不健全鎮守府   作:犬魚

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危険な2人!スーパー提督は眠れないかもっぽい!

【登場人物】

提督(キュウシュウ男児)
細麺派

Jervis(サラサラキンパツ)
熱いのはニガ・テー

山風(トゲトゲクセゲー)
うどん好き

Ташкент(ふわふわヘアー)
味噌ラメーン


山風とJervisと革命のエチュード

自販機コーナーで缶コーヒーを買い、喫煙所でタバコでも吸うかと考えながら歩いていると、後方からナニかがぶつかるような強烈な衝撃を受けた

 

「おごぉ!!」

 

「あははは!Darlingだ!あはははー!」

 

「じゃ……ジャーヴィーくんか…」

 

後方からの高速ロイヤルタックルを仕掛けてきた英国からの刺客!ラッキー・ジャーヴィスくんは特に悪びれた様子もなくダーリーダーリー言いながら俺の腰に抱きついてキャッキャとハシャいでいる…

仮に、このバックアタックを敢行して来たのがジャーヴィーくんではなくキヨシあたりだったら俺は間違いなくスピンダブルアームソルトで両腕を痛めつけているところだが、このジャーヴィーくんのバックには“あの御方”がいるので俺としても下手に手を出すワケにもいかない政治的背景がある…

 

「Darling今ヒマ?良かったらJervisとティーでもしながら楽しくお喋りしましょ?ね?うん、それがいい!ね?」

 

「いや…提督は別にヒマではないのだが…」

 

「そーしまショ!そーしまショ!Jervisがいっぱいserviceしてアゲ・ルー!」

 

相変わらずグイグイくるなコイツ、マジグイグイきやがる、おじさんこーゆーグイグイくる今風の子は苦手なんだがなぁ〜…

 

そんなグイグイくるジャーヴィーくんをどうしたものかと頭をひねっていると、中庭の方からダチョウの出来損ないみたいなワケわからん鳥みたいなのに跨った山風がやって来た…

 

「…提督、なにしてるの?」

 

「それはこっちのセリフなのだよ、なんだその鳥は」

 

「…アカシファームで飼ってるエミュー、名前はDAISUKE」

 

「ナニがDAISUKEなのだよ」

 

あの野郎、まだ謎の鳥牧場やってたのか…俺は前に、殺せと命じたハズだが……まぁいい、あの金の亡者は後でア●ルプラグ刺して尿道からメ●ミルク流し込んでダブルピースの刑にしてやるわい

 

「うわ…ナニこの鳥、Struthio camelus?ってか……くさっ!トリくさっ!?」

 

「…やれ」

 

ガツン!!(くちばしアタック)

 

「あいったァ!!……こ、この!!Fuckin bird!ナニしてくれルノー!!」

 

山風の乗ったエミューのくちばしアタックを見事に顔面に喰らい、ジャーヴィーくんは鼻を抑えつつあまり紳士的とは言えないキングスイングリッシュでキィーキィー文句を言っているらしい、正直、早すぎてよく聞き取れないがたぶん紳士的ではないだろう

 

「…DAISUKEは心がキレイじゃないヤツには決して懐かない鳥、そう……ゼッタイ」

 

「こ…このトゲチビ…っ!アタシのセリフを…っ!」

 

「…そう、ゼッタイ」

 

「しかも二回も!!こ…こんな屈辱!生まれて初めてダワ!!」

 

心がキレイじゃないと懐かないのか……そういや、前に明石のアホがこのダチョウもどきからドリルくちばし連打を喰らっていたな、ふむ、あながち間違いってワケでもないらしい…

 

「ふっ、ま…!心がキレーイならこのJervisでもOKよ、トリ!ちょっとこっちに来なサイ!」

 

山風がダチョウもどきから降り、ジャーヴィーくんがダチョウもどきに手招きすると、ダチョウもどきは頭を若干下げ気味にジャーヴィーくんの手招きに寄って行き………

 

ボギャアアァァ!!(ヒザ蹴り)

 

ジャーヴィーくんはエミューの頭部に強烈な膝を叩きつけ、エミューはグェー!とか叫びながら転倒したッッッ!

 

「ダ…DAISUKEーーッッッ!」

 

山風は珍しく大きな声でエキサイティングに“な!何をするだァーッ!許さん!!”と叫び、ジャーヴィーくんはそれを見てニヤリと笑って微妙にナナメなポージングをキメている!そして…

 

「Darling!Darling!あのダチョー!またアタシをツッコーとしたノー!怖くて思わず蹴っちゃっター!」

 

「え?あぁ、うん」

 

ジャーヴィーくんコワカッ・ターと言いながら俺の腰あたりに抱きついてグイグイくる、そう、グイグイ

 

「こ…このっ!!」

 

「フッ、ヘイ!トゲチビ、その薄汚いダチョーもどきを連れてサッサと消えタラー?アタシは今からDarlingと楽しくお喋りして一緒にdinnerをとって夜は一緒のベッドで好きな子の言いっこしたりスルscheduleネ!」

 

なんだその予定!?聞いてない!提督は聞いてないよジャーヴィーくん?っーか、最後のトコはやっぱ子供だな、うん、おそらく、この年頃の子の性の限界はKISSぐらいでMAXだろう…

 

「テイトクから離れろバカキンパツ!」

 

「な、なんですッテー!!このトゲチビ!」

 

山風のローキックを喰らい、アイッター!!とか言いながら転がったジャーヴィーくんは、さらにマウントからの追い討ちを仕掛けてきた山風とキィーキィー言い合いながら熾烈なマウント争いの取っ組み合いを開始した

 

「やめんか、見苦しい」

 

「でも!」

 

「ダッテ!!」

 

「デモもダッテもないのだよ、喧嘩するんじゃないよオマエら、もうちょい仲良くできんのか?な?」

 

俺は2人をひっぺがし、俺達はこの基地の仲間、言うなればファミリーじゃねぇかとアツく2人に語りかけ、みんな大事な俺の家族だぜグラララと頭をバシバシ叩いてやった

 

「…ムリ」

 

「アタシもダメ、コイツマジキライ」

 

「あ゛?明日の基地スポ載ったゾ、キンパツ?」ピキッ!

 

「ア゛ァ?やんのかトゲチビ!」パキッ!

 

「だから、やめんか!」

 

バチバチとメンチビームの火花を散らし合う2人をさらにひっぺがし、仲良くしよ?な?仲良く!ラブ&ピースで世界はスマイル、ウルトラハッピーだよ?とアツく語りかけ、とりあえず落ち着かせる…

まったく、コイツら天敵中の天敵ってヤツなのか?いったいお互いのナニが気に入らないのか…

 

「まったく…」

 

未だ、キィーキィーいがみ合う2人をどうしたものかと考えていると、廊下の先からこのクソ暑いのに妙に厚着なのが歩いて来た……

 

「やぁ、同志提督、探したよ」

 

「お前は……タシュ、タシュ……タシュケくん」

 

「同志提督、ミソ・ラメーンを食べに行こうよ、ミソ・ラメーン」

 

旧ソから来た蒼き刺客、革命軍の戦士タシュケくんはニコニコと笑いながら俺の腕を掴み、グイグイ引っ張り己の身体を密着させてくる…!ってか近い!距離が近い!

 

「同志シムシリから教えて貰ったんだ、ゲロウマーって言ってたよ!」

 

「あ、あぁ、わかった、わかったからちょっと離れような?うん、顔が近いからな、うん」

 

「そうかい?」

 

タシュケくんは腕を離しニコニコ笑いながらさぁ行こうすぐ行こうと今度は俺の手をとってグイグイくる

 

「ちょ!Darlingにナニすんのよコイツ!」

 

「…グイグイするな、そもそも、誰?」

 

さっきまでキィーキィーいがみ合っていたハズの山風とジャーヴィーくんは、突如として現れたタシュケくんになんだテメーとインネンを付けだした

 

「?、同志提督、なんだいコレ?」

 

タシュケくんはlittle girl達を指差しまるでそこら辺に落ちている小石や名前も定かではないような虫ケラの名前を問うように尋ねる……

そう、その言葉には一切の迷いも躊躇いもない、そして、その瞳の光はコレにはまるで興味がないと語っているッ!

 

「まぁいいや、同志じゃないゴミクズは全部ゴミクズだし…」

 

タシュケくんは背中に手を突っ込みスルスルと金属バ…

 

「タシュケくぅーん!ちょっと!ちょっと!ちょっといいかなーッ!?」

 

「なんだい?」

 

俺はタシュケくんの両肩を掴んでその身体ごと壁まで移動させて壁にズドンすると、タシュケくんは相変わらずニコニコしながら何事かな?と問うてきた……

 

間違いない、おそらくこのタシュケくんには“同志”か“それ以外”の区分しかない、そして、同志には快く接するが、それ以外はゴミクズ同然なのだ…

 

仮にだ、このタシュケくんがあのキンパツリトルガールをバットでフルスイングし革命的ホームランを打っていたら確実に陛下大激怒、英国と革命軍の全面戦争、そして第三次世界大戦開幕!ハルマゲドン勃発!そして俺は全ての責任を負わされ、未来永劫鬼畜にも劣る賊の烙印を押され、

然る後、残酷な死を迎えるであろうコトは必至ッ!

 

「タシュケくん、彼女達は同志ではないかもしれないが……その、アレだ、ファミリーだ」

 

「ファミリー?」

 

「そう!ファミリー!ファミリーは仲良くするもんだ!な?だからこう…そう!アレだ!いきなりアレするのはやめような?な?」

 

「わかったよ、同志提督がそう言うならそうするよ!」

 

フーッ〜……良かった、話せばわかってくれて助かったのだよ、いやマジで、まぁ提督にもわかっているのだよ、このタシュケくんはびっくりするほど素直な子だ、うん、おそらく彼女はただ、俺とミソラーメンが食べたいだけ、そう、彼女が考えているのはそれだけなのだ…

 

「じゃあ、ミソラメーンを食べに行こうか!」

 

「あ、あぁ…」

 

よし、とりあえずハルマゲドンの危機は回避されたな、まったく…まだ夏前だと言うのにヒヤヒヤものなのだよ

 

「山風、そしてジャーヴィーくん、提督は急用が出来たのでコレで失礼する、ほら、これで2人でジュースでも飲みなさい」

 

俺は財布から千円札を取り出し、とりあえず近くに居た山風の手に握らせてやった

 

「…テイトク、そいつとどっか行くの?」

 

「アタシも一緒に行ってイイー?ね?ね?ね?イイでショー?ねー?Darling!」

 

「…オマエうるさい、黙ってろゲロチビ」

 

「ハァ?オマエが黙れ、トゲトゲ」

 

「仲良くしろ!仲良く!な?仲良くジュースでも飲め!な?」

 

このガキども…ッ!!

 

「あたしは別に構わないよ、だってコレ、同志提督のファミリーなんだよね?うんうん、いいじゃないかな、同志提督のファミリーならあたしのファミリーも同然だし」

 

そしてタシュケくんは我が師の師は師も同然的な理論で納得してくれたらしく、ニコニコと笑って2人の頭をバシバシと叩いている…

 

「…む」

 

「な…なんかシャク・ゼーンとしないわネ」

 

 

こうして、第三次世界大戦、そしてハルマゲドンを未然に防ぐ歴史には語られない俺のアツき戦いは終わり、とりあえずタシュケくんが聞いたと言う味噌ラーメンを食いに行った………まぁ、悪くはないが、俺はキュウシュウ男児なのでやはりラーメンはホカホカのトンコツに限る

 

◆◆◆

 

「山風ちゃん遅いなぁ〜…どこほっつき歩いてんだか」

 

山風ちゃんをお使いに出して1時間以上、未だに戻って来ないので探すついでに自販機でジュースでも買おうと歩いていると、中庭のところに私の運営する明石ファームの金の成る木、エミューが倒れてピクピクしていた…

 

「エ、エミューーッッッ!!」

 

な、なんでェ!?い…一体ナニがッ!?とりあえずエミューの頭の辺りを抱えて生死を確認する!

 

「だ…大丈夫!?死んでない?まだ死んでない?まだ肉にするには早……」

 

ズドン!(ドリルくちばし)

 

「グエッ!!!あ、あいったァ〜…!!こ、この鳥野郎!人が心配してや……あ、痛い!痛い痛い痛い!スイマセン!ホントスイマセン!





次回
ヒロイン様がヒロイン様するヒロイン回、たぶん

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