【登場人物】
提督(217)
中佐、なんやかんやで作戦海域はキッチリこなしてる頑張り屋さん
潜水艦ズ
実力派エリート集団、金だけは貯め込んでいる
「俺が許す、殺せ」
どいつもこいつも早く命じてくれよ、楽しみで仕方ないんだとワクワクを隠せない様子でソワソワしている作戦海域開始を告げる恒例の全艦集会、俺はそんな暴れたくて暴れたくて仕方のないおきゃんどもに、シンプルかつ丁寧に今回の作戦海域開幕を宣言すると、どいつもこいつもウヴォーさんみたく雄叫びを上げるナイスガッツ、俺はそんなコイツらを見て、イケる!コイツらとなら…と満足に頷いた
「よぉーし野郎どもォ!革命じゃあーッ!!」
こうして、今期最終戦、捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)が燃える革命の炎と共に開幕した
◆◆◆
「長期休暇ーッ!」
「長期休暇!長期休暇ですってー!」
やる気と気合いに満ち溢れたバカどもとはまた、違った方向に元気いっぱいやる気に満ちたアホな集団、実力派エリート集団、潜水艦どもは待ちに待ったバケーションへの旅立ちにウェイウェイとハシャぎながらトランクに夢と着替えを詰め込んでいた…
「よぉ、クズども、今度はどこに行くんだ?」
「あ、テイトクですって!」
「ウェイ!テイトク!ウェイ!」
いつもの水着を脱ぎ捨て、余所行き用のオシャレな服を着た500と401のアホコンビは相変わらずバカそうにゲラゲラ笑いながらマックス大テンションで俺の両肩をバシバシと叩いた
「今回は近場よ、京都・大阪・神戸のゆるふわ食べ歩きツアー」
「やっぱたまには美味いモン食って女子力充填したいのね」
「…ユーも、楽しみ」
ほぉ、三都物語ですか…若いのになかなか小洒落たツアーをセレクトし無難にまとめてきおったわい、さすがは実力派エリート集団潜水艦、大したヤツらだ…
「まぁ、今回もないとは思うが、もしキサマらの力が必要となった場合は休暇中だろうが食事中だろうが小便中だろうが呼び戻すからな」
「チッ…っせーな、言われなくてもわかってるでちっーの」
「そもそもクズにクズと呼ばれたくありません…」
「ハッハッハ、まぁそう気を悪くしないでくれまたえ、提督は君達を高く評価しているのだよ」
作戦海域時でない時期に、我々の為にどこぞかから資材を集めてくる孤高の狩人達である彼女達サブマリンガールズも、思えば昔に比べて共に働く仲間達が増えたものだ……かつては58と168と19と8っちゃんさんのJETピストンだったが、今や安心安全働き易い職場環境で新人の子もニコニコ笑顔だ
俺はそんなサブマリンガールズ達に、これで何か美味しいものでも食べなさいと一万円札を渡した
「少なっ!テイトク!少ないよ!ガキの小遣いだよ!」
「…14ちゃん、そう言うコト言うのはお姉ちゃんどうかなって…」
「ご…ごめんネーちゃん、ぶ…ぶたないで!ぶたないで!」ガタガタ
イヨティンは怯えながら姉ちゃんに命乞いし、タスケテよ…良い子にするから殺さないで…っ!と呟きながらガタガタと震えていた
「Luigi Torelliだよ!」
「む?君はたしか……ルイジくん」
「ルイはオミヤゲ買ってくるよー」
「ハッハッハ、ルイジくんは良いヤツだな」
俺はルイジにこれでジュースでも飲みたまえと100円を渡すとルイジくんはGrazieー!と言いながらハシャいでいた、イタリア艦はだいたいセリエAのスター選手よりギャングスターに憧れる頭のおかしいヤツだらけだが、このルイジくんは違うらしい…
「ルイ子、そのオッサンすぐ殴るから近寄ったらダメよ、かわいい女の子に腹パンして苦悶に歪む顔を見るのが趣味なアブないヤツなんだから」
「誰がそんなアブない趣味だ」
168はそいつに近寄ったら子供が産めないカラダにされるわとか失礼なコトを言ってルイジくんの手を引いてあっちに行ってなさいと指示を出していると、168のポケットからステ●セキングみたいな顔をしたケータイみたいなヤツがヒョコっと顔を出した
『168、Admiralニソウ言ウ謂レナイれってるヲ付ケルノハ感心シナイナ』
「黙れ、喋るな…………ケータイ電話」
『168、私ハタダノけーたい電話デハナイ、私ノ名ハ7ト…』
「黙れッ!」.
168はポケットから取り出したケータイ電話を壁にブン投げたが、ケータイ電話は手足を伸ばして壁に激突することなくシュタっと着地した
『マッタク…168、けーたいハ投ゲルモノデハナイ』
「だから喋るなっての!ホントやめて!ホント!メールとかマジ読み上げるのとかやめて!あと着信音なんとかして!」
『ワカッタヨ168、君ノ気持チハ受信シタ』
相変わらずすげぇな168のケータイ、略して168ホン、以前、海外で購入したらしいが……いや、さすがは海外製だ、信頼のメイドインジャパンと違ってブッ飛んでいる
「…ま、気ぃつけて行けよ、あと、くれぐれも問題行動起こすなよ、くれぐれも」
◆◆◆
「レイテ沖海戦、後半戦です」
「後半戦か」
作戦期間中は喫煙OKの執務室、しかし喫煙OKと言ったものの人がタバコ吸ってると露骨にイヤな顔をする秘書艦様に気を遣い、とりあえず最近買ってみた加熱式タバコを吸ってみる…
「フーッ〜………マッズいな、コレ」
「マズいんですか?」
「まぁ、マズいっーか、すげークセが強いっーか、慣れるとまぁこれでもいいのかってなるのかもな」
五月雨はそんなものですかと言いつつペットボトルのオレンジジュースをグラスに注いで執務机に置き、ついでに、上から送られてきた今作戦海域の資料みたいな書類を机の上に置いた
「ナニがレイテ沖海戦後編だっーの、次は熱闘編ですかってのな」
「そんな文句は上に言ってくださいよ、上に」
俺は加熱の終わったタバコを捨て、胸ポケからいつものタバコを取り出して火を点けた
「フーッ〜………やっぱ普通が一番だな」
「ケムいんですけど」
「ケムくない、提督だ」
次回は第一海域、パラワン水道/作戦海域!
戦慄!革命軍!