不健全鎮守府   作:犬魚

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帰ってきた自信作回、目覚める地球の力!この地球を舐めるじゃねぇ!!

【登場人物】

提督(提督ランキング低め)
メガネ男子、巨乳好き

五月雨(髪が長い)
長い髪は放熱を兼ねてるらしい

夕張(ヘソ出し軽巡)
ハッキリ言って自信作はたまに当たりがある、たまに

清霜(アホ)
戦艦になる為に日々、山盛りのキャベツはかかさない


提督と夕張と人為的変態

「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」

 

上からきた米を集めろだのよくわからない任務の書かれたFAXを読みつつ五月雨のクソマズコーヒーを啜っていると、執務室の重厚な扉を勢いよく開き、クレイジーが服を着ているクレイジー軽巡がニコニコと愛嬌だけは抜群の笑顔でやって来た

 

「ハッキリ言って自信作です」

 

「…自信作か、サミュエル、卿の意見を聞こう」

 

とりあえず、自分の席に座って漢字クロスワードパズルを解いていた暇人秘書に俺は冷静で的確な意見を求めてみる

 

「たぶんいつものアレな感じだと思いますよ、あと、五月雨です、サミュエルさんは別人です」

 

「カッカッカ!こやつめ!」

 

そう言えばそうだったな、サミ……サミュ、サミュエルくんは最近ウチに配属されたゴールデンルーキーだったわい

 

「…で?今日はどんなゴミを作ってきたんだクソムシ」

 

「ゴミじゃありません、自信作です」

 

「ゴミかゴミでないかは私が判断する事だ、貴様は黙ってその自信作とやらを見せてみるがいい」

 

「はい!」

 

夕張のアホンダラは今日の自信作はすんごいですよー!もうすんごいですよーと言いながらニヤニヤと笑い、タブレット端末を取り出して画面を点けた

 

「こちらをご覧ください」

 

「………キヨシだな」

 

「えぇ、清霜ちゃんです」

 

タブレット端末に映る映像はどう見てもアホな子共のキヨシ………うん、どう見てもアホな子共にしか見えない

夕張曰く、この映像はリアルタイムで今現在のキヨシの姿を映しているらしく、夕張はポケットから電話的なものでキヨシになにやら連絡をしていた

 

「あ?もしもし清霜ちゃん?私、私!今から始めるからクスリをブスっと刺して!ブスっと!」

 

「オイ、クスリってなんだ?クスリって」

 

「まぁ見ていてくださいよ!ほら!」

 

タブレットに映るキヨシがなんかクスリ的なものをブスっと刺すと、キヨシの身体が……キヨシの身体が!!キヨシが何か別のナニかに変態していく…ッ!!

 

『ウオオオオォォォォォォ!!人為変態…ッ!』

 

キヨシ腕は何か平っぺたな翼のような腕に変化し!口元はまるで鳥の嘴のように尖る!!

 

「名付けまして、M●手術です!」

 

「M●手術…ッ!?」

 

M●手術、正式名称をモザイク・●ーガン・オペレーション!従来までの昆虫型しか出来なかったバ●ズ手術を、より進化させた手術で、地球上に存在するあらゆる生物をベースに強化手術が可能になった…ッ!!

 

「…足があるな」

 

「足なんか飾りです」

 

…とりあえず、俺たちはいつもの様式美を済ませ、俺は夕張のアホンダラにキヨシにいったい何の生物をベースに強化したのか尋ねてみた

 

「アデリーペンギンです」

 

「アデリーペンギンかよ…ッ!!なんかスゲー弱そうだぞ!?」

 

「いや、一応、清霜ちゃん本人に何の動物になりたいかなー?って聞きましたよ、私としてはホッキョクグマとかがオススメだったんですけど」

 

ちなみに、夕張が清霜に尋ねた時は姉妹で飯食いながらTVの世界のかわいい動物特集を見ていたらしい…

 

「しかし提督、アデリーペンギンをただかわいいだけのペンギンと侮ってはいけませんよ!」

 

「なん…だと?」

 

アデリーペンギン……ッ!!

 

コウテイペンギンと同じく南極をテリトリーとするこのペンギン、ペンギン的には中型サイズであり、最近は地球温暖化や観光や研究による乱獲!漁業による餌資源の競合などによる影響を受け一時的に減少したものの、ちょっと持ち直した!

このペンギン、主に海の魚を主食とし!シャチやセイウチには容赦なく狩られ!繁殖期にはカモメからも痛い目に合わさることもある!

 

「…いや、ダメだろ?それ、かわいいだけじゃん」

 

「えぇ、ぶっちゃけ、コレ!と言ってすごい特徴はありません」

 

「ダメだろ」

 

「大丈夫です、アデリーペンギンには巣作りの頃に落ちてる小石を仲間同士で奪い合う心の狭さがあります」

 

最高にゴキゲンです!と言って親指をグッと突き立てた夕張を見て、俺は大きく息を吸い込み己の中に気を充実させ、夕張のペラッペラな胸にソフトに触れ…

 

「通・●・拳!」

 

ドンッッッ!!(通●拳)

 

「オゴォ!!!」

 

「か〜ら〜のぉ〜」

 

まともに受けた通●拳の威力に膝を折る夕張の身体を優しく支え、俺は右手を夕張のペラッペラな胸に再びソフトに触れ…

 

「通・●・拳!」

 

ドンッッッ!!!(通●拳)

 

「ヒギイィィ!!!?」

 

通●拳の連打を受けた夕張は執務室の壁に激突し、2〜3回大きく痙攣したと思ったら、不気味な笑みを浮かべてフラフラと立ち上がった…

 

「コイツ…通●拳の連打を受けてまだ立ち上がるとは……なんてタフなヤツ!」

 

コイツ、もしかして陸奥の虎●を喰らっても立てる陸奥の歴史でも珍しいタフガイなんじゃないのか…?

 

「この痛み……そう痛み、提督からの痛みが私に“性”を実感させてくれます…」

 

「お…おぅ」

 

…まぁ、夕張が危ないヤツだってのは今に始まった事じゃないし、正直ドン引きだが…

 

「とりあえず提督、タブレットをご覧ください!M●手術により生まれ変わった清霜ちゃんの真の力をお見せしましょう!」

 

「真の力ねぇ…」

 

タブレットの映像にはM●手術で人為変態完了したアデリーペンギン・キヨシともう1人の姿………服を着る事により次のステージへと到達した最大最強の戦艦、武蔵ッッッ!!

 

『フッフッフ、武蔵さん、この戦いのキャッチコピーを知ってる?え〜っと……あ!そうそう!核兵器VS竹やり!』

 

『ほぉ…大きく出たな、だがその意気やよし!熱意やよし!いいだろう、オマエのそのガッツに応え、この武蔵…最大の奥義にてオマエを屠ろう…』

 

『あ…あの両手を組み、頭上に掲げた構えは……っ!武蔵さん最大の奥義!46㎝砲の構え!』

 

『フッ…』

 

あ、ダメだコレ、オイオイオイ、死んだわキヨシ…

 

『フッ!でも今の清霜なら武蔵さんにも勝てる…っ!身体中に満ち溢れるこの野性のパワーがあれば!』

 

駆逐艦 清霜

出身国 日本

M●手術 鳥類型-アデリーペンギン-

YU-GUMOランキング -19位-

 

「ちなみにYU-GUMOランキングとは姉妹環境下における姉妹の制圧能力を格付けしてます」

 

「キヨシ低いなオイ」

 

「えぇ、堂々の最下位ですから」

 

 

そして………キヨシ(アデリーペンギン)対武蔵の戦いは何事もなくイッパツで終わった、それはもう特に言う事は何もないぐらいの予定調和と言っていいぐらいのイッパツだった…

 

何事もなく入院コースを辿ったキヨシだったが翌日にはアホ仲間のイタリア駆逐艦とキャッキャとハシャぎながら川でザリガニを探していた…


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