで奇遇ね、テイトク」

 

「何の用だ?」

 

コイツ、前回子供は大人には勝てないことをわからせたつもりだったが………やはりわかっていなかったか…

グレカーレは前回は前回、今回は今回よとまるでイタズラっ子のように鼻の下を掻いて不敵な笑みを浮かべた

 

「あの程度でアタシに勝ったつもりだったの?ふふっ、か〜わいい♪」

 

「前回ベソかいてゴメンナサイしといてどの口が言うのかね、この子は」

 

「アタシ、負けっぱなしはシュミじゃないの」

 

「ほぉ?」

 

グレカーレ曰く、このまま敗北感を植え付けられたまま新年を迎えるとこのグレカーレちゃんの心に後味のよくないものが残るとのコトだが…

残念ながらコイツに勝機などない、何故なら大人は子供には負けないし、そもそも俺はロ●コンではない、このガキにチ●コ蹴られたぐらいじゃあ俺のブラックホーク・スーパーマグナムは撃鉄すら上がらねぇ…

 

「で?なんだ?俺から小遣いでもせびろーってのか?あと2日待ったらお年玉をやるぞ」

 

「オトシダマ?オトシダマってナニよ?」

 

「なんだ?知らんのか?不勉強だな」

 

「ワルかったわね!」

 

俺はお年玉を知らないパスタっ子のグレカーレにお年玉について懇切丁寧に説明してやると、グレカーレはほーだのへぇーだの言いつつナルホドねーと納得した

 

「ニホンってそんなフーシューあるんだ…」

 

「あるのだよ」

 

「つまり、今、テイトクと戦わなくても2日後には自動的にアタシが勝ちと…」

 

「んなワケねーだろ、どーゆー基準だ」

 

なんで俺が自動的に負けになるんだよ、いや、まぁ、たしかにさすがにお年玉は福利厚生費から出せないので俺の胸が痛ましいコトにはなるんだが…

それは大人の敗北とは言えないだろう、言ってみたもののグレカーレもそんな気はないらしく相変わらず不敵な笑みを浮かべてスカートをヒラヒラさせている…

 

俺とこのクソガキの間にあるのは“誇り”ある決闘しかない、互いに、相手を“わからせる”ことで成立する誇りある戦い、無条件で手に入るお小遣いなどこのガキからすれば屈辱以外の何物でもない…

 

「ふふっ、ジョーダンよ、ジョーダン、ホーント可愛い♪」

 

「フン、用がないなら消えろ、目障りだ」

 

「ナニそれ!?このグレカーレちゃんが声かけてやってるってのに……!!」

 

「やかましい、俺はオマエみてーなションベン臭いガキの相手をしてやるほど暇人じゃねぇんだよ」

 

俺は上着のポッケから100円硬貨を取り出し、指で弾いてグレカーレの額にぶつけた

 

「アイタァ!?ッッッ……クッ!痛いじゃない!ナニすんのよ!」

 

「そいつでジュースでも飲んで談話室でマンガでも読んでな、クソガキ」

 

「クッッ!!バカにして……アタシを舐めたコトをコーカイさせてやるわ!」

 

「コーカイ…?ハッ、やれるモンならやってみろよ」

 

グレカーレはポケットからなにやら布キレを取り出し、それを勢い良く俺に投げつけてきた!

 

「なんだコレ?手袋…?」

 

い、いや………違うッ!!このきめ細やかな肌触りと質感、コレは…!!

 

パシャ!!(スマホカメラ)

 

「フッフッフッ………“撮った”わ」

 

「き…キサマ、コレは…!!」

 

「キャハハハッ!!テイトクのアタシのパンツを念入りに物色するマヌケな写真よ!どーしよっかなー?この写真どうしちゃおっかなー?テイトクの社会的地位終わるかもねー」

 

なるほど、そーゆー手できたか…大したメスガキだ

 

「ほら!わかったらドゲーザして!ドゲーザ!チ●コ蹴るよ!」

 

「女の子がチ●コとか言うんじゃないよ」

 

このガキぁ……しかし焦るコトはない、たかがパンツ持っている写真、拾ったとでも言い張ればいい

 

「ちなみにこのクセーパンツはオマエのか?なんか黄ばんでるぞ」

 

「黄ばんでないわよ!!ってかクサくないし………ないし、ウン」

 

「オイオイオイ、グレカーレ…俺はこのパンツがオマエのモノかって聞いたんだぜ?拾った責任として持ち主に返さにゃならんだろう?このウ●コがこびりついたパンツをよぉー…」

 

「こびりついてないわよッ!!」

 

「ハイー?なんですってー?」

 

「クッ!ぐぬぬぬーっ!」

 

カッカッカ!大人に刃向かおうなど10年早いわい、グレカーレは悔しげに下唇を噛み、今、その賢いオツムをフル回転させているのだろう…

 

「まぁいい、仮にオマエのじゃないってなら調べれば済む話だ、まずは匂い………」

 

「ヒイッ!?や、やめなさいよ!」

 

「クンカクンカスーハースーハー………う〜む、こりゃまだオトナになれてねぇションベンクセーザコの匂いだな、毛も生えてねぇなこりゃ」

 

「や、やめろォ!!返せっ!返せヘンタイ!!」

 

「ついでに味もみておくか…」

 

「あ、味って……やめ、やめなさいよ!!それお気に入りなんだから!穿けなくなるじゃない!!ホントやめて!ホントやめてェ!」

 

「………チョーシに乗ってスイマセンでした、だろ?」

 

「クッ…!ちょ…チョーシに乗ってスイマセン……でした」

 

「心を込めて」

 

「チョーシに乗って……!スイマセンでしたぁ!」ポロポロ…

 

「オマエそういや俺に土下座しろとか言わなかったか?」

 

「…言ってまセン」ポロポロ…

 

本来なら土下座を強制させるところだが、俺は心が広いのでそれはカンベンしてやろう…

 

「フン、わかりゃいいんだよ?わかれば?なぁグレカーレくん?わかったかなぁー?グレカーレクゥゥゥゥゥン?」

 

「クソッ!クソッ…!このアタシが…っ!このアタシに……っ!」ポロポロ…

 

俺はあくまで紳士的にグレカーレの手にパンツを握らせて返却した

 

「コレに懲りたら二度と逆らうんじゃねーぞ」

 

「クソッ!!クソッ!クソォォォォ!」ポロポロ…

 

さて、タバコでも吸いに行くか…

 

だが、最後に見たあの目、グレカーレのあの目はまだ負け犬の目じゃない………ヤツか俺、ヤツが俺のオチ●ポ様に負けるか、俺がザコチ●ポと罵られるか……どちらかが互いに屈服する日まで俺たちの戦いに終わりはないだろう…

 





次回はたぶん今年最後、普段サボり気味なのでお休み期間ぐらいはややペース上げ気味

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