【登場人物】
提督(205)
KENZENな店でKENZENな遊びを楽しむ大人、手は滑る
潜水艦ズ
実力派エリート集団、みんな仲良し
女王陛下と田舎騎士
英国から来た高貴なる御方とちょっと頭が残念で胸元がスカスカな田舎騎士
鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…
軽空母、鳳翔がオーナーを勤めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない
薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だが………今日は実力派エリート集団、潜水艦の新年会の為にこの店は貸し切られており、喫煙所でタバコを吸っていた俺はたまたま通りがかった潜水艦どもに誘われて本日のこの席に同席しているワケだが……
「王様ゲームですってー!」
「ウェイ!王様ゲーム!ウェーイ!」
既にイイ感じにアルコールが入った潜水艦のアホな子達はウェイウェイとテンション高めにゲラゲラと笑い、優しいセンパイから上の口が限界なら下の口からじゃあ!とアルコールを注がれた26は既に緊急搬送が必要な感じでアヘっていた…
「ギャハハハハハ!!オイオイ、こんな若い娘ばかりの席だとオジサン興奮しちゃうなぁ!なぁオイ!おっと…手がスベーったのだよ」
「もー!テイトク超わざとらしいのね!」
「ちょ!膝触んなでち!ブッ殺すぞ!」
まったく!潜水艦は最高だぜ!と言いたい気分なのだよ、まぁ、基本的に潜水艦のアホどもはだいたい水着の露出狂集団なだけあって羞恥と言うのがワリと薄い傾向にある、故に、ちょっと揉むぐらいは笑って済ませられるのだが…
「触らないでください、訴えますよ」
まぁ、中には8っちゃんさんみたいな気難しい娘もいるが、それはそれでイイ…っ!オイオイ8っちゃんさんよ、そんなに見つめないでくれよ、興奮しちゃうじゃないか…
「イイ…っ!」ズギュュュン!
「ちょ…!やめてよオッサン、168達は長い分耐性があるからいいとして、ルイ子とかに変な影響与えるでしょ!」
「ルイ子…?誰だそれ?」
ウチに居たか?そんな変な名前のやつ…?頭を捻って考えていると、なんかキンパツの合法潜水艦みたいなのがヒョコっと顔を出してきた
「Luigi Torelliだよ!」
「あぁ、ルイジくんな、ルイジくん」
そういや居たな、そんな子が…昨年ウチに配属され、実力派エリート集団である潜水艦のセンパイ達に可愛がられてノビノビと成長している頑張り屋さんらしく、その頑張りぶりからSGGK、スーパー・ガンバリ・ゴウホウ・キッズと称されているそうだ…
「テイトクお酒飲むー?ルイが注いであげるよー?」
「おう!悪いなぁ、ガハハハ!コレ少ないけどとっておきたまえ!」
「Grazie!アリガトー!」
「ガハハハハハハ!」
ちなみにこのルイジくん、イタリア潜水艦だが、ドイツから狙われている身らしく、ドイツから来たおっぱい空母から“我が国に来い、お前にはその資格がある”としつこく誘われているらしい…
「テイトクテイトク!王様ゲームしよーぜ!王様ゲーム!」
「ガハハハ!構わんよ、しかし先に言っとくがイヨティン、俺が王になった暁にはイヨティンは少女から大人の女なるやもしれんがなぁ!ガハハハハハハ!」
「ギャハハハハハ!ウケるー!テイトクマジウケるー!」
「…14ちゃん、あまり調子に乗らない方が…」
姉である13ちゃんの心配を他所に、俺とイヨティンは肩を組んでガハガハ笑いつつ王様ゲームに参加するメンバーとテーブルを囲み、テキトーな紙にそれぞれ王の命令を書き箱に入れてゲームの準備をした
「よーし!やるぞー!」
「おー!14エロいコト書いたからねー!」
「ハッ?ケツの青いルーキーが生意気言ってんじゃないでちよ、この海にはオマエ程度のルーキーはゴロゴロいる」
ゲームに参加するのは8っちゃんさんと13ちゃんと新人の400くんを除き、俺、168、58、19、401、26、14、U511と呂500、そしてルイジ…なるほど、これはなかなかアツく、そしてハゲしい戦いになりそうだ、すげーワクワクすっぞと期待に胸を膨らませていると、本日貸し切りの倶楽部HO-SHOWの扉を開き、なにやら闖入者が入店して来た…
「ほぉ………ここが和のIZAKAYA、ホーショーか」
やって来たのは英国から来た赤い髪の女、PRIDE高き弓騎士アークロイヤル…ッ!
「む、そこに居るのはAdmiralと………submarine達ではないか」
「よぉ、騎士サマがこんなトコに何の用だ?」
「オイオイオイ、ここは騎士サマが嗜むみたいな上等な酒はないぜぇーッ!」
「ママぁー!この騎士サマにミルクでも出してやったらどうだい?ギャハハハハハ!」
倶楽部HO-SHOWは風営法に則って営業するKENZENな店である、決して街の荒くれ者達が集まり今日のクエストについてや、勇者の仲間を探しに来る場所ではない…
アークロイヤルは何がわかったのか、ふむふむと手を顎に当てて頷いていた…
「なるほど……これがアレだな、庶民的飲み会と言うヤツだな」
「誰が庶民だ、この田舎騎士が」
「騎士サマも参加するでちか?王様ゲェェェェム?」
「王様ゲーム…?なんだそれは?」
アークロイヤルは実に興味津々と言った感じに潜水艦のバカどもから王様ゲームの簡単な説明を聞き、なるほどなるほど実に庶民的だと頷き、これはまさに庶民文化だなと手をポンと叩いた
「よし!その庶民文化!王様げえむに参加させて頂こう!少し待て、今、女王陛下をお呼びする」
「は?」
「へ?」
「え?」
え…?今、コイツなんて言った…?今、陛下って…?
「女王陛下、こちらで御座います」
「Thanks a lot……突然お邪魔させて頂いてご迷惑ではないかしら?」
陛下ァァァァァァァァ!!!この女!まさかよりによってこの陛下が一番関わり合いになってはならない最低庶民文化の風俗営業店に陛下を連れて来やがったァァァァァァァァ!!
何考えてんだこの残念田舎騎士!アホか!?アホなのか!?本物のアホなのか!?
「女王陛下は日頃から庶民文化に大層興味を持たれているとても立派な御方でな、今日は貴君らに女王陛下を交え、庶民文化的げえむとやらの楽しみ方を教えて欲しい」
田舎騎士ことアークロイヤルはよろしく頼むぞと言ってすげーイイ顔で俺達に親指をグッと上げた
「ちょ!ヤバいって!」ヒソヒソ
「どーすんのよ!?王様ゲームに本物の王様降臨とかシャレになってないじゃん!?」ヒソヒソ
「ヤバいですって!ヤバいですって!」ヒソヒソ
「下手したら潜水艦一族郎党みんな断頭台送りなのね!?」ヒソヒソ
とりあえず、俺達はテーブルで円陣を組んで陛下降臨と言う名の緊急事態についての緊急対策会議を始めた
「落ち着け!みんな落ち着くんだ!cool!そう俺達はcoolだ、こんな時こそ最高のcoolだ!」ヒソヒソ
「そ…そうだね、coolだよ!」ヒソヒソ
「とりあえずアレだ、かしこいオツムのオマエらにもわかっているとは思うが相手はあの陛下だ、いいか?とにかく陛下に楽しんで頂く!いいな?とにかく陛下に楽しんで頂くんだ!」ヒソヒソ
俺達は円陣の中でそれぞれ目配せを完了し、互いに“死ぬなよ…”と言葉ではなく心で理解して円陣を解いてそれぞれのポジションに付いた
「では………」
そしてこの王様ゲーム、実は全員が書いた命令の他にゲームを終了と書かれた紙も入っているエキスパートルールを採用している、これは、ゲームの長期化を防止する狙いで発案されたものだが、まさかここでそのルールが役に立つ日が来るとは…
『王様誰だァァァァァァァァ!!』
まず最初の王は………陛下ッ!!まずは陛下ッ!当たりクジを引いたのは陛下…っ!
「これは当たりですか?」
「はい、当たりで御座います、女王陛下、続いてこちらの箱から命令をお引きください」
残念田舎騎士サマが恭しく陛下に箱を差し出し、陛下はちょっと楽しそうに箱の中をかき回して1枚の紙を取り出して中を開いた
「え〜っと………3番が王様にパイ…?パイビンタ?」
誰だそれ書いたのォォォォォ!!!バカか!?バカなのか!?誰だよ!って19か!19だな!オマエだよオマエ!ナニ目ぇ逸らしてんだテメー!
「ふむ…3番の方はどなたですか?」
陛下はパイビンタに関してよくわかっていないらしく、とりあえず3番の者に挙手を求めた
「お…押忍、に……26です」
26はビクビクと手を挙げ、陛下はではそのパイビンタとやらを私にしてくださいとにこやかに伝えた…
「え…?え…?やる……やるんですか?」
「はい、どうぞ」ニコッ
さらば26………断頭台で会おう、俺達は勇敢なる英雄26に敬礼を送り、26は泣きそうな顔で覚悟を決め、その凶器のようなオパーイを振った
「え…えぇ〜い!ニムニムバーン!」
ベシッ!
「…?」
陛下は何が起こったのか理解できないと言った感じで呆然としている、まさか陛下の高貴なる頰にパイビンタなど初めての経験だろう…
「えっと……終わりですか?」
「は、はい!終わりです!です!」
「なるほど………これがパイビンタ」
陛下は実に興味深いと言って深く頷き、残念田舎騎士はキサマァ!女王陛下にあまりに無礼なー!と吠えていたが、陛下から黙りなさいと言われてシュンとしていた…
続いて第2ラウンド!
『王様誰だァァァァァァァァ!!』
第2ラウンドの王は………陛下!圧倒的陛下!やはり引いてくる、当たりを!当然…っ!王である陛下には当たりを引くことなど当然…っ!
「えっと………王様が1番にガンメン騎乗…?」
誰だァァァァァァァァ!!!バカか!?死にたいのか!?なんでそんなご褒美……もとい、そんなメーレー書いたのは!?168!オマエか!目ぇ逸らしてんじゃねーよ!なんだよオマエ!欲求不満か!あ?欲求不満か!?
「ガンメンキジョー?…よくわかりませんが、1番の方はどなたですか?」
「ろ…ろーちゃんですって……」
さらばろーちゃん、来世では良い出会いを、俺達は無双の勇者ろーちゃんに敬礼を送り、ろーちゃんは泣きそうな顔でソファーに寝転び、陛下にろーちゃんの顔に跨がってくださいと頼んだ
「…いいのかしら?大丈夫?」
「大丈夫です!大丈夫ですって!さぁ!!」
「そ…そう?では……」
陛下のロイヤル顔騎と言う名の一足早い断頭台を受け、ろーちゃんは手足をバタつかせてイッて…いや、逝ったか…
「少し……くすぐったいのね」
陛下はやや曖昧な笑みを浮かべていたが、ご満足頂けたらしくクスクスと笑い、残念田舎騎士はキサマァー!陛下に対してなんたる無礼をーッ!と吠え弓を構えたが、陛下から黙りなさいと言われてシュンとしていた…
そして、続く第3、第4ラウンドも…王様は当たり前のように陛下、ただし、王の命令は王様をニムニムするだの王様から股間を踏まれるだの頭のおかしい命令で、王様をニムニムして逝ったのは19、股間を踏まれて逝ったのは401だった……
そして、ゲームが動いたのは第5ラウンド!!
「王様は………58!58が引いた…っ!王を!」
驚異の運70を誇る絶対女王の強運に競り勝ち、ついに新たな王が誕生した!
「よし!よし…ッ!58!オマエならイケる!引け…っ!引くんだ!」
「頼むよ58サン!」
「…でちセンパイ、ガンバって!」
「フッ、任せるでちよ!」
俺達の期待をその身に背負い!58は王の命令が書かれた箱に手を突っ込んだ!狙うはただ1つ!ゲームを終わらせるゲーム終了のカード!!
「ヘヘッ…このドローは重いぜ!でも58は引く!たとえこの指が、ペッキリ折れようと!!見せてやるでち!58の熱血潜水魂!ドーロ、ドロドロドロドロドロドロドロドロドロ…ドロォオーーーーーーッ!!」
勝った…ッ!!これは完全に58の切り札を引く流れ…ッ!!しかし!
ペッキリッ!!(骨折)
「ウッギャアアアアアア!!折れたァァァァァァァァ!」
「58ァァァァァァァァ!!」
箱の中でペッキリと折れた指で、58は1枚の紙を取り出し、中を開いた…
「に……2番が王様にビンタ……でち」
「2番……あら、私ですね」
陛下は初めての王様以外の役に大変ワクワクしていたらしく、それでは軽く…軽くですよと伝えてから58の頰をペチリと叩き、その…あまりに高貴なロイヤルビンタに潜水艦最大の強運艦、58は逝ってしまった…
「あ…?あ…?」
「そ…そんな58パイセンが…っ!」
「も…もうダメだぁ…もうお終いだぁ…」ガタガタ
か……勝てない!強運!高貴!誰もかなわない…完全にして完璧!強靭にして無敵!唯一無二の絶対なる王!これが究極女王…アルティメット・クイーン!ウォースパイト陛下ァァァァァァァァ!
「王様げえむ………少し戸惑う点もありますが、とても面白いですね」ニコッ
次回から節目の前の連続回、第五特務壊滅編
たぶん全4回!