重巡夏姫
なんか飲んでるサマー仕様、重装甲∞
戦艦夏姫(2)
三度やって来た鉄壁ウォール
「超装甲か」
「超装甲ですね」
マラッカ海峡沖、深海東洋方面侵略艦隊との激突はなかなか熾烈を極めていた
現場から送られた映像を見るに、ボスっぽい旗艦の重巡は最強を誇る大和型の火力をもシャットアウトしてやがる
「チッ…」
思えば去年もそうだった…
満身創痍であの防空なんたらとか言うヤツに挑んだら大和さんも超火力が通じなくて震えが止まらなかった
「…卿はどう見る?サミットくん?」
「五月雨です、たぶん、例の超装甲を解除する何かしらあるかと?」
「だろうな、とりあえず一旦全員戻せ」
まずは情報だな、然る手段の後にヤローは叩き潰す、今はまだその時じゃねぇ
とりあえず、煙草でも吸って気分落ち着けるか……
「…チッ、煙草が切れたか」
「コーヒーでも淹れましょうか?」
「いい、冷蔵庫に缶コーヒーが入ってねーか?」
「ないです」
「チッ、仕方ねぇ…買いに行くか」
◆◆◆
「ブスイナヤツラメッ!カエレッ!」
「出タ!重巡夏姫クンノ重装甲!」
「ヤツラニハ打ツ手ハナイゼーッ!」
集積地と港湾を下し、やって来た最深部
マラッカ海峡沖を守護る重巡棲姫改め重巡夏姫、そして…
「シズミナサイ!」
「ゲェーッ!あ、アイツは戦艦夏姫ーッ!」
「まだ生きちょったんか!ワレェ!まったく!しぶとい野郎だぜッ!」
「フッ、一握リノ灰サエアレバ戦艦夏姫ハ何度デモ甦ル…」
煉獄こそ故郷、闘争こそ本性、強さと美しさを兼ね備えたニュー・ダイソン!
「サァ、俺ノ兄弟タチヲ可愛ガッテクレタ礼ヲサセテモラオウカ」
「Fuckーッ!オマエもまとめてもう一度地獄にDieしてあげるワーッ!」
アイオワの16inch三連装砲のフルファイヤーが重巡夏姫に向けて火を吹く
「フッ…」
「な!ナニッ!?私のFireが!」
「コノ戦艦夏姫ガ随伴艦ナラバ旗艦ヘノダメージハ通用シナイ、コレハ既ニ常識」
「出タ!戦艦夏姫クンノ鉄壁ディフェンス!」
「ペナルティエリア外カラノシュートデ戦艦夏姫ヲ抜クコトハデキネーゼ!」
「ジ…Jesus!こ、こんなコトが!このIowaが!ノ、Noooooーッ!!」
「あ、アイオワーッ!」
「なんてことじゃあ…ハンパじゃねぇ!!」
「チッ…提督からベルが来たわ!一回退くぞッ!」
「チッ…覚えてろよクソヤローどもが」
「次は殺す、必ず殺す」
「モウ来ンナ馬鹿!コッチハ夏休ミナンダヨ!空気読メヨ!馬鹿!」
◆◆◆
「フーッ~…」
「あら提督、休憩中ですか?」
「鹿島先生ェ…」
喫煙所で煙草を吸っていると鹿島先生が声をかけて来た
「これ、頼まれていた資料です」
「すいませんね、先生にしょーもない雑用させてしまって」
「いえ、あ、お腹空いてませんか?よければパンをどうぞ」
「ほぉ、揚げパンですか?」
「はい!カレーパンです、さっき比叡さんから頂きました」
「…比叡、から?」
「はい!」
バイオテロリスト比叡、その名を聞いて戦慄しない者は比較的新しい者だろう
「シェイクシェイク!超ベリーベリーサイコー」
丁度いいところにウォークマンを聴きながらワケのわからない小躍りをしながら鈴谷が歩いていた
「オイ、鈴谷」
「ん?お、テイトクじゃん、ティーッス」
「口を開けろ」
「ハァ?うごぇ!!!」
とりあえず鈴谷の口にカレーパンを突っ込んでやった
「ちょ!提督さん!何をしているんですかーッ!」
「う……ぅぅ!!ナニコレ?ヴエ゛ェェゥェェ!!」
「クッ!やはりバイオテロだったか!あれほどラットで試せと言っていたのにッ!」
「鈴谷さん!鈴谷さァァァァん!!」