不健全鎮守府   作:犬魚

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予想外な皆々様からたくさん提案頂きありがとうございました、感謝です、謝りたいと、感じています

さすがに全部は無理ですが、皆々様から頂いた案をいくつか考え、数本の短編にしてみました

とりあえず最初の3本は〜…

【安心しろ!安心しろよ!ただの秘書艦じゃあないか…】
【女王の時間】
【ユメ、見果てたり】

…の3本です


提督とキンキンキラキラクリスマス‐分岐①‐

振り向いたその先にいた者は…ッ!

 

 

【その① 安心しろ!安心しろよ!ただの秘書艦じゃあないか…】

 

「ゲェーッ!」

 

「なんですかその顔は、地味にイラっとくるんですけど…」

 

「………なんだサミーか」

 

「なんだとはなんですか」

 

おかしいだろ?普通ここは浜風ちゃんだろ?浜風ちゃん登場から好き!抱いて!の流れだったろ、完璧に…

チッ、なんて空気の読めない青髪ロング子だ、空気読めよッ!

 

「はぁ…」

 

「どうせ今日はクリスマスと言う名の天王山!今年上げに上げまくった好感度で今宵はフラグ回収待ったなし!浜風ちゃんのぺえぺえで圧迫祭じゃー!と、確信していた感じですか…」

 

こ…コイツ!心を!能力者かッ!何の能力だ…っ!何故俺の考えがわかった…!?心を読む能力…?いや、だが心を読む敵なら話は早い、ならば心を読ませなくすりゃいいだけの話だ、俺なら出来る!色即是空空即是色、我が心既に空なり、空なるが故に………無!

 

「地獄へ落ちろー…でいいですか?」

 

「こ、コイツ!やはり能力者ッ…!」

 

「そんなワケないじゃないですか、提督がバカなコト考えてるコトぐらいわかりますよ」

 

「チッ…」

 

コケにしやがって……まぁいい、だが、俺に対するそんな不遜をそれでも許そう、何故なら俺は心が広く理解とユーモア溢れる上司だからな

 

「ちなみに浜風さんなら姉妹でパイ投げしてましたよ」

 

「パイ投げか」

 

「えぇ、パイ投げです」

 

浜風ちゃんがパイ投げとはこれいかに…?グゥゥゥゥム、聖なる夜と言うものは理解に苦しむわい

だが、姉妹でこの夜を楽しんでいるのならばそれはそれで仕方ない、好きな子には笑顔でいて欲しいとハンサムな提督ならそう考える

 

「提督」

 

「なんだ?」

 

「ケーキ食べますか?1つくらい分けてあげますよ」

 

「…貰おうか」

 

サミーは小皿に載ったケーキにフォーク突き刺し、はいどうぞとフォークごと俺に差し出した………どんだけ雑なんだよコイツ、せめてはいあーん♪ぐらいできねぇのかよ…

 

いや、それはそれで気味が悪いが…

 

「早くとってくださいよ」

 

「へいへい」

 

まったく、相変わらずこーゆートコがムカつくんだよ、コイツは…

 

ーーーーー

 

【その② 女王陛下の時間】

 

「ゲェーッ!」

 

バ、バカな…ッ!あ、あり得ない…ッ!何故この御方が…っ!何故……!?

 

「Admiral、少しお話宜しいかしら?」

 

女王陛下じゃねぇかァァァァァァ!!

 

「あ、はい…」

 

い、いったい何事だ?陛下がこの俺に話を……?なんだ?俺、またなんかやっちゃいましたか?まさか陛下の逆鱗に触れるようなコトを………いやいやいや、ない!それはない!俺は陛下に対し最高級でエグゼクティブな日々を過ごして頂けるように常に最高の努力をしているハズ………ハズ!

 

陛下はとりあえずこちらのベンチに座って、まぁ話でもしましょうと俺に目配せを送り、俺は即座にそれを理解した

 

「Ark、お茶を淹れて貰えるかしら」

 

「ハッ!」

 

そして、ベンチに座った陛下はまるでレストランでウェイトレスに注文するようにごくごく当たり前のように少し離れた壁に待機していた女騎士に茶を持ってこいとお声をかけ、女騎士はイエスユアハイネス!と元気に茶を淹れに行った…

 

「………それで、お話とは?」

 

グゥゥゥム、まるで心当たりがない…だが、陛下自らこの俺に声掛ける以上只事ではあるまい

 

「Admiral、この後の御予定はありますか?」

 

「いえ、特には…」

 

「そうですか!えぇ、そうですか!」ニコニコ

 

グレート…ッ!グレートですよコイツぁ、陛下はにこやかなロイヤルスマイルで手をポンと叩きそうですかそうですかと頷く……

なんだコレ?え?ナニ?まさか陛下が俺との熱い夜を希望………いや、ないな、むしろそんな下劣な事を考えるコトがこの御方に対しての不遜であり不敬

 

「ときにAdmiral、アナタArkをどう思いますか?」

 

「…そうですね、美人で聡明、武人であり騎士でありながらそれでいて気配りの細やかな女性かと…」

 

最大限、言葉をオブラートに包んだ、むしろデコレーションしてラッピングまでした

 

「そうですかそうですか、なるほどなるほど…」

 

陛下の素敵なロイヤルスマイルにダメージを受けつつ、それでいて顔と態度には出さないのが大和男児、もし俺が鋼の精神力とタフネスを持たなかったら、とっくにこの御方に心からの忠誠を誓い、この御方に仕える悦びと永遠の安心を得ていただろう…

 

「Admiral」

 

「はい」

 

「この後、Arkと一緒に外でilluminationを見て回って来ては如何ですか?」

 

遊び球無しで剛速球を投げ込んできた…ッ!!

 

「いえ、自分ちょっと風邪気味なので…ゲフンッゲフンッ!」

 

「そうですか、あ、ではArkに部屋まで送らせましょう」

 

「いえ、お気遣いなく、すぐそこなんで」

 

「まぁそう言わず、Admiralに何かあったら私が困……いえ、基地運営が困るかと………Ark!Ark!お茶はいいから早く来なさい!」

 

クッ!なんてグイグイくるんだ…!覇王色か…ッ!俺と陛下がまるで飲み屋街からの帰り、タクシー代を受け取る受け取らないぐらいのギリギリの駆け引きをしていると、エレガントなティーセットを載せた台車的なものをゴロゴロ押した赤い髪の騎士がやって来た

 

「お待たせしました陛下、今お茶を…」

 

「お茶はいいから!Ark!Admiralを部屋まで送って差し上げて!それと、貴女今日は帰らなくていいから!泊まってきなさい!」

 

「………はぁ?」

 

「いや!ホント大丈夫ですから!それにほら!陛下の大事な騎士様に風邪伝染しちゃ悪いですから!」

 

「なんだ?Admiralは風邪をひいているのか?フッ、風邪をひいた時はオーガの角を煎じたものが効くぞ、私も昔はそれを飲んでだな…」

 

バカかコイツ!どこの民間療法だよ!!そもそもオーガが実在する田舎なのか!?怖いよ英国…ッ!!

 

ーーーーー

 

【その③ ユメ、見果てたり…】

 

「ゲェーッ!」

 

いつか誰だったかが言った、自分を信じて“夢”を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!と…

 

振り向いたその先に居たのは間違いない、銀髪…!巨乳…!そのパイオツはまさにパ●ズリ専用のベスト・パイオツを持つあの娘…ッ!

 

『テイトク、あの…これから、その……お時間宜しいですか?』

 

モチロンさ!キミの為に、いつだってこのシートは空けてあるんだから!

 

俺はあくまで紳士的にその白くて柔らかな手をとり、参りましょうとその手を引いた…

 

え?その子、駆逐艦だけど大丈夫なのかいって?大丈夫さぁ!だってこのゲームの登場人物は“全員”18歳以上だからね!だからそう………大丈夫!!

 

・・・・・・・・・・

 

「ウヒ…ウヒャヒャヒャ…!すごいぞー…カッコいいぞぉー」

 

福利厚生クリスマスパーリーも終わり、会場では殴り合いの末に倒れた者、MAXテンションカラオケステージでハシャぎすぎて倒れた者、そして………

 

チョーシに乗って飲みすぎて酔い潰れた者達が転がっていた…

 

「ひゃー…おらこんなぺぇずりはじめてだぁ〜……ワクワクすっぞー」ZZZZZ

 

「ウヒヒヒィィ……もぉー、ポーラ悪くないからぶたないでくださいよぉ〜」ZZZZZ

 

「イヒ、イヒャヒャ……やったぁ〜飲み放題サイコー……ンガー」ZZZZZZ

 

…………会場の一角で酔い潰れて絡み合う、ほぼ全裸の男女が三人

 

自称、男の中の男、提督

自称、来年はお酒を控える良い子、ポーラ

自称、ねーちゃんに黙ってお酒は飲まない良い妹、伊14

 

会場の暖房はすでに切れており、彼らはきっと明日の朝には冷たい身体で発見されるのでしょう…

 

でも見てください、良い夢見ながら酔い潰れたバ……あの人達の幸せそうなバカ面………

 

あなたはこんな顔で死ねますか?

 




次回は分岐②
バイオレンス色多め

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