不健全鎮守府   作:犬魚

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お久しぶりは通常回、なかなか時間とれなくて滞り気味のだらしない提督ですまない…

【登場人物】

提督(だらしない提督)
だらしない提督ですまない…

五月雨(寒色系駆逐艦)
だいたい秘書艦、淹れるコーヒーは不味い


提督とXの献身

季節はいつの間にやら師匠が忙しく走り回る師走!あったか~いから急につめた~いに激変する気温差に戸惑いとお尻の痛みを感じずにはいられない昨今…

12月と言うワケで、当基地もなんやかんやで年末に向けて慌ただしさを増してくるのだが、そんな中、提督には12月前半特有の仕事がある…

 

「はいこれ、いつものリストです」

 

「あ?リスト…?」

 

とりあえず執務机に置かれたA4用紙に、いったいなんのリストだよてめ――っ!と激読した俺は胸ポッケにタバコが入っているかを確認して溜め息を吐いた

 

「あぁ…クズどものプレゼントか、フーッ〜…もうそんな時期か…」

 

「今回も色々書いてますよ、ベ●ブレードとか」

 

当基地では福利厚生の一環として、クリスマスに駆逐艦や海防艦のクソガキには上限1万円(税抜き)までの欲しいものを1点与え、駆逐艦以上のゴミクズどもには酒や料理を大胆に振る舞うイキでイナセなクリスマスを用意している…

モチロン、福利厚生費で落とすが

 

「暁ちゃんの希望はなんだ?可愛いぬいぐるみか?」

 

「暁さんですか?え〜………あ、ぬいぐるみですね、え?なんでわかったんですか?キモっ」

 

「キモくない、提督だ」

 

誰がキモいだこの青髪ロング子は…本来ならばこの基地の絶対支配者である俺に対する暴言は万死に値し、一族郎等10歳以上の男子は皆処刑とするところだが………そんな秘書艦を、それでも許そう!

 

「ちなみに、可愛いかどうかは微妙なぬいぐるみですけど…」

 

「バカ言ってんじゃないよこの子は、暁ちゃんのコトだ、きっと大きなクマのぬいぐるみとかそんな感じだろう?いいさ!買ってやるさ!五段のヤツをな!」

 

「いえ、駆逐イ級のぬいぐるみです」

 

「イ級かよッッッ!!」

 

俺は両手で執務机をダァン!し可愛いかどうかは微妙どころが絶対キモいだろ!と吐き捨て、冷静に考えるとそんなキモいぬいぐるみ売ってるワケねーだろと我が秘書艦に問いかけた

 

「いえ、それがあるんですよ、ほら、二次元コ●パで定価4200円(税抜き)」

 

「あるのかよッッッ!!」

 

五月雨はタブレット端末で検索した画像を俺に見せるが………マジであるよ、なんだよ…意味わかんねぇよ、そしてよく見ると……なかなか可愛いじゃないの?

 

「じゃ、これは購入で…」

 

「2つな」

 

「…はぁ?」

 

しかし参ったな、俺、暁ちゃんはクマのぬいぐるみだろうと思ってイギリスの老舗玩具店でデカいやつ買っちゃったよ、まぁいいや…邪魔だし誰か欲しいヤツにでもやるか

 

「ちなみに卿の希望は何かね?」

 

「私ですか?」

 

「領地か?それとも階級か?ハハ…いや、卿のコトだ、おそらくは質素でつまらない物だろうな、ハハハ」

 

「そういや私はまだ書いてませんでしたね……そうですね、そう言われると質素でつまらない物にはしたくないですね」

 

「ハッハッハ、こやつめ!ハッハッハ!こやつめ!」

 

こやつめ!言いおるわい!まったく、これからの時期は見るだけで寒気を誘う寒色系駆逐艦なだけはある、五月雨はギフトカタログ的なものをパラパラと巡りつつコーヒーでも淹れましょうか?と尋ねてきたので冷蔵庫の缶コーヒーくれやと懇切丁寧に答えると軽く舌打ちして冷蔵庫に入っていたコーラを低速高回転で投げて寄越した

 

「ま、ナニが欲しいか決まったら記入しておきたまえ」

 

「そうします」

 


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