※今回登場する九頭中将はzero-45様の大本営第二特務課の日常からお借りしております、はい
【登場人物】
九頭路里中将(強力)
佐世保鎮守府を預かる巨躯の男、ただのビッグボディだけではなく知性も持ち合わせているらしく、強力の神にそそのかされたりはしないが、ロリ●ンの神にはそそのかされる
提督(残虐)
袖から蛇がでる
提督(クソ知性)
スネークがバイトしたりジェノサイドしたりする
海軍大本営が誇る直轄区、四大鎮守府…
横須賀、呉、舞鶴、佐世保、各地に大小様々な鎮守府もしくは海軍基地はあれど、その大小様々の上に燦然と君臨する大本営直轄のこの四拠点は並大抵のエリートではない、エリートの中のエリート…そのまたエリートの中のエリート、所謂、スーパーエリート将校だけが所属する誠のもののふエリート鎮守府と言われており、兵学校を所属するグリーンボーイ達もいずれはこの四大鎮守府に!と誰しも夢を見る、まぁ………平たく言ってしまえば、昔の巨●にドラフトで指名されるくらい嬉しい事である
そして……その、四大鎮守府の内、キュウシュウを拠点とするのが佐世保鎮守府、最近なんか街が賑やかになったとかなんとかと噂の佐世保の街に存在するその鎮守府は今、最大級の警戒を強いられていた…ッ!
『我々はただ、ここを通りたいだけだ、君達はそれを見ているだけでいい』
佐世保鎮守府内、司令部施設の大型モニターに映るメガネの男は有無を言わさぬと言う姿勢を示している…
一時は大佐まで昇り詰め、現在は色々やらかした結果中佐に収まっている男だが映像越しからでもわかる絶対的威圧感は佐官の持つそれではない、もっと上の……いや、それとはまた違う凶々しさすら感じさせる
『3時間後、我々はここを通過する………懸命な抵抗か、賢明な判断か、好きな方を選ぶといい、もっとも…前者はあまりお勧めはしないがな』
溢れる知性のメガネをギラリと光らせ、通信は切れた…
「どうするんだ?提督」
通信の切れたモニターを前に、小柄で些か目ツキの悪い秘書艦は隣に座る上官にこの事態についてどうするのか、平たく言えば、やるのか、やらないのか、その指示を求めた
「…まぁ、好きにさせるワケにもいかんよな」
「なら、やるってコトでいいのか?」
深く椅子に座る大柄な偉丈夫は腕を組んだままその返答をすぐには答えずにいた、それだけ事態は複雑で難しいのだろう…
「若葉、例の艦隊の映像をもう一度見せて貰えるか?」
「…まぁ、いいが……」
秘書艦若葉は若干何か思うところはあったようだが、今は、自身の上官の指示に従って件の艦隊を捉えた映像をモニターに映した
「………ふむ」
その男、野獣の肉体に神技の指揮能力を持つ不世出の天才……そう称される事もある四大鎮守府の一角、佐世保鎮守府を預かる男、九頭路里中将は鋭き野獣の眼光でモニターを凝視する
『暁のリュックに入ってたチョコレートないんだけど!?』
『ハラショー、こいつは力を感じない』ポリポリ
『生意気にも無糖じゃない』ポリポリ
『暁ちゃんには無糖とか100年早えーのです』ポリポリ
…現在進行中で空撮カメラが捉えている映像には件の艦隊の姿が映る、その数は軽く50は超え100にも迫る勢いの大艦隊ではあるが、不思議なことに駆逐艦や海防艦ばかりしか存在せず、戦艦や空母どころか重巡軽巡も交じっていなかった、そして、映像から見るに……彼女達は艤装を纏っているものの、まるでこれから戦いに行くといった雰囲気は無く、むしろお菓子を食べたりお喋りしたりと、まるで楽しい遠足に行くアホな子供のようにハシャいでいる様子に見える…
「…若葉タソ、もうちょっとズームで」
「この距離でいいだろう」
「いや、もうちょっと、もう一声ぐらい」
「ダメだ」
「暁ちゃんマジ暁ちゃん」キリッ!
スパーン!!(便所スリッパ)
若葉は履いていたスリッパで上官の頭を力強く叩き、九頭は、ンンイったー!!と言いながら机に顔面を強打し、若葉はその頭をギリギリと上から抑えつけた
「…真面目にやれ」
「お…おふっ!真面目でござるよ!拙者はいつでもくちくかんのエンジェルス達には紳士で真面目でござ…」
佐世保鎮守府を預かる海軍中将九頭路里、彼は生粋のロリコンだった……
◆◆◆
「ま〜じ〜たいむと〜りくじゃない〜♪」
さて、無事ママのお茶会もといセレブのお茶会を終えてキュウシュウへと帰還したワケだが……たしか香取先生が駅に迎えに来ると連絡があったな
「オイ起きろ、立って歩け、前に進め」
「…ん」
「ウヘヘヘ〜…Darling〜…」
電車の旅に飽き、既にアホな子供特有のアホヅラで寝ていた山風とジャーヴィスを起こし、自販機で缶コーヒーを購入して駅の外に出ると、駅前のロータリーに見覚えのあるムースピンクパールの可愛らしい軽自動車が停車していた…
「お帰りなさいませ、提督」
「これはこれは香取先生、すいませんなぁ〜わざわざ」
軽自動車から降り、丁寧に頭を下げる香取先生……まったく、香取先生はいつだってエレガントな佇まいでいらっしゃれる、この眠気と睡魔に絶賛完堕中のクソガキどもにも香取先生のエレガントを1ppmぐらい見習って欲しいものだよ
「では参りましょうか…」
トゲトゲとサラサラを後部座席に放り込み、香取先生はどうぞどうぞと言って助手席の扉を開け、俺はすいませんなぁと言いつつも助手席のシートに座り、香取先生は運転席に座ると車を発進させた
「すいませんなぁ、お迎えに来て頂いた上に運転まで」
「いえいえ」
ちなみに、俺は電車の旅なのをいい事に電車内ではアルコール少々お召しになっていたので運転は出来ない、飲酒運転、ダメ、ゼッタイ
さぁ〜て、明日からは基地運営に戻っていつも通り、軍の狗として日々の仕事に従事し、地域の皆様方と密に連携を強化しつつ人と地元に愛される海軍基地として邁進しないとなぁ〜…
「………ところで香取先生」
「はい?」
「この道は高速へ向かう方向では?」
「えぇ、高速道に入りますが……あ、もしかして高速を使わずに一般道を通った方が?」
はて?基地に戻るのに高速を使う必要など皆無なハズだが…むしろ、高速使ったら基地からドンドン離れちゃうのだが…?
香取先生は高速の入り口を通過し、音楽でもかけましょうか?とカーステレオを操作し、高速道路に相応しいゴキゲンなmusicが流れ出す…
煌めけwonder!割れろ6-pack!極めろMolester!罪と言う名のtrainに狩人が集う(キセル乗車)狩場を求めて彷徨うオレ達はそう!罪深きNAKAの奴隷!DO-REI!DO-0!DO-礼ィィィィィ!!(Fuck in my self…)GO TO THE POLASTARS!NAKAと言う一等星!輝きの硬度10#!硬度10#!(ロンズデーライ!ロンズデーライ!)……
「………」
カーステの下段に入っているCDをチラリと見てみたが………そこにはアイドルと言う方向性がよくわかってないであろう艦隊のアイドル、NAKAさんがデカデカと写ったCDジャケットが入っていた…
「香取先生」
「なんでしょうか?」
「一応、念の為に確認したいのですが………これは長崎道方面へ向かっておられますか?」
「えぇ、長崎道方面へ」
何故長崎道方面へ…?いや、待てよ……?おそらくは香取先生の事だ、きっと何か深い考えがあるのだろう
「提督が出かける前に仰られていたお考えですが……現時点でほぼ9割の作戦を終わらせております、さしでがましいようですが……やはり最後は提督自らが赴き、艦隊を前に高らかに勝利を謳うのが宜しいかと思いまして……」
「ほぉ…9割を」
…作戦?…9割?え?なにそれ?
「素晴らしい、さすがは香取先生です」
「ありがとうございます」
…とりあえず、よくわからんが香取先生は俺が居ない間に何かめんどくさげな作戦をやってくれてたんだな!なるほどなるほど…
「佐世保湾は戦艦空母を中心に包囲、念の為に湾内に潜行させている潜水艦が市街地への攻撃射程圏にて待機させております」
「ふむ……市街地を」
「はい、それと…佐世保工廠に流入される予定である資材は陸路にて奪取しております」
「ほぉ………資材を」
………ダメだ、言ってる事が何一つ理解出来ん!っーかさっきからあきらかに危険な単語がバリバリと飛び交ってないか?ってかバリバリか?不穏な風がビュービュー吹いて止まんなくないか?
「さすがは香取先生、なるほど…資材についても考えておられていたとは……私の予想以上ですな」キリッ
「ありがとうございます、でも……きっと、提督は全て予想されていたのでしょう…」
「ハハハ、そんなコトはありませんよ」
いや、マジで………むしろ状況がまったくわからん、いや、全然わからん!後部座席でグースカグースカ69の形で転がって良いユメ見てるクソガキ様どもに殺意が湧くぐらいわからん、ジャーヴィスの屁が山風の顔面に炸裂し、スゲーイヤそうな顔してる山風がジャーヴィスの尻をビタビタと叩いている、コイツら寝てても仲悪いな…
………そして、事態がイマイチよくわからないまま香取先生の軽自動車は無事に高速を降り、一般道をちょっと走ってから海の方へと行くと、海沿いになにやら見慣れた小型の船が停まっていた、アレ、ウチの釣り船じゃん…まぁ、正確には巡視艇とかそんな感じのアレだけど、普段はもっぱらイカ釣りとかに使ってるが
「あ、提督、やっと来ましたね」
「やっと来ましたね、じゃねーよ」
船から顔を出した見覚えのある青髪ロング子は俺の顔を見てよっこらせとか言いながら船から飛び降り、普通に着地した
「危ねーなオイ、ケガしたらどうすんだ?」
「まさか受け止めてくれる気でしたか?」
「オマエのジョークは面白くないのだよ」
見た目はただの青髪ロング子でもさすがは艦娘、鍛え方が違うと言うワケか……だが、この前、熊野が木のぼりしてたら降りられなくなりましたわーとか言って木から落ち、無様に痛いですわーとか言いながら転げまわっていたが…
「あら?ようやく本物が来たのね…」
「ん?」
船から聞こえたもう1人の声、そいつも船から躊躇うコトなく飛び降りて見事に着地した…………がッ!?
「遅かったじゃない?」
「……え?誰コイツ?」
降り立ったそいつの姿は………まさしく俺!!俺自身!?え?なにこれ!?ドッペル!?ドッペル的なゲンガーとかそんな感じのアレか!
「私よ」
そう言って、目の前に立っていたドッペル俺はル●ン三世みたく顔の表面をベリベリと剥ぎ、その正体を現した…っ!!
「なんだ、川内か…」
「なんだとはご挨拶ねぇ」
SHINOBIならば敵味方問わずに憧れるニンジャマスターと呼ばれる不死身のニンジャ、川内は着ていた服も脱ぎ捨て、驚異の早着替えでいつものスタイルになった
「提督の代わりにキチンと提督してあげたのよ?感謝して欲しいものねぇ」
「はぁ?俺の代わり…?」
「とりあえずお話は中でしましょうか?」