【登場人物】
TEITOKU(メガネ男子担当)
SHBのリーダー的存在、未だ中二病から抜け出せずにいる恥ずかしい大人
TENRYU(眼帯&オラつき担当)
SHBのヤンチャボーイ、中二病
KISO(眼帯&オラつき担当)
SHBのヤンチャボーイ、中二病
「そーいやよぉ、オマエらどーだったよ?」
今日は特にやる事もなく開店休業な談話室…
俺、天龍、木曾の仲良し三人組は談話室で誰かが買って置いて行ったカントリーマ●ムをボリボリ食べつつダラダラとダベっていた
「何が?あ、黙示録な、仕切り直しや」
「おま…っ!ちょ!オマエマジか天龍!マジかオマエ!まぁ………対抗呪文あるけどな」
「ですよねー………あーやめやめ、オレの負けだよチクショウ!」
天龍は手札をテーブルに叩きつけ、ありがとうございました、いいデュエルでしたと懇切丁寧に頭を下げ、椅子の背もたれにグィーッともたれかかって胸を反らした
「で?なんだっけ?」
「なんだっけじゃねぇよ、舐めてんのかテメーは」
なんだっけ?と胸を反らすのはおっぱいのついたイケメン、天龍、世界で一番自分がカッコいいと患っているおっぱいのついたイケメンだ
「フッ、わからねぇのか?天龍」
そしてもう一人、自分のカードを丁寧に片付ける眼帯をしたイケメン、木曾、常に闇の勢力や己の中に封じられた邪悪なる存在と戦っている
「なんだよ木曾ォ…」
「ここ最近、
「
「お前の“
「バカヤロウ木曾ォ!お前はアイツらとは違うじゃねぇかッ!それに……約束しただろ?もしもの時は俺がお前を止めてやるってよ!」
「フッ…そうだったな」
高度な病を患う天龍と木曾は互いにニヤリと笑いガッチリと手を組んだ…
まぁ、男の子ってのは誰しもそーゆー時期があるもんだ…
「で?なんだよ提督」
「俺達の間に遠慮なんて水臭いぜ」
「いや、オマエら今年チョコ何個貰った?」
チョコレート…ッ!!
それは、主にカカオを原料とした菓子であるッ!
現在、市場には様々な味や高価な物から安価な物まで流通しており、単にチョコ的なものを食べたいと思えばコンビニなどでも購入できる…ッ!
そして、この国にはチョコレートを贈る文化と言うものが存在している……
聖バレンタインデー…
一説には、2月14日は12月24日と並ぶハルマゲドン勃発の危険を持つとされ、近年では2月14日はむしろ“ふんどしの日”で定着すべきでは?と政府が検討しているらしい…
そんな聖バレンタインデー、昨年、俺達スーパーハンサムボーイズ、通称SHBは全員ほぼ身内からしか貰えないというハンサムにあるまじき憂き目に遭った(※406回参照ですって)
「…天龍、お前は?」
「…1個」
やはりか…そしてたぶん、妹の龍田様からだろう
「で、でもよォ!デカいチョコレートだったぜ!アレなら普通のチョコ30個分に相当するぜッ!」
なるほど、量より質、いや、質も量も兼ね備えたと言う結論か…
「では木曾、お前は?」
「…よ、4、いや……5だったかなー、うん!」
おそらくは安心のお姉ちゃん達から4つ、そして曖昧かつ目が泳いでいるが5と言い張る木曾…
「ハァ?オイ木曾ォ、嘘はいけねぇぜ!どーせ今年も姉ちゃんからしか貰ってねーんだろオマエ!」
「う、嘘じゃねーし!姉ちゃん達以外からも貰ったし!だいたい天龍!オマエ妹からだけじゃねーか!何が30個分だ!そりゃ1個だ!1個!」
「やめんか見苦しい」
「っーか提督はどーなんだよ!」
「どうせ今年もサミ子からしか貰ってねーんだろ!」
「バカ言うんじゃないよこの子らは、今年はなんと100個貰ったぞ」
ざわ…っ!!
「ひゃ…!?マジかよ!!」
「バ、バカな…ケタが違いすぎる!?」
「フッ、舐めるなよ小僧ども、この俺が本気を出せば簡単なコトだ」
俺の圧倒的な戦果に驚愕、そして衝撃を隠しきれない負け犬二人組は一体どんなマジックを使ったと言うんだーッ!と詰め寄って来たので俺は二人を落ち着きまえと胸を押してやり、懇切丁寧に説明しようと座らせた
「なに、カンタンなコトだ………2月14日、大小は問わない、俺にチョコレートを献上すれば臨時でお小遣いを与えると噂を流した」
そして策は見事にハマり、駆逐艦のバカガキどもを中心にこの俺にこぞってチョコレートを献上しにやって来たと言うワケだが…
「ば……買収じゃねーかッ!!テメ!キタネーぞッ!」
「インチキ…っ!インチキだ…っ!無効っ!そんなものは無効だ…っ!認められるか…っ!通るか…っ!そんな理屈!」
「汚い?いけないなぁ、提督のコトを悪く言っては…」
「無効…っ!認められない!」
「そうだぜ!っーかそんな買収してまで貰おうなんてゲロ以下だな!提督!アンタは今、再び俺達の心を裏切ったんだぜーッ!」
カッカッカ、負け犬どもがキャンキャン吠えよるわい、カッカッカ!
「そもそも買収ではない、俺はあくまで善意のチョコレートを貰ったに過ぎん」
「買取ってるじゃねーか!」
「買取ではない、まぁ、善意に対しての心付けは返したがな」
「クッ!ペラペラと口が回る…!それが大人のやるコトかよォー!!」
「それが大人の特権だよ」ドヤァ!
天龍と木曾は悔しげにテーブルや壁を叩いたりしているが、まぁ、今はまだ若いコイツらにもいずれわかるだろう………過ちを認め、ただ次の糧にすればいいと
俺はそんなバカ二人を嗤い、畳に置いてあった基地スポを手に取った
「え〜……ほぉ、基地スポチョコレート獲得ランキングか、どれどれ……1位は〜……」
今年もブッちぎり!堂々の首位!のわっち!
「バ……バカな!!のわっち、だと…?」
たしかに、のわっちこと野分は俺達SHBと並ぶ、いや…あるいはその上を行くイケメン…っ!ま、まぁ!のわっちならしゃーなしだな!うん!よし………俺の名前は〜?
「…………あれ?」
「どうした?提督」
「なんだそれ?基地スポチョコレート獲得ランキング…?1位は野分………オイ、提督の名前がないぞ!」
「バ、バカな!!何故だ!?」
俺はランキングを上から下まで舐めるように見たが、俺の名前はない!!そ、そうか…!青葉め、どうやら集計ミスをしたらしいな!
「待て!ちなみにこのランキング!チ●ルチョコ1個等はカワイソーすぎて獲得数に換算されないらしいぞ!」
「なんだと!?」
「ちなみに提督、チ●ルチョコの獲得数は…?」
「………100個ぐらい」
…そう、クソガキどもはどいつもこいつもチ●ルチョコ1個持って来ては小遣いを持って行った
「うわ……ダセぇ」
「ダサすぎるぜ、提督…」
天龍と木曾はまるでカワイソーなものを見るように俺の肩に手を置いた
「ダ………ダサくないもん!!なんだよ!オマエらぁ!なんだその目は!憐れむな!俺を…っ!!」
「どうせチ●ルチョコ以外はサミ子からしか貰ってねぇんだろ?わかるぜ…」
「ヘヘッ、水臭いぜ提督……オレ達、マジダチだろ?」
「天龍…っ!木曾…っ!オマエら……っ!!オマエらっ!」ポロポロ…
…まったく、オマエらはいつだって俺の最高のマジダチだぜ!!
「意地はってごべーん!!俺が悪かったァー!!」ドゲサァ!!
「ヘヘッ!顔を上げろよ提督!」
「そうだぜ!オレだって実は姉ちゃん達からしか貰ってなかったんだ!」
こうして、俺達スーパーハンサムボーイズ、略してSHBはより一層の友情を深め、みんなで持ち寄ったチョコレートを食べて来年な向けてエイエイオーした