【登場人物】
提督(ケダモノ)
ケダモノじゃない、提督だ
Gotland(メンドくさい系)
メンドくさいってナニ!?ゴトの身体だけが目当てなんでしょ!?
岸波(岸ちゃん)
うわ…
男にはブラリと夜の街に行きたい日もある…
「あ、ヤベ…タバコねぇってばよ」
そんな夜の街を力強く、肩で風を切って歩くハンサムな雄が一人、いや……この場合、一匹と言うべきか?まぁそんな些細なコトはどうでもいい、俺はタバコが吸いたいだけなんだ…
しばらく歩いていると、夜の街に煌々と輝くマチのHOTなステーションが目についたので俺はタバコを購入すべく、スタイリッシュにその店に足を踏み入れた
「イラッシャマセー」
どうやら夜の街特有の日本語が怪しいタイプの店らしいが、それもまた夜の街………ん?
「…」プイッ!
…レジに立っているオネーちゃんはシャイなのか?ヤベ!っと言った感じに全力で俺から顔を背ける、なるほどなるほど、そうか、シャイなんだな!
「って!そんなワケあるかァァァァァ!!オマエ見たことあるぞ!オマエアレだろ?ウチに居るヤツ、えー……ゴ、ゴ…ゴト?ゴトラタン?」
「ゴトランドですっ!」
レジに立っていた青髪パーマ女はレジカウンターを両手でダァン!した
「あぁ、そうだったな、そうそう、
「ゴトランドです」
昨年、ウチにやって来た軽巡だか軽航巡だかよくわからないふわふわ存在の
“
そんな
「まったく……ここなら基地から離れてるし誰にも見つからないと思ったのに、まさか一番見つかりたくない人に見つかるなんて…」
「
「見てわからない?あと、ゴトランド!」
グゥゥゥム、最近の若い娘は気難しくていかんな、オジサンはそーゆー気難しくて繊細な年頃の娘は苦手だが、彼女の犯罪的短いスカートには目を奪われしまうのだよ
「…ナニ?」
「なんでもないのだよ」
「今、ゴトのことヤラシー目で見てたでしょ?」
「そんなスカート穿く方が悪い」
「やっぱ見てたじゃない!」
グゥゥゥム、なんでキレるのかまったく理解できない、これがジェネレーションギャップと言うものか?
「チッ…何か買うなら早く買ってよ」
「へいへい…」
ゴトランドくんに急かされ、とりあえず雑誌コーナーに移動した俺は今週のヤン●ガを手に取った…
「スゲェ…まるで鬼神だ」
「ちょっとそこの客、立ち読みやめてくれない?」
「へいへい…ったく、口うるせぇ店員さんだな、オマエは俺のオカーサンかっーの」
「…ハァ?オカーサン…?意味はよくわからないけどゴトをバカにしてるってのはわかったわ!」
「してないのだよ」
「ホントにぃ?じゃ、オカーサンってなんて意味なの?スウェーデン語でお願い」
「スウェーデン語なんか知らねーよ、スマホにでも聞けよ、スマホに」
「その手があったわね…」
コイツもしかして頭悪いのだろうか?ゴトランドくんポケットからスマホを取り出して翻訳サイト的なサイトで意味を調べたらしく、スマホの画面を見て何度か頷きそれをポケットにしまいしまいし…
ビタンッ!(ビンタ)
「ウゲェッ!!」
「誰が母よッ!!」
その、スベスベした掌からスナップの利いた健康的なビンタを繰り出した
「うむ、ゴトランドくんの健康状態は良好だ」ペロリーヌ
「ヒィ!!へ、ヘンタイ!!」
ゴトランドくんはそそくさとレジカウンターへと引っ込んで行った…
いかんな、どうやらまた俺のハンサム力がイタズラ……しちまったらしい、参ったな、あんなに表情を引きつらせるなんて、どうやらハンサムへの免疫は無いらしい、美人なのに哀しいコトだ
「まぁいいや、とりあえず買い物でもするか」
とりあえずタバコと……あ、そうそう、ゴムゴムのゴム買っとかないとな、俺は商品棚から必要なものを手に取り、ゴトゴトのゴトランドくんの居るレジカウンターへと持って行った…
「あとタバコの44番2つな、2つ」
「44…?え~っと~…」
ゴトランドくんは俺に背を向け、タバコの棚から目的のタバコを探す…
しかしアレだな、なんだこのスカートの短さ?誘い過ぎだろ?さらに、着合わせのサイハイソックスとスカートの微妙な“間”が心躍らせる!そして程よく流線型に熟れたライン、こんなんもう立ちバックしてくださいって言ってるようなもんだろ?
「あ、あった………って、ナニその目?今、ゴトのお尻見てヤラシーこと考えたでしょ?」
「そんなワケないのだよ」
「いや………絶対思ってた!完全にケダモノのそれだったわ!」
チッ、意外と勘のイイ娘だね、コイツは…
「ケダモノとは心外なのだよ、俺はただ、強気なゴトランドくんだがア●ルは弱そうだなと…」
「ケ、ケダモノッ!!ケダモノ!ケダモノ!な……ななな!よ、よりにもよって…アナ……っ!」
「An●l」ニッ
「ムダにイイ発音やめてッ!普通以上にムカつくし、むしろ怖いし、ホントやめて…」
まったく、小粋なテイトクジョークのつもりなんだがね、ゴトランドくんは若干どころかドン引きしているようにも見えるが…まぁ、そーゆー年頃なのだろう
ゴトランドくんはとにかく早くお会計を済ませようと商品を手に取りピッピッと読み込ませ始めた
「…ん?ナニコレ?お菓子?」
「ゴムなのだよ」
「ゴム………?」
「C●ndom」
「…へぇ」
む、ゴトランドくん的にはゴムは普通にアリなのか、またケダモノと罵られると密かに期待したのだが…
「こんなもの、ゴトいっぱい持ってるからあげよーか?」
「はぃ?」
コイツ、今、なんと…?
「だから、ゴトいっぱい持ってるからあげよーかって…」
「…え?なんだって?」
「耳までおかしいの?」
「いやいやいや、ゴトランドくん、え?なんでいっぱい持ってんの?ナニ?キミもしかしてヤリまくりなの?ちょっと仲良くなったら即ハメOKなの?」
だよなッ!そうじゃないとこんなミニスカ穿かないよな!
「…ハァ?そんなワケないし、ゴトの国、若者はこーゆーのタダで貰えるのよ」
「マジか!?」
「マジ」
なんてこったい、コイツぁとんだセ●クスエリートなのだよ…
「まぁ、今のところ使う予定もないし、タダだからっていっぱい貰っちゃっただけだし!うん、今のところだからね!まったく使う予定がないワケじゃないから全部はあげないけどね!」
「そうか」
ゴトランドくんカレシいないんだなぁ、見た目美人だし多少気は強いが根は良い娘なんだがたぶんアレだ、なんかメンドくさいカノジョ臭がプンプンするもんな、この娘…
「ナニその目は?」
「いや、たぶんゴトランドくんがモテない原因は空気読まずに図々しくカノジョ面する点じゃないかと…」
「死ねッ!死ね…ッ!あと、最低ッ!!」
たぶん身に覚えがあるのだろう、ゴトランドくんはレジカウンターをバシバシ叩きながら今までステディな関係になりかけた男達の名となんでゴトが悪いのよ!呪いあれ!災いあれ!と呪詛を吐きながら涙した
「なんでよォ…なんでよォ……!!私あんなに尽くしたのに…!」ポロポロ…
うわ、メンドくせぇなコイツ…
「…今、ゴトのことメンドくさい女と思ったでしょ!」キッ!
そして勘もいい
「まぁそう落ち込まないで、そんなゴトランドくんにもいつかステキな
「ホントに…?信じていいのかしら?またゴトを騙すつもりなんじゃないの!?どうせゴトのこと都合のいい女としか思ってないのよ!」
…うわ、マジメンドくせぇ
そんなゴトランドくんにマジUNZARIしていると、店の奥から別の店員が現れた
「ゴトランドさん、休憩です………って、何やってるんですか?」
現れた新たな店員はゴトランドとは同期の子、エリート駆逐艦夕雲型のふわっとヘアーが特徴的な……
「えー……岸波クン」
「はい?あ、テイトク、こんばんは」ペコォ
「こんばんは」ペコォ
岸ちゃんこと岸波クンは丁寧におじぎをしてきた、この子もここでバイトしてんのか…?
「……きし?ハッ!?まさかアナタがゴトの
「は?」
ゴトランドくんに対し、岸ちゃんはナニ言ってんだコイツみたいな顔をして一歩退いた
「……よく見たらアナタ結構カワイイ顔してるわね、チ●ポついてるかしら?」
「ついてませんよ」
「……そうよ、これは運命、運命よ、思えばこの子がゴトと同期なのも運命だし、バイトに誘ったら来てくれたし…ウフフフ、ウフフフ…」ブツブツ…
「あ……あの、テイトク、ゴトランドさん、どうしたんですか?」
若干顔を引きつらせる岸ちゃんに、俺は親指をグッと立てた
「ガンバレよ、岸クン!」
「何をッ!?」
「ウフフフ…ウフフフ……」