【登場人物】
提督(完璧・●●式)
クズ・ゲス・カスの三重殺が揃った本物の外道
五月雨(秘書艦)
頼れる秘書艦、No.2不要論推奨派
九頭中将(ガチムチマッスルガイ)
生粋のロリ●ンながら中将に相応しいキレも持ち合わせている快男児
「さて、とりあえずコーヒーでも貰おうか」
「残念ですが機材と材料がないのでお出しできません」
知っている、当然わかっているコトだ、いつもの執務室なら小粋に小躍りしながら唯一無二の殺人コーヒーを淹れるだろうが、生憎この船にそんなものは持ち込まれていないであろう事は一目見てわかっていた…
そんな俺の小粋な嫌がらせにややイラっとしたであろう五月雨は海水か塩水ならありますよと小粋な刃で仕返ししてきた…
「まぁいい、で?頼れる我が秘書艦サミヒアイスよ、この状況を俺にわかりやすく懇切丁寧に説明してくれるか?」
「あれ?説明が必要ですか?私達には及びつかない深いお考えと鬼謀の持主と香取先生が絶賛される提督ともあろう御方が…」
こやつめ、さっきの返しだけではまだ物足りぬか…
あと、五月雨ですとキチンと名前を訂正し、五月雨はペットボトルのお茶を俺に差し出してきたのでそれを受け取った…
「…相変わらず卿にはジョークのセンスがないな」
「そうですね」
「それで?ジョークはいいとして、この状況について説明して貰おうか…」
何故、俺は組織の最高戦力と名高い四大鎮守府に対して喧嘩を売り、なおかつ佐世保の街を人質とし、さらには資材まで強奪する最高にCOOLな蛮行に及んでいるのか…
聞けば、既に佐世保鎮守府のヘッドであるクズだかカスだかに俺は会っており(川内が)その際に、袖から蛇を出したり口から蛇を出したり、初代佐世保提督と二代目佐世保提督を穢土から口寄せる卑劣な忍術を使ったりとやりたい放題したい放題しているらしく、既に俺は海軍のビンゴブックでS級の危険人物に指定されたらしい…
「どうせアレじゃないんですか?酒の話で香取先生にこの春はキュウシュウ征服などいいかもしれませんなぁ〜…とか言ったんじゃないですか?」
「言ってねぇよ」
たぶん言ってない、そう、たぶん…
「とりあえず現状から言いますと、卑劣にも佐世保の街を人質とし、あちらからは下手に手を出すことが出来ない感じですね」
「実に卑劣なのだよ」
「海上封鎖は勿論、陸路も高雄さんや妙高さんの昔馴染みの“友達”が協力してくれてるそうで、ゴキゲンな“検問”張ってるそうです」
「ナニが検問なのだよ」
そういやここに来る途中、やたらとゴキゲンな二輪の集団を見たな…
「あと、佐世保市街には夕張さんが暇な時にシコシコ作ってた殺戮マシーン、プロトタイプって名前のキモいメカがウジャウジャ徘徊してるそうです」
「ナニがプロトタイプなのだよ、オ●ガじゃねーか」
見た目は古代殺戮兵器オ●ガそっくりだが性能面はオ●ガに比べるとチンカスらしく、波動砲も搭載しておらず、その気になれば“あやつる”で“じばく”させて処分できるそうな…
「もはや魔王以外の何者でもないですね」
「ナニが魔王だ、俺は悪くない」
…そしてこの悪魔の所業の全てを、この俺が行っていると言うレッテルが貼られているのだ、これはもう俺は退くに退けないどころか、約束されたバッドエンドに直行便なのではないだろうか?アレか?アレだろうか?ほら、ゲーム的には第1期も終わったコトだし、このしょーもないお話もこの機会に第1期終了、全滅エンドからの復活第2期再開的なアレだろうか?
「いいじゃないですか、第2期は提督死んだことにして新しい若くて有望でイケメンの新提督に替えましょう」
「バカ言ってるんじゃないよ、この子は」
「冗談ですよ、小粋なサミダレジョークです」
「ナニがサミダレジョークだ、まぁいい……この文句無しの反逆者確定ルートをなんとかしなければ俺にとって良い未来はない、とりあえずこの誤解をなんとかするか…」
「ひ●こ饅頭でも持って謝りに行きますか?」
「そんな安い謝りで許してくれる心の広そうなヤツだったか?佐世保の中将様は?」
「あー……どうでしょうね?見た目で言うならかなりガチムチでしたよ、ガチムチ」
「ガチムチか…」
最悪、中将との戦いは避けられないだろう……だが、これから先、俺が“上”に行く為には海軍中将だからってビビっているワケにはいかねぇ、四大鎮守府だろーが、海軍大将だろーが全部ブッ倒さねーと俺たちはこの先の“海”へは進めねぇ!この海では最も“自由”なヤツが“王”なのだ、そう!
目指すは勝者じゃなくて勇者!FREEDOMだ!
「行くぞサミヒアイス、俺と共に来い」
俺は立ち上がり、五月雨に出掛ける準備をと伝えると、こやつめ…既に用意してあったらしい俺の上着を腕に掛けたまま渡してきた
「こやつめ…」
「あと、五月雨です」
◆◆◆
我々の力を十分に御理解頂けたであろう佐世保鎮守府九頭中将に今度はより良いお話の場を持ちたい、そう連絡を入れた俺は、川内のバカがヤンチャして警戒度MAXとなっている佐世保鎮守府へと来ていた…
「はじめまして、九頭中将」
「はじめましてだと…?キサマ!」
「待て、若葉」
聞いた通りのガチムチマッスルガイの九頭中将は右手を挙げて秘書艦であろうワカ……?若葉だっけ?コイツ、その若葉を制し、一拍置いてから俺にはじめましてと握手を求める右手を出した
なるほど、さすがは四大鎮守府の一角、佐世保を率いる中将、つい先日暴れ回った川内のバカと俺とが別人である事に一目で気付いたらしい
「それで……九頭中将、出来る事ならば秘書艦を交えずに私と中将、2人でお話をしたいのですが」
「キサマ、ふざけるなよ!誰がそんな…」
「若葉、それで構わない、たしか第2会議室が空いているだろう?あの部屋は防音もある」
「しかしだな…」
「若葉」ギロリ!
「………わかった」
さすがは海軍中将、大した威厳と覇気…ッ!心の弱い艦娘ならあのガチムチマッスルガイにひと睨みされればおもらし確実ぅ!だろう…
俺は五月雨にここで待機するように伝え、九頭中将に案内され第2会議室へと足を踏み入れた
ーーー
「さて、この部屋での会話は外部には決して漏れないと…?」
第2会議室に入室し、九頭中将に念入りの確認を入れると、中将はその丸太のような太い首を縦に振り、御安心をと言った…
それを確認して頷き、俺は床を力強く蹴ってまるで氷上を舞うゴールドメダリストのように見る者全てを魅了する4回転半を舞ってまるで絶壁から落ちた猛虎が痛がる姿を彷彿とさせる姿勢で力強く着地した
「スイマセンでしたァァァァァァァ!!!」
平たく言えば、ジャンピング土下座である
「本当にッ!本当にスイマセンでしたァァァァァ!!全てはこの私の不徳の致すところ!」
この国で最も誠意に溢れる姿勢、それこそ土下座!謝罪にはもちろん、気になるあの子にセ●クスさせてくれと頼む場合にも効果がある…!らしい
「まぁ…頭を上げなさい、中佐」
「ハッ!!………まさかこのバカを、このバカをお許しになると…?」
さすがは四大鎮守府の一角を率いる海軍中将、なんと慈悲深い…っ!
「いや、普通に許しませぬが…」
ですよねー…普通に許しませんよねー、どう考えても俺の首一つじゃ済まない感じの狼藉働いてますもんねー………仕方ない、こうなりゃ殺るしかないか
とりあえずあと一歩でも踏み込んで来たら手加減無用のスネークジェ●サイド叩き込んでその分厚い胸板ブチ抜いてくれるわい…
「しかし中佐……某としても中佐程の同好の志をこのような形で失うには些か勿体無いと思うのでござるよ」
「………は?」
なんだ…?なんか目の前のガチムチ、なんか急に態度が軟化したぞ…?俺は視線を上げ、九頭中将を見ると、中将は先程までの威厳溢れるガチムチマッスルガイ的な威圧感が減り、どこか薄気味悪いと言うか、一方的な親近感と言うか…とにかく、敵意とかではないが……
「噂には聞いておりましたぞ、同じくキュウシュウをシマとする超一流のエンジェルマイスター…」
「…はぁ?」
ナニ言ってんだこのガチムチ、イカれているのか?なんだよ、エンジェルマイスターって…?
「曰く、流れるようにくちくかんのエンジェルス達と戯れ、そのハートをガッチリとキャッチする魅技は最早達人の領域…我々
「はぁ?」
なんだよ、許されざる求道者って…?え?っーか今、駆逐艦って言ったか?駆逐艦って!?
「その力、まさしく完璧!付いた二つ名は“
「………はぁ?」
はぁ…ザ・あやつ?………って、待て、え?ナニ?パーフェクト・ペド?え…?ナニそれ?
「って!!なんじゃそりゃあァァァァァァァ!!?」
「ハッハッハ!またまたぁ〜!某は一目で中佐が尋常ではないザ・あやつだと気付いたでござよぉ!」
ガチムチマッスルガイ中将は気さくなマッスルスマイルで笑い、俺の肩をバシバシと叩き、完璧なる同好の志よ!と言ってガハガハと笑っていた…
「まぁそうカタくならずに、まずはお茶でも飲んで……今後の事について“交渉”しようではありませぬか」
「こ…“交渉”………だと?」
「そう……この事態をより良い形で決着させる交渉を…」
こ…この男、一体何を考えているんだ…?わからん、だか相手は四大鎮守府の一角!佐世保鎮守府を率いるエリートの中のエリート!どうやらタフに交渉になりそうだな…
次はもうちょっと早くってよ!