【登場人物】
港湾夏姫(!)
安心の陸上型夏姫、出オチ要員かと思いきや、まさかの後半戦最大の癌
泊地水鬼(M)
まさかの泊地じゃない泊地、M女
提督(ドS系鬼畜眼鏡上司)
説明はパラっと見て、だいたいわかった、で済ませる
マジでだいたいしかわかってない
前半戦の最終海域、第三ステージ!
前半戦だと言うのにトリプルゲージを採用してくる凶行にセンチメンタリズムな胸のドキドキが止まらないのだよと納得しつつ、とりあえずは港湾なんちゃらを叩く感じらしいので、マグナム内火艇やら陸戦隊が積めるヤツを使いたいところだが…
「ミカァ…やってくれるか?」
朝、食堂でまるごとバ●ナを食べていた三日月と目が合った俺は、コイツならやってくれる!そうさ、ミカならどんなタフな状況だって俺の期待に応えてくれる、まるごとバ●ナを口いっぱいに頬張りながらも死んだ魚みたいな目をしたミカ、あの目は裏切れねぇ……どう見ても何も考えてないか、今日の昼何食べてようかなぐらいしか考えてなさそうな目だが、ミカはいつだって俺を奮い立たせてくれる
ーーー
セイロン島南部 深海占拠港湾部隊…
『フザケタ…ヤツラメッ!ココデシズメテ…ヤルワッ!ッテ!!アイッタァァァァァ!!』
第三ステージにて待ち受ける最初の壁、港湾夏姫、二年前のマレー沖と、昨年のマルタ島沖に出没し、戦艦ビスマルクにボコられたり、膝の皿を割られて転げ回った過去を持つ彼女だが、今回こそバカンスを楽しみたくセイロン島へとやって来たのだが…
「衝撃のファーストブ●ットじゃあ!!」
『グエェェェェェェ!?』ビチャビチャ…
ボディに容赦無くメリ込む三式弾と言う名の利根の鉄拳に、思わず前のめりになり光る吐瀉物を撒き散らし、早々と命乞いをするか否を考えた港湾夏姫だったが…
「コレ………たしか、こう使うんだっけ…」
『ヒ、ヒィィィィィ!』
ロケットランチャー的な鈍器を両手で掴み、ブンブンと素振りする三日月に戦慄する港湾夏姫は、もし、アレで殴られたらタダじゃ済まないと直感した、そして、まだあっちで腕を組んで立っているだけの戦艦もヤバいと本能が察していた
「あー……やる気ないわー」
金剛姉妹の次女、比叡は長女金剛が此度の作戦海域には一切参加しないと明言し、己を見つめ直し“倒す”ではなく“勝ち”そしてその先にあるもの……“一撃必殺とは何か?”その答えを探すべく休暇を取ってフラリと旅に出てしまった…
それにより比叡は……いや、むしろ比叡だけでなく、榛名や霧島も、今回は特にやる気を失っていた…
『ト、トニカク…アイツニダケハ近寄ラナ………ウッギャアアアアア!痛ァァァァァァァ!ナンカ刺サッタァァァァァ!!』
「チッ…ちょっと外したか」
「赤城サン!やっぱ目ぇ狙わないと!目!」
「オイオイ…オレぁ加賀みてーにドSじゃねーんだからよォ~…そんなカワイソーなコトしねーのよ」
「ヒュー!赤城サンマジ菩薩!」
◆◆◆
すげぇよミカは……久々の出番だってのにカスリ傷一つしか負わねぇ超反応、機銃も持たず勘だけで小鬼を叩いちまう、それに、前は苦手だって言ってたWG42も今じゃまるで手足の延長みてぇに扱えている…
強くて、可愛くて、愛嬌もある、鹿島先生曰わく、今じゃ分数のかけ算だってスラスラらしい……ミカはいつだって情けねぇ俺に勇気をくれる
「まったく、三日月は最高だぜ!」
「…はぁ?」
執務室のテレビで現場の様子を見ていた俺に、五月雨は“あぁ、やっぱり…”みたいな顔をしていたが、間違っていけない、俺はたしかにミカの事を最高だと思ってはいるが、別にロリコンなワケじゃあない、ただ、ミカだけではなく、駆逐艦のアホガキどもを見ていると、その純粋さに照らされ、俺も自分を偽らずに素直に生きられると考えているだけだ
「とりあえず前半戦は勝ったみたいですね」
「みたいじゃないで勝ったのだよ」
さて、次は死のトリプルゲージ三連戦の二本目か…
俺は冷たい麦茶を机に置く五月雨に、資料を見せ、卿はどう思うかね?と問う…
「え〜………泊地水鬼、あぁ、たしかこの人、前にも見ましたね」
「うむ、いつだったかは曖昧だが…」
たしか三年ぐらい前にどっかで見たな、なんか殴ると痛い痛い言いつつ気色の悪い笑いを浮かべる生粋のM女だった気がするが…
「たしかコイツ、陸上型的なアレだった気がするし、例によって三式弾ナッコォでブン殴ればいいか…」
「はぁ?」
「よし、ではこれより新たに連合艦隊編成を編成する!サミンゴル、卿から何か言いたい事はあるか?」
「…そうですね、とりあえず、書類はよく読んだ方かいいんじゃないかと?」
「カッカッカ!こやつめ!カッカッカ!」
◆◆◆
セイロン島南西沖方面、深海前線用艦棲泊地…
『モウトベナイノ…ネェ?トベナイノ?ワカル…?』
帰ってきた戦慄の真性ドM深海棲艦、泊地水鬼…ッ!かつてステビア海にて我々の前に立ち塞がり、デンプシー三式弾をその身に被弾、M全開のセリフとM特有のキショい笑いを残し、提督だけでなく殴った本人達ですらマジキメぇと戦慄させたまさしくMasochism monster…
「撃滅のセカンドブ●ットじゃあァァァァ!!」
まずは第一戦から続投、利根が挨拶代りにボディにブチ込む三式弾ナッコォ…!しかし!!
「こ……コイツ!まるで手応えがないのじゃあ!!」
「なん……だと?」
弱点であるハズの三式弾がまるで通用していないッッッ!!帰って来た泊地水鬼は、その、柔らかそうなお腹をナデナデしてウフフ…ウフフ…と不気味な笑みを浮かべている
「ヤツに………三式弾は通用しない!」
「つまり、どーゆーコトだってばよ?」
次回②
戦慄!泊地水鬼!と芋くさい軽空母とキモい鳥!
………と、思ったけど、やっぱちげーわ
次回は何気に500回目、初心に帰ります