不健全鎮守府   作:犬魚

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だらしない提督ですまないと謝りたいと感じているから感謝と言うのだろうなのだよ

【登場人物】

提督(220)
だらしない提督、甲勲章と言う名の最強の華を墓に添えたい修羅道は卒業した

五月雨(62)
だらしない秘書艦、有能に見えてコーヒーはマズいドジっ娘


提督と五月雨と勲章の謎

甲勲章…

 

それは、数年前に海軍本部から通達される中〜大規模作戦にて輝かしくも雄雄しき益荒男のごとき大戦果を挙げた提督に贈られる名誉ある勲章である…

そして、提督はこの勲章を持っているか否かで周りからの評価は神と虫ケラほどの差があり、しかも、持っているだけで宝くじが当たり仕事が順風満帆になり彼女も出来る効果があるとかなんとか…

 

「甲勲章?あぁ、アレな、マゾ御用達の」

 

「何がマゾ御用達ですか、甲提督に謝って下さい」

 

「すいませんでした」

 

「あれ!?結構素直にっ!?」

 

そして、これはワリと提督業も長いのに未だに甲勲章を持ってないだらしない提督のお話…

 

◆◆◆

 

「アレですよ、アレ、会議とかで他所の秘書艦さんが集まると、ンマー宅の提督ったらまた勲章頂いちゃってー、ンマー置き場所に困るのよねー、ンマー宅はサイドボード新調したアマス………みたいな話してますね」

 

「ナニがンマーだ」

 

一雨ごとに春が一歩一歩と迫り来る春の執務室、俺は湯呑みに入ったアツいティーを飲みつつ次なる海への編成を考えていると、ふと、資材の申請はお早めにとかなんとか書かれた上から来たFAXが目につき、その紙に甲勲章の交換がどうのこうの書かれていた…

 

「甲勲章ってたしかその気になれば資材と交換してくれるらしいですね」

 

「らしいな、持ってないから知らないが」

 

「せっかく頑張った栄光の証を資材と交換するってどんな気分なんでしょうね」

 

「さぁな、オリンピックの金メダルをオークションに出す気分じゃねぇの?」

 

「なるほど…」

 

いや、むしろ過去の栄光に縋らず、常に最高の戦果だけを出し続ける決断こそ最高のCOOLなのではないだろうか?まったく……アーン?どいつもこいつも最高にCOOL!COOL!COOL!じゃねーの?

 

「そう言えば、甲勲章って持ってると軍の保養施設とか割引されたり、艦隊司令免許の更新期間が3年から5年になったり講習受けなくて済むらしいですよ」

 

「え?マジで?」

 

「まぁ、聞いたハナシですけど、あ、お菓子食べますか?」

 

五月雨は戸棚からハッピー●ーンを袋を取り出してそれを皿的な物に入れて俺の机に置き、既に空になっていた湯呑みにアツいティーを注ぐ………こーゆートコがムカつくなコイツ

 

「講習かぁ〜…講習ダルいんだよなぁ〜」

 

「まぁ、提督の場合は長い講習ですしね」

 

「まったくなのだよ」

 

年四回の作戦海域の内、最終戦二つを丙で攻略完了すると丙提督講習なる講習に呼び出される、ちなみに、この講習は一日中みっちりと何故丙だったのか?恥ずかしくないのか?やる気はあるのか?と、有難いお話を拝聴する事になる…

 

「そういや講習のお知らせ来てましたよ、一日講習」

 

「ンマー、一日講習とかギガント面倒アマス」

 

「ナニがギガント面倒ですか」

 

「まぁいいや、どうせ行かにゃならんし、行くだけ行って有難いお話を聞いてくるかぁ〜、サミダックスフンド、切符買っといてくれ」

 

「自由席ですか?不自由席ですか?あと、五月雨です」

 

なんだよ不自由席って……アレか?到着まで手とか足とかをベルト的な何か拘束され、アイマスク装着とヘッドホン装着する感じのアレか?

 

「自由席だ、俺は何より自由を尊ぶ男だからな」

 

「自由席ですね、じゃ、私は指定席にします」

 

「何が指定席だ、お前…普通アレだろ?俺が自由席ならお前も自由席だろ?あ?なんだ?お前は俺のなんだ?」

 

「部下…?ですかね」

 

「部下だよ、そうだよ!部下だよサミダイソーくんよォ?………いや待て、部下…?」

 

よし、たまにはこの小憎たらしい青髪ロング子にイキでイナセな提督様流の反撃でもしてやるか、クックック…今から貴様が恐怖に慄く顔をみせると考えると胸がこう……高鳴るわい!

 

「なんですか?」

 

俺は一つ咳払いをし、前髪をかき分けて爽やかなイケメンスマイルを五月雨に向け…

 

「いや、サミ……サミダ、五月雨くん?いや……… Mein Freund (我が友)よ」

 

「………すいません、超吐き気がして目眩がするんで早退していいですか?」

 

五月雨は口元を抑えて心底嫌そうに片手を挙手した

 

「そこまでかッ!?」

 

「………えぇ、小粋なテイトクジョークだとわかってはいるのですが、私の予想以上の破壊力と言うか……うっ、早く部屋に戻ってアイナナでも観ないと…」

 

「オイオイオイ、おじさん、そんな火の球ストレート受け止めきれないぞ、おじさんだって傷つくんだぞ」

 

「これはアレですね、珍しく……痛み分けですね」

 

「まったくだ」

 

この後、互いに気分の優れない俺たちは、とりあえず甘いもん食ってエネルギー充填すっか!との結論に達し間宮に行ってなんかチョコレート垂れ流しみたいな何か食べた






次回から後半戦ですって

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