不健全鎮守府   作:犬魚

414 / 940
前半海域最終ステージ、キラキラした勲章は早々に諦めただらしない提督

【登場人物】

西村艦隊
扶桑山城最上満潮朝雲山雲時雨のみに名乗る事を許された決して散る事の無い華の如きキョーダイ達、絶対王者として大胆に振る舞いたいからこそ日々の精進は怠らず、7年あれば2555日の全ては訓練の日々らしい

護衛棲水姫
芋姫センパイの後輩の軽空母、実家は深海ニワトリ飼ってるのでキモイ鳥の世話はわりと得意



レイテ沖海戦①

前半戦最終ステージ、レイテ沖海戦ッッッ!!

まずはBOSSへの挑戦権を得る為に再び出陣する菩薩のような尊さと定評のある扶桑率いる西村艦隊…

 

「ヘイ!山雲!ヘイ!」

 

「オーケー!朝雲!」

 

朝雲は空中でル級をロメロ・スペシャルで固めたまま落下し、海上で山雲にロメロ・スペシャルで吊り上げられたル級は落下してきたル級と鉢合わせる形で激突した

 

『『ウギャアアアアアアアア!!』』

 

「ミチシー!ヘイ!ミチシー!」

 

「オーケーもがみん!」

 

満潮と最上に掴まれたル級はそのまま左右の足を固められて空中に飛び上がり、勢い良く海上に落下した衝撃で全身に深刻なダメージを負って血反吐をブチ撒けた

 

『ドヘァ!!』

 

選ばれし精鋭、王者西村艦隊に逆らう者は冷酷!冷徹!冷血の信念の下に1人、また1人と無惨かつ愉快なオブジェのようにされて沈んでゆく…

 

「ふふふ…皆あんなにハシャいで…」

 

「見てください姉様、あそこ、飛び魚の群れが飛んでますよ」

 

「…あら本当、飛び魚の群れね…」

 

ハシャぎ回るチームメイト達を慈愛に満ちた温かい目で見守る扶桑は飛び魚ってあんなに高く飛ぶのねと感心したように頷き、せっかくだから写真でも撮りましょうと妹にカメラを向けて頂戴と頼んだ

 

「はい!ですが姉様、せっかくですので動画の方も残しましょう!最近のビデオカメラは大変高画質で撮影出来ますし、なんでしたら撮影した動画からジャストな静止画を残す事も出来ます」

 

「…まぁ、最近のびでおは凄いのね……ふふ、山城は博識ね」

 

◆◆◆

 

…現場から送られてくる映像はまるでディス●バリーチャンネルでやってそうな母なる海を飛び魚が飛ぶ様子をひたすら映している、正直、これでは現場の様子はまったくわからないのだが、小さくタスケテ!やウギャギャー!など悲痛かつ凄惨な音声を拾っているのがなんとも言えないものを感じずにはいられないのだよ…

 

「とりあえず前半戦は大丈夫そうですね」

 

「みたいだな」

 

俺は机の上に置いてある資料を手に取って目を通してみるが………なるほど、後半は連合艦隊で敵は護衛棲水姫とか言うよくわからないヤツか、写真だけ見た印象ではかなりオラついたヤツみたいだが

 

「後半戦も金剛さん達で行く感じですか?」

 

「まぁ、なんやかんや言ったもののヤツらは強いしな」

 

「えぇ、まぁ…」

 

「ふむ…では西村艦隊が戻り次第、せっかくだ、金剛姉妹全員で行くとしようか!!」

 

とりあえず素行と言動に問題はあるがアイツらならやってくれるだろう、後はまぁ…適当に暇そうなヤツにでも声をかけてみるか

 

「とりあえず手元の資料によるとシブヤン海と同じく栗田艦隊の人を使うと有利に立ち回れるらしいですよ」

 

「ふ〜ん、栗田艦隊ねぇ…」

 

「あ、鈴谷さんと熊野さんも栗田艦隊っぽいですよ、ほら」

 

「紙が近い、紙が」

 

五月雨がグイグイと目にTHE栗田艦隊と書かれた資料を押しつけてきたのでそれ手に取ると、たしかに、妙に汚い字で鈴谷・熊野と書かれていた…誰が書いたんだコレ?まぁ、どうでもいいが

 

「まぁアイツらも最近真面目に艦載機の投げ込みやってたし、起用してみるか…」

 

「いいんじゃないですか」

 

◆◆◆

 

レイテ湾、深海レイテ侵攻主力輸送船団…

 

『キヤガッタカ……!バカナヤツラメ!』

 

今回デビュー戦となる深海期待のルーキー、護衛棲水姫、一応軽空母らしく、普段はセンパイである護衛棲姫と共にキモい鳥の世話をしながらいつかロックミュージシャンになる事を夢見ている若者でもある

今回の大事なデビュー戦、大の仲良しであるキモカワいい犬みたいな艤装的なものを連れているが、この犬的な相棒は護衛棲水姫がまだ深海駅前で歌っていた頃、暑い夏の夜は枕になり、寒い冬の夜は危うくルーベ●スの絵の前で死にかけた護衛棲水姫を温めてくれた…

 

『ケズッテアゲルヨォ!スコシズツネェ!ギャハハハハー!』

 

『ヒュー!護衛棲水姫クンオラツイテルゥー!』

 

『初メテでびゅーシタ海域ハ前半戦最終海域!出会ッタソノ日ニ喧嘩デ壊ニサレタ!ろっくジャネーカ!』

 

『ヨッシャ行クゼー!!コノ護衛棲水姫ノろっくハ誰ニモ止メラレネェー!!』

 

満を持して海軍供を迎え撃つべくその姿を現す護衛棲水姫、ここから彼女のレジェンドが始まるのだと力強く踏み出したそのステージに立った、しかし……ッ!!

 

「Booooooo!!」

 

「ブ─────!!」

 

「ブウウゥゥゥゥゥ!!」

 

とりあえず投げ込まれる容赦なき基地航空隊と艦載機のひき逃げアタック!そして無慈悲なるブーイング!!流れる流血に膝を折りそうになった護衛棲水姫に深海チームメイト達が駆け寄った!

 

『護衛棲水姫クン!』

 

『護衛棲水姫クン!』

 

『イ……イクラ撃ッタネェ……無駄ナンダヨォォォォ!!』




次回は②
あの海域には知らない子が2人もいるらしいです、そこを襲撃して滅ぼしてはどうでしょうか?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。