不健全鎮守府   作:犬魚

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たぶん平成最後の更新、帰ってきたサラサラキンパツリトルレディ

【登場人物】

Jervis(腹黒)
環境ではなく生まれついてのワル

Warspite(陛下)
環境ではなく生まれついての王

Nelson(余)
環境ではなく生まれついての余

Ark royal(女騎士)
環境ではなく生まれついてのクッ!


提督とJervisとクソキャット

主に、海外艦が住んでいるインターナショナル寮…

その、インターナショナル寮2F(南向き)のとある部屋…

 

「Lady、アタシ、ネコ飼いたい」

 

「………ネコ?」

 

「そう!ネコ!」

 

午後の優雅なティータイム、英国淑女たるもの、常に優雅たれと優雅にティーを飲んでいた英国戦艦、ウォースパイトは同じく英国からやって来た自分と同じくサラサラキンパツの子、ジャーヴィスの話に耳を傾けていた…

 

「ネコ………あぁ、Catですか」

 

「そう!Cat!」

 

何故いきなりCat?ウォースパイトはジャーヴィスの提案に一応考えてみたが、まぁ、別にCatぐらい飼ってもいいのかもしれないとの考えに至った、むしろ自分もCatは好きな方だし、英国小淑女(リトル・レディ)としては些かヤンチャガールなジャーヴィスには小動物を通して生命の豊かさを感じる情操教育として良いのではないだろうか?………ついでに、たまにそのCatを自分にも撫でさせてくれると嬉しいなと…

 

「…ふむ、私は良いと思います」

 

「ホント!?ヤッター!!Lady、ダイスキ!Arkと違ってハナシがワカ・ルー!」

 

ジャーヴィスはネコを飼う許可を得た事にキャッキャとハシャぎ回りウォースパイトに抱きついた

 

「コラ、Jervis、女王陛下に対して…」

 

「良いのです、Ark」ニコッ

 

「しかし…」

 

この国に来て以来、英国小淑女(リトル・レディ)のなんたるかを忘れ気味で頭痛の種ではあったジャーヴィスではあるが、やはりウォースパイトにとってこのジャーヴィスは可愛い子である、これを機に、英国に居た時のように淑女たるものの心を取り戻し、多少はワンパクでもいい、淑女たるもの常に優雅であるように育ってくれればいいとしみじみと感じていた…

 

「ですがJervis、生命を飼う以上は貴女の責任で飼う事、世話は自分でする事、これは約束できますね?」

 

「もっち・ローン!」

 

「宜しい」ニコッ

 

今日はなんと良い日だろう…ウォースパイトは傍に立つアークロイヤルに紅茶をもう一杯、そして、良いクッキーがあったハズなのでそれを開けるように指示した…

 

「それで?Jervisが飼いたいネコはどこで貰ってくるのですか?」

 

「ププー!Lady知らないノー?ニホンだとDogもCatもPet shopで売ってるネ!」

 

「な………?なんですって…?」

 

英国のペットショップでは犬猫は販売しておらず、ブリーダーから直接購入するのが一般的である、ウォースパイトからすればあり得ない事ではあるが、あり得ないなんて事はあり得ない、女王陛下は些か心に暗いものを感じたが、ジャーヴィスの笑顔にそこは忘れる事にした…

 

「…フッ、ならばこのNelsonがそのCatを購入する資金を出してやろう」

 

ウォースパイトと同じく、最高級のソファーに座り、優雅にティーを飲んでいた英国から来たビッグセブン、ネルソンはさぁいくら必要だ?買うがいい、最高級のものをな…と言って財布から紙幣を取り出した

 

しかし!!

 

「Nelson、その必要はありません」

 

ウォースパイトはネルソンを手で制した、が!ネルソンはネルソンで一度出したものを引っ込めるのはネルソンの誇り高きPRIDEが許さない!

 

「Jervis、自分のお小遣いの範囲で無理のない価格のものを購入しなさい」

 

「待てLady、それでは余に引っ込みがつかん!余に恥をかかせるな!」

 

「Nelson貴様ァ!女王陛下に対しなんたる不敬…!たとえNelsonでも許され…」

 

ネルソンに対し、アークロイヤルは貴様ァと胸ぐらを掴み喰ってかかろうとしたが、ネルソンの巨乳ガードの前に弾かれ…

 

「Ark」

 

「し、しかし女王陛下…!」

 

ウォースパイトに控えろと目と声で制されたアークロイヤルはクッ!と口惜しげな顔でとどまった

 

「ではNelson、貴女の出したそれはCageやCat litterなどを揃える費用に充てると言うのはどうですか?」

 

「ほぉ………フッ、さすがはLadyだな、よかろう」

 

ではこのネルソン、最高級のものを揃えよう、最高級のものをなと納得し、ネルソンはフフッと笑いつつ腕を組み、そのビッグセブンパイを揺らした

 

「それで?Jervis、それはいつ購入に行くのですか?」ニコッ

 

「え?今カラー!Darlingと買いに行くノー!」

 

◇◇◇

 

………フンッ!キレイゴト並べてニコニコするなよなLadyどもっ!このJervisがたかがクソキャットなんか本気で欲しいワケもないし可愛いがろう気もあるワケもない!

こないだDarlingがあのトゲトゲチビとネコの餌を買うべくお買いモ・ノーをしに行くの見たアタシは気付いた!そうだ!このJervisに足りないのはKIKAKKEに違いない!Darlingがいつもアタシに対してヨソヨソ・シーのはたぶん照れてるからに違いない!

しかしアタシとDarling!その中間にネコがあればどうだ?カワイイネコ・チャンが間にあればDarlingもそれはなんだい?と気さくにおハナシし易くなる!

 

この、あまりに天才的な閃きを即実行に移したアタシはまずLadyの承認を得た、勝手に飼ってLadyを激怒させたら厄介だからだ、別に怖いんじゃあない!ビビってるワケでもない!ただ、Ladyを怒らせたら尻がmonkeyのように腫れ上がるからだ!

 

そして、Ladyの承認を得たアタシは早速Darlingの居る部屋へ行きDarlingに一緒にPet shopに行こうとお願いした、最初Darlingはかなりイヤ・ソーな顔をしていたが一所懸命オネガイした…

 

「…で?どいつが欲しいんだ?」

 

「エーットねー、エーットねー」

 

Darlingとやって来たPet shop!基地からちょっと離れたところにある大きなshopping centerの中にあるその店にはたしかに多種多様なPetがいた!buchake!アタシ的にはスンゴイ変な感じ!

 

「ドレにしよーかナー……ね?Darlingはドレがイイー?」

 

「あー………コレなんてどーだ?メダカ、なんと1匹100円だぞ、100円」

 

「ソーじゃなくテー…!あ、コレ!この子カワイイー!ね?Darling!どう?ね?カワイイ!」

 

「へぇー…ネコだな」

 

「Scottish Foldダー、カワイイなー」

 

「え?シコティッシュホールド?」

 

Darlingは死んだサカーナなみたい目でネコを見た後、値段を見て高っ!と呟いた

 

「あ、British Shorthairダー、こっちもカワ・イイー」

 

「あーカワイイカワイイ、で?どれにするんだ?っーか高けぇなオイ、言っとくけど提督今日はあんま金持ってな…」

 

「ダイジョーブ!おカネはアタシが出すカラ!」

 

「金出すからって………ジャーヴィーくん、いくら持ってんだ?」

 

「フフーン♫お小遣いゼンブ持ってキタネ!」

 

ニホン円はよくわかんないケド、まぁ、たぶんコレくらいあれば…

 

「…………2万ぐらいか」

 

「どう?」

 

Darlingはアタシの財布を見て、小動物のケージを指差した

 

「ジャーヴィーくん、コレなんかどうだ?ハムスター」

 

「違う!!ゼンゼンチガウDarling!!」

 

「いや、さすがにそれじゃこのお高いのはムリなのだよ」

 

「エッ!?」

 

む、ムリ…?ムリなの?

 

「エッ…?買えない…ノ?」

 

「残念ながら…」

 

な…なんてコト!?想定外…っ!緊急事態発生だわ!まさかおカネが足りないナンテ……クッ!こんなコトならNelsonに頭下げてでもカネ借りてくるべきだったワ!そんな想定外の事態に困っていると、店の店員らしきヤツが声をかけてきた…ッ!

 

「イラッシャイマセー………って、提督とジャーヴィスちゃんじゃないですか」

 

「…誰?」

 

「なんだ、夕張じゃねーか、ナニやってんだオマエ」

 

ユーバリ…?あぁ、いたワネ、そんなのが…たしかヘソチラしてるやつ、見覚えあるワ

そのユーバリは特にやる事もなくてこの店でpart-time jobをしているらしく、Darlingに馴れ馴れしく近付いてきた

 

「ナニかお探しですかー?私としてはメダカがオススメですよ、なんと1匹100円です」

 

「だろぉ?ほら、ジャーヴィーくん、やっぱメダカだよメダカ」

 

「チーガーウーの!!アタシネコ買いたい!」

 

「ネコ…?あぁ、ネコですか………そうですね、あ、そーだ、私オススメの子がいますよ、モチロン、お安くできます!」

 

「オ安く!?それ、その子見セテ見セテ!」

 

ユーバリはちょっと待っててくださいと言って一度奥に引っ込み、準備できたのでこっち来てくださーいと声をかけてきたのでアタシとDarlingは奥へと進む一際デカいケージにそいつは居た…ッ!

 

「私オススメ、キマイラアントです」

 

GAOーN!

 

「………Darling、ナニコレ?」

 

「さぁ?俺にはオムツ穿いたライオンにしか見えないな」

 

ユーバリ曰く、こー見えても幻獣級のハイランクペットなんですよー…とのコトだがどの辺が幻獣級でナニがハイランクなのかまったくワカらないし、伝わらなかった…

 

「今ならなんと3800円」

 

「安っ!幻獣級のハイランク安っ!」

 

いや、マァ………いくら安くテモいらないケド、ってアタシ、ネコって言ったノニ…

 

「んー……じゃ、こっちはどーですか?なんと人語を話すキメラです!」

 

次なる商品は特徴的な前タテガミをしたデカいイヌ、ってかイヌだし…

 

『テ…テイト……ク』

 

「お、マジで喋るぞコイツ!」

 

「ホントだー!スゴーい!」

 

イヌとかまったくキョーミないけど、コレはたしかにスゴい!Darlingもスゲーなコイツと興味津々に見ていたが…

 

『ハヤク……センカンニ………ナリタイ』

 

センカン…?変なイヌ…

 

「………オイ、夕張」

 

「なんですか?」

 

「最近清霜に会ったか?」

 

「会いましたよ、3日くらい前に」

 

「そのイヌっぽいの入荷したのは?」

 

「3日くらい前ですかね?」

 

◆◆◆

 

…結局、手持ちのお小遣い2万円全額を使い、買えたのはケッコー歳イッてる売れ残りの目ツキ悪いScottish Fold…

 

「良かったじゃねぇの、えー…なんだっけ?シコティッシュだっけ?」

 

「Scottish Foldネ」

 

ま、マァ…目ツキ悪いけどネコはネコ、コレでアタシもDarlingと仲良くPet談義を…

 

『シャー!』

 

ガブリシャス!(噛む)

 

「アイッタァー!!噛んだァァァァァ!!このクソキャット!アタシを噛みやがったァァァァァ!!」

 

「ハッハッハ、ジャレてるのだよ」

 

「そ、ソーカシラ…?」

 

 

その日、Darlingと別れ、寮にそのクソキャットを持って帰ると、アタシ以外にLadyやNelson、Arkにすら懐いたのには正直キレそうになったが、なんとか耐えた…




【登場人物2】

キマイラアント(オムツライオン)
幻獣級のハイランクモンスター、らしい
気になる人は検索してね

人語を話すキメラ(合成獣が哭く夜)
突き破れ!扉の向こうへ!

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