【登場人物】
提督(クソ大人)
浜風ちゃんの前ではいつだってピュアグリーン
陸奥(良い大人)
意外と面倒見のいい大人のナオン、姉と違って良い匂いがする
天城(ボイン空母)
雲龍姉妹の次女、礼儀正しく真面目系なのに、どこか残念
葛城(ボインじゃない空母)
雲龍姉妹の三女、ズイカクセンパイの大ファン
「えー…ではこちらの杖をご覧ください」
「今から天城姉ェが鳩を出しまーす」
南西からの風がビュービュー吹く初夏の日、談話室でこの夏、どうすれば夏のビーチの岩陰で浜風ちゃんにぺえずりさせる事ができるのか真剣に考えていると、バスケの練習を終えてシャワーを浴びてSAPPARIしたらしい睦月型のアホガキどもと、チームを率いるイイナオン、陸奥がやって来てキャッキャとハシャぎながら俺の食っていたかっぱえびせんを食い散らかし、そろそろ狩るか…と立ち上がったところ、雲龍姉妹の次女と三女、天城と葛城が手品の練習をするべく談話室にやって来た…
「よーく見ててくださいねー」
雲龍姉妹の次女、天城…
仙人みたいな見た目に反し、想像を絶する超絶悶絶ワガママ長女、雲龍とは違い比較的常識人らしく、今の今まで問題らしい問題行動を起こしたと耳にした事はなく、かなりの優等生であり、また、姉に劣らないワガママボディであり、正直、二人きりになったらたぶんブチ込む自信がある
「鳩がでるよー、鳩がー、ぶわっ!って出るよー」
雲龍姉妹の三女、葛城…
ワガママボディの姉二人と違い、ワガママボディではなく、実にフラット………いや、スラッとしたスタイリッシュさを持っており、天城と同じく、長女と違って比較的常識人だが、五航戦の妹の方を宗教レベルで神聖視しているらしく、未だに憧れのズイカクセンパイを直視できないらしい
「そろそろ出ますよぉ~」
天城は手にした杖を力強く握りしめ、目を閉じて3秒……カッ!と目を開いた!!
「オンキリクギャクウンソワカ!!開け無月の門!勇猛にして果敢なる大空の獄鳥よ来ませーい!」
ぶわっ!!(鳩)
『キィー!』
「おぉ!!すげェ!」
「鳩でたよ!鳩が!」
「すげェ!手品ってすげェ!!」
…睦月型のアホガキどもは杖から出てきた鳩に、スゲースゲーとキャッキャとハシャいで俺の座っている椅子やらテーブルやらに蹴り入れてきた
「陸奥、なんとかしろ」
「男が細かいコトぐちぐち言わない」
「バカヤロウ、俺は細かいコトとチンポジにはうるさい男なんだよ、なんだ?なんならお前が俺のチンポジを正位置にポジショニングでもしてくれんのか?」
「イヤよ、なんで好きでもない男のチンポジ直さなきゃならないのよ」
「フーッ!コイツぁ手厳しい!」
まったく大した陸奥だ……しかしこの手厳しさ、もしかして俺のコト好きなんじゃないのか?たぶんそう、アレだ、アレだよアレ、ツンデレってやつだろう、ツンデレ
「……一応ツッコミ入れとくけど、たぶん今、提督が考えてるみたいな感情はないわよ?遺伝子レベルで無理」
「遺伝子レベルか…」
オイオイオイ、陸奥のヤツこれは完全に惚れてるな、1000%惚れてるわ、もう完全にマジLOVE2000%だわ
そんな陸奥からのLOVEの大革命を確信しつつ頷いていると、天城と葛城のマジシャンズ空母達は次はこの箱に鎖を巻きつけて剣をブッ刺して中の人は大丈夫でしたーをやりますと言って棺のような箱を取り出した…
「それじゃ、入りますよー」
「はい、葛城が入りましたよー、皆さんよく見ててくださいねー」
天城は葛城の入った箱の蓋を閉じ、サークルディフェースとか言いながら鎖をグルグルと雁字搦めに箱に巻きつけ、これまたどこぞから取り出した大剣を箱に容赦なくブッ刺した!
「覇気で刺したーッ!」
「死んだか!?葛城ィ!」
そんなブッ刺しアクションに大興奮のクソガキどもはキャッキャとハシャぎながら俺の座る椅子を後ろからガンガン蹴りを入れ、手にしていたポップコーンを俺は頭に撒き散らす………
「陸奥、マジでなんとかしろ」
「アンタ達〜…このオッサンがうるさいって」
「オッサンじゃない、提督だ」
陸奥の野郎が一応クソガキども注意したが、クソガキどもは大剣+追加12本がかかりましたね!に大興奮中なのでたぶん聞いちゃいねぇ………よし!決めた、コイツら後で全員にケツにビンタしてビィービィー泣かしたるわい
「しかし葛城の奴、死んだんじゃねぇのか?」
「あら?意外と気にはなってるのね?」
「まぁな、アイツらも意外と本格的な手品をやるモンだ」
…と言うか、俺が見たかったのは以前雲龍から聞いた天城の胸の谷間から鳩が出てくる手品なのだが……まさか雲龍の野郎、アイツ実はテキトーなコト言ってたんじゃねーだろーな
「はい!では箱を開けますよー」
クソガキども大興奮の中、天城は箱に巻いた鎖を俺じゃなきゃ見逃しちゃう手刀て切断し、箱の蓋に手をかけるとメリ…ッ!メリッ!ミシ…ッ!!と蓋をおもいっきり開き、そこには………っ!!
ゴロン…っ!!
「ぐふっ……」
身体中にダメージを負った葛城が箱の中からゴロリと転げ落ちてきた…
「失敗してるじゃねぇかァァァァァァァ!!」
「ちょっと、うるさいわよオッサン」
「オッサンじゃない!」
全然刺されても大丈夫じゃねーじゃねーか!?葛城、完全にノーガードから戒めの洗礼浴びてるじゃねーか!?なんだこのステージ事故!?
しかし!!そんな俺の心配を他所に、ニコニコと笑顔の天城は妹の頭を杖の先でちょっと小突いて“葛城葛城、早く立って、早く早く!”と俺じゃなきゃ聞き逃しちゃう小声で妹を急かし…
「………こ、このとーり!ダイジョーブ!」
見事立ち上がった葛城はダイジョーブ!と明らかに大丈夫でない膝ガクガクな姿で見事にビシッとポーズを決めた
「スゲー!!」
「スゲェ手品だ……っ!スゲェ手品だ!」
「スゲェよオイ!もっちー!もっちー!ほら!」
「え?あ、うん、スゲーんじゃね?」
そんな文字通り、葛城の身体を張ったアツいマジシャンズソウルにクソガキどもはクソ!なんてスゲー!まるで奇跡!奇跡じゃあ!と大興奮している…
「…いや、普通に失敗だろ」
「大人なんだから細かいコトはツッコまない、あの子らの純粋さに余計なチャチャ入れない」
陸奥は俺の脇腹に拳を当てて“あんまりぐちぐち言わない”と口を尖らせた
「オイ、なんだそのグーは?」
「当ててんのよ」
…長門曰く、陸奥の拳は天気の良い日に干した布団に拳を当て、それを撃ち抜くと言われている………そんな凶器が今、俺の脇腹にある…
「へいへい、黙ってりゃいいんだろ、黙ってりゃ」
「わかればいいのよ、フフッ…提督のそーゆー物分かりが良いトコ、私は嫌いじゃないけど?」
「じゃ、チンポジ修正してくれ」
「イヤよ」
次回
全編短じかめエンディング話