不健全鎮守府   作:犬魚

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出張ある週は憂鬱なので間が空いてしまうのです

【登場人物】

提督(聖なる完璧の提督)
成長しろ!成長しろよ!成長しなきゃ栄光は掴めねぇ!

白露(地味に美少女)
成長した

村雨(主に夢で見るタイプの悪魔)
成長した

夕立(狂犬)
成長してない

海風(とても美少女)
成長した


提督と白露姉妹と水着の乱

所謂子供達の夏休みが始まった今日この頃、当基地でも駆逐艦以下のキッズ達には夏休み制度が導入されており、8月31日までの期間は座学等の授業はなく、今日も朝からキヨシやリベのアホがカブトムシを獲りに野山にまじっていた…

 

そんな夏休み突入のこの夏、浜風ちゃんとビーチでフラッグを奪い合うにはどうするべきか?その、あまりにも高等な難問に対し自然対数の底eネイピア数を極限の式で定義しつつ自販機コーナーのベンチで缶コーヒーを飲んでいると、下品な笑い声が聞こえてきた

 

「ギャハハハハ!でよぉー!金持ってねーって言うからジャンプしろよって言ったらチャリンチャリン言ってんのー、で、ムカつくからパンチしたらピギャアとか言って転がってんの!」

 

「ギャハハハハ!村雨極悪っぽい!」

 

プッツン駆逐艦白露姉妹、その、三女と四女がゲラゲラ笑いながら歩いて来た、歩いて来た………が、なんだアイツら?水着でウロついて、クールビズか?

 

「あ、テイトクっぽい」

 

「テイトクちぃーっす、ナニやってんのー?こんなトコで〜?」

 

「ご覧の通り、缶コーヒーを飲んでいるのだよ」

 

「へぇ〜、夕立オレンジジュース飲みたいっぽい」

 

「あ、アタシはスプラ●トね、スプ●イト」

 

夕立と村雨はごく自然な流れで俺にジュースを買えとタカってきた

 

「自分で買えクズどもが、オマエらに奢る清涼飲料水など1ミリバールもないわい」

 

「えー!ケチっぽい!」

 

「なんでそんなイジワルするのぉ?」

 

「ケチでもなくイジワルでもない、提督だ、っーか村雨、なんだオマエその水着は?あ?大人を舐めてるのか?」

 

駆逐艦姉妹の中でも発育の良さに定評のある白露姉妹だが、中でも、この村雨の発育はハンパではない、その駆逐艦離れした超肉体は並の軽巡を凌駕し、重巡ですが?と言っても差し支えないほど完成されており、その類い稀なビッチ臭はあのビッチ・オブ・ビッチ鈴谷にすら匹敵する

 

「舐めてないし、ってか村雨去年の水着もう合わないから今年新しいの買ったの、どぉ?」

 

「去年のが合わない…だと?」

 

オイオイオイ、そのドスケベBODYで去年のがムリとかダメだろ、そのドスケベを多少なりとも五女と六女にも分けてやれよ、主に六女に

 

「ふ〜ん、まぁ似合ってるんじゃねぇの?」

 

「ホント?じゃ……はい」

 

村雨はニコニコ笑いつつ右手を俺の前に出した

 

「なんだこの手?」

 

「ジュース代」ニコニコ

 

…女を殴りたいと思ったのは生まれて初めて………いや、そうでもないか、俺は財布から小銭を取り出し村雨の手に握らせ…

 

「村雨ェ!そいつの手に触れられるんじゃあない!何か仕込みがあるぞ!」

 

バッ!!!(緊急回避)

 

「ハッ!?ッッッ!危ねー危ねー…サンキュー夕立!」

 

「ヘヘッ!いいってコトよ、キョーダイ!」

 

夕立と村雨はガッチリと手を組み互いの“友情”を確かめ合う、たしかに今、村雨は不用意に出された手を取られれば容赦無く思考力を奪うツボを圧されるか、艦娘パワーを奪われるかの窮地に陥っていただろう

 

「なかなかの好判断だ、下等にしてはな」

 

「誰が下等だし」

 

「こりゃメチャ許さんよなぁ〜っぽい」

 

「だが下等は所詮下等!貴様ら程度に奢るジュースはない、俺にそのドスケベ水着の上からイカされてみっともない嬌声を上げる前に去るがいい」

 

「ンマー!聞きました夕立さん?このおっさん、村雨達2人を相手に勝てるつもりですってー?」

 

「ウヒャヒャヒャ!あまりにおかしすぎ笑いが止まらねーっぽい!」

 

…どうやらヤる気らしい、やはり下等は下等、実力の差がわからないとみえる、村雨はどこから取り出したのかよくわからない愛用の(チェーン)をブンブン振り回し、それは勢い良く床に広がった

 

「村雨のサークルデ●フェンスよ!触れたが最後!1万ボルトの電流が…」

 

「あばばばばばばばばばばばば!!」ビリビリ

 

夕立は1万ボルトの電流を浴びた

 

「……村雨ェ!!テメーナニしやがるっぽい!」

 

「えー?ゴメンゴメン、ってかボーっとつっ立ってる夕立が悪くな〜い?村雨悪くなくな〜い?」

 

そしてこの自分の非を認めない村雨スタイル…

 

「…あ゛?」ピキッ!

 

「ナニ?アタシとヤる気?この村雨オネーサマと…?」

 

「…」

 

夕立は無言でお腹にパンチを喰らわせ、体勢が崩れたとろで両腕で村雨の両足を捉え、両膝の裏から両足を通すような体勢でおもいっきりのし掛かかり、村雨は血反吐と共に最高に恥ずかしいポージングをキメられた

 

ゴガアアン!!(マリキータデッドリーラ●ド)

 

「ウゲォアッ!!」

 

「チッ、クズが…」

 

夕立はペッと唾を吐き、恥ずかしい体勢で転がった村雨に蹴りを入れると、村雨の財布から小銭を取り出してオレンジジュースを買った…

 

ーーー

 

白露姉妹の闇の深さを改めて感じた昨今…

タバコでも吸うかと喫煙所に向かっていると、地味ながら美少女なことに定評のある白露姉妹の長女、白露ねーちゃんがなにやらチラシを片手に歩いていた

 

「よぉ、地味に美少女の白露ねーちゃん」

 

「ん…?あぁ、テイトクか……ってか地味に美少女ってゆーな」

 

「なんのチラシ見てたんだ?ハ●ズマンか?」

 

「なんでホームセンター……ってか違うし、ほらコレ、イ●ンモールとかに入ってる店の…」

 

白露ねーちゃんの見せてくれたチラシは女物の服等を扱うオシャレなお店のチラシらしく、オシャレ半額やこの人気のオシャレなどアオられていた

 

「ふ〜ん、なんか買うのか?白露ねーちゃんは美少女だからだいたい似合うだろ、ほら、コレなんかどうだ?自己主張に乏しく控え目で地味な色合いとか白露ねーちゃんにはピッタリのコーデ…」

 

「地味地味ゆーな!別にこっちの明るいヤツでもいいじゃん!黄色とか!」

 

「いや、それは白露ねーちゃんには眩し過ぎるのでは…?」

 

「クッ…!ま、まぁいいけど…どーせ買わないし」

 

「なんだ?買わないのか」

 

「服は買わないけど、新しい水着は欲しいかなって考えてるんだけど…」

 

「新しい水着…?」

 

なんかさっき聞いたような気がするが、まぁ気のせいだろう

 

「ほら、アタシちょっとづつ成長してるし?成長期だしね!改二とかなったし!」

 

「なるほど、たしかに」

 

たしかに、以前から地味に美少女だった白露ねーちゃんだったが最近は改二になったり髪が伸びたりと成長著しいものがある、そんな白露ねーちゃん、とりあえず新しい水着でも買おうかと妹の時雨様に相談してみたところこのチラシを貰ったらしく、その際に“大丈夫だよ、白露姉さんなら何を選んでもきっと似合う、なんなら僕が選ぼうか?僕が選んだ水着は絶対だ、僕には先がすべて見えている”と推されたが丁重に断ったそうな

 

「まぁ、いつものスケベな水着でも買えばいいじゃないかね」

 

「言い方ッ!まるでいつもスケベ水着みたいじゃん!」

 

「違うのかね?」

 

「違うし、ってか水着って地味に高いんだよねー…あ、コレ可愛いとか思ったら特に」

 

そんな地味に悩む白露ねーちゃんと話をしていると、廊下の先から新たなドスケベ……ではなく、旧型の白露ねーちゃんが霞む新型の長女の輝きを放つラノベヒロインみたいな顔した美少女が歩いて来た

 

「あ、テイトクと白露姉さん、こんにちは」

 

「よぉ、海風ねーちゃん」

 

「海風ェ…」

 

七女にして長女と言う矛盾、そしてあの村雨にも匹敵する駆逐艦離れした超肉体を持ちつつもビッチ臭を漂わせない白露型キセキの世代とはまた違った進化を果たしたキセキに匹敵する白露型、それが海風ねーちゃん…

海風ねーちゃんは、白露ねーちゃんが手にしていたチラシを見ると興味ありげに話しかけてきた

 

「白露姉さんも水着ですか?実は私も水着を新調しようかなと…」

 

「オイオイオイ…」

 

「なん…です、って?」

 

死んだわアイツ(五月雨)、ナニ言ってんだよこのラノベヒロイン顔、水着を新調…?あの殺人的なドスケベ水着がもうこの海風ねーちゃんの“成長”に付いていけてないってのか!?

 

「へ、へぇー…!ンミ…海風にはさぁー!こーゆーのがいいんじゃない?落ち着いた感じで大人しめなヤツ!まぁー!色合い地味めなヤツとかさぁー!」

 

「へぇ〜、なるほど〜…うん、いいですね!さすが白露姉さんです」

 

ダメだ白露ェ!海風ねーちゃんは白露ねーちゃんとは違う!同じ水着!仮に白露ねーちゃんと同じ水着だったとしても海風ねーちゃんには地味な色合いやデザインをも上回る“スゴ味”があるッッッ!!

 

「今度の休み買いに行こうかな……ハッ!?いや、たしか次の休みは花火大会があるから色々準備が……あ、そうそう提督、花火大会なんですけど私達と〜…嗚呼、別に山風を押し付けたいワケではなくてですね…」

 

言ってるコトもやってるコトもワリとグイグイくる海風ねーちゃんの破壊力は高い、その暴力的なパイオツをごく自然な流れで俺の腕にグイグイ押し付けてくる、もし俺が鋼鉄の精神力と気高き魂を持っていなかったら間違いなくオチ●ポ大好き肉奴隷に堕として首輪つきで執務机の下でシャブるコトに悦びを見出す雌犬にしていただろう…

 

だが!海風ねーちゃんは駆逐艦、まだ、色を知る年頃ではない…

 

「予定は未定だが頭には入れておこう、行けたら行く」

 

「それ行かないヤツじゃん」

 

さすがは白露ねーちゃん、冷静で的確なツッコミだ

 

「じゃ、今度の休みに私の買い物に付き合ってよ、イ●ンモールでいいから」

 

「やだよメンドくさい」

 

「海風に対して私の扱いが雑ッ!!





次回は帰ってきた伝説の狼

たぶん

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