【登場人物】
提督(小粋)
小粋なテイトクジョークと言う名のセクハラ
神風姉妹(カミ姉妹)
戦隊モノみたいな色をした仲良し姉妹、仲良し…?
梅雨明け宣言が発令され今日もゴキゲンな暑さだと感じつつ執務室の窓から外を見ていると、ナイスガッツ陸上部が暑さに負けないアツいナイスガッツで走り込みをしている姿が目に入り余計に暑くなった…
「サミー、後で彼女らによく冷えたアイスを差し入れてやりなさい」
「…はぁ?」
頑張る部下にささやかな褒美を与えるのも上司の務めだろう、なんか良い事をした気になった俺は自分の椅子に座り基地スポを開いた…
「MAJORの洗礼!コロラド3回14失点の大炎上か…」
そんなエキサイティングな記事を読んでいると、ふと、紙面の隅に小さく書かれた記事が俺の目を引いた…
「冷やし中華、始めました………か」
なるほど!冷やし中華か、悪くない…
「サミー、卿はどう思う?」
「何がですか?」
「昼飯、冷やし中華」
「いいんじゃないですか?暑いですし」
五月雨は特に顔をあげるワケでもなくナニかの書類にチェックを入れる作業に従事しているが、冷やし中華いいんじゃないですかとのコトだ
本来ならば、この基地の絶対支配者であるこの俺に対するその無礼はその命をもって償わせるところだが………あえて許そう
「では冷やし中華で」
「そうですね」
◆◆◆
うだるような暑さの中、冷やし中華を食うべく、俺と五月雨は基地の近所にある定食屋に向かったワケだが…
定食屋の近くで、なんか見覚えのあるカラフルでハイカラさんな5人組がキィーキィー言いながら揉めていた…
「ナニが冷やし中華よ!ざるそばよ!ざるそばにしなさい!」
「いいえ!冷やし中華よ!だいたい、ざるそばとか……神姉ぇはセンスが古いのよ!そんなコトじゃいつまで経ってもKAIKOKUできないっていつも言って…」
………なんか赤いのと青いのがキィーキィー言い合って、いや、手が出た、青いののツルっとしたデコに赤いのがビンタした
「コラコラ貴様ら、こんなところでケンカしているじゃあない」
「あ、テイトク…」
「えー…人斬り大好き抜刀斎くん?」
「か・み・か・ぜ!神風よっ!」
赤いのこと、神風姉妹の長女、神風クン
ナリは小さくて基本真面目だが、非常にキレやすく煽り耐性は無い
「テイトク…っ!丁度いい!テイトクからも言ってやってよ!神姉ぇに、KUROFUNEに乗り遅れるって」
青いのこと、神風姉妹の次女、朝風クン
思わずKISSしてしまいそうになるほどチャーミングなデコである
「ナニがKUROFUNEだ、っーかナニ揉めてんだ?姉妹は仲良くしねぇといけねぇな、なぁ?」
俺はみんな大事な俺の家族だぜ!とグラグラ笑いつつ2人の尻を叩いたら神風クンから顔面に肘を貰った
「………痛いじゃないか?」
「いきなり婦女子の尻を触るなんて……ヘンタイ!!」
「変態じゃない、提督だ」
「そーよ神姉ぇ、今時尻を触るくらいアイサツみたいなモンよ、神姉ぇは早く文明開化しないと新時代に取り残されてゆくばかりに…」
「うるさい!デコスケっ!」
「だぁれがデコスケよ!!松風、神姉ぇを羽交い締めにして!その袴剥ぎ取ってやるわ!」
神風クンと朝風クンのエキサイティングな言い合いがさらにヒートを増し、このデコだのオボコだの醜い罵り合いになったのでとりあえず2人を引っぺがして互いにニュートラルへと退がらせた
「姉貴、言い過ぎだよ、神姉ぇだって文明開化してないだけで悪気があるワケじゃないし…」
姉妹の四女、イケメンの松風クンはデコ風クンにまぁ落ちつきなよと嗜めてみる…
「春風、傘貸しなさい!傘!」
「傘ですか?どうぞ?」
長女から傘を貸せと言われた姉妹の三女、春風は特に何の躊躇いもなくその手に持っている愛用の和傘を長女に手渡し、長女はその傘を大きく振りかぶってその先端をデコ風に向けた
「ざるそばよ!昼はざるそば!ナニが冷やし中華よ!誰がお金出すと思ってるの!」
「あーはいはい、神姉ぇはいつもそれね!そんなにざるそば食べたきゃ自分だけざるそば食べればー?」
「ハァ!?春風!松風!旗風!アンタ達はどうなの!?」
「いや、僕も冷やし中華がいいかなって…」
「私も冷やし中華は食べた事ないので是非にと…」
「私は春姉さんに従います」
「チクショウッッッ!!!」
敗北…っ!圧倒的敗北っ!まさかこれほどまでに長女の威厳、そしてカリスマが発揮されない姉妹は神風姉妹だけだろう…
神風クンは膝を折り、悔しそうに地面をバシバシ叩いた
「まぁまぁそうイキり勃たないで、なぁ?神風クン」
「イキってない!って肩触らないでよ!馴れ馴れしい!」
未だKAIKOKUしていない長女、神風クンは俺の手を払いのけ、次触ったらブン殴るわよとプンプン怒る
「だが、そんなプンプン怒るカミッカーくんはとてもチャーミングなのだよ」
「は?ちゃ……?ちゃみ?ちゃんみん…?」
「チャーミングだよ、神姉ぇ」
「は?うっさい、知ってるわよ!ナニ?松風、アンタ国語の先生なの?」
神風クンは松風クンに舐めてんのかコラー!と傘の先端をグイグイ頬に押し付け、舐めるんじゃあないわよー!とさらにヒートを上げる
「まぁまぁ神風クン、そのぐらいにして…」
俺はそんなヒートな神風の尻を触り、お、いい尻だねぇ?安産型かなぁ?と小粋なテイトクジョークで場を和ませよ………
「――――――――ッッッ!!!」
ドガンッ!!(龍槌閃)
「ダムドッ!?」
ガゴンッ!!(龍翔閃)
「シャドルッ!?」
神風クンの下から上への流れるような連撃!さらに、凪→旋→嵐とコンビネーションを繋ぐ計5連撃!!
「………痛いじゃないか?」
「クッ…!あんまり効いてなさそう…!」
たしかに素晴らしい連続攻撃だが、悲しいかな、神風クンの体格ではあまりにも軽すぎる、そして、神風クンが勝てない唯一にして絶対なる壁、それは…
「神風クンには足りないのだよ、SAMURAIの血が」
「さ、サムライの血…!」
そう、99%が100%には決してなれない!どうあがいてもどうしようもない絶対なる才能の壁、それがSAMURAIの血…
「だが気に入った、付いてきな、この世で二番目に強ぇ駆逐艦にしてやるぜ」
こうして、俺達は無事近所の定食屋へと入り、冷やし中華を注文した……
神風クンは初めて見る冷やし中華にこんな派手派手しい色のもの本当に食べて大丈夫なの?といぶかしんではいたが、一口食べると、おいいひぃぃぃ!と即堕ちした