今回のお話は490〜494回で書いた、絶望の未来!人造神話の続編的なお話になります、はい
未来はオメーに任せたぞ!と信じて送り出したのに再びピンチになる未来!未来夕張型軽巡の怒りが絶望を希望に変える…!たぶん
【登場人物】
提督(中佐)
毎朝鏡の前で自分の美しさをチェックする美の信奉者、未発見のひまわりの為なら仲間は普通に売る
アヤセ(未来夕張型)
未来の世界での夕張の実子、見た目は絶壁を含めて夕張似だが目ツキと口は非常に悪い
世界線変動率0.000001%の限りなく近く、限りなく遠いその世界…
時は20XX年、人類と深海棲艦の戦いは終わり、平和がやってきたと思いきや新たな脅威!極悪非道の殺戮マシーン、人造艦娘の恐怖に世界は晒され、未来は絶望の世界となった…
しかし…!!
恐怖の人造艦娘に立ち向かう希望は現れた!そして、多くの犠牲を払いはしたが人造艦娘は遂に倒され、今度こそ世界は平和になったのだった……
………いや、平和になったハズだったッ!!
「クソッタレェェェェ!!チクショウ!チクショウ!!なんで…!なんでオマエがーッ!」
絶望の未来を襲う新たなる“脅威”!!人造艦娘を倒し、未来を救った未来夕張型軽巡エイナスの前で起こる惨劇ッ!!
「クッ……!エ、エイナス!過去へ!アナタは過去へ行って!テイトクに…!テイトクに助けを…!ヒギィィィィィ!」
「か、母さぁぁぁぁぁぁん!!貴様ァァァァァ!!」
「だめ!えいなす!ユーバリの言うコトを…!」
白髪の少女は必死に怒り狂うエイナスを止め、かつて夕張が作ったタイムマシンのスイッチを入れて起動した
『…ん?まだイキ残りがいたか?ククク、私から逃げられると思って……』
「ま、待ちな……待ちなひゃい、あ、あの娘らに手出しは……させにゃい…!」キッ!
『フンッ、イキ損ないが…いいだろう、トドメをさしてやる』
起動するタイムマシンの外で、夕張は愛する娘達を逃す為に膝ガクガクで立ち上がり“ヤツ”を睨みつける!
「母さんっ!母さん…ッ!!クソッ!クソッタレェェェェ!!」
「だめ!えいなす!!いま外に出たら…!」
「許さない!絶対に…ッ!絶対に許さない!オマエだけは絶対に許さないからなァァァァァ!!」
光の中で最後に見た光景は、母、夕張が無理して立ち向かい“ヤツ”にトドメを刺される瞬間!!
そして、タイムマシンは光の中へと消えて行った…
『………フン、逃したか、ククク……まぁ、どのみち私からは逃げられんがな、ククク…ハハハ…ハァーッハッハッハッハ!!』
◇◇◇
一年も既に半分が終わり、梅雨なのかそうでないのかパッとしない今日この頃…
「なんか基地の裏山に変な機械があるらしいですよ」
「…はぁ?」
五月雨曰く、なんか基地施設内にある微妙な林の中に変な機械が落ちていると報告なのだが…なんだよ?変な機械って…
「なんだよ?ユンボか?」
「いや、ユンボではないらしいんですけど…とりあえず見て貰えますか?」
「そうだな」
まったく、海軍様の基地に不法投棄とはまたふてぇ野郎がいたモンだな、犯人は見つけ次第ボコボコにして表に出られねーぐらい恥ずかしい写真撮って動画サイトにアップロードしてやるわい
……-そんなワケで、五月雨と共に件の変な機械が落ちていると言う基地の裏にある林へとやって来たワケだが
「…なんか見覚えあるな、コレ」
「見覚えあるんですか?コレ」
見た目で言うなら、なんか脚の生えたドラム缶みたいなナニかだが……なんだっけ?コイツ、前にも見たことあるような、ないような…
「あ、なんか上の方が開くみたいですよ」
「でかした!よぉーし、中身を検めてやるわい!」
俺は謎の脚付きドラム缶によじ登り、半開きになった蓋をグイグイとこじ開けてみると、中に誰かが…
「こ、コイツは…!?」
…中に居たのは気絶しているらしい女だったが…コイツ、なんか見覚えがあるような…?そう、たしか未来から来たとかなんとかの…
「う……ぅぅぅ、ん」
気絶から回復したのか、見覚えのある女……えー、あ、そうそう、アヤセだ、アヤセとか言ったっけか…
「!」
「よぉ!」
アヤセは目を覚ますなり、フランクに挨拶をした俺にいきなり殴りかかってきた…!?
「ブラックーッッッ!!貴様ァァァァァ!!」
「ハァ!?ちょ、待てよ!」
いきなり殴りかかってきたアヤセと共にドラム缶マシーンから落下し、マウントを失った俺に対しアヤセは死ね死ね言いながら打ち下ろしの連打を浴びせてきた!
「死ね!死ね!死ね!」
「ちょ!待て!マジで!マジで待て!!なんなんだテメーは!!サミー!サミー!見てないで止めろよ!救え…っ!俺を…っ!」
「なんですかこの人…?あ、そう言えば前にも見たコトあるような…」
「いいから助けろ!!」
血走った眼で容赦なく殺人パンチを連打してくるアヤセに対し、マウントを奪われながらも溢れる知性でなんとか抵抗していると、アヤセの後頭部に勢い良くラ●ダーキックが入った!
「あだっ!?」
「えいなす、そいつ“ブラック”じゃない」
アヤセの後頭部にラ●ダーキックしたのはこれまた見覚えのある白髪のチビスケェ……コイツ、たしかあの変☆態ドクターの……
「……ハッ!?こ、ここは…?え?しーちゃん?え…?あ、そうか…ここは、過去、とうさ……」
ばたんきゅー!
白髪のチビスケェを見て安心したのか、アヤセは再び気を失った、前のめりで!
「なんなんだ…?一体」
「せつめいしたい、え……と、テイトク?とりあえず、何か……たべもの……」ぎゅるるるるー
白髪のチビスケェも生命のガソリンが切れたのか、ぎゅるぎゅる腹を鳴らしながら前のめりにブッ倒れた
「…とりあえず五月雨、オマエそっちのチビスケ頼む」
◆◆◆
とりあえず、謎多き顔見知りの2人を執務棟にある救護室へと運び、健康診断を夕張に任せてみたワケだが…
「お腹が空いてるぐらいで後はだいたい良好ですね」
「そうか…」
ベッドで眠るアヤセとちっこいのを一瞥してみる、空腹だからって殴りかかってくるのはどうかと思うが…
「ってかこの娘ら何者ですか?」
「詳しくは知らん」
とりあえず夕張にはこのバカ面で寝てる方が未来から来たオマエの娘らしいとは伝えてはいない、そーゆーコトは本人に言わない方がいいだろう、たぶん
「……ぅぅ」
さてどうしたものかと考えていると、アヤセの方がチビスケェより先に目を覚まし、ゆっくりと起き上がった…
「ここは………ハッ!?か、母さん!!」
「はぃ?」
いきなりマザー呼ばわりされた夕張は、さすがにビックリしたのか、ナニ言ってんだコイツみたいな顔でアナタは疲れているのよと言った…
「あ、いや……あ、そうか、いえ……なんでもないです」
「久しぶりだな、アヤセくん」
「テイトク………そうか、本物の」
「本物?」
とりあえず俺はアヤセくんに事情を聞くべく、夕張、そして五月雨に潜水艦のボンクラどもを連れて来いと伝えて部屋から退室させた…
「…さて、事情を聞こうじゃないかね?」
「あ、うん………まずは、ありがとう、助かったわ」
「俺はいきなりオマエに殺られかけたがな」
「それには理由があるのよ、理由が…」
理由か………さっきチビスケェが言ってた“ブラック”とやらに何か関係があるのだろうか?
「あと、その前に…」
「なんだ?」
「…何か食べさせてくれない?お腹へっちゃってさぁ~」
「舐めてんのかテメーは」
「舐めてねーし、事情を説明すると長くなるのよ!長く、あ、あとできればあのヘンタイハカセとも話したいんだけど…」
「ヘンタイハカセ…?あぁ…」
あの全身凶器どころか全身兵器みたいな天才となんとかの紙一重的な…
俺はケイタイを取り出し、168のアホンダラに電話し、とりあえずマミーヤでテキトーなテイクアウトを買って今すぐ来いと伝えた…
◇◇◇
人造艦娘を撃退し、平和になったハズの未来に現れたそいつは恐るべき戦闘力を持っていた…
人造艦娘を倒せるだけの力を持ったアヤセが手も足も出ず、未来はそいつのせいでメチャメチャになっている…!!
そいつの名は“テイトク・ブラック”!!
今現在、この基地で艦隊司令の任務をシコシコこなす提督と瓜二つの容姿をした人物らしい…!!
「ナニがブラックだ、舐めてんのかテメーは」
「母さんが付けたのよ!母さんが!」
未来夕張のネーミングセンスも絶望的だな、っーかなんで俺にそっくりなんだよ、意味がまるでわからねぇ…
「だからえいなすはテイトクとぶらっくをまちがえてなぐりかかった」
「えいなす…?」
「しーちゃーん!!ちょっといいかなー?ちょっとあっちでお話しよーかー!!」
アヤセはチビスケェの首根っこを掴み壁のところへダッシュし、なにやらヒソヒソタイムを始め………終わったらしい
「まちがえた、えいな……じゃないでアヤセ?はまちがえてテイトクをなぐった」
「そうかね…」
よくわからんが、えいなすってのは俺に聞かれて都合の悪い情報らしい、たぶんアレだろう、何かしら未来に関係する感じのアレなんだろう
「で?そのブラックってのはなんなんだ?」
「チッ!それを今から話すっての!順序ってのがあるのよ、順序ってのが!」
アヤセは露骨に舌打ちしながらメンドくせーなコイツみたいなツラしていやがる………チッ、相変わらず態度悪いなコイツ、親の顔を見てみたいモンだ……いや、そういやさっき見たか、夕張のアホ面
オス!オラ提督!ひゃー、未来はブラックちゅーヤツのせいでまたメチャメチャにされちまってるらしい!しかもそのブラック、オラにそっくりだっーから驚きだ!
次回!ブラック襲来!究極パワーのドヘンタイ!ぜってー見てくれよな!