不健全鎮守府   作:犬魚

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今年もやってきたクリスマス回
前半戦はおとなしめ

【登場人物】

提督(194)
良い子にはご褒美をあげよう…

白露(8)
白露姉妹の長女、地味に器用で、地味にスタイルがよく、地味に可愛い

海風(12)
改白露姉妹の長女、とても器用で、とてもスタイルがよく、とても可愛い


提督とキンキラキンなクリスマス 前編

「っーワケで、今年もキラっとキラめく楽しいクリスマスパーリーを開催します、ささやかではあるが福利厚生費で落とすから酒と料理を楽しんでくれたまえ」

 

それぞれが手にしたグラスを手に、ウェーイ!とアホな学生の如く乾杯してパーリーは幕を開ける…

夢の無いバカな大人達には酒と料理を、夢見るアホなキッズ達にはトイザ●スで仕入れた玩具を、KENZENな基地運営に定評のある当基地である

 

「やったぁ!ベイブ●ードだぁ!!よし!対馬!あっちで遊ぼーぜ!」

 

「新しいカードパックなのです!みんな分けてブードラするのです!」

 

「スゲェ!新しいグローブ……それも軟式じゃなく硬式用だ!」

 

日頃の香取先生から受ける熱血指導の甲斐あってか、クソガキどもはキチンと一列に並び、用意してあったプレゼントを鹿島先生から順番に受け取ってはキャッキャとハシャぎ回っていた…

 

「オイ高雄コラァ…?誰にガンくれてんだ?あ゛?」

 

「あ゛ー?ミョーコぉー…誰に上等クレてんだ?相変わらずサ●エさんみてーな髪型だなオイ」

 

「ア゛?」

 

「ア゛ァ?」

 

…そして、酒の入った勢いもあるだろう、普段から険悪なバカどもがメンチ切りながら腹パンしたり腹パンしたり腹パンしたりして光る吐瀉物を吐き散らしたり、せっかく着飾ったオシャレな一張羅の袖をギザギザにしていたが、まぁ今夜は所謂アレだ、聖なる夜と言うやつなので聖戦の一つや二つ起きるだろう…

 

俺は適当にテーブルに並んだカラアゲなどを皿に乗せ、適当に空いているテーブルを探していると、なんかトゲトゲしい緑の頭がウロウロしているのが目に入ってしまった…

仮にだ、仮にエ●ゲーならここで選択肢が現れ、声をかけるor声をかけないの選択を迫り、前者を選べば好感度UPもしくはルートの為のフラグ回収確実ぅ!後者ならば俺はドイツから来た美しきあの方とのエンディングまっしぐらのルートへと到る事が出来るだろう…ならば、俺が選ぶ選択肢は決まっている

 

「あ、テイトクだ、ナニやってんのー?」

 

「ん?……なんだ白露か」

 

「なんだとはなにさ、なんだとは…」

 

「そのチキン美味そうだな、くれよ」

 

「やだ!自分でとれば?」

 

選択肢を選ぼうとした俺に急襲か……なるほど、そーゆーパターンもあるのか…

プッツン姉妹と定評のある白露姉妹の長女、白露ねーちゃんは骨付きチキンをクッチャクッチャと食べながらアホみたいな顔をしていた

 

「あ、ここ空いてるよ、ここ、座っていいよー」

 

「座って下さいお願いしますだろーが、まぁいい、では失礼して…」

 

俺はアホ面でチキンを食べる白露ねーちゃんが座ったままの椅子を後ろに引き、その柔らかそうな膝に落下による強烈なGで加速させたマッスルヒップを叩きつけた

 

「ウッギャアアアアアア!!違うしぃ!なんで私の膝ぁ!?隣の椅子空いてんじゃーん!!」

 

「なんだ?この椅子…?喋るのか?」

 

「Sか!ドSか!?」

 

「ドSじゃない、提督だ」

 

とりあえず、白露ねーちゃんの膝で屁をこき、俺はスタイリッシュに立ち上がった

 

「クセェ!?サイアク!マジサイアクだよ!なんなの!?私になんか恨みでもあんの!?」

 

「まぁそうエキサイトするなよ白露クゥゥゥゥン、せっかくのクリスマスにカワイイ顔が台無しだゾ?」

 

「うるせぇよ!あー!もうサイアク!」

 

白露はチキンをワイルドにナポ…っとかぶりつき、モニュ…モニュ…と咀嚼し、テーブルに置いたオレンジジュースを飲み干した

 

「ふーっ………まぁいいや、プレゼントちょーだい、プレゼント」

 

「いいぞ、何が欲しい?信頼できる友達か?愛してくれる家族か?」

 

「重すぎる…っ!!や………いらないから、もうちょい普通な感じでいいから」

 

ワガママ美少女、白露ねーちゃんが手を出してほら!なんかくれ!なんかくれよとねだって来た、超うぜぇなコイツ…ちょっと美少女だからってチョーシに乗りやがって

 

「あ、テイトクと……白露姉さん」

 

「む?」

 

「アンタは………海風ェ」

 

俺たちのいるテーブルを通りがかったのは改白露型の姉にして白露型の妹、海風姉ちゃん…

 

「楽しそうですね、あ、江風見ませんでしたか?江風」

 

「赤いのならあっちでカードファイトしてたぞ」

 

「そうですか…またあの子ったらチョーシに乗って」

 

「海風クンもチキンでもどうかね?チキン」

 

俺はテーブルに置いてある皿を指差し、チキンでもどうかねと海風姉ちゃんに勧めると海風姉ちゃんは、あ、いただきますと言ってチキンを何本も皿にひょいひょいと乗せた

 

「ヘイヘイヘイ!海風ェ…そんなにチキンにがっつくなんて随分とYOKUBARIガールじゃなーい?」

 

白露は海風姉ちゃんのチキン盛り皿をここだと言わんばかりに責めた、自分と違い、下の妹達から慕われている海風が気に入らない心の狭さ……なんて心の狭い長女だ

 

「あ、コレは山風や江風や涼風達の分です」.

 

「クッ!!ちょ……長女気取りめッ!」

 

白露はチキンにかぶりつき、小さくファックス!と呟いてオレンジジュースを呷った

 

「まぁそう荒れるな白露ねーちゃんよ」

 

「て…提督」

 

俺はがくりとうなだれる白露の肩に手を置き、笑顔で優しい言葉をかけてやる…

 

「海風ねーちゃんは、希少さ、性能、可愛さ、姉力、おっぱいのデカさ、全ての面でお前を上回る言うなれば新型の長女だ、旧型長女の白露ねーちゃんでは勝てない」

 

「励ませよっ!!!なんでトドメ刺しにくるんだよ!」

 

「バカ言うんじゃないよ、俺は白露ねーちゃんのコト好きだぜ?あと5年したら俺の部屋来な!忘れられない記念日してやるぜ」

 

「うっせバーカ!死ね!死んでしまえ!バーカバーカ!あと、ロリコン!」

 

「誰がロリコンだコラァ!!」




次回は後編、汚い大人回

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