そんなワケで中編
【登場人物】
提督(紳士道を尊ぶ大人)
厳しいだけが教育じゃない、それを教えてくれたのは先生でした
山風(キレる子供)
そのアタックはまるで重機関車
Jervis(キレる子供)
ティー!飲まずにはいられない!
有馬優(キレない子供)
今回もおとなしい
前回までのあらすじィィィ!!
オッス!オラ提督!未来の世界は人造艦娘ちゅースゲー悪い奴らにメチャメチャにされた世界になってるらしく、戦える戦士はみんなその人造艦娘ちゅーのにやられちまったらしい、カーッ!悔しいなァ!で、現代に居るドクター・モロってヤツを見つけてとっちめねーと未来はメチャメチャにされちまうってんだ!ただ、そのドクター・モロってのはとんでもねー変態力を持ったド変態らしく、同じ変態力を持つオラでも勝てるかどうかわからねぇ!そいつに勝つ為にはオラも色々捨てて変態を超えた変態、スーパード変態になるしかねぇ!!
「………さて」
香取先生からのよくわからない電話を終え、窓の外を見ながら空はこんなに青いのにと考える、香取先生の言っていた例の件は一体なんだったのか?たぶん演習とか遠征とかそんなコトだったとは思うが……まぁ、香取先生にお任せしておけば問題ないだろう
しかし、このまま部屋に戻るのも鬱で仕方ないな…とりあえずタバコでも吸って戻りたいところだが、喫煙所がどこにあるのかわからんし、あの険悪ガールズから目を離しているとマズい気がするので俺は大人しくステキなティーパーティーを開催している部屋へと戻るコトにした…
◆◆◆
「やったなヤマカゼ!またワタシ達のコンビネー!」
「ありがとうJervis!だがキミあっての勝利さ!」
…ティーパーティーの会場に戻ると、なんか山風とジャーヴィスはガッチリと握手してお互いの背中をバシバシ叩き合っていた
「さぁ!この勝利を早く提督に伝えないと!」
「えぇ!きっとDarlingも喜ぶワ!」
なんかよくわからんが、俺がちょっと席を離している間に、なにやらボールを使ったレクリエーション的なゲームをしていたらしく、その辺にいたメイドさんみたいな人曰く、山風とジャーヴィスはとても息の合った絶妙なコンビネーションを見せてくれたそうだ…
そうかそうか、お互いに険悪ガールズと思っていたが……俺はてっきりコイツらならお嬢様を巻き込んでキィーキィー取っ組み合い始める大惨事を起こしかねないと考えていたが、どうやら杞憂だったらしい…
「あ、提督だ」
(…今、ジャーヴィスとあんな会話をしていたが、私はあのクソチビキンパツにまったく友情を感じていない!)
「Darlingおかえりー!」
(フン!友情だと?キレイ事を並べてニコニコするなよなぁ、クズどもが!このトゲチビと表向き仲良くしていたのはこの機を待ったからネ!)
「ハッハッハ、仲良き事は素晴らしきコトですなぁ」
「///」
俺は席に座り、お嬢様の無事を確認して一安心……いや、マジで、マジでコイツら目ぇ離したらナニすっかわからない恐怖があったよ、マジで
「ヘイ!Darling!アタシがお茶持ってきてアゲ・ルー!」
「ん?あぁ、悪いな」
ジャーヴィスはソーサーに載せたティーカップを俺の前に置き…
「待て…っ!!」
「チッ!!」
山風はそんなジャーヴィスの腕を掴み、ティーカップを俺の前に置くのを止めた!な…なんだ?一体
「…今、提督のティーにサーッと混ぜた白い粉、なに?」
「し、シロイコナァ…?」
なんか明らかにジャーヴィスは動揺し、ビュービューと下手くそな口笛を吹いている、嘘下手かッ!!嘘下手かこの子は!?
「しゅ…Sugarネ!そう!Sugar!Darlingは甘めがスキよ!そう!ゼッタイ!決してArkから貰った“私の村に昔から伝わる気になる意中のDarlingに飲ませるマホーの媚薬”とかジャないカラー!」
ナニ渡してんだァ!あのクッ殺田舎騎士はァ!!アホか!?アホなんだな!ナニが私の村に昔から伝わるだボケ!!民間療法か!!昔のお婆ちゃんが作ってるよくわかんねー薬かッ!
「…出して、それ、調べるから出して」
「チィ!!」
山風はギリギリとジャーヴィスの腕を握り、ジャーヴィスもギリギリと歯ぎしりし、お嬢様はそんな2人にどうしていいのかオロオロしている…
「ヘ…ヘイ、ヤマカゼ、このSugarを疑うってコトは友情を疑うってコトネー……友情を失うネ…」
「…友情?じゃあ、そのシュガーがホントにシュガーかヘーカに誓える?」
「れ…Ladyに!?」
「…誓ったら謝る、どう?」
「う…ウ〜ン、Ladyにはちょっとムリだけど……ウ〜ン、やっぱりムリだけど〜」
黒だよッ!!真っ黒だよこの子!女王陛下に誓えないよ!だが……一応やましいことの意識はあるんだな、うん
「せめてArkぐらいになら………Arkぐらいになら………ウ〜ン、ウ〜〜〜〜ン!!」
(ハハ!ジャーヴィス!馬に乗れないなんてダサダサだぞ!)
(ハハ!ジャーヴィス、ピーマンも食え!ピーマンも!私?私はいいんだ、大人だからな)
(ハハ!ジャーヴィス、そう言えばこの前Admiralとマミーヤでヨーカンを食べてな、アレは美味かったぞ、うん、それでだ、やはり互いの親睦をより深めるべく食べさせっこをしてみたりだな…)
「あんなクズに誓う名誉なんかあるかァァァァァァァ!!」
突然キレたジャーヴィスは山風の手を振りほどいてその山風の右頰にパンチし、山風はお返しとばかりにジャーヴィスにパンチを返した
「…やはり私達には友情なんか無かった!ジャーヴィスェ…!」
「フン!仲良しごっこはここまでヨ!ヤマカゼェ…!」
遂にTPOと言う名の仮面を脱ぎ捨てたヤンチャガールズは互いに椅子を蹴って互いに飛びかかる!!………とは行かない!俺はそんな山風とジャーヴィスを両脇に抱え、ちょっと向こうで話をしようかー!な?ちょっとこっち来い!な?と壁際まで引っ張り込んでドンした!
どんっ!!(壁に)
「オマエらァァァ!わかってるよ?うん、オマエ達がスゲー仲悪いってのは提督よくわかってるから!でもなッ!ちょっとだけ!今はちょっとだけおとなしくしよーなッ?な?おとなしく大人のレディになろうな?な?」ヒソヒソ
「…お、おぅ…」ヒソヒソ
「う…ウン、お…OK」ヒソヒソ
「な?コレ終わったら帰りにハンバーグ食べていいし!ゲームでも玩具でも欲しいものなんでも買ってやるから!な?ホント今だけ!ホント今だけ提督を困らせるのはやめような?な?」ヒソヒソ
俺の熱意ある説得を理解ってくれたか、2人のヤンチャガールズは若干引き気味な顔してたが首を縦に振ってわかってくれた……そうそう、提督は素直な子は好きなのだよ、うん、俺は2人の頭に手を置いて適度に撫でた
「わかってくれて嬉しいよ」ヒソヒソ
「…提督、じゃ、帰りに…お買い物、したい…」ヒソヒソ
「よし!いいね!下着以外なら何でも付き合うぞぉ!」ヒソヒソ
「あ、じゃ!アタシCinemaとか見たい!」ヒソヒソ
「いいねー!ジャパニーズホラー以外なら何でも付き合うぞぉ!」ヒソヒソ
よしよし、とりあえずコイツらもコレでおとなしくなるだろう、ヘヘッ、チョロいモンだぜ…ガキなんてのはよぉ、仮に、おヨメさんにしてーとか言ってきたら156㎝になったらまた来いや!で済む、フフフ…これが大人の特権だよ
こうして、俺たちは何事もなかったように、結束も新たにテーブルへと戻った…
「失礼しました、お嬢様」
「/////」ふるふる
お嬢様は特に機嫌を損ねたといった様子もなく首を振って少し笑った………まったく、お嬢様はまだ若いと言うのに人間が出来ているなぁ、ウチのバカどもにも是非見習っ欲しいものだよ、ま、ムリだろうが…
次回こそ後編、お嬢様のターン