【登場人物】
金剛姉妹
平均練度98のヤンチャガールズ、艤装がAGP
鈴谷と熊野
攻撃型軽空母、レップーを借りた
能代
阿賀野姉妹の次女、やる気元気だって無敵
前半の海最終戦!VS深海レイテ侵攻主力輸送船団!
『野郎ドモ!海軍ヲ滅ボセーッ!』
『何ガ海軍ダ!生カシテ帰スナーッ!!』
護衛棲水姫率いる深海連合艦隊に対するは金剛率いるレイテ沖襲撃部隊、まずは挨拶代りの基地航空隊による轢き逃げアタックを敢行、続いて艦載機による轢き逃げアタックを………
「や、鈴谷レップーしかないんだけど?」
「えぇ、レップーしかありませんわね」
今回は軽空母として起用されている鈴谷と熊野は、とりあえず基地に居た暇そうな空母の人になんかカッチョイイの貸してーと頼んだ結果、烈風と烈風と烈風と烈風を借りるコトに成功した…
「まぁいいや、とりあえずレップーでも飛ばしとこ」
「これはまさにアレですわね!熊野攻撃隊ならぬ、これまさにヤ●キー烈風隊ですわー!」
「…前々から気になってたけどさ、熊野ワリと変なの知ってるよね」
「変とはなんですの!変とは!」
ケチなセンパイ達が量産型友永殿を貸してくれなかった結果、とりあえず護衛棲水姫率いる深海連合艦隊の艦載機とのアツかりし空のバトルを繰り広げ、鈴谷と熊野の戦いはこれで終わった………かと思いきや、そんな鈴熊に肩を叩き、金剛姉妹の末妹は努めてCOOLに次の指示を与えてくれた
「航空戦が終わったアナタ達の役目は盾になることよ、腕が捥げようが足が千切れようが私達の盾になりなさい」
「ハアァ!?」
「い、イヤですわ!」
「大丈夫よ、人間、一つなくても大丈夫なように大事なものは二つづつあるのよ?目だって耳だって肺だって腎臓だって心臓だって二つあるでしょう?」
霧島の言葉には迷いも躊躇いもない、ただ、その眼光にはヤレと言ったらヤル!というスゴ味があるッ!つまり霧島はこう言っているのだ、お前達は死ね、死んで男にならんかい、と…
「な……なるほど、たしかに二つありますわ!」
「や、熊野、冷静に考えよ!冷静に!心臓は一つしかないから!」
「ですが、ハ●ラーには心臓が二つありましたわ…」
「それハ●ラーだからァァァァァ!!」
鈴谷は熊野の肩を掴み目を覚ませ!とガクガク揺らしてみたが、そんな鈴谷の襟首を掴んだ金剛姉妹の次女、比叡は飛んで来た砲弾に対して鈴谷をコールすることでインターセプトした
「グヘァ!!痛いッ!?って痛ぁぁぁぁい!!」
「まだよ!!」
ガード!ガード!ガード!完全ガード!と立て続けに飛んできた砲弾をガードするその様子はまさに一流のファイターそのもの…ッ!!そのアツいファイトは見る者を常にアツくしてくれる
「艤装が変な形になっても榛名は大丈夫です」
そして、三女である榛名は艤装をまるで巨大な手のように変形させ、手近に居たワ級を握り潰して爆散させた…
『ウギャアアアアアアー!!』
「なるほど…デッドエンドフィ●ガーとはこういうものですね!」
ーーー
こ…コイツら、キレてやがる…ッ!キレてやがる…ッ!
仲間?を平然と盾にする卑劣さ、相手を潰す事に一切の躊躇いもない残虐性!芋姫センパイがヤベーんだよ、海上で戦艦マジヤベーと言っていたが……まさかここまでヤベーとは
『ウギャア!護衛棲水姫クンーッ!』
『コノママデハ終ワランゾォー!終ワランゾォー!ゾォー…!』
一人、また一人と散っていく深海連合艦隊のチームメイト達……あの戦艦どもが全員ヤバイ奴なのは確定だが、中でもあの頭にポン●リングみたいなヤツ載せてるヤツのヤバさは飛び抜けている…ッ!
「………フゥゥゥム、まだ、足りないですネェ〜…この拳ではまだ届かないデース」
対・誰対策を想定しているのか謎だが、あの長女らしき戦艦の拳は腹にでも喰らえば三日はダイエット生活確実ぅ!のゲロリンになるだろう…
「倒すためではなく勝つための拳、なかなか難しいものデース」
『ケズッテアゲルヨ…! スコシズツネェ!』
「ん?」
だが私は勝つ!!こんなとこでビビってちゃロックじゃねぇ!躊躇わないこと!振り向かないこと!それがロック!!
「DIE!」
ズドオォン!!!(腹パン)
『ゲェーッ!果敢ニモ飛ビカカッタ護衛棲水姫腹カラブ厚イ鉄ノ扉ニ流レ弾丸ノアタッタヨウナ音ガーッ!』
『ダ…大丈夫ナノカーッ!?』
『ウゲェエエェェェェ』ビチャビチャ…
ダメだ、これ死ぬ、ダメ…マジ死んだわ私…
◆◆◆
「キレーに刺さりましたね」
「あぁ、キレーに刺さったな」
執務室のテレビで現場の中継を見ながらアツい茶を飲む、ゴキゲンなティータイムだ………しかし金剛め、拳がインパクトする瞬間に波動を叩きつけるとは大したヤツだ、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね
「あやつめ、あの殺意の塊みたいな拳を俺に向ける気か…」
「むしろ、なんで提督がそこまで金剛さんから執着されるのか未だにわかりませんね」
「俺にもわからん」
一般的な金剛はバーニングラヴと言う名の執着を持つ者が多いと風の噂で聞くが、ウチに居る金剛様に関しては悪い意味でバーニングしているバーニングソウル金剛様らしく、出逢ったその日から俺の事をLOVEではなく、DIEしたくて仕方ないらしい…
「覚えてないだけで何かしたんじゃないですか?冷蔵庫のヨーグルト食べたとか?」
「してねぇよ、ってか、そんなしょーもないで心臓狙うとかどんだけ心狭いんだアイツ」
「冗談ですよ、小粋なサミダレジョークってやつです」
「…サミダリューン、卿はジョークの才能もないな」
「失礼な、あと、五月雨です」
五月雨はややイラッとしたようだがすぐに気をとりなおし、冷蔵庫から取り出したペットボトルのオレンジジュースをグラスに注いだ
「あ、夜戦いくみたいですよ、夜戦」
「ん?あぁ、夜戦か」
さっきから、火を噴く能代のシャークナッパーが執拗にあの護衛なんちゃらのボディを貫いているので、まぁ、今回もなんとかなるだろう…能代のシャークナッパーでも見ようとテレビを見ると、なにやら現場に動きがあったらしく、カメラを持つ手がガタガタと震えだした…
「オイ、なんか画面がブレブレだぞ」
「何か変なものでも見つけたんですかね?」
「ったく、使えねー野郎だな、誰だよカメラ係は…」
舐めてるんじゃないですよ電話でもしてやろうとしたその時、テレビの画面に、本来映っている筈のない高貴な輝きが………
って!!陛下ァァァァァァァ!!陛下が御出陣しちゃってるぅぅぅぅぅ!!
「あれ?提督、陛下に出陣お願いしたんですか?」
「するワケねーだろッ!?オイ!なんで陛下が御出陣されてるんだ!?オイ、五月雨!聞いてねーぞ!」
「私も聞いてないですけど…」
ど…どういうことだってばよ?何故陛下が…?いや、アレは本当に陛下なのか?いやいやいや、陛下が御出陣されているワケがない、きっと見間違え………いや、まさか………邪眼!?
「五月雨」
「なんですか?」
「ちょっと俺の頰を殴ってみろ」キリッ!
メメタァ!!!(全力パンチ)
俺の頰にメメタァ!!!とよくわからない擬音を発しながら一ミリの躊躇もない鉄拳がメリ込み、俺は勢い良く椅子から転げ落ちた
「ゴブァ!!ガ……ガバァ!!…ハー……ハー……て、手加減なしかッ!!」
「だって殴れって言ったじゃないですか」
こやつめ、普通はちょっと痛みを感じる程度の平手打ちで良かろうに、普通にグーできやがった、普通にグーで
っーか痛てぇ、なんなんだコイツ?人間相手ならまず負けないレベルかなんかか?俺じゃなきゃ死んじゃうね
「まぁいい、だが許そう、俺は心が広いからな」
「そうですか」
こやつめ、後で膝に蹴り喰らわしてくれるわい
◆◆◆
舞台は再びレイテ沖、最終局面…
「な…なんだあの女騎士!格好良く現れてソードフィッシューしたと思ったら普通にハズしやがった!」
「なのに何故あんな誇らしげな顔が出来るのか…」
通りすがりの女王陛下による通り魔的ロイヤルファイヤーが過ぎ去り、既に膝ガクガクで立っている事が奇跡な状態の護衛棲水姫は、あかん、死ぬ、コレはマジで大事なナニかがベッキリ折れるコトを確信し、どうにか逃げ切る算段だけを考えていた…
『死、死ヌ………イヤダ、イヤダァァァァァ!』
「オイオイ、大破してもーたら即退散とはとんだ腰抜け水姫じゃのぉ!」
「まぁ、仕方ないけぇ…所詮深海棲艦なんぞ敗北者の集まりじゃあ…」
しかし、その余計な一言が既に折れていた護衛棲水姫のなけなしのPRIDEを再び奮い立たせた!!
※提督からの注意ですって!
大破撤退は腰抜けの選択ではありません、大事な艦娘が大破したらすぐに帰りましょう、大破撤退を気に病む事はありません、ただ認め、次の糧にすればいいのです、それが大人の特権だよ
『敗北者……?取リ消セヨ!』
ただ、護衛棲水姫は煽り耐性0だった…
『敗北者ジャネェ!コノ海域ノBOSSガ!護衛棲水姫ダーッ!!』
「よく言ったァ!この能代最大の拳で沈むがいいわーッッッ!!」
パワーを最大限に込めた能代殺人ナックルが護衛棲水姫のボディに突き刺さり、その身体がくの字に折れ曲がったものの、護衛棲水姫の身体の内から湧いてくる不思議なパワーはまだ膝を折らない!不倒!不屈!そのタフなスピリットが肉体を凌駕したのか!
しかし…
「早く死ね」
次順、大井の打順にて大井のヘッドスピード抜群にフルスイングした魚雷がキレーに顔面に炸裂、これが決勝打となり、護衛棲水姫はブクブクと気泡を残して沈んでいった…
「今日は姉妹で焼肉するから早く帰って来いって言われてんのよ、手間かけさせんじゃないわよ、カス」
こうして、大井の決勝打でこのレイテ沖戦を制し、チームは次なるステージへの挑戦権を無事に獲得して帰ってきた…
次回は通常回
提督が喫煙所でモクモクする回