不健全鎮守府   作:犬魚

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革命軍の新たなる戦士!奥の奥まで見てみるかい?

【登場人物】

提督(駆逐艦への風紀には特に厳しい)
歌おう!(1000%)踊ろう!(2000%)

Ташкент(駆逐艦)
なんと驚異の4スロット駆逐艦、革命の闇は深い…



提督と蒼き革命Ташкент!

微妙な天気の続く春日和、明石の店で買った菓子パンと缶コーヒーを手に、駆逐艦のアホガキどもがヒィヒィ言いながら運動場を走る姿をベンチで見ていた俺は早速銀チョコの袋を開けて口に放り込む……まったく、アホガキどもが苦しむ顔を見ながら食べる菓子パンは最高だな

 

「やぁ、同志提督」

 

「…ん?」

 

そんな小さな幸せを満喫していると、あまり見慣れない顔の誰かがやって来た………誰だっけコイツ?たしか最近ウチに来た…

 

「君は………タスケ、だったかね?」

 

「Ташкентだよ、同志提督」

 

「あー…そうそう、タシュケだったな、タシュケ」

 

思い出した、面接でいきなりを俺を殺そうした東側来た新しい刺客、革命軍のヤツだ…

 

「座っていいかい?」

 

「ん?あぁ、座って構わんよ」

 

新たなる革命戦士、タシュケくんはニコニコと笑いベンチに座り、今日はいい天気だねだのそれはいったいなんだい?美味しそうじゃないか?だのごくごく普通の一般的とも言える感じでニコニコと俺に話しかけてきた…

ふむ、初対面の時にコイツもヤバいヤツだと思っていたが、意外とそうでもないのか…?と考えていると、タシュケくんはベンチから立ち上がり背中から金属バットをスルスルと取り出し………

 

「ウルァァァァァァァァ!!」

 

ブンッッッ!!(殺人フルスイング)

 

「はおっ!!」

 

俺をめがけて思いっきり振り下ろしてきたッ!!しかし、間一髪で俺はベンチからの華麗な脱出を図り、俺が座っていたベンチは見事に粉☆砕されたッ!!

 

「な……な……なにすんだテメェェェェ!!」

 

「素晴らしいよ同志提督!」

 

「あ?」

 

タシュケくんはさすがは革命軍参謀総長だよ!とか言ってキャッキャとハシャぎながら抱きついてきた……うぅむ、なんだろうな?本来、上司として部下の行き過ぎた蛮行を咎めるべきなのだろうが、不思議とこのタシュケくんには許してもいいのではないかと思える魅力がある…

 

「ま…まぁ、離れたまえ」

 

「そうかい?」

 

「それとタシュケくん、祖国ではどうだか知らんが、ここではみだりに異性に抱きつくものではない、うん、そうだ、みだりに抱きついたりしたら勘違いをさせてしまうからな!うん!」

 

「わかったよ、同志提督が言うならそうするよ」

 

タシュケくんはニコニコと笑って俺の言葉を了承してくれた………ただ、ちょっと思ったのだが、もしかしてこの娘、素直なんじゃないのか?いや、素直…?無邪気…と言うべきか?

 

「…タシュケくん」

 

「なんだい?」

 

「…ちょっと脱いでみようか?」

 

「いいよ」

 

タシュケくんは何の疑いもなく衣服に手をかけブチブチとボタンを外し、スカートに手をかけ…

 

「ちょっと待てェェェェ!なし!今のなぁぁぁぁし!ジョーク!小粋なテイトクジョークだから!な?脱ぐのなし!な?」

 

「…?、わかったよ!」

 

…あかん、この娘、相当ヤバいヤツだ、たぶんが俺が死ねと言ったら喜んで死ぬ系だ!?ちょっとしたジョークのつもりで日本人は皆殺しとか言ったら、それ!虐殺です!を実行するだろう、ま…マシーン!まさしくこの娘は命令を遂行する事を至上とする殺人機械(キリングマシーン)とでも言うかッ!?

 

「…タシュケくん」

 

「なんだい?」

 

「君は、その…アレかね?なんかこう…特殊な機関出身とかそんな感じのアレかね?」

 

「どうかな?別に普通だと思うけど?」

 

「普通か…」

 

おそらくだが、この娘の言う普通とは俺の知る一般的な普通とはだいぶかけ離れている気がしてならないのだよ…今度暇な時にガングートのアホにでも聞いてみるか、おたくではどーゆー教育しとんのかねと…

 

「まぁいい、タシュケくん、今から時間はあるかね?」

 

「今からかい?そうだね………1500に同志ガングート達とスペツナズ体操をする予定があるけど、他ならぬ同志提督の用件を優先するよ」

 

そう言ってタシュケくんは無邪気に笑って大丈夫だよ同志と親指をグッとあげた、しかしスペツナズ体操ってホントにあるのか…?前に同志エトロ……じゃない、択捉が口走ってたが、口からでまかせじゃなかったんだな…

 

「もんじゃでも食いに行くから付き合いたまえ」

 

「モンジャ?なんだいそれ?」

 

「もんじゃ焼きだ、まぁ…お好み焼きの親戚みたいなモンか…」

 

「モンジャヤ・キーねぇ…うん、いいよ!勿論付き合うよ!」

 

「うむ、君とは、まぁ…色々話をしておきたいからな」

 

まぁ、アレだ…ここは一つ、上司としてまだこの国に不慣れであろう部下とのコミニュケーションをとり、色々と意識改革を促さないとな、うん、意識改革を…

 

「あたしも同志とはいっぱい話したいコトがあるし、同志ガングートからも聞いてるよ、同志提督はいよいよ次の世界会議で資本主義のクソムシどもに“宣戦布告”をするだろうって…」

 

ガングートォォォォォ!!ナニワケわからんコト言ってるんだあの革命戦士はッッ!!アイツは俺をなんだと思ってるんだ!?レボリューションか!?あ?レボリューションなんか?あ?

 

「さぁ行こうか同志!」

 

タシュケくんは俺の腕をとるとグイグイと己の身体を押し当てながら俺を引っ張る………なるほど、これが驚異の4スロットル駆逐艦か、なかなかのモノをお持ちだな

 

◆◆◆

 

「聞いたぞ、同志提督…」

 

「あ?」

 

タシュケくんともんじゃ食った数日後、喫煙所でタバコを吸っていると、同じく喫煙所利用者のガングートのアホンダラがやって来てベンチに座って俺に隣に座れ!ほら!ここ空いてるから座れと言うようにベンチをバシバシ叩くので隣に座ると、ガングートは俺の肩に手を回した

 

「同志タシュケントとモン…モン……モンモンを食いに行ったらしいなぁ?」

 

「もんじゃ焼きな、あと、馴れ馴れしいんだよテメーは」

 

「あの気難し屋で冷酷と評判の同志タシュケントを手懐けるとは大した男だな同志提督!ハッハッハ!」

 

「うるせーよ、っーか気難し屋で冷酷…?」

 

「あぁ、同志タシュケントは我ら革命軍の中でもとびっきりのおきゃんと有名でな、祖国では彼女に関わった15歳以上の成人男子の生存率2%以下と言われていたぐらいだ」

 

「なんだそのヤバい数字は!?」

 

「ハッハッハ!さすがは同志提督だ!ハッハッハ!」

 

この野郎……他人事だと思って、しかし、そんなにヤバいヤツなのか、あの娘は…よし、出来る限り関わり合いになるのはやめよう!


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