不健全鎮守府   作:犬魚

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ブロックC二回戦ですって!


ブロックC【二回戦】

狂気と汚物のサバイバルマッチの清掃が終了し、続くのはブロックC二回戦!

 

最初の対戦は決して散る事のない鉄の結束力を持つ礼号組、その……礼号組を率いる二つのアタマが激突する…ッ!

 

その拳は戦車をも破壊する!神の拳を持つ聖なる餓狼!重巡足柄ッ!VS知性溢れる絶対的知性の申し子!軽巡大淀ッ!

 

「フッ…まさか大淀とはね、相手にとって不足はないわ」

 

「いいだろう…溢れる知性で返り討ちにしてやろう…」

 

リング上で激しいメンチビームをバチバチし合う両者に観客席からも大興奮の声援が飛ぶ…

 

「はい甲提督以外は下界の民、実況の青葉です、前試合の汚物清掃が終わってブロックCですが~…どうですか初春様、この対戦は?」

 

「マトモな殴り合いなら足柄じゃろ」

 

「なるほど、ではマトモでないなら大淀さん寄りかと?」

 

「なんとも言い難いのぉ」

 

礼号組頂上決戦のゴングが鳴り、足柄と大淀は互いに先手必勝ぶちかましから手四つで組み合ったッッ!

 

「カンムス強度50万パワーと言ったところか…カスめッ!」

 

「誰がカスよ、っーか大淀ォ~……オマエが一度でもこの私とケンカして勝ったコトがあるかぁ~?」

 

足柄は強引に組み合いを外し、強烈な前蹴りを大淀のボディに叩きつけ、大淀はウボォ!と呻きつつ後退した

 

「足柄ァ……!」

 

「来いよ!大淀ォ!眼鏡なんか捨ててかかってこい!」

 

「舐めてんじゃねぇぞォ!足柄ァ!!」ピキッ!パキッ!

 

大淀は眼鏡をワイルドに外してリングに捨て、グルグルと回りながら強烈な回転蹴りを足柄に浴びせ、足柄のガードが緩んだところで強烈なボディを連打で打つ!!

 

「オラァ!!足柄ァ!オラァ!!フザケんじゃねぇぞオラァ!」

 

「ガハァ!!」

 

「礼号組の礼はよォ………“無礼”の“礼”だろがよォ~…テメェこそナニおままごとみてーなキレーな“ケンカ”してんだコラァ?礼号組の“ケンカ”ってのはァ……」

 

大淀は足柄の髪を掴み、顔面をリングに叩きつけ、さらに上段からのフライングニードロップで足柄の背中から痛めつける!!

 

「ゴハァ!!」

 

「“礼”に始まり!“霊”に終わる…ッ!相手が死ぬまでヤんのが礼号組だろーがァ!!」

 

大淀はリングに倒れ込んだ足柄の両足を掴み、ジャイアントスイングで豪快にグルングルン回してリングに叩きつけ、リングロープを利用して足柄をリング中央で磔にしたッ!

 

「ゲ、ゲェーッ!あの技はーッ!一回戦にて誇り高きロイヤル空母を惨殺した必殺技(フェイバリット)!艦娘牛裂き刑!礼ジング・オックスだーッ!」

 

「ほぉ、意外とやりおるのぉ」

 

「大淀さんの礼ジング・オックスで一撃!また一撃と足柄さんの心臓に大ダメージを与えています!これはさすがに勝負アリでしょうか!」

 

礼ジング・オックスを受けてリング上に転がり血反吐をブチ撒けて痙攣する足柄の姿に、勝利を確信した大淀は先程投げ捨てたメガネを拾い上げて再び装着した

 

「…ガッカリだぜ足柄ァ、昔のオマエはそんなヤワじゃなかった、いつも近くに居て思わずブルっちまう程に……昔のオマエはまさに“飢えた狼”そのものだった、それがいつの間にかこんなフヌケに……ッ!」

 

大淀にとっての足柄、それは、相棒であると同時に最も憧れた存在ッ!強靭(つよ)く!屈強(タフ)で!それでいて人を惹きつける魅力(カリスマ)を持つ最も近いマジダチ……

 

それが今の足柄はどうだッ!?口を開けば医者と合コンしてェ~…だの、休日には子供達(礼号キッズ)を連れてデパートでお買い物ッ!まるでマイホームパパのように日和ってしまったッ!狼の誇りを失ったのだッ!

狼は生きろ!ブタは死ね!………今の足柄はもはやブタにすぎないッ!ならばマジダチとして、大淀はこの手で家畜に成り下がった友を屠畜しようと……

 

「なぁ…足柄よォ~…」

 

かつてまだ大淀が幼き時代、知性溢れるJSとしてクラスの番長、略してクラ番として君臨していた大淀は初めて敗北を味わった……彗星の如く現れ、それまで無敵の存在だった大淀を倒し、新たなクラ番となったJSこそ若き日の足柄だった

 

それから二人は何度も激突した、クラ番として、学番として、総番として、何度となく拳を交えた二人には不思議と友情が芽生えていた、そして遂には二人は町内最強から県内最強へ、礼号連合は今や県内のJSからJKまで誰もが憧れる最高のチームとなった…

 

『もう県内に敵はいねぇ、足柄ァ…次はモチロン全国編だよなァ!ギャハハハハ!」

 

『全国……そう、全国ね』

 

『んだよ足柄ァ!ノリ悪りぃな、あ?もしかしてアレか?SM●PのCDレンタルなかったんか?』

 

『違げーし、っーかオマエ、私の貸したNE●GE●はよ返せよボケ』

 

『もーちょい貸しとけよ、すぐオメーよか上手くなっから、っーかもう上手いけど!』

 

『は?殺すぞ?』

 

『ハイハイ殺してみろよ、逆に残影ハメして殺してやんよ』

 

『はいキレた、よし!今からゲーセン行くか!ゲーセン!』

 

夜の河川敷をバカ話をしながら後にする足柄と大淀…

この日、たった二人により県内最大規模3000人を誇るチーム呪璃亞奈(じゅりあな)は壊滅した…

 

「…立てよ足柄ァ!!オメーはそんなモンじゃねーだろーがッ!」

 

そんな大淀の声に応えるかのように、礼ジング・オックスを受け、既に半死半生の筈の足柄がゆらりと立ち上がった

 

「……ヘッ、へへへ……効いたぜ」

 

「足柄ァ!!」

 

「っーか久々にキレたわ、大淀ォ……半殺しぐれーにしてやろうと思ってたけど、やっぱオマエ殺すわ、全殺し確定だわ」

 

「面白れぇ…!やってみろよ!足が……ブバァ!!」

 

足柄の鉄拳が大淀の顔面にメリ込み、大淀は勢い良くリングに叩きつけられて2〜3度バウンドして転がり、足柄はそんな転がった大淀の腹を容赦なく何度も踏みつけた

 

ドスッ!!ドスドスドス!ゴスッ!ゴッ!!バギッ!!バギィィ!!(地獄スタンプ)

 

「あ……が…あ?…あ?」

 

「え?なんですって?」

 

ドスッ!!ドスドスドス!ゴスッ!ゴッ!!バギッ!!バギィィ!!(地獄スタンプ)

 

「……ぁ……ぁ」ひゅー…ひゅー…

 

「え?なんですって?」

 

足柄は大淀を掴み上げ、ノックしてもしもーし?と言いながら往復ビンタを繰り返した

 

「さ……さすがにこれは勝負アリでは?ね、ねぇ?初春様」

 

「そうじゃのぉ、はよう止めんと死ぬじゃろ、アレ」

 

「そうですね!勝負アリ!勝負アリです足柄さん!勝負アリですゥゥゥ!!」

 

この後、まったく止まる気配をみせない足柄に対し、観客席の中に待機していた腕っこきのハンターによる麻酔銃での狙撃+網を投げる作戦により足柄はようやく止まり、リングから下ろされた…

 

◆◆◆

 

二回戦ブロックC第二試合、一回戦を危なげなく圧勝!スーパースター剣埼こと軽空母祥鳳VS未だその力の全貌は明らかにならない不気味さだけが目立つ見た目は仙人みたいな空母、雲龍の空母対決!

 

「………の、ハズですが!試合開始時刻になっても両者共リングに現れません!これはいったいどーゆーコトでしょう初春様!」

 

「妾に聞かれてものぉ、う……厠にでも行っておるんじゃろ」

 

「あ、今う●こって言いかけましたね!初春様!今う●こから厠に軌道修正しましたね!」

 

「………まぁ、妾はそこまで気にせんのじゃが、さっき妹達に注意を受けてのぉ」

 

未だ姿を現さない両者にざわつきが広がる会場、そんな中、実況席の青葉の所に一通の手紙を持って初霜が走ってきた

 

「こ、これは…!」

 

「なんじゃ?」

 

初霜に駄賃の金平糖を与えつつ初春は手紙の内容を青葉に問い、青葉はマイクを握りしめて息を大きく吸い込んだ

 

「えー…会場の皆様、大変残念なお知らせです、ブロックC二回戦に出場する筈だった祥鳳さんはこの試合を棄権するそうです」

 

ざわ…ざわ…っ!

 

「祥鳳さんはアポロエクササイザーの使い過ぎにより腕を痛めてしまったらしく、これからすぐに渡米してアメリカにて最先端の治療を受けるそうです」

 

スーパースター祥鳳、まさかの棄権…ッ!!会場は大きくざわめきに包まれ、第四駆逐隊こと剣埼ガールズはイヤー!SYO!死なないでー!やSYOは大丈夫なのー!と悲痛な声をあげる!

 

「えー…ですが皆様ご安心ください、祥鳳さんから皆様へのメッセージもあります、えー…」

 

一回きりの艦生、長い短いは問題じゃねぇ……本物の軽空母ってのは自分のそういう一度っきりの大切な一日を………たった一度今日という日を感じ取れるヤツのコトをいうんだ…

 

スーパースター剣埼からのアツいメッセージに、観客席からもアツい涙が、そして第四駆逐隊こと剣埼ガールズ達もそんなSYOへのアツい想いが確かに感じたらしく、リングへと飛び出しレッツゴーレッツゴーSYOUHOUとアツいパフォーマンスを始め、観客席からはアツい感動の拍手に包まれた…

 

さらば軽空母祥鳳、さらばスーパースター……

 

「はい、感動のライブパフォーマンスに包まれる会場からでした!青葉もアツい涙が止まりません!それでは皆さん、また来週…」

 

「待てい」

 

「もぉー…なんですか初春様ぁ」

 

「祥鳳は良いとしてじゃ、もう一人がまだ来ておらぬ」

 

「………あ、忘れてました、青葉うっかりです」

 

「何がうっかりじゃ」

 

対戦相手棄権、不戦勝確実ぅ!になったとは言え、未だに姿を見せない雲龍…

やはりう●こじゃろうか…と初春様が言いかけたその時…ッ!再び手紙を持った初霜が実況席へと走ってきた

 

「え~………あ~はいはい、雲龍さんからですね」

 

「して?なんと?」

 

「お腹空いたからもうやめるそーです」

 

「なんという自由…っ!まるで雲の如き自由か!」

 

まさかの連続棄権ッ!両対戦相手が同時に棄権する緊急事態ッ!!

 

「え~…あと、とりあえず、妹に手品させるからそれでも見て、だそーです」

 

「手品?」

 

手品とはなんぞや?と青葉と初春が頭をひねっていると、二つの人影がリングへと走ってきた

 

「ハーイ!雲龍姉妹の次女天城とー」

 

「葛城でーす、今から皆さんに楽しい手品ショーのはじまりはじまり~!」

 

リングへ上がった天城と葛城の二人は軽快なダンスを踊りつつ手品!手品!楽しい手品!楽しい手品と妙に高いテンションで叫びながらクルクル回ってハーイ!と止まると天城のパイの谷間から鳩が飛び出した

 

「あ、鳩ですよ、初春様、鳩でましたよ」

 

「え…?あ、うん、そうじゃな」

 

「あれ?初春様、手品とか嫌いですか?」

 

「いや、別に嫌いではないが……うむ、正直、ちょっと引いたのぉ」

 

この後、天城と葛城の楽しい手品ショーは約15分ほど続き、意外と観客席のウケは良かったらしく、天城に関しては、姉ちゃーんぺぇずりいくらだー?だの汚いヤジにも笑顔で手を振り、退場する時はちょっと泣いていた…





次回はブロックD二回戦、アナタもう死んでますよ

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