【登場人物】
御蔵(海防艦)
今までになく毛色の違う海防艦のルーキー
L.d.S.D.d.Abruzzi(姉貴)
名前が超長い軽巡、そしてデカパイ
Grecale(次女)
真面目な長女とアホな三女とは違う天才型の次女
Janus(ロイヤル駆逐艦)
ジャーヴィスの姉妹で同じく自動対潜能力を持つ期待の新人、天パすぎて髪がくるくるしてる
秋もアケボノ、やうやうしろく成り行く山ぎはすこしあかりして、むらさきだちたる某がどーのこーの……
「で?今日は何人面接すりゃいいんだ?2人か?3人か?あ?」
「4人ですね、ちなみに4人中3人が外国の方です」
「ファーックス!ウチはいつからそんなにインターナショナルになっちまったんだ?なぁオイ?」
「さぁ?」
まったく、ウチは出稼ぎ外国人大歓迎のオープンでアットホームな職場じゃないっーの、いい加減にしろよ!毎度毎度、たまに金髪巨乳を斡旋しときゃ文句ないだろと思うなよ!たまには金髪巨乳にエルフ耳を足してこい!エルフ耳を!
「…まぁいいわ、で?最初はなんだ?また海防艦か?」
「察しが良いですね」
ファーックス!また海防艦かよ!毎度毎度……いい加減にしろよ!多種多様なクソガキばっか送りつけてきやがって、ウチは小学校じゃねーっーの
………そんなワケで、本日最初の面接はいつもの海防艦キッズ
「御蔵型海防艦一番艦の御蔵です」
「ほぉ…」
御蔵型…?聞いたコトない名前だな、とりあえず手元の書類を見るに、択捉姉妹の親戚的なものらしい…ふむ
「身体は小さいですが、力の限り、務めます!よろしくお願いします!」ペコォ!
「あ、あぁ…うん、そうかね、うん」
う〜む、どうやら最近のガキには珍しい真面目な子みたいだな、なるほど…
俺はそんな御蔵くんに座ってどうぞと促し、サミーに御蔵くんにオレンジジュースとお菓子を出してあげなさいと伝えた
「ふむ、御蔵くんはアレかね?対潜とか得意な感じのアレかね?」
「はい!得意な感じです!」
御蔵くんは対潜の成績には自信があるらしく、配属先を決める際、是非ウチにと上にアツくお願いしたらしいのだが……えぇ?なんでこんな真面目な子がウチみたいなクズの吹き溜まりにわざわざ希望を?
「私、その……憧れてるセンパイがいまして、その…一緒にプレーしたいと言うか…」
「憧れ…?」
「はい!」
御蔵くん曰く、まだ御蔵くんが進路について悩んでいたある日、たまたま何かの映像でウチの対潜チームを見たらしく、その美技の数々に心奪われてしまったそうな…
「勝つのは五十鈴、勝者は五十鈴、って、その………私もやりたいと言うか…」
「あー…」
ナルホドなぁ〜………SUNDAYじゃねーの!
ーーー
今日の四連戦、まずは第一の刺客、御蔵くんが退室して次から迎えるのは海外からの刺客達、トップバッターはパスタの国からやって来た軽巡…
「新鋭軽巡洋艦Luigi di Savoia Duca degli Abruzziです」
「あーはいはい、ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくんね、はいはい、まぁ座ってどうぞ」
「え…?あ、は、はい」
ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくんは何やら面食らったような顔をしていたが、すぐに笑顔になりお客様椅子に腰掛けた
「えー…ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくんはアレかね?ガリバルディくんのお姉さんだとか?」
「あ、はい、ガリィは私の妹です、はい……えぇと、たしか先日からこちらでガリィもお世話になっていると…」
「えぇ、妹さん、大変優秀ですなぁ、ハッハッハ」
「そうですか、良かった…私、てっきりガリィがご迷惑をおかけしているものと…」
「ハッハッハ、いやいや、で?えー…お姉さん、えー…ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくんもまた大変優秀な性能をお持ちでらっしゃると、ははぁ〜…これはこれは姉妹揃って出来が良くてらっしゃる」
書類を見るに、軽巡としての性能はかなり高い水準で纏まっており、ハッキリ言って並みの重巡ぐらいなら殴り殺せるだろう
それに、妹もかなりアレだったが、この姉はそれをさらに超えてくる凶器を搭載しており、その大きさたるや鷲掴みにしてもなおこぼれるであろうマグナムおっぱいである、ハッキリ言って、俺は今、ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくんとお話ししているのか、おっぱいと話をしているのかわからないぐらいクギヅケである
「あのぉ〜……テイトク?」
「なにかね?ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくん」
「その、私の名前って長いと言うか……長すぎますよね?その、なんでしたらAbruzziでも…」
う〜む、なんだろうな?このパスタの国からやって来たとは思えないエレガンテさだけではなくオパーイまで兼ね備えた美女は…
過去、パスタの国からはロクなヤツしか来てないだけにあまりに新鮮なのだよ
………そんなあまりにエレガンテなアブルッツィくんとの面接、しかしその時、俺はまだ彼女という人物を知らなかった…
そして後に、俺はこのエレガンテ美女のアブルッツィくんが“姉貴”と慕われる理由を知るコトになる…
ーーー
ハイスペックアクトレス・アブルッツィくんとの面接も終わり続く第三戦、やって来たのはアブルッツィくんと同じくパスタの国からやって来た………駆逐艦
「Buongiorno!Maestrale級駆逐艦、次女のGrecaleよ!」
「マエストラーレ級……だと?」
マエストラーレ級と言えばアレだ、アホのリベッチオやアホではないマエストラーレくんと同じ合法駆逐艦と呼ばれる歩く事案発生装置…ッ!
そして…ッ!!
「フフッ、こっち、こっち。Ciao!Ciao!やだ、本当かわいい♪」
大人を舐めた挑発的な言動とハジけるナマイキ臭……一目で尋常ではないメスガキと見抜いたのだよ
「グレカーレくんか……ふむ」
「ねーねー!なんか飲み物ないー?アタシ喉渇いてるんだけどー?」
このガキ、面接に来ていきなりドリンクを所望とはな…舐められたものだ、どうやら最初にわからせが必要らしい
「ほら、ひーらひら♪今、見た?見たでしょ♪ 」
「やかましい、えー……グレカーレだったか?あまり大人を舐めるんじゃあないぞ、最初に言っておくが俺は女子供にも容赦せんぞ、あんま舐めた態度とってると大人の怖さをわからせるからな」
「えー?やだぁー!こわーい!」
このガキ!なんてメスガキ臭だっ!!………なるほど、おそらくは百戦錬磨のメスガキ、並みのおじさんではこのグレカーレに返り討ちにされザコチ●ポと罵られてキンタマ蹴りあげられ社会的に抹殺されるだろう…
…大したメスガキだ
だが、この俺を並みのおじさんと思って貰っては困る
◼️◼️◼️
「ふふ〜ん♪」
一見余裕に見えるグレカーレ、しかしこの時、このグレカーレも内面では提督に対して最大級の警戒をしていた…
このおじさ…テートクは並みのおじさんじゃあない、もしほんの少しでも自分に油断があれば、このテートクは大人の怖さを、いや、子供では勝てないことを“わからせる”力を持っている…
目の前にいるのは一見普通の冴えないメガネ男子だが、百戦錬磨のグレカーレだからこそわかる、この男の危険性
並みのBambinaでは返り討ちにされ大人は子供には負けませーんと屈伏させられてしまうだろう…
大したテートクね…
ただ、このグレカーレちゃんが並みのBambinaと思って貰っちゃ困るわね!
■■■
“わからせる”と提督と“メスガキ”グレカーレ…
面接中の執務室、二人の間に緊張が走る………が、それはふいに解けた
それは二人が同時に理解したのだ、実力は互いに拮抗している、このままでは
提督とグレカーレは互いに警戒を解き、ガッチリと握手した!!
「フッ、いつかわからせてやるからな!」
「へぇ、デキるかしら?」
「ヘヘッ…!」
「アハ…っ♪」
二人は互いに微笑み合い、その実力を、そして互いに好敵手であるコトを認め合った
「ナニか飲むか?利尿剤入りアイスティーしかないけど?」
「うん、いらない!ってかテメーで飲め♪」
ーーー
パスタの国二連戦を超えて本日最終戦、最後に残った第四の刺客は紅茶の国から来たロイヤル駆逐艦…
「Hi!私の名前はJanus!そうよ!あのJervisの僚艦の…」
「えー…ジェーナスくんか、ジェーナスくんはアレかね?ジャーヴィーくんの姉妹かナニかで?」
「ジャーヴィー…?あぁ、Jervisのコト?そうよ!」
「へぇ…」
とりあえず書類を見るに、ジャーヴィーくんの妹らしい、なるほど…まぁ、たしかに似てると言えば似てるな
「…しかし貴方がテイトクねー……へぇー、ふーん、ほーん?」
そんなジャーヴィーくんの妹、ジェーナスくんは興味津々丸と言った具合に俺を見ているが……アレだよな?この子、あのジャーヴィーくんの妹なんだよな
「なーんか聞いてたのと違うかなー…」
「聞いてた…?」
「そうよ、Jervisからはサイコーにクールでとっても紳士的なナイスガイって…」
ヘヘッ、よせやぁい!
「ちなみにArkは次期knight of oneだからキチンと挨拶しておくよーに言われたけど…」
誰が次期ナイトオブワンだ、あの残念騎士は俺をなんだと思ってるんだ…
「あと、Warspiteからはデキればごくごく自然かつ積極的にArkとイイ感じになるよーにオネガイされたわ」
陛下ァァァァァァァァァ!!なんてコトを子供に頼むんですか陛下ァァァァ!!
「ま、まぁいい……そうか、陛下がな、まぁ陛下はお戯れのお好きな御方だ、ハハ…」
「そーかしら?あの目はかなりMAJIだったよーな…」
「ジェーナスくーん!!ジェーナスくん!喉渇いてないかな?あ、お菓子もどうかな?サミー!紅茶!彼女にティーを淹れてあげなさい、あと戸棚にルマ●ドあったろ?ルマ●ド!それも出してあげなさい!」
ハハ…まったく陛下ったら、本当にお戯れがお好きな御方だ、アレかな?陛下流の小粋、いや、高貴なRoyal Jokeってヤツだな、うん
「ちなみにジェーナスくん」
「なにー?」
「キミはアレかね?別にテイトクのコトをダーリンとか呼ばないのかね?」
「は?呼ぶワケないし」
「だよねぇー!普通は呼ばないよねぇー!うんうん」
ーーー
そんなワケで、今回の面接も予定通り、無事、滞りなく終了した…
「はぁ…相変わらず面接は疲れるな」
「お疲れ様です、コーヒーでも淹れましょうか?」
「あぁ、冷蔵庫にアイスコーヒーのパック入っ…」
「ご自分でどうぞ」
こやつめ!カッカッカ!こやつめ!ったく……この青髪ロング子、提督様を労うという誠意が足りんのではないか?誠意が!
「はぁ、まぁいいや、今日はもう営業終了するか、俺、この後、香取先生と飲みに行く約束してんだよ!香取先生と!」
「へぇ〜.」
香取先生とのオトナの飲み会、それはこれからの所属艦の教育を本気で考えるアツきディスカッションでもある…
とりあえず香取先生に失礼のないように、シャワーでも浴びて身支度をビシッと整えないと…あ、そーだ、一応安全戦士も持っとかないと、世の中何があるかわからんからな
「じゃ、私も今日は帰りますんで…」
「おう、お疲れ!」
次回はロー●ン回、ロー●ンVS大和さん