※今回は深海翻訳機能ONにしてお送りしております
【登場人物】
深海棲艦
人類の天敵にしてこの海を支配する海の王、その目的はよくわかっておらず、人類との来たるべき対話の時を待っているとかいないとか…
人類の天敵ッ!深海棲艦、深く、暗い深海からやって来たと言われている謎多き生物、一説には、ヤツらは母なる青い海を汚す人類に誅を下す為にこの星が産み出した真なる星の守護者なのではないかと囁かれており、深海棲艦もまた天然自然の中から生まれたもの、それを忘れて何が自然の地球の再生だ!そう!共に生き続ける深海棲艦を抹殺しての理想郷など……愚の骨頂!!と提唱する有識者は少なくないとか………
「えー…皆さん、今年も無事、シーズンを終える事ができました、まぁ正確には次月もしくは次々月の冬期作戦にて年間のシーズン終了とはなりますが、まぁそれはそれとしまして、今年も皆さんの元気な顔が欠ける事なく…」
この、どこまでも広く果てない海のどこかにあると噂されている偉大なる航路、その、偉大なる航路のどこかにあると噂されている深海棲艦の棲家、深海秘密基地…
本日の業務内容、深海秘密基地の大掃除を終えた誇り高き深海の戦士達は深海秘密基地内にある深海講堂に集まり、壇上では戦艦水鬼が挨拶を読んでいた…
「うるせぇーぞ引っ込めババア!」
「ババアのくせに偉そうにしてんなババア!」
「もしかして熟れた身体持て余してるんですかー?ギャハハハ!」
集まった深海の仲間達を前に、戦艦水鬼はオイ!今ババアって言ったヤツ後でゼッテー殺すからな!オマエとオマエとオマエ!顔覚えたからなとマジギレ顔で注意し、一つ咳払いをした…
「では最後に、中枢棲姫クンからの御言葉、中枢棲姫クン、どうぞ…」
「………仲間を大切にしないヤツはクズだ」
「ハイ?中枢棲姫クンからのありがたいお言葉でしたー!ハイみんな拍手ーッ!」
パチ…パチ……
深海の誰しもがやっぱ中枢棲姫クンメチャシブいだのメチャクールだよなだの感心しつつ中枢棲姫の言葉に拍手を贈り、アツい感動の涙を流した
「はい、では続きまして今年の危険!深海棲艦ランキングを発表したいと思います、名前を呼ばれたヤツは大きな声でハイ元気です!と返事するよーに」
【緊急企画!危険!深海に潜む超危険深海棲艦ランキング2017!】
「え〜今年、ヒューマンどもを苦しめたと思われる深海の仲間達をランキング形式で表彰するこの企画、見事、ベスト5までに入賞したバ……ヤツは深海マネー金一封と、ハルサメちゃんから深海麻婆春雨のセット、あと浪漫溢れる深海エス●ールより深海ダイヤモンドジュエリーが贈られます」
「ヒューッ!」
「戦艦水鬼クンドテっ腹ーッ!」
「バカ、ドテっ腹じゃねーよ、アレだよアレ、ボテっ腹だよ」
戦艦水鬼の額にピキッ!パキッ!とアオスジが浮んでいたが、戦艦水鬼は大きく息を吐いて耐え、手にした紙を読み上げた…
「はい第5位、衝撃のマエバリスト!北の痴女!北方水姫〜…はいみんな拍手〜」
北方海域を制するダイタン痴女コーデの魔女、北方水姫は壇上に上がり、深海軍五千人将ハルサメから金一封と賞品を受け取ってガッチリとアツい握手をかわした
「おめでとうございます」
「ありがとう…っ!こんな私にアリガトウ…っ!」
「今日はアレですね、なんかワリと普通と言うか…暖かそうと言うか…」
「や、私寒いの超苦手なんで」
ーーー
「はい、じゃ次、第4位、欧州から来た絶対にクッ!しない深海姫騎士、欧州棲姫〜…はい、みんな拍手〜」
この夏、ドーバー海峡沖で海軍のヤツらとアツく!ハゲしい戦いを繰り広げた誇り高き深海の姫にして騎士!その姿まさには戦場に在るだけで仲間達を鼓舞するコト間違いなし…っ!
「おめでとうございます」
「フフッ、馬鹿なの?愚かなの?」
ハルサメから金一封と賞品を受け取り、満足そうにガッチリと握手をかわし、欧州棲姫は手にした深海エク●カリバーを天に掲げて歓声に応えた
「欧州棲姫クン!踏んでくれーッ!」
「罵ってー!その上から目線で罵ってくれー!」
欧州棲姫はハルサメからマイクを借り、アナタ達ってホント最低のクズね!とファンである深海の仲間達に応える、ファンサービスを忘れないその誇り高さやまさに姫にして騎士!略して姫騎士!
ーーー
「はい、第3位〜…深海期待のナマイキなスーパールーキー!The Genius submarine girl!潜水新棲姫〜…はいみんな拍手〜」
今夏!どうせまたあの見かけ倒しオブ見かけ倒しのサンドバッグ姫だろうとタカを括っていた海軍のヤツらをいきなり苦しめた深海期待のスーパールーキー、潜水新棲姫!
「おめでとうございます」
「ヤッタァ!ベイ●レード買おっと!」
性能はプロ真っ青でも見た目は子供、潜水新棲姫は受け取った金一封と賞品にキャッキャとハシャぎ回った
「…そういやあのサンドバッグ最近見ねーな、死んだの?」
「あぁ?アイツなら実家に帰ったよ、実家の深海コンビニでレジ打ってる」
今夏の作戦前、突如として現れた超新星に、今まで深海チームの正レギュラーを務めてきたサンドバッグ姫こと潜水棲姫は当然反発、ナマイキなルーキーにオシオキしてやるぜーッ!とイキってタイマン勝負を挑んだものの惨敗、それはヤバいくらい惨敗、観ていた周りがドン引きするほどの惨敗を喫し、それを機に引退を決意、実家に帰ったそうだ…
ーーー
「はい続いて第2位ですが、第2位はなんと2人います、拍手で迎えてあげてください、先のスリガオ海峡戦で抜群のタッグ力を見せてくれた海峡夜棲姫姉妹と防空うまる…?ナニコレ?埋護?埋護姫って読むの?まぁいいけど、両名で〜す」
しーん…
「…ん?あれ?」
「戦艦水鬼さん、戦艦水鬼さん」
「ナニ?ハルサメちゃん」
「海峡夜棲姉妹さんと防空埋護姫さんはまだ入院中だそうです」
「あ、そうなんだ」
先のスリガオ海峡戦にて、扶桑姉妹とのタッグマッチの激戦によるダメージから緊急入院し、深海ICUに入っていた海峡姉妹だったが今は無事に回復に向かい深海一般病棟に移ったらしい…
しかし、防空埋護姫は未だに深海ICUから出られないらしく、同じく前回致命的なダメージを負った防空棲姫と仲良く並んで深海ICUで眠っている…
「じゃ、これハルサメちゃんにあげよーか?」
「いやいやいや!回復してから渡しましょうよ」
ーーー
「えー………じゃ、栄えある危険深海ランキング第1位はー………キモい鳥!」
拍手と歓声の中、キモい鳥ブリーダーのなんか芋くさい姫の腕に乗ってギィーギィーとキモい声で鳴くキモい鳥が壇上へと上がり、戦艦水鬼はハルサメから受け取った金一封と賞品を芋くさ姫に手渡した
「おめでとう!キモいけど!」
「キモくないです、かわいいです、ほら」
『ギャース!ギャース!』カチカチカチ!
歯をカチカチと鳴らし、翼をバタバタとする新型艦載機ことキモい鳥を見て、戦艦水鬼は“や、普通にキメーわ”と言って微笑んだ
「や、だってフツーにキモいよね?ねぇハルサメちゃん」
「え?あ…まぁ、見た目はちょっとアレですけど」
「クッ!どいつもこいつもヒドいズラ!!………じゃなかった、ヒドいです!」
◇◇◇
深海危険生物ランキング発表も終わり、深海忘年会を兼ねた深海立食パーティーが開催され、新鮮な魚介類や深海焼酎などが振る舞われる会場…
「ちっ、バフおせーっての」
「集ちゃんさん、深海オレンジジュースいりますか?」
「ん?あ〜…そこ置いといてー」
集ちゃんさんこと深海一の深海ネトゲ依存症の集積地棲姫は持ち込んだノートパソコンをカチカチとイジっていた
「あ、WARUSAMEのヤロー!ナニ勝手に落ちてんだ!?バカか!?バカなのか!?ちょ!ヤバいヤバい!回復間に合わねェェェェェ!」
「…楽しそうですなによりですね」
…私の名前は白露型五番艦春雨、深海棲艦に攫われてもうどのくらい経ったでしょうか、最初はきっと助けが来るとか夢見ちゃったりしましたが、ワリとすぐに諦めました
あれから色々あって深海棲艦の勢力争いなどの数々の戦いを経て、平艦から深海百人将に、それからなんやかんやあって深海千人将に、今では深海五千人将にまで取り立てて貰い、深海大将軍への道をひた走っています…
その……なんて言いますか、みなさん、来年は良い年になるといいですね?はい
皆々様、今年もこんなのにお付き合い頂きありがとうございました、謝りたい感じているから感謝です、はい