不健全鎮守府   作:犬魚

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自称メインヒロインとゲームするゲーム回

【登場人物】

提督(メガネ)
自称、知性溢れるメガネ男子、好きなカレーは母さんのカレー、どんな名店のどんな名シェフのカレーを美味いと感じても、最終的には男は母さんのカレーに落ち着く

鈴谷(ただしビッチである)
自称、誰もが羨むメインヒロイン様、好きなカレーは人に奢らせた高いカレー、空腹は最高の調味料だと思っている


提督と鈴谷とファイナルロマーンス

「ティーッス、作戦海域終わって暇そうな提督のトコに鈴谷様が遊びに来ましたよぉ〜」

 

特にやる事のない春の執務室、今日は五月雨も特にやる事もないので休暇を取って夕張のアホンダラと近所のイ●ンモールに遊びに行っており、俺は1人、執務室でヨガのポーズに興じていた…

 

「…って、ナニやってんの?」

 

「ご覧の通り、ヨガのポーズだが?」

 

「いや……ご覧の通り?え?それ、大丈夫な感じなの?」

 

ヨガのポーズ、それは肉体のダメージを回復し、提督強度を6倍に高める効果がある…

 

「まぁいいや、暇ならゲームしよーぜ!ゲーム!近所のゲーセンにワールド●ーロズ2JETに入荷したってば!」

 

「マジか!!」

 

「マジ!アツいっしょ!こりゃもうヤるしかないっしょ!ヤらざるを得ないっしょ!さぁ行こう!すぐ行こう!マジ鈴谷のシャークナッパーで提督とかKOよ!KOよ!」

 

「やめておけ、そんなものは俺には効かない」

 

鈴谷はさぁ行こうぜ!すぐ行こうZE!と俺の腕を掴んでグイグイ引っ張るので、とりあえず俺は鈴谷の下腹に鋭さと強靭さを込めた肘を叩き込んだ

 

「おごぉ!?………ちょ、なんで…?今、肘…?」

 

「気安く触んな、ビッチが」

 

「ビッチじゃねーし………っ、クッ!忘れていた、そういや提督の鈴谷への厳しさは氷河期のごとき厳しさだと言うコトを…ッ!」

 

ーーー

 

そんなワケで、俺は鈴谷と共に近所のゲーセンこと格闘者達の聖地、ゲームセンター覇我亜怒へとやって来たワケだが…

 

「多いな」

 

「多いじゃん」

 

さすがに導入初日と言うだけあって台には覇我亜怒ランキング上位の格闘者達が群がって並んでいる、前作である無印2は些かアレだったがどうやらJETは対戦ツールとしてはそこそこイケる仕様になったらしい…

 

「さすがにコレはないな」

 

「えー!マジでー!」

 

順番が回ってきたとしても、速攻でニューチャレンジャーされて瞬殺確実ぅ!は目に見える、上位ランカーは俺や鈴谷とは比べものにならない怪物だらけだ、仮にあそこに居る鳥海クンがコインを入れただけでKO、霧島ならコインすら入れずにKOされるレベルだ

 

「よし、諦めた!別のにすっぞ!別の」

 

「まぁ、しゃーなしじゃん……じゃ、ナニする?K●F?」

 

「やだよ、だってオマエ弱いもん」

 

「弱くねーし、提督とか鈴谷の八稚女でKOよ!KO!」

 

コイツ、何故執拗に八稚女に拘るのか……むしろそれしか狙わない姿勢に敗北の原因がある事を学ばないのか、ある意味前向きではあるが、前向きすぎてボディがガラ空きである事に気付けばいいものを…

 

「まぁいいや、ZER●3すっか、ZER●3」

 

「えー…鈴谷6ボタンはちょっと」

 

「誰がオマエと対戦なんかするかボケ、おひとり様でプレイするわい、あっちの斬紅郎無●剣でもやってろ」

 

「やだし、じゃ、斬紅郎で対戦しよーぜ!斬紅郎!」

 

「やだよ、オマエ弱いもん」

 

「弱くねーし!提督とか鈴谷の無限砲でKOよ!KO!」

 

コイツ…躊躇うことなくラスボスを使用する気か、まぁ、そんなものは関係ないレベルでこのゲームは色んな意味でブッ飛んだ仕様なんだが…

 

「うっせーなぁオイ、俺は弱いものイジメはしない主義なんだよ」

 

「ハァ!?鈴谷弱いものじゃねーし!強いものだし!」

 

「やかましい、強いものってのはあそこで即死コンボの撃ち合いしてるメガネの人達のコトを言うんだよ」

 

…そして、その怪物達の頂点に立つ最強の存在、バトルキングこそ唯一無二の真なる強いものと言って過言ではなかろう

 

「もうなんでもいいから対戦しよーぜ!対戦!とにかく鈴谷は提督とヤりたくてヤりたくてウズウズしてるじゃん!とにかく提督とヤりたいって鈴谷の“欲”が疼くんだよォ〜…」

 

「ヤリたいヤリたいうるせーよ、欲求不満か?あ?」

 

いかんな、こんなところで如何にも遊んでそうなJKがヤリたいだのヤラせろだの言って揉めている姿を有識者に見られたら通報されるかもしれん

 

「欲求不満じゃねーし」

 

「そんな勝負したいってなら〜……お、アレにするか、アレ、エアホッケー」

 

「エアホッケー!いいじゃん!」

 

…エアホッケー、ゲームセンター以外にも温泉やらボウリング場にも置いてある事が多い大型ゲームマシン、エアーで浮いたパックをマレットと呼ばれる道具で叩いて相手のゴールに叩き込むとてもシンプルなゲームである

 

「鈴谷エアホッケー超強いよ!マジ提督とか瞬殺よ!瞬殺!」

 

「何が瞬殺だ」

 

「あ、鈴谷が勝ったらいちま……五千円ね!五千円!」

 

「いいだろう、俺が勝ったらファイナルハ●ンの鞍に三角スケール置くからその上に乗れよ」

 

「へ…変態っ!!変態か…ッ!!」

 

「変態じゃない、提督だ、やるのかやらねーのか?」

 

「………やる」

 

やるのか、この条件で…とんだド変態だなコイツは…

そんなワケで俺たちはエアホッケーのところへ行き、コインを投入するとパックが出てきてゲーム開始のエアーが噴き出した

 

「よし!先行は鈴谷のターン!死ねェェェェェ!!」

 

「右の確率80%」

 

鈴谷が打ち込んできたパックを弾き、俺はメガネをクイッと上げた

 

「な!?」

 

「データ通りだよ」クイッ!

 

「こ…コイツ!メガネキャラみたいなコトを…ッ!メガネだけど!」

 

…俺と鈴谷のエアホッケー勝負は熾烈を極めた、互いにパックを叩き合い、ときにパックを上から叩き潰し、ときにマレット投げと言う禁じ手まで使用する文字通りのデスマッチとなった…

格ゲーではゴミ以下の鈴谷だが、どうやら体感ゲームではゴミ以下ではないらしく、そこそこやれるらしい…

ただ、その激しいアクションのせいでいちいちオパーイが揺れ、スカートが激しく上下するので周りにはいつの間にやら近所の中高生くらいでイキリボーイ達がやや前屈みで集まっていた…

 

「フー!フー…!これで、終わりじゃあァァァァァァァ!!」

 

点差は同点、鈴谷が叩いたパックは勢い良く俺のゴールへと吸い込まれ………ない!止まる!パックの勢いが止まる…っ!!

 

「は?え…?なんで…!?」

 

「時間切れだな」

 

既にマシンからは噴き出るエアーが止まっており、点差は8対8でピカピカと点滅してゲーム終了を告げていた

 

「カーッ!引き分けかーっ!!もう一回!もう一回しよーよ!」

 

「やだよ、疲れたし」

 

「は?逃げるんですか?」

 

「…あ?誰が逃げるって?」

 

このビッチが、俺が逃げるだと…?随分とチョーシに乗ってくれるじゃねーの、上等だよ

 

「その舐めた口をきいたコト後悔させてやんよ、言っとくが負けたら全裸でファイナルハ●ンニーさせるからな」

 

「へ…変態ッ!!変態ッ!!」

 

「変態じゃない、提督だ」

 

◆◆◆

 

近所のイ●ンモール…

 

「あ、充電くんの色違い出るんだ〜…買おっかな〜」

 

「なんですか?それ?」

 

休暇を利用し、近所のイ●ンモールにお買い物に来ていた夕張と五月雨は適当に春物を見て回り、軽くパスタ的なものを食べ、夕張の用事であるプラモ的なものを見ていた…

 

ブー!ブー!(振動)

 

「あ、メールだ」

 

「なに?提督?甘いもんでも買ってこいって?」

 

「ん〜………まぁ、そんな感じですかね」

 

五月雨は一言、うわ…引くわーと言って携帯電話をポケットにしまった


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